十六歳の闇
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
十六歳の闇の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物語は貴族の子弟が下水で発見されるところから始まる。しかもその少年は梅毒にかかっており、同性愛関係があった。 ここらヘンの書出しだけで、著者の過去を知っている御仁は興味をそそられるであろう。私もその一人ではあったのだが、物語はそのようなデバガメ根性をせせら笑うようにまったく別の完成度の高い出来である。非常に嬉しいことであるのだが。現代人の作家が書く限り、どのように上手くかかれた物語であっても史実の中の人間の心理を描けない。それはそうだと思う。それは本書においても同様で、身分制度の中で、現代人に近い倫理観の主人公たちが苦悩する様が描かれている。ただ彼女の描き方は巧みで、可笑しなことに往時に生きていたコナン・ドイルよりも鮮明に、かつ、細かく身分制度が描かれている。卿はホームズという「天才」を出すことで身分制度の問題を解決しているが、彼女は違う。階級、身分制度はそのままに、ジレンマを残すことでミステリを深くしている。俗にダブルスタンダードなどともいうが、生まれの他に性別による制度まで利用し、単純に「正義」を振りかざすのではなく、身分制度の中を上手く泳ぐことで事件を終局へ導いていく手腕は絶品である。個人的な趣味を言えば、主人公である夫婦に魅力は感じない。 じゃじゃ馬ではねっかえりの妻シャーロットと、熱血漢ではああるがクビになった場合の不安を抱えた夫ピットの組み合わせは面白いが、それ以上の魅力はない。先にも述べたが、私はいかにして身分制度の壁を乗り越えて真相に近つくか、その面白さだけで読んでいるような気がする。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 1件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|