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荒神
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荒神の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全82件 61~80 4/5ページ
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新聞連載だと、挿絵が少なくなってしまい、悲しい思いを何度もしてきましたが、こういう形で挿絵が見られるのは非常に嬉しい事でした。 こうの先生も大好きなので、素晴らしい本でした。 | ||||
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こうの史代さんの大ファンなので、無条件で購入しました。 内容はまだ見終わっていないので、評価はできません。 | ||||
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新聞小説の挿絵は、連載が終わったらどこへ行くのだろう。そうした事情に詳しい友人に尋ねても知らないと言うし、結構いい絵も多いから、もったいないなあ、描いた人が画集でも出さないと、日の目を見ないのだろうか、と思っていた。 原作「荒神」がこうの史代氏の挿絵で連載されているとき、いつかまとめて出して欲しい、という思いは一際強かった。今回、願いが叶ったのは、同じ思いの人が多かったためだろう。そして期待に違わず、私は氏の挿絵の数々を楽しんだ。 絵は美しく彩色され、物語の顛末を魅力的に視覚化する。殺気立った血腥い物語、一種の怪獣小説であるが、氏が描く人物はみな優しい風情をしている。この絵では人間の闇を描ききれないけれど、本作ではちょうどよい毒消しの役割を果たしたと思う。残酷劇画では、私のような読者は引いてしまうだろう。 しかし、宮部みゆき氏の原作を読みたいと思うか、というと少し違う。私は以前「おそろし」という作品を読んで、そのお粗末な展開に呆れた。デビュー当時は好きな作家であったし、文章は恐ろしく上手いけれど、この人は「異形のモノ」を扱う際の約束事がわかっていないのではないか、と思ったのだ。どこからか化け物が現れて悪さをする。勝てるはずのない相手に、何となく攻略の術が見つかって、最後は何とかなる。そんな非現実的な物語にリアルの衣装を着せるには、背景や展開に十分な説得力が必要だ。映像ならば少々の破綻は許せる。戦闘の迫力で魅了する、演技で魅了する、映像美で魅了する。しかし文章ではいけない。本作品にも「おそろし」と同じ気配が漂うように思うのだ。 本書の文章はこうの氏によるもの。原作を読まなくても粗筋がわかるのはありがたい。しかし無難にまとまってはいても、作家の文章ではない。本書はあくまで、絵を見せる本だ。 ならば絵をもっと前面に出して、大判の画集にできなかっただろうか。さぞや素敵な画集になっただろうに。 | ||||
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なかなか面白かったですよ。 ことば足らずな僕の説明ですから、参考にならないでしょうが、思わず一気に読み終えてしまいました。 | ||||
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新聞連載時から楽しみに読んでいた、宮部みゆき「荒神」とこうのさんの挿絵が本になったので、迷わずセット購入。(すみません、書店で。) 「荒神」だけでは気づかないことが、こちらの挿絵で解釈されているので、へーと感心しました。 「やじ」の出自もその一つ。 はじめは、そうよね、そうじゃなきゃ「やじ」の人物設定が意味ないよね、とこうの解釈に拍手!だったのですが、 ?でもそれなら最初から「やじ」が「(和尚様の役割には)おれが代わると言ったのに…」と言ってたとおり、代わることができるわけで、それだけでなく朱音さんのお役目にも代わることができるから、朱音と兄様の葛藤の必然性がなくなるわけで…と悩んだ分、マイナス1です。 こうのさんの絵は好きです。ぼおるぺん古事記もおすすめです。悲惨な場面もやわらかい絵柄でやさしい。 | ||||
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登場人物の相関図を頭に置いて、読み進めないと途中で分からなくなりそうだった。 後半部は、登場人物の個性が面白く描かれて一気に読み進んでしまいました。 ストーリー的には、原点となったものが過去にあったような記憶があって比較しながら 読みました。 | ||||
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隣り合う長津野藩と香山藩は仲が悪い。 国境ではいさかいが絶えないが、両藩とも世継ぎの問題やら、縁組やらで策謀渦巻き、 表沙汰にはしたくないのが本音のところだ。 そんな中、人が入ってはならない「お止め山」に住むという怪物が突然目覚め、村を襲った! 香山藩の小日向直弥はひそかに探索に入り、怪物の正体を見極めようとする。 友愛を説く裏にある欲望と怨念が形となって現れるとしたら、人を判断するのにこんな便利な ことはないのだが、人の心の奥底にあるものは、なかなか外からは分からない。 それぞれが持つ表の顔と裏の顔、仮の姿と真の姿、重要な役割を果たす何人かの描き分けも 見事だが、最後の謎解きもすっきり面白い。 | ||||
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小説『荒神』には新聞連載と違って挿絵がないので、小説『荒神』とセットで読むと大変楽しい。 | ||||
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連載時の挿絵を集めた「荒神絵巻」を手元において読みました。 東北にある反目しあう2つの藩。その境の山から人をくらう怪物が出てきます。 連載時は2つの藩の人々が交錯するので、ときどき混乱していましたが 本になって、地図と人物一覧があるので、読みやすくなっています。 本になって一気に読むと、数日間の話なのだと。。。驚きます。 そして、連載時には消化不良だったエピソードについて 最終の最後に、登場人物から新しい解釈が語られて 連載を読んでいても、驚かされました。 そして 「東北」の人外のものによる災厄となると どうしても3・11を連想してしまいます。 怪物は「津波」というよりは「原発事故」を想起させられます。 物語自体は人々の立ち上がる姿に希望を持って大円段となります。 | ||||
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時は、徳川綱吉公の御代。凡筆であれば珍妙、荒唐無稽に陥り兼ねない、時代物プラス人喰い怪獣という組み合わせにも関わらず、かなり素晴らしい内容に仕上がっています。江戸幕府との絡みも含め、藩内におけるそれぞれの事情、思惑などが、山村における人情が、リアル且つ緻密に描かれています。 しかし、余りにも多くの人が死に過ぎました。どれもが惨たらし過ぎる死に様です。その酸鼻の極みに、畜生腹と忌み嫌われる双子の兄妹の犯した罪のエロティックがあいまって、なんともいえない味を醸し出しています。 そうして最後には、あちこちにばら撒かれてあった幾つもの布石が、見事に綺麗さっぱり収束していく清々しさ。流石は、宮部みゆきと、心底感服致しました。 読後、東北の深山で花の香りを含んだ風に、吹かれてみたくなりました。 | ||||
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今は反目しあうが、元はひとつだった永津野藩と香山藩。ふたつの藩のいがみ合い、お家騒動、逃散・・・。そんなさまざまな問題などあざ笑うかのように怪物は現れた。「生か死か?」人々は怪物に立ち向かおうとするのだが・・・。 神かそれともただの化け物か?山村が一夜にして壊滅する!人々は恐れ慄き逃げ惑う。だが、怪物は容赦しない。命ある者をことごとく襲う。なぜそんな怪物が現れたのか?それは、人がやってはいけないことをしてしまった報いなのか?人の心の中にある憎しみや恐れが形になり、人に牙を剥いたのか?いや、人の人としての奢りが災いを招いてしまったのかもしれない。怪物は絶対に倒さなければならない。もう永津野藩でも香山藩でもない。 「いったいどうやって怪物を倒すのだろうか?」 作者は意外な結末を用意していた。それはほろ苦く哀しいものだった。おのれの運命を静かに受け入れたとき、最後に何を思ったのか?これまでの人生はいったい何だったのか?それを考えると胸が痛い。 遺された人たちは、決して同じ過ちを犯してはならない。いや、彼らは絶対に同じ過ちを繰り返すことはないだろう。それが、逝ってしまった者たちへの供養になると信じているから・・・。 人の心の中に潜むものを余すことなく描いていて、とても読みごたえがあった。つらくむごい場面も多くあったが、読後感は悪くなかった。圧倒的な迫力のある、とても面白い作品だと思う。 | ||||
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宮部さんの小説は、繊細な心理描写によって人物のキャラクターが印象に残る物語が多いと思ってましたが、今回は、ある日突然現れた怪物の戦闘描写シーンが多く、物語もテンポ良く進み、クライマックスに向かって盛り上がる感じは、ジブリのアニメを見ているような感覚でした(絵が頭にハッキリ浮かびます)。 ただ、少し残念だったのは、「皆、よかれと思ってやってきた結果」といいながら、兄様(弾正)だけは例外な印象の強い点です。本来、危険(=怪物)に対して、どう立ち向かうべきか(鎮めて葬る、利用して役立てる)は、立場に応じて様々な考え方や正義感があり、単純には決まらない筈なのに、兄妹の人物としての善悪で決着してしまったように思えました。 | ||||
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連載のときから、こうの史代さんの挿絵が大好きでした。 改めて全部カラーで見ることができて 本当にうれしい!!! 新聞連載時は登場人物が多くって、ときどき混乱していましたが こうやって挿絵をまとまって見ますと きちんと人物がかき分けられているのがわかります。 新聞連載時は点描表現が白黒だけで残念だったのですが カラーで見ると、改めて丁寧に描かれているのが よくわかります。 文章は宮部みゆきさんの原作をもとに こうのさんが書き下ろしています。 コンパクトにまとまった「荒神」の物語。 荒神を読んだかたも、読んでない方にもお勧め!!! | ||||
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私は朝日新聞朝刊の連載小説の時からこの作品を読んでおりました。毎日少しずつしかストーリーが進まず、次はどうなるのだろうかと日々楽しみにしていました。今回拝読して、随分加筆されており、そのおかげで連載の時にはよく分からなかった事が、なるほどそういう事であったかと納得できた部分も多く、加筆が決して蛇足にはなっておりません。いろいろな評価があるようですが、お話としては面白く、私は十分に楽しんで読ませて頂きました。私は単純に、宮部さんは時代劇でゴジラがやりたかったのかなと思っておりましたが、他の方のレビューを拝見して、何かを評することは取りも直さず己の見識を語っているのだなと思い知らされ、他の方の見識に感心し、一方で己の見識の浅さが恥ずかしくなりました…… | ||||
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朝日新聞朝刊に連載されていた時から、毎朝楽しみに拝読しておりました。連載時の挿絵であった時はモノクロが多かったのですが、今回、は総てカラーでの収録になっております。原作小説の「荒神」も一緒に購入したのですが、こうのさんの挿絵が無いと別のお話のように感じてしまいます。私は小説を読んではこちらの挿絵を眺めて楽しませて頂きました。小説版は連載の内容に加筆されており、連載時には語られなかった背景や人々の心情、また登場人物の後日譚に触れるなど、より一層読み応えのあるお話になっております。一方、こちらは挿絵が中心で文章で語られているのは、ほぼあらすじ程度の内容なのですが、にも拘らず読んだ後に悲劇を乗り越えた後の癒しと救いを小説版よりもより一層感じるのは、こうのさんの絵柄と文章の優しさによるものなのだろうと思います。 | ||||
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まぐる口笛に似た内容かと読み始めましたが、 とちゅうから登場人物の愛憎が絡んできて、 ぐいぐい引き込まれます 素材は似たものでしたが、全くちがった仕上がりでした 堪能させていただきました | ||||
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新聞小説として連載されていた宮部みゆきさんの『荒神』 挿絵を描いていたこうの史代さんのすべての絵+αが収録されています。 こうのさんの絵が好きなので毎日楽しみに読んでいました。 その絵がすべて集まるだけでなく描き下ろしもあるってんだから お得感満載です。 挿絵の横に要約した本のあらすじも書いてあるので 小説を読んだことがない人でも楽しめると思います。 要約したあらすじのおかげで小説を読んでわからなかった部分が わかったので良かったと思います。 単行本は置く場所がない、でも文庫化まで待てないという人にはちょうど良いでしょう。 この本に載っている文は蓑吉よりも朱音様の視点の方が多いですね。 なので最後の部分のお話がより一層ギュッと締め付けられました。 | ||||
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優しく合理的な登場人物が多い宮部みゆき、今回は「時代劇」「怪獣小説」です。 「赤影」や「大魔神」のような舞台設定ですが、おそらく宮部さんが、無意識で下敷きにされたのは、宮崎駿の「風の谷のナウシカ」ではないかという印象を持ちました。双子の兄が暴君的権力者で、その責任を感じながら生きる女性主人公の自己犠牲物語。「映画化以前設定のもののけ姫」にも通じます。「怪物」を二つのチームが追いかけて邂逅する構成も「ナウシカ」的。オームの体液、アスベルやクロトワを思い起こすシーンもあります。 宮部みゆき小説の楽しさは、登場人物ひとりひとりの背景を書き込む人物造形の細やかさとリーダビリティにあると思っていますが、今回に限れば、前半でのそれがやや冗長だったように感じられ(はよ、怪物を出せと、若干イライラしました)、最後にまとめて全員分種明かしの感じがチープな推理小説風でした。しかし、それも小説全体のおもしろさから考えるとわずかな瑕疵に過ぎません。 宮部さんのような文壇の中心人物が、こうして既存の枠組みにとらわれないエンターテインメントを発表されることは、非常に意義のあることだと思います。 | ||||
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本書の舞台について、4頁にある地図は、上野と下野の北に延々と広がる陸奥の一番南だよと教えてくれる。 それは、福島県であり、本書が3.11の寓話であること抜きに本書を語ることは出来ないだろう。でも、敢えて会津藩に近いとか、そういうモロ出しにはしない、それが全編を通じてのトーンになっているので、気付かない人には、一気読みできる面白いエンタメで終わるわけだが。 別に、原発の是非とか科学の怖さとか安い月並みな感想を言う必要はないわけだが、宮部みゆきがタイミングとしては3.11後に間を置かずに構想を練り出したことからも、少なくとも彼女が向き合おうとしたもの、描こうとしたものを考えないと、本書の味わいはずいぶんと薄口ジャンクになってしまうだろう。 すでに3.11を題材やテーマとした作品は多くの作家が手掛けているが、ファンタジーや時代小説でも活躍する著者が、3.11や文明論に気圧されることなく、自らの小説世界の上に更なる傑作を描いた点でも本書は読み甲斐があるものと評価したい。 私は本レビューの表題に「何を見出せるのか?」と書きながら、その答えを敢えて書かない。実は、その答えは一つではないどころか、私達の生き方の数だけ答えはあると思えるからだ。ゆっくりと 時には振り返ったり繰り返したりして読むもの、それが本来の長編小説だろう。自分の生き方や読書感を問われる一冊であり、その価値はとても重い。 とりあえず、本来は一つであったものが、対立するまでに二極化すること、そのお互いに普遍的な良い価値と悪い価値が内在していること、二極化がその両者の善意と悪意を巻き込んで増幅すること、などなど3.11モノの中で現代日本論としての指摘としては、東京自叙伝以上に突っ込んだ内容であることはもう少し書評で触れてもいいのではないだろうか。 | ||||
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時は江戸時代、山奥の村を突然異変が襲う。住居は押しつぶされ、村人たちは熱湯を浴びせられたような火傷と異臭のなかで次々と殺戮されていく。このショッキングな冒頭シーンからたちまち物語の中に引き込まれた。 舞台は二つの兄弟藩である。もとは一つであったが分離して、今は敵対関係にある。人物は最初それぞれ無関係に登場して物語が進行し、彼らの身辺で異変の前触れが次々に起きる。場面は人物の視点から描かれるから、彼らの不安や不審、恐怖を読者も共有する。場面は交互に転換して、しだいに異変は形をなしていく。高まっていく謎と緊張感。このあたりのサスペンス感あふれる盛り上げ方はさすがだ。そして、ためにためた緊張感が頂点に達して‥‥。あり得ない世界が現れる。 だが、あり得ないことながら非常なリアル感。CGよりはるかに迫真性のある固唾をのむシーンが延々と展開していく。恐るべき描写力である。 登場人物は最後に一点に収斂して、物語は読者の予想を裏切りつつ希望の余地を残す結末を迎える。 人間の抱く憎しみと愚かさが怪物となり、世界を滅亡の淵へ導く有様が描かれる。同時にそれを打ち破る愛と叡智が人には宿ることも啓示される。作者は、映画『大魔神』から作品のヒントを得たということを書いておられた。エンターテイメントとしての醍醐味を十分味わえて、さらに人間の誰しもが抱える善悪二面性への内省へと読後感は誘う。 | ||||
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