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(短編集)
プラナリア
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プラナリアの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全71件 61~71 4/4ページ
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五つの短編それぞれの主人公が、淡々と描かれている。乳ガンになった女、離婚して突然プーになった女、孤独な主婦、長すぎた春をもてあましてさまよう女、離婚ののち居酒屋をはじめた男。どのキャラクターも、決してかっこよくない。みっともなくも、惨めでもない。物語の一つずつに、まるで誰かのWEB日記をのぞいているようなリアリティがあって、すうっとそこに入り込めてしまう。それでいて、とってもいい具合に読者を裏切ってくれるから、少しも退屈しない。山本さんはうまい。ファンになった。久々に夢中になって読んだ本。 | ||||
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直木賞を受賞したのがとてもよく理解できました。 短編集から成るこの一冊、心に染み入る一冊でした。 人間の心と弱さと葛藤を、ていねいに描いていて、どれもが 現実味と生活感があり、共感できました。 女性だけでなく、男性が主人公の物語もあります。 中年男性が主人公の物語は、とてもよかった。無骨で自己表現が 苦手な男性の、不器用さと人を大事に思う気持ちが 悲しみとせつなさを交えて描かれていて、とても心に残りました。 山本文緒をはじめて読む人は、この本から始めてください! | ||||
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著者の山本文緒は心の描写が鋭い。特に主人公に感情移入して読んでいる訳ではなくても、所々主人公の心情が「自分もこれを感じたことがある」ということを思い出させてくれる。そのせいか、読み終わった後には、誰かに心の中身を打ち明けたあとの様に気持ちが穏やかになったような気がした。そういう意味では新たに自分を見直せる本だと思う。 | ||||
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新聞社のページの著者のインタビューを読んで、手に取りました。 好きな作家が村上春樹、よしもとばなな。では、どんなものを書くんだろうと興味を持ちました。どちらに似るということもなく、独特なカラっとした感じがいいのではないでしょうか。 少し最後がブチっと切れる感じもするのですが、 とりあえず心は落ち着かせてくれる本だと思います。 あ、でも、無職がテーマーとは最後まで気付かずに読んでしまいました。 | ||||
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山本文緒の作品は沢山読んだ。最初は主人公の奇異(?)な性格に驚かされり、涙したりした。しかし、考えるとどの場面の主人公も自分に似てるところがあると思えてきた。「プラナリア」には5人の主人公が登場する。年代も性別も違うが登場人物の感情が痛い程伝わった。読みながら知らぬ間に涙が出た。山本文緒は実に良く、主人公の感情を読者に移入する。正確には私たちが気づいていない部分を私たち知らせてくれるのだろう。私はこの短編集の最後の作品に登場する「すみ江」が好きだ。彼女みたいな部分が自分に欲しいと思った。 | ||||
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文緒さんの作品のなかでも、これはかなり計算されて書かれた話だと思います。ご本人が直木賞を狙って書いたというのもうなずけます。 プラナリアと病気とのつながりにまずはっ!として、その後ひねくれた主人公に感情移入してしまいました。同じような道をたどっていたら、私もこうなってしまっていたかもね、そういう説得力があります。 終わり方も、それなりのオチで、「いい話を読んだ」って思えます。 | ||||
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不器用でひねくれた主人公の気持ちが痛いほどわかります。 プラナリアになりたいというのは、そんな不器用な主人公の唯一の美学だったのかもしれません。 でも、中身は空っぽの美学。 そんなかんじです。 | ||||
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5つの短編集のお話、全てが切なかった。登場人物は20代、30代、40代の人物。男性もいる。全て読み終えて想うのはみんなはたから観たら流されて生きているように見えるかもしれないけど生活、状況の中で、哀しさを抱えてるという事実が共感してしまった。モラルでは枠におさまりきれない、だけど人間としての共感。「プラナリア」では主人公が自分のことを他人に語ることで後で生じる気まずさは他人に語りたい気持ち、その場の他人の気持ちをそれぞれ思いやると自分もこれまで何回か体験してきた気まずさがよみがえり苦しかった。それでも同時代を生きている同世代の人間の苦しさ、つらさを察し、作者の登場人物へ注ぐ優しさが伝わってくるようで自分にとっても救いになるようなせつない嬉しさを感じてしま!った。 | ||||
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すごく不幸ではないけれど、幸せにもなれない。そんな宙ぶらりんな気持ちが身にしみてよく分かった。人間関係のいつでもついて回るわずらわしさ、自分は人に理解されていないという孤独感。これを読んだから何か得られるというわけではないけれど、そう、そうなんだよ、と共感できる爽快さがある。普段は「教養を身につけねば」「これは読んでおかないと恥かしい本だ」と気負って読書している私だが、これは珍しく肩の力を抜いて読める本だった。 | ||||
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読んで何を得るというわけでもなかったけども、フリーターとかの「ちょっと満足しきれない状況の女性」の心のゆれが非常によく表されていました。 「満足してる」「ちゃんとやっている」と思いつつも、「ふっとわびしくなる瞬間」があって、でも、「これが自分の置かれた状況だ」と認識して毎日を送る。 こんな感じです。 何篇かあって、それぞれで立場の違う女の人が出てきますが、それぞれの気持ちがよく出ています。女の人ならではの「釈然としない気持ち」 これを読んで分かってもらえます? | ||||
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5人の主人公は、私とは全く違う環境、状況に置かれていると思うのですが、何故かどこかに共感できるものを感じました。「男なんて全くあてにならない。世間なんて私のこと何にもわかってない」と文句を言う一方で、心の癒しを恋愛に求めてしまったり、自分が自分自身を一番わかっていなかったり。そんな矛盾だらけの自分や理由のわからない憂鬱感。「私何をやってるんだろう・・・」。そんなモヤモヤが良く表現されていて共感できたのだと思います。男性読者にはウケないかもしれませんね。 | ||||
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