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(短編集)

せどり男爵数奇譚



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せどり男爵数奇譚の評価: 4.26/5点 レビュー 43件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.26pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全33件 21~33 2/2ページ
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No.13:
(5pt)

楽しく一気に読んでしまいました。

久しぶりに夢中になって読めた本です。本に興味が沸く一冊です。古書ですが、状態の良い品物でした。
せどり男爵数奇譚 (河出文庫)Amazon書評・レビュー:せどり男爵数奇譚 (河出文庫)より
4309400442
No.12:
(5pt)

すばらしい

こてんのなかにもうもれてしまってよまれなくなっためいさくがある
せどり男爵数奇譚 (河出文庫)Amazon書評・レビュー:せどり男爵数奇譚 (河出文庫)より
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No.11:
(4pt)

全体的に下品です

本好き愛書家ってより、古書収集に憑かれた狂人たちの奇行を綴ったような短編集。

作者は、写真週刊誌の特ダネをスクープするトップ屋、企業小説の先駆者としてかつて有名だった
くらいは知ってましたが、
古本をテーマにしたこの作品でも、女と酒と金が話によく絡みます。

稀覯本は一冊でも欠けると値打ちがグッと落ちることから、全巻揃える必要があるのを、麻雀の役に準えたタイトルをつけてます。
がこの発想も、これもまた大衆週刊誌オヤジ臭が漂うこと漂うこと。

最終話のグロさ下品さはひどいです。・・・今の知名度からすると、語り手の作者の本なんて、あんな装丁する値打ち無いですって(笑)

古書の薀蓄は面白いし、古書をネタにした変わった小説として一読の価値はあるかと思いますが、
本好きな人がなんか小馬鹿にされてる気がしますね・・・。
せどり男爵数奇譚 (河出文庫)Amazon書評・レビュー:せどり男爵数奇譚 (河出文庫)より
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No.10:
(5pt)

書籍好き、古本屋好きは、この本を読むべし!!

書籍好き、古本屋好きは、この本を読むべし!!
せどりとは、古本屋を廻って、並べられている安い本を購入し、全巻セットにするなどの付加価値をつけて高く売ることで、この小説の主人公が、せどりを上手にやる元華族なので、せどり男爵と呼ばれているのだ。
 彼がせどりをやっていくうちに起こったいろいろな出来事が推理小説風に展開していく。その中に古本関連のうんちくをまじえていて面白い。
 少しのエロとグロがまざって、読み手を飽きさせない。
 もう一度言う。書籍好き、古本屋好きは、この本を読むべし!!
せどり男爵数奇譚 (河出文庫)Amazon書評・レビュー:せどり男爵数奇譚 (河出文庫)より
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No.9:
(5pt)

本に取り憑かれた者達の本を追い求める旅

本好きな方なら共感するであろう、せどり男爵と呼ばれる笠井菊哉、
彼は本の魅力に取り憑かれてから53歳迄童貞で稀少本の為なら海外迄出向く程の熱意の持ち主。
そんな彼も凄いのだが彼を取り巻く本に魅了された人達も一癖、二癖もある人間ばかり。
笠井氏を本の虜にさせた南順之介老人との出会いや
蔵書票を剥がした後に書かれたメッセージを解き明かしたり、韓国へ稀少本を探しに出かけたり、
本の為に人殺し迄してしまった者や装丁に人間の皮膚を使う職人の話迄、
端からみればただの本に何そんなに本気になっちゃってるの?と思うかもしれない。
でも本1冊1冊に思いがけない衝撃が詰まっている事は本好きの人間なら解る筈です。
正に本の虫である方に読んでいただきたいです。
せどり男爵数奇譚 (河出文庫)Amazon書評・レビュー:せどり男爵数奇譚 (河出文庫)より
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No.8:
(5pt)

初出は昭和49年上期の 「オール読物」

169頁に「人の牛蒡で法事をする」という例えがでてくるが、これには頭をひねった。

著者は昭和5年(1930)に生れ、45歳で亡くなってしまう、駆け足人生の作家。
広島育ちなので、ひょっとしたら被爆者なのかとおもったがちょっとはっきりしない。

スチュアーデス(そのままの表記です)殺しや、私立大学の教授による教え子殺人並びに
その死、など。実際に起きた事件をアレンジし、非常に面白い読み物に仕立て上げている
著者の手腕に感激する。

また、笠井氏すなわち「男爵」の本業である古書屋のスケールの大きな、世界をまたにかけたハナシ。
スケールが大きすぎて、作り話半分、創作半分とかんがえても、まさに小説より奇なり、
といったところ。

また目次がマージャンの上がり手6種、一例 色模様一気通貫 になっていて、へぇ〜の世界である。

著者自らが主人公となっていて、土木技師だったお父上の、伊豆の土地を見立てる話、
父急逝後、その手による庭の獅子おどしの「哀しい」音を聴くのが嫌で、伊豆をやめて京都に同行した
話など、ワタクシごともまぜあわせた、なかなか情趣深い、それでいて、ホントウに
読みやすい文章で、今は彼に相当する人はいないな〜と感じ入った次第。
もしご存命なら80歳になられる。 あ〜あ、時の経つのは早い。
せどり男爵数奇譚 (河出文庫)Amazon書評・レビュー:せどり男爵数奇譚 (河出文庫)より
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No.7:
(4pt)

古書をめぐる妖しい世界を垣間見ることのできる連作短編集

作家である「私」がひょんなことから知り合ったのは古書店を経営する“せどり男爵”こと笠井菊哉。男爵が語る、古書をめぐる数奇な6つの物語を収めた連作短編集です。

 最近はその意味を知る人も徐々に増え始めた「せどり」という言葉が題名に付されていますが、この短編集が書かれたのは昭和49年。インターネットの登場の遥か前のお話です。
 古書を求める主人公の道程は断然アナログでなんとも懐かしい、足を棒にしての渉猟の旅です。

 この短編集の妙は第一に、本を偏愛する人々の奇妙奇天烈ぶりにあります。書物を愛でるというよりも、目当ての書物を手に入れるためには魂すら売りかねない彼らの行動は時に常軌を逸し、人倫にもとる行為や性的にも妖しい所業へと足を踏み外していきます。
 第6話の、本の装丁をめぐるお話は大変猟奇に満ちていて、「家畜人ヤプー (角川文庫 (2981))」的な読後感を味わうことになるでしょう。

 私も本好きを自認する口ですが、書物への愛情はこの短編集に出てくる人々の足元にも及ばないなという劣等感を抱きつつも、同時にまた、彼らほどの“愛情”を持っていない自分に安堵の心持を覚えたのです。

 そしてこの短編集の第二の魅了は、古書をめぐる知的な数々のトリビアの面白さにあります。
 自分の持っている希覯本の価値を高めるために同じ本を見つけた場合その本を破損するビブリオクラスト(書物破壊症)と呼ばれる人がいる。
 愛書家であるがゆえに、入手困難な本をついつい盗んでしまうビブリオクレプト(盗書狂)の存在。
 印刷ミスのために「汝、姦淫せよ」となってしまった17世紀のバイブル、「姦淫聖書」がある。
 こんな話が短編の中に散りばめられ、同時にそれが物語の核となる事件の重要なカギになっているのです。
 
 めったにお目にかかれない珍しいお話を読ませてもらった。そんな思いが残る一冊でした。
せどり男爵数奇譚 (河出文庫)Amazon書評・レビュー:せどり男爵数奇譚 (河出文庫)より
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No.6:
(5pt)

ぞくぞくするほど面白い連作短篇ミステリー

本を蒐集する魔にとり憑かれた人間の面白くてぞっとする話を、笠井菊哉氏こと、せどり男爵が語っていく形式の短篇が六つ。幻の女ならぬ幻の本を求めて執念の鬼と化した人たちの話の数々。久しぶりに再読したのですが、実にスリリングでぞくぞくさせられる恐さがあって、これはやっぱり面白いなあと堪能させられた次第。話のいくつかは雰囲気のある推理小説の趣があり、「本」という魔物に憑かれた人間を描いた連作短篇ミステリーと言ってもいいでしょうか。
 単なる愛書家というよりも、一線を越えた領域に足を踏み入れてしまった桁外れの蒐集狂たち。彼らの鬼気迫る執念のもの凄さに魅了されました。いや、これがフィクションということは承知して読んでいたはずなんですけどね。読み進めていくうちに、牧逸馬が書いた「世界怪奇実話」でも読んでいるみたいな、事実は小説よりも奇なりとでもいったリアルな感触を覚えて、妙な気分になりました。
 六つの話のなかでは、本の装丁に魅入られた男のことを記した第六話が最も凄かった。初読の時もぞわぞわと鳥肌が立つような恐さを感じましたが、今回も、封印されていたパンドラの箱が開かれていくみたいな恐怖を覚えましたね。「ここより先 怪物領域」の札を、第六話の扉のところにぺたりと貼っておきたくなりました(笑)
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No.5:
(5pt)

摩訶不思議な世界

僕が読んだのは単行本であった。装丁がよかったのか?居並ぶ本の中で何故かこの本が僕を魅了した。読んでくださいと語りかけてきた。手にとって最初の数行を読んだとき、この本の面白さを直感した。古書に取り付かれた男の物語6編だが、摩訶不思議な雰囲気を醸し出している。40年ほど前の作品だと知って驚いた。この作者のことはまったく知らなかったが、すごい作家が居たんだなと認識させられた。近年再出版されているわけだが、なるほどそれだけの価値のある作品である。内容が古書の話だけに本のつくりにもこだわったのか。それが僕の目を惹いた原因であったのであろう。
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No.4:
(5pt)

古書に人生

~古書に限らず、マニアックなものには様々数奇な人生譚がつきまとう。
面白可笑しく、時には歯がゆく物悲しい。
古書蒐集や、その周辺に関わる仕事が止められなくなるのは、そういうものを
引っ括めて魅力となってるからなのかもしれない。
そしてそれがあまりにも過ぎると、犯罪の方に片足(もしくは腰までズブズブと)
浸かってしまう事もあるのだろ~~うが、心の底から憎むことができないのは、「気持ちは分からんでもない」という心理がどこかであるからなんだろう。
この『せどり男爵数奇譚』はそんなことを考えながら読んでしまう本である。
古書が関わってくるストーリーだからといって、話題が古書の蘊蓄だけに終始してる
と思うなかれ。
「古書なんてわかんないし、そういうマニアな世界はとんと~~理解出来ない」という方にも読んで欲しいと思う一冊。
久々にドラマティックに脳を働かせる読書をいたしました。~
せどり男爵数奇譚 (河出文庫)Amazon書評・レビュー:せどり男爵数奇譚 (河出文庫)より
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No.3:
(5pt)

たかが本、されど本。古書の蒐集に憑かれた人たちの物語

世の中に数の多くない、でもある人にとってはお宝のような本。そういう値打ちものの本を蒐集する魅力に取り憑かれ、いつしかその技能を生業とするようになったせどり男爵。「せどり」とは古書業界の用語で、めぼしい本を見つけて、安く買ったその本を他の古書店に転売することを言うのだそうな。そんな異名を持つせどり男爵が、これまでに体験した出来事、彼と同じような書物狂、愛書家の人たちを語っていく話が六つ収められています。
 たかが本、されど本。
 一般の人たちにとってはクズ同然の本が、その道の目利きたち、コレクターたちから見れば、なんとしてでも手に入れたい垂涎の書となるんですねえ。憑かれた人たちの執念が、しばしば狂気的な度合いにまで高まり、善悪の判断さえなくしてしまうところなど、読んでいてぞくぞくしました。
 本書は、「ミステリー通になるための100冊/まずは本の謎」の中で、北村薫さんが取り上げていた一冊(『この文庫が好き!』朝日文芸文庫より)。ずっと気にかかっていた作品でしたが、思い立って読んでみて良かったです。一旦読み始めたら止まらない面白さがあったから。
 殊に、本の装丁をめぐる第六話のインパクトが強烈! 「ここより先、怪物領域」とでもいう、憑かれてしまった人間の妄執に戦慄させられました。
せどり男爵数奇譚 (河出文庫)Amazon書評・レビュー:せどり男爵数奇譚 (河出文庫)より
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No.2:
(5pt)

本好きにはたまらない

小説家がふとしたことで再会した人物は、趣味が昂じて古書店を経営するようになった「せどり男爵」と呼ばれる男であった。その後彼と会うたび、古本をめぐる数奇な物語が次から次へと語られていく。初版本や稀少本に興味がない人でも本好きならこの面白さがわかるに違いない。
この本は著者が亡くなる前年の作品である。古書をめぐる話とはいえ、その中にはサスペンス、恋愛、政治など様々な要素が熟練したタッチで盛り込まれている。個人的には戦争や朝鮮に対する著者の思い入れが印象に残った。
せどり男爵数奇譚 (河出文庫)Amazon書評・レビュー:せどり男爵数奇譚 (河出文庫)より
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No.1:
(5pt)

古書マニアなら解説も見逃せないはず!

作者自身を思わせる「私」がふとしたきっかけで出会った古書収集家、「せどり男爵」によって語られる6つの物語を収めた異色短編集。いずれも、古書業界と古書に魅せられた人々の生き様を描いたもので、滑稽でありながら、どこか哀感を漂わせる物語は、およそ古書マニアとはほど遠い私にも楽しむことができた。初出は「オール読物」で、1974年に単行本として刊行されたものの再刊本だが、特に古さは感じられない。新書サイズをひとまわり大きくしたサイズのハードカバーは実にしゃれており、巻末の出久根達郎氏の解説とともに、本書の魅力をいっそう引き立たせている。ちなみに「せどり」とはなにかというと……、いやいや、それは本書を読んでいただきたい。
せどり男爵数奇譚 (河出文庫)Amazon書評・レビュー:せどり男爵数奇譚 (河出文庫)より
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