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(短編集)

いま見てはいけない



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【この小説が収録されている参考書籍】
いま見てはいけない (デュ・モーリア傑作集) (創元推理文庫)

いま見てはいけないの評価: 4.23/5点 レビュー 13件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.23pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全11件 1~11 1/1ページ
No.11:
(5pt)

読む手がとまらなくなる面白い短篇集!!

ダフネ・デュ・モーリアの1971年に出版された短篇集。「いま見てはいけない Don't Look Now」は、74年にニコラス・ローグ監督により映画化されている。邦題は「赤い影」。わたしは、映画を先に観ていて、迷宮のようなヴェネチアを舞台にした、怖ろしいゾッとするような傑作だったと記憶している。この原作を読んでみると、驚いたことに映画のイメージそのままに、どんどん物語に引きこまれてしまった。映画はニコラス・ローグの映像センスが色濃く出ている傑作だと思うのだが、かなり原作に忠実な映画化だったのだなと思った。映画にあった濃厚なセックスシーンは原作にはないが、何となく原作の行間からはそれが感じられるような気がする。ここらあたりニコラス・ローグが原作を映像に見事にうつし替えているのがわかる。あと、話がわかっていても面白く読めたので、観てから読むか?読んでから観るか?どちらでもいけるんじゃないかと思う。他の4篇もたいへん面白かった。内容を書くと興をそがれると思うので書かないが、どれも読みはじめたら、話に引っぱりこまれて読む手がとまらなくなる。そして途中からどう話が展開していくのか、どう話に決着をつけるのかわからないまま頁を繰っていく感じ。これ最後どうなるんだろう?という感じ。実に楽しい読書体験でした。結構、怖い話もある。題材は、さまざまだが、どれも人間心理の怖さを描いているようにも思う。ちょっとパトリシア・ハイスミスを思い出した。邦題「第六の力」という話があるのですが、これは第六感というようなタイトルにした方が良かったのではと思った。「シックス・センス」という映画ありましたが、あんな雰囲気・・・?。おお怖ッ!
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No.10:
(5pt)

どれも面白いです

全ての短編がどれもジャンルが違って面白いです おすすめは個人的には十字架の道がいいですね
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No.9:
(5pt)

面白い

女流作家のほうが怖い作品が上手いのか?
ストーリーテラーで、近代的な娘の話なども古臭くなく読める。書かれたお年を考えるとすごい作家さんですね。
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No.8:
(5pt)

ルナマリア

すごくおもしろかったです。同じ作者のほかの作品も読んでみたいです。
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No.7:
(4pt)

一風変わった人間ドラマ

タイトルに惹かれて何の予備知識も無しに見たが、サスペンスやホラーと言うより変わった人間ドラマと取った方が良いかもしれない作品が多かった。
「いま見てはいけない」
直接的で尚且つ不穏なこのタイトルは原題の直訳だが、邦題だと不気味な予感に満ちてるのに「don't look now」だと途端に軽薄で色気が無いものに感じるのは日本人の感覚だろうか。
ヴェネチアに旅行に来た夫婦が霊能力者に「今すぐここを去るよう」に言われるが、妻と違い霊能力者などペテン師としか思って無い夫は不可避の悲劇へ自ら向かって行く。
この作品目当てに読んだのに最後まで読んだ感想はうーん。
実の所、最後に主人公の訪れる悲劇は、ヴェネチアを去らなくては避けられないものではない。場所そのものから去らなくてはいけないと言う事は大災害の前触れかと思ったら・・。
予知能力は曖昧なのがお約束だが、これはちょっと曖昧で大雑把すぎてフェアじゃないと感じた。もうちょっと具体的に注意する対象について言ってくれれば簡単に避けられたレベル。いや、予言抜きにもうちょっと注意して主人公が行動してれば悲劇は回避できたはず。まあ、回避したらお話にならないんだけど、必然性が薄い。
夜のヴェネチアの描写や、ひたひたと不可避の悲劇が近づいてくる様は不気味でよかった分、オチがちょっと残念。
「真夜中になる前に」
何か不可避の悲劇が近づいてると予感させるのはいまみてはいけないと同じだが、予想外の所からガツンと来るのは良かった。
ドラマ性の高いサスペンスと言う印象。
「ボーダーライン」
父が死に際に何を見てしまったのか。それが気になって父の昔の友人に会いに行く女の話だが、自ら死亡フラグに突っ込んでいく女の悲劇を描いたホラーかと思ったらメロドラマだった。悪かったわけではないが、求めてるものと違って拍子抜けした。
「十字架の道」
これは最早全くサスペンス要素が無いが一番好きだったかも。非常にシニカルな視点の人間ドラマで、大人たちの複雑なドラマに囲まれながらもそれに気づかず「残念だなあ、あと二日いられたらよかったのに」と能天気に言う少年の純粋さに人生の可笑しみがある。
「第六の力」
上司の命令でオカルトな研究を行うチームに飛ばされてしまう男が恐るべき研究に協力してしまう事になる。
SFとしては古典的であり、まあタイトルから大体想像できる以上の事はない凡作。
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No.6:
(5pt)

秋の夜長の読書にぴったり

表題作を含め、5つの作品が収められている。パターン化されておらず、ひとつひとついろいろな味わいを楽しむことができる。
どの作品にも一貫しているのは登場人物の心の動きがわかりやすく描かれていて、それがストーリーの展開にもなっていること。自然や街中の風景が丹念に描かれていて映像が目に浮かんでくること。
表題作は映画の原作になっているが、他の作品もきっと映画にしたら面白いものになるだろう。

いずれの作品も普段の生活とは離れた場所での出来事、そこで出会った人をきっかけとする事件である。ギリシャ神話、シェークスピア、聖書が織り込まれている物語もあり、非日常感を浮き立たせている。
また、各作品のタイトルは物語の重要なキーワードとなっていて、語り口はゴシックな雰囲気を漂わせる。畳みかけるようなサスペンスではなく、じっくりと読ませてくれる。秋の夜長の読書にぴったりの短編集と言ってよいだろう。
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No.5:
(5pt)

心にカオスを

『レベッカ』『レイチェル』『鳥』『破局』、そして『いま見てはいけない』。読んだのはこれだけだが、モーリアの作品はどれも期待を裏切らない。読了後に自分の内部に何とも言えない、えも言われぬ精神的あるいは心理的なカオス状態を作り出すのを感じる。もちろん不気味と言えば言えるのだがそれだけでは片付かない、また何ともなまめかしい感覚なのでもある。私が最も愛するのは『レイチェル』だ。悪女か魔女か無垢の聖女なのか、他に類型を見ない実に魅力的な女性である。『レベッカ』は最終的には謎解きがあってその意味では明快な作品だが『レイチェル』は終わって終わらない。その神韻縹渺たる感動が何時までも私の中で消えない、持続している。そういう感覚に照らして『いま見てはいけない』を読了後の頭の中にあらためて漂わせてみると、前4作品に比べて微妙にではあるが想像力が減少しているように感じられる。とは言え私は前4作と比較や評価をする心算はないので、ただそう認識したというだけだ。作品として十分に大いに楽しんだことは言うまでもない。読まないと損をしたことになる作品だと思う。
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No.4:
(5pt)

夢と現実の間で...

彼女の作品は映画で見てから読むようにしていたのですが、それはすでに40年以上も昔のことです。父が映画と文学の好きな人だったので、一緒に見ていました。そして印象深い「レベッカ」はまさに自分の結婚においてもミステリアスなヒロインの気持ちと重なり、何度も見た映画でした。今年になって「赤い影」という映画を見て、(DVD)大昔も見たことがあったけれど原作がダフネ・デュ・モーリアだと知り読みたくなりました。短編集のこの本には他にも興味深い作品があって、すっかり虜になりました。時代を経ても素晴らしい作家だったということがわかります。いま読んでも遜色のない作品です。
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No.3:
(4pt)

ホラーに驚き以外を求めているかたにおすすめ

有名なホラー作家の短編集で、要するに古典ですから、読んでいるうちに何が起こるのかというオチは誰にでもわかると思います。その意味で、驚きはない。
 しかし、登場人物の丁寧な描写が積み上がっていくことによって、それがどういった人物なのかが生々しく浮かび上がってくるみごとさは、他に類のないものです。人が目の前にいて呼吸音まで聞こえるような気がするほど生々しいので、ショックとは全く別の恐怖感、まとわりついてくるような嫌な感じがじっくりせまってきます。
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No.2:
(4pt)

不気味な面白さ

作品の多くが、暗闇や靄の中で進行し、非常に不気味な雰囲気を醸し出しています。
それぞれの短編が、半ばまで、一体何を伝えたいのか、どうやって話を落としたいのかハッキリしないまま、ひたすら不気味さを味わわされながら進行し、突如おとずれる話の終焉に、さらにゾゾっとさせられますが、このおどろおどろしさが、先の見えなさが、むしろ魅力的だったと思います。
短編集を読むときは、目次をみて、一話あたり何ページかな、と先に確認して読む場合もあるかもしれませんが、この作品の場合、目次をチェックせず、各短編の残りページ数を把握しないまま読んだほうが、クライマックスを堪能できるように思います。
各短編に関連性が全くないのも良いと思います。
それぞれのストーリーごとに、異なった新鮮味を感じることができました。
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No.1:
(5pt)

鋭い心理洞察と鮮やかな視覚イメージの芳醇な作品集

収録作品
「いま見てはいけない」
「真夜中になる前に」
「ボーダーライン」
「十字架の道」
「第六の力」

原題 Don't Look Now and Other Stories(原著1971年刊行)
ヴェネチアを舞台に描かれる幻視の鮮やかさと精緻な心理の綾が織り成す物語、その果てに衝撃的な結末が待つ表題作。
ギリシャのクレタ島を旅した教師が巻き込まれる奇妙で凄惨な事件を描いた「真夜中になる前に」のクライマックスにおける視覚的効果の素晴らしさは希有。
「第六の力」は心霊的な要素を扱った一種のSFで異様な緊迫感が味わえる。
父の死を機にアイルランドを訪れた若い女優が直面する人生を揺るがす体験を情感豊かに描く傑作「ボーダーライン」、エルサレム観光ツアーに参加した面々が様々な災難に見舞われるほろ苦い喜劇「十字架の道」などにも顕著な、様々な異国の情景を生き生きと醸し出す筆力も見事という他なく、多様な作風の中に繰り広げられる鋭い心理洞察と息もつかせねストーリーテリングの才能。その余りに芳醇な世界に圧倒される作品集。
表題作とそれを原作としたニコラス・ローグの映画『赤い影』を詳細に比較した山崎まどか氏の解説も非常に興味深い。
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4488206042

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