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黒祠の島



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黒祠の島の評価: 3.63/5点 レビュー 92件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.63pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全22件 21~22 2/2ページ
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No.2:
(3pt)

現代の伝奇小説は難しかった?

12国記/ゴーストハントの両シリーズを、最近90年代のベスト10に入れても良いと思うほど買っている読者としては残念な出来です。悪くはないのだけれど。<欠点1>本作は、ある意味で”行方不明のヒロインを探すお話”なんだけど、読者が一人残らずヒロインに恋してしまうような魅力的な仕掛け‥が、どうも弱い。<欠点2>作者は伝記的な因習・黒祀を至極合理的に現代に生き残らせるんだけど、合理的なのが悪いのか、主人公が冷静なせいかしらね?もう一つ怖くないのです。<欠点3>小野氏の出世作、12国記、ゴーストハントは、いずれも今時珍しいビルドゥングス・ロマンの骨格を持っているのだけれど、「東京異聞」初め氏の成人向け諸作には、何かそういう骨太なテーマを感じさせない所がある。因習の”犠牲”になったという怨恨に凝り固まった黒祀の殺人犯と、より自由な生き方を求めるヒロイン、そして探偵と”カイチ”の違いが息詰まる死闘に中で鮮明になる!!!というような お話になったはずなんですけどねえ(^^ゞ。
黒祠の島 (ノン・ノベル)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (ノン・ノベル)より
4396207085
No.1:
(3pt)

題材が面白いだけに惜しいっ!

 志保の存在をもっと生身で見せて欲しかった。『生前』の彼女を読者は追体験出来ないのだから、せめてプロローグにでも登場させて感情移入させやすく仕掛けるべきである。小野不由美ともあろうものが不覚である。物語に厚みがない。だから、こういう薄っぺらい感想しか書けないという言い訳でもあるんですけど(^_^;)。ま、ノベルスだからこんなもんなんだろうなあというのが率直な感想であるな。『黒祠』という面白い題材を引っ張り出したからには、もっと素材を活かすべく時代設定を変えるなりして、『犬神家の一族』に負けず劣らず横溝正史的世界を小野不由美的伝奇風味をミックスしておどろどろしくやろうと思えば出来るのに、そうしなかったのは『屍鬼』でほとほと疲れたからかしらん。まさかね。 編集者の要請なのか、最初から意図して本格モノを書こうとしたのでしょうねえ。ラストで垣間見せたホラーテイストを期待する読者層の方が小野不由美の場合多いように思うのだけれど、動機も結末もそうなるだろうという予想を裏切ることもなく、まさしく本格モノの道をしっかり歩んでくれました(-_-メ)。本格ミステリとしては端正な出来と申しておきましょうか。ゆえに求めるモノが違う我々クセ者系読者には中途半端にしか思えないことをお許し下さいませ(^_^;)。しっかし、まあ多芸な作家よのう>小野不由美。初の試みとしては成功したと言えるのか。パズラーとしてはもう少し虚仮威しがないと弱いかも。ストレートに攻め過ぎて遊びが少ないのは、本格モノを書こうと構えてしまった弊害? 肩の力抜けてないよね~。 登場人物の整理が付いてない分かり辛さ。主要登場人物である女性二人の肉声には全く触れられなかったから、パズルの中核を為すトリックも生きて来ないもどかしさ。もしくは、牛頭馬頭の周辺知識をもう少し蘊蓄満載で読者を衒学趣味で煙に巻いてもよかったのではと思わせる。この辺は経験が物を言う世界ゆえ、こっち方面の作品が続けば解消されるでしょうが、そうそう続くとも思えないし…難しいところでもある(^_^;)。こういう分野のミステリって横溝正史の独壇場だもの。文体に舞台設定の同時代性をしっかり残せる作家の年輪と『おどろどろテイスト』全開で本格モノする作家的資質に関しては、小野不由美にはまだ距離があるように感じたけれど、ファンはそれでも付いてくるのであろうなあ。十二国記からの根強いファンの方々には敵いませんよ、まったく。
黒祠の島 (ノン・ノベル)Amazon書評・レビュー:黒祠の島 (ノン・ノベル)より
4396207085

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