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ブエノスアイレス午前零時
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ブエノスアイレス午前零時の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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雪深い温泉宿で働く、都会から故郷に戻ってきた男・カザマ。鬱屈したものを抱えながら、毎日同じルーティーンを繰り返す。 その中で、都会の空気をまとってやってくるダンスサークルの、熟年の男女。本来なら未練の残る都会の雰囲気を感じることができるはずなのに、男は嫌悪しか感じない。その象徴が盲目の老女・ミツコ。震えるほどの嫌悪を感じながら、カザマはダンスに誘う。旅館のスタッフだから、というだけではないのだが。 「ブエノスアイレス午前零時」というピアソラの曲が、カザマが感じる閉塞感をさらに助長する。さすがは芥川賞受賞作。 | ||||
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全体的に書き過ぎということがなく、極めて抑制の効いた、乾いた文体で書かれている。特に 屋上 という小説は、作者が意図的に語り手の名前や具体的な来歴を全く書かない。個人的には好きな書き方だった。書かれていない部分について、少し考えたり。そういう楽しみがある。 藤沢さんは わざと書かない。 良くも悪くも 表層の戯れ というものが流行っていた頃の小説である。 | ||||
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第 119 回芥川賞受賞作。 雪深い農村の温泉旅館を舞台に、従業員のカザマと、そこを訪れた盲目の老女ミツコのささやかな交流を描いた作品。痴呆が進んだミツコは、自身の華やかなりし頃、ブエノスアイレスで暮らした往時にいる。旅館のダンスホールで、カザマはミツコとタンゴを踊りながらブエノスアイレスの夢幻を垣間見る ... と簡単にまとめてしまうとこういうお話し。 Uターンで故郷に戻ったカザマは、ひなびた旅館に職を求めた。宿泊客の社交ダンスの相手を務めることに辟易としながらも、殊更不平不満を表すこともせず、淡々と日々を過ごしている。周囲の人々とはどこか冷めた距離感だ。そんなカザマが、横浜で娼婦をしていた70過ぎの老女の手をとりダンスに誘う。 従業員だからでも、同情しているからでもない。その理由は語られないが、東京の広告代理店で働いていたカザマは、今の日常に閉塞感を抱いていたのだろう。カザマの日課である温泉卵づくりにそんな鬱屈した思いが凝縮されているように思える。輝いていた頃に思いを馳せているミツコに、カザマが自身を重ねわせているのかもしれない。 そこはかとない哀しさと美しさを感じる作品である。 | ||||
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第 119 回芥川賞受賞作。 雪深い農村の温泉旅館を舞台に、従業員のカザマと、そこを訪れた盲目の老女ミツコのささやかな交流を描いた作品。痴呆が進んだミツコは、自身の華やかなりし頃、ブエノスアイレスで暮らした往時にいる。旅館のダンスホールで、カザマはミツコとタンゴを踊りながらブエノスアイレスの夢幻を垣間見る ... と簡単にまとめてしまうとこういうお話し。 Uターンで故郷に戻ったカザマは、ひなびた旅館に職を求めた。宿泊客の社交ダンスの相手を務めることに辟易としながらも、殊更不平不満を表すこともせず、淡々と日々を過ごしている。周囲の人々とはどこか冷めた距離感だ。そんなカザマが、横浜で娼婦をしていた70過ぎの老女の手をとりダンスに誘う。 従業員だからでも、同情しているからでもない。その理由は語られないが、東京の広告代理店で働いていたカザマは、今の日常に閉塞感を抱いていたのだろう。カザマの日課である温泉卵づくりにそんな鬱屈した思いが凝縮されているように思える。輝いていた頃に思いを馳せているミツコに、カザマが自身を重ねわせているのかもしれない。 そこはかとない哀しさと美しさを感じる作品である。 | ||||
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第 119 回芥川賞受賞作。 雪深い農村の温泉旅館を舞台に、従業員のカザマと、そこを訪れた盲目の老女ミツコのささやかな交流を描いた作品。 痴呆が進んだミツコは、自身の華やかなりし頃、ブエノスアイレスで暮らした往時にいる。旅館のダンスホールで、カザマはミツコとタンゴを踊りながらブエノスアイレスの夢幻を垣間見る ... と簡単にまとめてしまうとこういうお話し。 Uターンで故郷に戻ったカザマは、ひなびた旅館に職を求めた。宿泊客の社交ダンスの相手を務めることに辟易としながらも、殊更不平不満を表すこともせず、淡々と日々を過ごしている。周囲の人々とはどこか冷めた距離感だ。そんなカザマが、横浜で娼婦をしていた70過ぎの老女の手をとダンスに誘う。 従業員だらでも、同情したからでもない。その理由は語られないが、東京の広告代理店で働いていたカザマは、今の日常に閉塞感を抱いていたのだろう。カザマの日課である温泉卵づくりにそんな鬱屈した思いが凝縮されているように思える。輝いていた頃に思いを馳せているミツコに、カザマが自身を重ねわせているのかもしれない。 そこはかとない哀しさと美しさを感じる作品である。 | ||||
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森田剛さんが演じるというので興味があり購入!劇は見れなかったけど、事らの本でイメージわき楽しく読みました。面白いです。 | ||||
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藤沢周の最高傑作だと、個人的には思っています。是非読んで欲しい。 | ||||
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芥川賞受賞作「ブエノスアイレス午前零時」と「屋上」の2作品を納めた本です。私としては「屋上」のほうが面白かったです。いづれの作品も自分自身の現状に納得していない30代の男性が主人公という共通点があります。そこから抜け出したいという気持ちが、いつの間にか幻想的な世界に引き込んでいくといった流れです。 作品としては面白いと思いますが、作者がこれによって何を訴えたかったのかが今一伝わってこない気がしました。 | ||||
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雪の深い田舎の旅館の疲れた男と、盲目の老嬢の交流。惹かれたのは、文章。題名がとても魅力的なので、それを意識して手に取った人はガッカリするかもしれない。雪国の寂れた温泉宿の、疲れた男と、中年老年の人々が中心の、華やかではない話だからだ。この文章の魅力は、高齢の女性を、上品、かつ官能的に描いた表現にあると思う。このように表現できるのか、と驚いた。彼女は、ここではない、どこかの、例えばブエノスアイレスのような異国の街の空気を、纏って現れる。その風景を、ダンスを通して、男は見るのだ。 | ||||
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