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亡国のゲーム



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亡国のゲームの評価: 3.67/5点 レビュー 6件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

タイミングが悪いし冗長

同著者の「雪の狼」が面白かったので、本書を読むことにした。原題は"Resurrection Day"=「復活の日」=「アル・ワキア」はイスラム教にとってはコーランにも出てくる意味の大きい言葉であるようで、事実、本書のクライマックス章の題は「復活の日」となっている。原著書名が正確に日本語訳されていない本は多いが、大抵は日本語に訳しにくいことに起因し(長すぎるなどもあり)、こんな簡潔かつ重要な原著書名を変えてしまうとは・・・・。正直、意図するところがわからない。
 本書は9・11前に完成されていたそうで、著者は、イスラム原理主義側のアメリカ本土の攻撃方法としてNBC 兵器のいずれも想定していたようである。その中から化学兵器を選択したのは、アメリカではオウム真理教の東京アタックが非常な衝撃をもって報道されたことに、多少なりとも影響を受けているようだ(実際にアメリカ当局は神経ガス攻撃に対する対策を強化したという話もある)。完成後出版前に 9・11が起こってしまい、著者の予見は形を変えて現実のものとなったわけである。これでは、事実を再現したような内容の本書は出版しにくい。著者は作品をシャープに(おそらくは大幅に推敲)して出版にこぎつけたとのことだが、とてもシャープとはいえない内容である。一貫して、愛する無辜のものが殺害されていく不条理と、それに対するやり場の無い悲しみと怒りが背景に横たわっている。前半部分は引き込まれたが、次第に不必要と感じてしまうエピソードの繰り返しが多すぎる気がして途中で飽きてきた。また、あれほど用心深く冷静なアルカイーダの指導者が兵器を1つしか用意していない設定が疑問だ?用意した1つには何重にも万一の場合の危機回避システムが設定されていたのにである。矛盾してはいないか?結局、ただ一つしか無い兵器がみつかったら全て「おじゃん」なのはわかりきってるはず。敵があまりにも切れ者だと、思惑通りに小説が完結しなくなるから、「少し」だけ「まぬけ」になってもらったのだろうか?お粗末すぎる・・・。
 不必要と思われるエピソードを入れすぎて、肝心の敵の設定が甘いとしかいいようが無い。ミードの作品を読もうとお考えの方にはこの作品はお勧めできない。
亡国のゲーム〈上〉 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)Amazon書評・レビュー:亡国のゲーム〈上〉 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)より
4576032143

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