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(短編集)

中井英夫全集1



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【この小説が収録されている参考書籍】
中井英夫全集〈1〉虚無への供物 (創元ライブラリ)

中井英夫全集1の評価: 4.14/5点 レビュー 28件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.14pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全20件 1~20 1/1ページ
No.20:
(4pt)

状態よし

他人に貸したら返って来なかったから
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No.19:
(5pt)

夢野、小栗と並ぶ日本三大奇書

三大奇書のうち、一番読み易いです。体力は要るけどね。
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No.18:
(4pt)

面白い!

読みにくくはないですが素人探偵が入れ替わり立ち代わり推理を披露するという奇抜な展開にはびっくり。高木彬光先生の能面殺人事件の後半にも通じる流れでもあり面白かった。しかし古今の名作のネタが出てくるので初級者よりはある程度ミステリーを読み込んだ読者向けかも。
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No.17:
(5pt)

飛び立つ凶鳥

「漆黒の翼に乗せて反世界へと飛翔する」
当時の講談社文庫版の素晴らしいキャッチコピーが懐かしい。
中井氏の回想録によると長年あたためてきた類いの作品ではなく
一瞬の啓示的閃きから短期間で書き上げた作品だという。
久生十蘭氏への傾倒からここかしこに久生作品の影響が感じられる。
洞爺丸事故、大量虐殺というモチーフに氷沼家のヒヌママーダーを
絡めた推理小説の形式をとっているが、推理小説というより探偵小説の変型、
いわば幻想文学。
推理合戦はパロディ的描写も多く、特に出だしなどは江戸川乱歩氏の指摘のように
「冗談小説」のような雰囲気もある。
大長編ではあるが文体は比較的読みやすく、衒学に彩られた独特のムードは
他では得ることができない。
全編を読み終えると異界へ誘うような不思議な充足感に満たされる。
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No.16:
(5pt)

レトロな雰囲気。

日本三大奇書と言われている作品のひとつですが、「そうかな?」というのが感想。
確かに多少読みにくいかもしれませんが、私は飽きずに楽しく読みました。
”実際は知らないけど、なんとなく知っているような”銃後の時代の雰囲気が満載で、しばしタイムトリップした感じも味わえます。
そして登場人物の造形が、全員とてもきちんと描き分けられていて、それも魅力的。
相手を「ユウ」、自分を「ミイ」と呼ぶ藤木田老のような人は、今の10代20代の方には想像もつかない人物だと思いますw
分厚いので、本読みさんでないとなかなか厳しいかもしれませんが、手に取ったら最後まで読んでくださいね。
この謎めいた物語の真実に辿り着くには、それしか方法がありませんから。
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No.15:
(4pt)

面白い

おかげで寝不足。今世紀になっても繰り返される、洞爺丸事故にも似た、無責任な人々による無意味な死。誰もが少しずつ人間を遠ざかり、犯罪者になってゆく…。本作から半世紀を経て、現代人はさらに罪深くなっている。眠い頭でぼんやりとそのようなことを考えた。
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No.14:
(5pt)

満足です♪

この古めかしい表紙のものが欲しくて、今回購入させて頂きました。事前情報に偽りなく、安心しました♪
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No.13:
(5pt)

むずい!

かなり根気よく読まないと意味が分かりませんが、根気よく読んでもわかりませんでした!
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No.12:
(5pt)

大好きな本です。

読みたい本でしたが近くに販売店がなく。 購入してもとても良かったです。
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No.11:
(5pt)

時代はこの一冊の書物に到達するために存在していた

作者自身が「アンチ・ミステリー」と位置付けただけのことはあり、その形式は推理小説の姿をかりつつも、実態は深遠な幻想への入り口だ。

どれだけ推理小説を読みなれた者でも、薔薇と不動とシャンソンに彩られ、同時に呪われたこの物語を読み進めるうちに、虚実の間に落下していくことを避けることはできないだろう。

序盤から中盤にかけて読み進めていくうち、我々の住む現実世界ではアリエナイことが、この作品の中では何もかもがアリエルことだと認識してしまっている自分に気づく。そして何度も繰り返される反転、反転・・・

そうなったなら、あなたはもうこの作品の虜となり、中井英夫=塔昌夫という人物によって捧げられた、一つの時代への大いなる供物を目にすることを避けられない。

そして読み終わった後にはぜひ、読む前にこの本自体に漂っていた雰囲気、ウワサから想像した性質、おどろおどろしい装丁に抱いた不安と恐怖がどのように変わったかに気づいてほしい。

その確かな読了感こそが、今度は我々読者に捧げられた供物なのではないだろうか。
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No.10:
(5pt)

きらめくキャラクターの饗宴

推理小説としての出来栄えもさることながら、
登場人物の魅力が冴えています。

白せきの美貌の蒼司、可愛らしい美少年の藍ちゃん、
白痴めいた美貌のおキミちゃん、
小生意気でお喋りだけどおしゃれな久生、
粋なのかユーモラスなのか分からない藤木田老…。
みずからを『黄色い部屋の謎』の名探偵ルレタビーユにたとえる牟礼田俊夫。
胴間声の関西弁が憎めない八田皓吉。

特に気に入っているエピソードは、
まったく本筋と関係の無いように思える
鴻巣玄次の生い立ちです。

絵描きになりたくて、でも厳しい親のもとでは夢を叶えられなくて…
ついに罪を犯してしまう彼の悲痛な思いが胸に沁みました。

このように、本筋と絡まないところでも、この小説はすみずみまで魅力にあふれています。

ちなみに、わたしはあまりにも久生のファッションの描写が素敵なので
中井英夫さん(塔晶夫さん)は女性ではないかと疑ったくらいです。
本当は男性の方で、久生のファッションについては
女性のお弟子さんからアドバイスを受けていたと聴いて納得しました。
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No.9:
(5pt)

エヴァは虚無である

神戸の震災、オウム事件が起きた当時、読み返した。初読のときは、ピンとこなかった部分がグッと迫ってきた。ああそういうことなのかと。
 それから数年後、『新世紀エヴァンゲリオン』の劇場版が公開されて、見終わったあと、「あ、エヴァは『虚無への供物』なんだな」とおもった。

 エヴァは、絵空事である映画(アニメ)に熱狂するファンに冷や水をかけた。同時に『虚無』は絵空事であるミステリに熱狂するファンに冷や水をかけた。二つの作品に共通しているのは、作品として作り込みが半端でないこと・・・でありながら、作品のテーマがそのジャンルを崩壊させかねないものを持っている点にある。

 そういう意味では、『虚無』が発表されて時点で、ミステリは終焉し、「エヴァ』のあとにアニメは終焉するはずだった。

 しかし、いまだにミステリもアニメもジャンルとして存在しているし、自分自身『虚無』や「エヴァ』を通過したはずなのに、相変わらずミステリやアニメが好きだったりする。

 この問題はいまだ不明だ。なぜある種の人間には現実より架空の出来事にリアルティ(現実感)を感じてしまうのだろう。
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No.8:
(5pt)

色褪せない妖しさ

登場人物の会話で成り立っているので、読まずにはいられないし、真剣に読んでいると振り回されてしまう。この手法にはやられました。後書きを読むと、三島由紀夫をモデルにした人物も登場していることがわかります(名前を発音すると母音が一緒)。また美輪明宏を参考にしたのではないかと思われる人物もいます。ゲイバー、シャンソン、ファッション等日本の戦後復興の時代を彷彿をさせるものであふれています。それが作者の色彩描写とマッチして、目の前にありありと想像できます。しかも今読んでも一向に色あせない。また、単なる推理小説というよりも、社会批判もしています。個人の殺人は罪になるのに、政府推奨の毒入り流通米はなぜ罰せられないのかという疑問や、目の前で死んでいるひとを写真にとってマスコミに流すという人間の無神経さなどは、現代の食の偽装問題や秋葉原通り魔事件にも通じています。しかもそれらは特定の人の問題ではなく、私たち一人一人がどこかで関わり、同じことをやりかねないとも作者は言っています。「いまの時代では、とにかく、ぼくたちは何かに変わりつつあるのかも知れないね。人間じゃない何者かに。一部分ずつ犯罪者の要素を持った生物というか・・・。」というセリフはそういう意味でとてもリアルです。人間は過去から学ばねばならないのにいつまでも同じ過ちを繰り返している愚かさを感じました。そしてこの小説のどこか妖しい美しさに惑わされてがんじがらめになっている自分も・・・。
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No.7:
(5pt)

意味という病に囚われて

アンチミステリーと評される本作は、いかなる意味で「アンチ」なのだろうか?それは「探偵」という存在の「不可能性」と「不可避性」を暴ききったという意味で「アンチ」なのだと私は考える。最後に明かされる真犯人の動機が、純文学的すぎる、リアリティがなさすぎると感じる人は、もう一度最初から本書を読み直してみるといい。ザ・ヒヌマ・マーダー・ケースの前後に起きた、現実の悲劇的な事件に対する、陰鬱で執拗な列挙は、作者の超越者の視点からの描写ではなく、犯人の心象風景であったことを再確認できるはずである。この犯人は「意味という病に囚われた」人間ではない、なぜなら「意味という病に囚われた」存在こそが「人間」なのだから。アームチェアーズ・ディテクティブが殺人事件の推理を楽しげに戦わせる時、彼らは人命をおもちゃにする腐ったディレッタントなのかもしれないが、同時に現実に生起する残忍な事件を理解可能なものへと変換するために、認識の枠組みを酷使する、存在の不安におびえる存在なのである。本書で明らかにされるのは、犯人と探偵、犯行と謎解きが実は同じ「意味という病に囚われている」ことをはじめて明らかにした記念碑的な作品である。
「そりゃ昔の小説の名探偵ならね、犯人が好きなだけ殺人をしてしまってから、やおら神のごとき名推理を働かすのが常道でしょうけれど、それはもう二十年も前のモードよ。あたしぐらいに良心的な探偵は、とても殺人まで待ってられないの。事件の起こる前に関係者の状況と心理とをききあつめて、放っておけばこれこれの殺人が行われるはずだったという、未来の犯人と被害者と、その方法と動機まで詳しく指摘しちゃおうという試み・・・」奈々村久生
PS:どうでもいいことだが奈々村久生のキャラ、エヴァのアスカ・ラングレーそっくりで驚いた。似てるだけだと思うけど、頭に浮かんでしょうがなかったw
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No.6:
(5pt)

反推理小説?!

この作品は、“四大奇書”のひとつに数えられる、中井英夫唯一の長編推理小説です。発表時は搭晶夫という名義で出されました。やたらと文学的な表現で紹介されているので、難解な本なのかと思っていたのですが、覚悟していたほど読みにくくはなく、大いに楽しめました。文学的な推理小説の味わいと、ユーモアミステリの味わいと、怪奇幻想小説の味わいを強引にミックスしたような作風で、そこがこの本に分類を許さない独自の輝きを与えています。
一連の変死事件に対して複数の登場人物が推理合戦を試みるという趣向はバークリーの『毒入りチョコレート事件』を思わせます。しかし、本作では更に、変死事件が終わった後ではなく起きる前から推理合戦が始まっている点や、ある人の推理に他の人が反論する根拠が「そのトリックはノックスの十戒に違反しているからダメ」というようなとんでもないものである点など、とても風変わりな推理合戦となっています。いわゆる新本格派が盛んに試みているメタ本格的な視点を1964年に早くも提示していたという恐ろしい作品です。
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No.5:
(5pt)

日本ミステリの最高峰、エベレスト。この作品より上はない。読まずに死ねるか!

故中井英夫氏は生涯で唯一のミステリでミステリの全てをやってのけてしまった。
話の主軸となるのは、一応4つも出てくる密室と意表をつくアリバイ・トリックである。これだけでも十分凄いが更に圧倒されるのはその間に展開される眩暈を起こしそうな絢爛たるペダントリーの世界である。この作品に影響され、模倣した作品も数多いがあまり話には関係のない、作者が自分の知識をひけらかしているだけのものが殆どである。しかしこの作品は次元が違う。一見荒唐無稽なペダントリーが事実に基づいたものであり、実にわかり易く描かれその断片が見事結末に集約する。文章も練り練られてうまい。
ミステリであることを忘れてしまうような思わず笑ってしまう描写も数あり、作品の長さを感じさせない。どこかに妙な親近感を抱かさせれ、青春小説ともとれそうな雰囲気さえある。
また生き生きとした登場人物達もこの作品の大きな魅力である。殺人事件がありながら登場人物のキャラクターと卓越した文章力でもって話の残虐性はあまり感じられずこの大作は一気に読めてしまうだろう。
多分ミステリビギナーでもすんなり受け入れられそうなところがこれまた脅威である。
中井氏の作品は他にも読んだが物凄い筆力を持った本当に凄い人だったと思う。
とにかく読むしかない。
私はこの作品を読破したした後、暫くは他のミステリはつまらくてしかたなかった。
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No.4:
(5pt)

虚無への供物という本物

真にオリジナルな作品は、不可思議な、誰の意表をも突くような稀有な偶然の組み合わせから生まれるのだろう。例えば、樋口一葉が生きた台東区竜泉や、日暮里、浅草といった東京の下町に、コルクの密室に閉じこもって生涯を一つの作品の完成だけに捧げた同性愛者プルーストの感性を持ち、おのれの「天才」を自覚した者が、時代の虚無をより深い自身の虚無と重ね合わせながら、長い雌伏の年月を生きたとしたら---。「虚無への供物」は、そんな創造の道を辿った稀有な作品であり、本物のオリジナルである。
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No.3:
(5pt)

最高峰

好き嫌いはあるにしても、日本の探偵小説を語る上で、はずすことのできない一冊。その後の推理小説に大きな影響を与えている。
なお、本書と並んで論じられることの多い「黒死館殺人事件」(小栗虫太郎)「ドグラマグラ」(夢野久作)と比べて圧倒的に読みやすい。
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No.2:
(5pt)

捧ゲル

「黒死館殺人事件」「ドグラ・マグラ」「匣の中の失楽」と並ぶ。四大アンチミステリの一つ。
凄いなあ、凄いなあ。めくるめく。色彩。反転。溶暗。
探偵小説という枠組みに対して、付かず離れず、弄び、愛しつつ。
四十年くらい前の作品なのに全然古くない。やっぱミステリはいい。
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No.1:
(5pt)

長編推理の傑作

日本の長編推理は数多くあるが、この作品は間違い無くベスト10に入ると思う。この本には推理,探偵小説の楽しさが、いっぱい詰まっている。読み返したくなる数少ない推理小説の一つ。
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