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偽証裁判



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【この小説が収録されている参考書籍】
偽証裁判〈上〉 (創元推理文庫)
偽証裁判〈下〉 (創元推理文庫)

偽証裁判の評価: 3.50/5点 レビュー 4件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(4pt)

法廷劇以降は蛇足?!

法廷シーンまでは面白かった。しかしその後、終盤のあたりは、それまでの重厚感もリアリティもすっ飛ばしたドタバタ劇になってしまい、ポカーンという感じでした。
まあそもそも、ヒロインのヘスターが魅力のない共感しづらいキャラクターなのが、このシリーズの最大の欠点だと思います。セイヤーズのハリエットみたいに、作者が自分を投影しすぎなのでは。
辛口のことばかり書きましたが、それでもアン・ペリーの作品は、それなりに読むに耐え、買ったお金を惜しまずに済む程度のクオリティは維持していると思います。
偽証裁判〈下〉 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:偽証裁判〈下〉 (創元推理文庫)より
4488295061
No.1:
(4pt)

まさにタイトルどおり、証人尋問がストーリーの見どころ

本作の邦題が「偽証裁判」とあるとおり、やはり、最も深く印象に残ったのは法廷シーンです。
 
裁判官、弁護人、検察官の振る舞いに加え、傍聴席の様子も、傍聴人が発する咳の音や、衣服がこすれる音、また、速報を急ぐ記者たちの焦りようなど、非常に臨場感があり、自分自身が、実際に傍聴席にいるかのような思いになりました。
 
この裁判で、主人公の看護士「へスター」を被告人として、彼女が有罪か無罪かについて争われます。証言、そして証言に対する尋問、反対尋問といった法廷ミステリのみどころとなるシーンについて、本作でも、弁護側、検察側との対立の中で、しっかりと描かれています。その駆け引きの中から、弁護側が彼女の無実を勝ち取ることができるかどうか、非常に緊迫感があったと思います。

また、スコットランド内の法制度についても、このストーリの展開上、ポイントとなる部分について、うまく補足されており、裁判の状況にリアリティを持たせていたと思います。
 
上述の裁判のシーンは、物語の後半になってからです。前半のうちは、事件の発生から、その事件の背景となる被害者の人柄や、その家族の人間模様について丁寧に描かれています。被害者メアリはスコットランド・エジンバラの名家ファラリン家の女主人であり、その邸宅には、直系の子女だけでなく、その妻、夫もおり、複数の家族が同居しています。一見、豊かで平穏な日々をすごしているように見せつつ、ストーリーが展開していくにつれ、様々な事情があきらかになります。後半では、いかにも、この中から、真犯人が現れそうな、誰も彼もが怪しくなってきます。前半に描かれるファラリン家の人間模様が、この後半の展開に説得力を持たせていたと思います。
 
名家での、どろどろとした人間模様や恩讐を表に出してストーリを展開させつつ、事件の真相は、この名家に秘めた事情を持たせ、これに絶妙に埋め込んでいたと思います。
偽証裁判〈下〉 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:偽証裁判〈下〉 (創元推理文庫)より
4488295061

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