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国を蹴った男
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国を蹴った男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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よく言えば「新しい視点でとらえた戦国マイナー物語」。 悪く言えば「作者の思いこみで人物を動かしたライトノベル」でしょうか…。 どの短編にもそれぞれテーマがあり「そのテーマのために人物が動いている」感がどうしても否めませんでした。つまり作品世界が自然ではないのです。「牢人大将」では「禄をはまない野武士の自由さ」。「戦は算術に…」では「計算が得意なものは人の世の機微が分からない」等々。テーマが前面に出すぎていて鼻につくのです。 でも、「生まれる場所を間違えた男の悲喜劇」として今川氏真を取り上げた表題作は、そのテーマが作品世界に良く溶け込んでいてけっこう楽しめました。でも主人公に「ああいう最期」を迎えさせるというのはテーマ云々とは別に???でした。 | ||||
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人の価値とは他人と同化せず、自分自身の価値観を持ち、それに向かって如何に燃えることが出来るかだと思う。 表題作「国を蹴った男」の今川氏真、「天に唾して」の山上宋二、「牢人大将」の那波無理之介などこの作品に登場する戦国の漢たちは正にそんな価値観を持った者たちである。 他人の人生を評する最近流行りの言葉「勝ち組」「負け組」など如何に空虚な言葉なのかこの作品は読者の心に深々と訴えてくる。 それぞれの登場人物の内面描写の妙が際立つ、読むほどに心に残る傑作短編集。 文体は洗練されていて読みやすい点もお勧めできる。 | ||||
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著者の戦国時代を舞台にした短編は、常に、意外な切り口・心に響く生き方・巧いストーリーに溢れている。 意外な切り口は、長束正家を取り上げた「戦は算術に侯」今川氏真を描いた「国を蹴った男」。 心に響く生き方は、無敵の武田軍の傭兵の生きざまを掘り下げた「牢人大将」、賤ケ岳の戦いのターニングポイントを舞台とした「毒蛾の舞」、天下人・秀吉にへの無謀な一茶人の戦いを鮮やかに描き抜いた「天に唾して」。 巧いストーリーとしては上杉家の内紛への新たな解釈となる「短慮なり名左衛門」となるだろうか。 それと、一般には主役然とした戦国武将をアッサリと脇役に回して、マイナーな主人公のダシにするところも面白い。ややステロな描かれ方もあるが、「戦は算術に侯」と「天に唾して」とでは同時期の秀吉を矛盾することなく描き分けている。特に「戦は算術に侯」では、これまで数多の作品で描かれた、秀吉の人たらしと三成の人間関係の拙さを、長束正家を間にはさむことで、新鮮に楽しめた。 | ||||
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今まで長編小説に比べて短編は読後のカタルシスや満足感が薄いと思っていましたが、本作を読んで誤りだと気づきました。ひとつひとつの短編が長編にひけをとらない読後感を得られます。とりわけ最後の表題作は素晴らしく大満足です。作者には短編小説をきわめてもらいたいです。 | ||||
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牢人大将、戦は算術に候、短慮なり名左衛門、毒蛾の舞、天に唾して、国を蹴った男、からなる短編集。 生か死か、繁栄か滅亡か、そんな戦国時代の「敗れざる者たち」を描いた連作短編集で、著者 伊東潤の得意技、短編小説の切れ味をたっぷり堪能出来る一冊です。 最後の表題作「国を蹴った男」が特に面白かった。戦国武将としては何の魅力もない今川氏真が光り輝く生涯を送った話は最高でした。 | ||||
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