■スポンサードリンク


とっぴんぱらりの風太郎



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

とっぴんぱらりの風太郎の評価: 4.32/5点 レビュー 120件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.32pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全14件 1~14 1/1ページ
No.14:
(3pt)

今回は冗長すぎたかも、ラストは未来に希望を繋いで感動的

作者7作目の小説で、初の時代小説です。それにしても、”しゅららぼん”とか”とっぴんぱらり”とか、よくもまあ毎度ユニークで意表を突いた、しかも適切な擬態語を生み出せるものだと感心します(笑)。

今まで「鴨川ホルモー」「ホルモー六景」「偉大なるしゅららぼん」「プリンセス・トヨトミ」「鹿男あをによし」と読んできましたが、この「風太郎」は唯一、個人的には欠点の方が目に付いてしまった作品です。なので、ここでの評価が高いのにちょっとびっくりしました。
まず、上巻が冗長過ぎると感じました。万城目氏の小説は元々、話が膨らんで長く分厚くなる傾向がありましたが、今回はさらにさらに長くなってしまいました。長いお話は嫌いではないし、自分は読み出したら必ず最後まで読み切る方なのですが、途中で退屈してしまい、上巻の途中で挫折する人が結構いるのでは・・・?と思ってしまいました。下巻までたどりつくとテンポが速くなり、迫力も出てくるのですが。
小説にせよ、エッセイにせよ、万城目氏の文章は大阪人らしいというか、自分で突っ込んで、ボケて、しっかり笑いを取ろうとするサービス精神が旺盛で、それゆえに本筋にはあまり関係のないにぎやかしが多過ぎて、それも文章を長くしている原因かと思います。「しゅららぼん」も「トヨトミ」も長かったですが、このあたりが限界では・・・?「風太郎」は削れる部分が結構あったのではないでしょうか。

また、歴史小説としてはかなり軽いです。若い忍者たちが今時の若者と同じような話し方をするのは愛嬌ですが、風情や威厳はないので、歴史小説ファンには不満かと思います。今時の流されやすく、どちらかといえば優しく不器用でおとなしい若者をそのまま時代劇に放り込んだ感じです。最近よくあるスーパー歌舞伎的な若者が活躍するアクション時代劇と言えばいいでしょうか。ただ、若い読者にはとっつきやすいでしょうし、現在の就職難とか氷河期というキーワードが彼ら忍者にもぴったり当てはまりそうな状況が描かれていて、共感を感じる読者も多いかと思います。

また、格闘や刀戦も多く血みどろのシーンにかなり多くのページが割かれています。スポーツ好きの万城目氏らしく、アクション・シーンはなかなか迫力があるのですが、このあたりは好き嫌いがあるというか、格闘技に興味のない自分には延々と続く、殴ったら殴られて、切られそうになり、切って・・という場面はかなり退屈で、途中で飛ばし読みしてしまいました。元々この世のものではなかった因心居士が妖術で風太郎にからんでくる場面も多くありますが、ラストに向かって、もうあちらの世界へとっくに旅立ったはずの因心居士が、風太郎危機一髪の時には必ず何度も現れて彼を救う場面では、もう登場は終わったんじゃなかったの?そんなに都合よくいくのはちょっと・・と感じてしまいました。その種のご都合主義もいくつか見受けられ、いまひとつでした。

また、この作品の中では、ひょうたんが重要な役割を果たします。ちょうどエッセイの「ザ・万字固め」を読んでいたところで、万城目氏がひょんなことからひょうたん栽培にはまってしまい、子供のこともかまわなくなって「自分はひょうたん未亡人」だと奥さんに苦情を言われるほどだったことが描かれていました。なるほど、先にこれがあって、それでひょうたんが「風太郎」に取り入れられたんだなと、なんだかおかしかったです。この作品の中で、ひょうたん栽培や加工についてやけに詳しいのはそのためです。

ラストは、この作者にはめずらしくハッピーエンドとは言えません。戦いのむなしさや意味もなく死んでしまう多くの人たちが描かれます。ただ、はるかな未来に先を繋げていて、そのあたりはとてもうまいです。舞台は「プリンセス・トヨトミ」とほぼ同じ場所、そして1600年代のこの頃から、「プリンセス・トヨトミ」の現代まで、その間400年あまりの年月と、その中で生きて逝ったたくさんの人々、それら悠久の時間が感じられて感動的です。そう、大坂は人々の間で、脈々と継承されてきたのですね。

個人的には現代ものの方がうまいのではと思いました。まだ兵庫や和歌山も残ってますし、「しゅららぼん」や「トヨトミ」のような関西ものもまた書いてほしいです。「ホルモー」も続編がある的な終わり方をしていましたよね。期待しています。
とっぴんぱらりの風太郎 上 (文春文庫 ま 24-5)Amazon書評・レビュー:とっぴんぱらりの風太郎 上 (文春文庫 ま 24-5)より
4167906899
No.13:
(3pt)

侮るなかれ

タイトルのトボけた様子をイメージしていると、見事に裏切られます。戦国の世の非情な感覚にちょっと戦慄します。
とっぴんぱらりの風太郎 下 ((文春文庫))Amazon書評・レビュー:とっぴんぱらりの風太郎 下 ((文春文庫))より
4167906902
No.12:
(3pt)

万城目作品の中では異色作なの? ふーん、そうなのか

これが万城目作品で初めて読んだ作品。おもしろかった。
しかし、冷静になってみるとどうもよく分からんとこがあるな。
よいところはキャラの個性。文章。終わり方(賛否両論であるようだけど、これこそがこの小説のいいところだと思ってる)。

ちょい、ネタバレする。

「采女様」とあるから忍者の統領は女なんだと思ってたよ。
こいつが男だと分かるのが3/4過ぎたあたり、準主役級のキャラの重要な告白によって。
読者をミスリードさせる理由がどこにもないのに、なんでこんな命名したんだ?
これ、「采女様」が男だと想像して読み進めた人、いるのか?
レビューに誰も書いてないけど、誰も何も違和感なかったの???
作者は遊び心がある小説を多く書いているらしいが、本作のはただの悪ふざけに思う。

別に瑕疵をあげつらうために小説を読んでいるわけではない。
この小説にしたって、対決のシーンが長いなー、とは感じたけどそんなのには目をつぶったっていい。
おもしろかった。だからこそ奇をてらうことはしてほしくない。
正面切った真摯な小説を万城目学には望む。ハードボイルドもありかも。
そっちのほうが向いてるような気がする。
とっぴんぱらりの風太郎Amazon書評・レビュー:とっぴんぱらりの風太郎より
4163825002
No.11:
(3pt)

とにかく分厚さにビックリ

かなり前に新刊の紹介としてテレビで「分厚いけどおもしろい」と言っていたので買っておいたもの。ずっと読まないで置いてあったので今回ようやく読みました。
とにかく分厚いので一気読みは無理。ただ後半150ページに入って一気読みです。この著者は人気あるんですかね?特に他の作品は知らないし,読んでないので。歴史上のある事実を核にした創作なんでしょうが,初めから終わりまで読んでみて,結局「?」でした。忍者の話なんでしょうが結末が「これでいいの。終わり?」という感想です。ただ,登場している主人公・風太郎を含め個性的な登場人物に引き込まれるような表現には脱帽です。上手い。著者の力量なんでしょうね・・・
付けるなら歴史上のファンタジーですかね。1週間ほど時間をかけて読むには最適です。感想文を書く1冊にはならないとおもいます。(あくまでも個人の感想です)魅力的な登場人物を読みたいという人にはどうぞ!
とっぴんぱらりの風太郎Amazon書評・レビュー:とっぴんぱらりの風太郎より
4163825002
No.10:
(3pt)

まあまあ 面白いが..

万城目 さんなので期待はしてたが...
まあまあかなと言うところです
とっぴんぱらりの風太郎Amazon書評・レビュー:とっぴんぱらりの風太郎より
4163825002
No.9:
(3pt)

哀しい小説

期待が大きすぎたのかもしれません。読後に哀しい物語だと分かりました。爽快な本を読みたい気分の時にチョイスしたのが良くなかったのかも。週刊誌に掲載されていただけあって、少しずつ読み進めても飽きなかったです。
とっぴんぱらりの風太郎Amazon書評・レビュー:とっぴんぱらりの風太郎より
4163825002
No.8:
(3pt)

もの足りない進行構成。

この作者の著書は初めてだ、キャラクターは豊富だかあまり興味ある活躍しない。
忍者物に新しい境地を開こうとした作者の気持ちだけ先行、のんべんだらりの風太郎になってしまった、
もう少し活殺場面に主人公を使いたかった。物語の構成も悪い。ぐんぐんと先に興味を抱かせ読み継がせる力不足。
2、3日かけページ半ばでダウン。お蔵入り。
とっぴんぱらりの風太郎Amazon書評・レビュー:とっぴんぱらりの風太郎より
4163825002
No.7:
(3pt)

あと一歩。でも万城目ファンは必読書。

万城目ワールドのピースが、また埋まりました。 万城目さんの小説を順に読んでいる人にはお勧めですが、はじめて読む人には、本作を単独でよんで面白いかは、疑問。 ボリュームのわりに。 他作に比べて、ちょっと残念なところです。 前半でだいたい結末が、予測できてしまったところは、もう一捻りともうワンピースの穴埋めがほしかったところ。 でも、次作に期待を繋げる一作です。
とっぴんぱらりの風太郎Amazon書評・レビュー:とっぴんぱらりの風太郎より
4163825002
No.6:
(3pt)

うーん

登場人物達が自らの意志で進むべき道を選び、命を懸けてゆく姿には心を動かされましたが。。。

個人的意見ですが、万城目ファンが期待するのはこうした結末ではないと思います。

奇想天外なファンタジーの世界が楽しめて、笑えて、泣けて、爽やかな読後感を味わえる。それが万城目学の真骨頂ではないでしょうか?

新境地と言われればその通り。ただ今後こうした作品が続くなら、私はファンであり続ける自信が持てません。
とっぴんぱらりの風太郎Amazon書評・レビュー:とっぴんぱらりの風太郎より
4163825002
No.5:
(3pt)

プリンセストヨトミに繋がる物語

ラストまでが長かったです。
自分自身を見失って、まさにプー太郎状態の風太郎。
「おい、しっかりしろよ!風太郎!!」と何度思ったことか。
ネタばれになりますので詳しくは書きませんが、「こうなっちゃったかぁ・・・」と衝撃のラストでした。
何とも、その後が気になる物語。
続きは数百年後が舞台の「プリンセストヨトミ」で。
個人的にはひょうたん栽培よりも風太郎とひさご様の絡みがもっと読みたかったです。
とっぴんぱらりの風太郎Amazon書評・レビュー:とっぴんぱらりの風太郎より
4163825002
No.4:
(3pt)

ラジオで聞いて

ラジオで聞いて買いました。まあ、ゆっくりと読ませていただきます。
とっぴんぱらりの風太郎Amazon書評・レビュー:とっぴんぱらりの風太郎より
4163825002
No.3:
(3pt)

とっぴんぱらりの風太郎

風太郎の考察が意表をついた。
次はどうなるのか。何を考えるのかドキドキしながら読んだ。
とっぴんぱらりの風太郎Amazon書評・レビュー:とっぴんぱらりの風太郎より
4163825002
No.2:
(3pt)

哀しい運命

哀しい運命を背負った者たちの話です。笑いどころはあまりありません。真面目に書かれた時代小説+ファンタジー。万城目が得意とする分野でしょうね。
舞台は京都に大阪。土地勘がある人や万城目、森見作品を好きな方には、現れる過去と現在の風景が交差し違った面からも楽しめると思います。

己の運命を受け入れ覚悟する姿には涙させられます。ただ、いささか冗長。五章、六章までは、あまり読む手が進まず。
ひょうたんの育てかた云々。万城目ファン以外にはなんのこっちゃ分かりますまいて。

でも、以前、映画化された『プリンセストヨトミ』に比べれば良作です。この作品こそ映画化するべきでしょう。コンパクトにまとめた方が伝わりやすいこともあると思います。
とっぴんぱらりの風太郎Amazon書評・レビュー:とっぴんぱらりの風太郎より
4163825002
No.1:
(3pt)

話の焦点を絞り込んだ方がよかったのでは

『週刊文春』で約二年に渡り連載された作品の書籍化.700ページを超える大作になります.

きっかけとなる出来事を回想で語り,気になる言葉や人の名前を織り交ぜての一章は,
いかにも始まりといった空気が漂い,これから先への広がりを期待させられ好印象です.
以降も,連載作品によくある都度都度での説明がないため,気持ちよく読み進められます.

また,忍び,そして描かれる時代のせいか,生きること,死ぬことへの描写がかなり多く,
これまでの著者の作品に多く見られた,明るさや楽しさといった要素はほとんどないものの,
ただの生き死にだけでなく,忍び,人,己,意識を深めていく主人公の姿は魅力的に映ります.

そのせいか,お得意のケレン味ある部分が,本作では時にマイナスとなってしまっており,
シリアスな終盤での『登場』も都合がよいだけでなく,雰囲気的にも気になってしまいます.
ボリュームがある分,こちらが動けばあちらが…と,ほかが置かれ気味になるのも引っ掛かり,
いっそ忍びのみに焦点を絞り込んだ,もうちょっとスマートな物語でもよかったように思います.

とはいえ,クライマックスではページを繰る手が止まらず,アツい生き様や温かいやり取り,
繰り返される興奮と緊張を経ての結末には,胸が締め付けられ,何とも言えぬ思いが残ります.

そして多くによって繋がれた『命』は,小さいながらも物語を象徴するとても大きなもの.
悲しくも散っていった忍びたちも,わずかの時間ではありましたが,しっかりと生きて輝き,
その立場上,本来は残してはいけないその存在を,強く,そして深々と読み手に刻み込みます.
とっぴんぱらりの風太郎Amazon書評・レビュー:とっぴんぱらりの風太郎より
4163825002

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!