昭和29年の洞爺丸沈没事故で両親を失った蒼司・紅司兄弟、従弟の藍司らのいる氷沼家に、さらなる不幸が襲う。

昭和十年一月、書下し自費出版。狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に著者の思想、知識を集大成する。

黒死館の当主降矢木算哲博士の自殺後、屋敷住人を血腥い連続殺人事件が襲う。

推理小説マニアの大学生・曳間が、密室で殺害された。しかも仲間が書いている小説の予言通りに。

他人を寄せつけず奥深い山で芸術家たちが創作に没頭する木更村に迷い込んだまま、マリアが戻ってこない。

まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。

石に鳥の絵を描く不思議な男に河原で出会った青年は、微睡むうち鳥と男たちについての六つの夢を見る―。

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。

夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。

一柳家の当主賢蔵の婚礼を終えた深夜、人々は悲鳴と琴の音を聞いた。新床に血まみれの新郎新婦。

書簡体形式を用いた独自の文体で読者を幻惑させる、唯一無二の怪奇探偵小説の名手・夢野久作。

怪奇探偵小説作家の中で最も比類のない魅力に富んだ作家のデビュー作「完全犯罪」を始めとして代表的短篇を収録した一冊。

本巻には、鬼才小栗虫太郎の創造した名探偵法水麟太郎ものの代表作、「後光殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」「オフェリヤ殺し」そして無論のこと、わが国探偵小説中最大の奇書とも評される大長編『黒死館殺人事件』に、小栗探偵小説の出発点ともいうべき「完全犯罪」を加

本巻には、鬼才小栗虫太郎の創造した名探偵法水麟太郎ものの代表作、「後光殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」「オフェリヤ殺し」そして無論のこと、わが国探偵小説中最大の奇書とも評される大長編『黒死館殺人事件』に、小栗探偵小説の出発点ともいうべき「完全犯罪」を加

毒殺事件の容疑者椿元子爵が失踪して以来、椿家に次々と惨劇が起こる。自殺他殺を交え七人の命が奪われた。

本巻には、鬼才小栗虫太郎の創造した名探偵法水麟太郎ものの代表作、「後光殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」「オフェリヤ殺し」そして無論のこと、わが国探偵小説中最大の奇書とも評される大長編『黒死館殺人事件』に、小栗探偵小説の出発点ともいうべき「完全犯罪」を加

戦国の頃、三千両の黄金を携えた若武者が、七人の近習を従えてこの村に落ちのびた。

文明開化の明治新世相のなかで、次々と起きる謎の奇怪な事件。

岡山と兵庫の県境、四方を山に囲まれた鬼首村。この地に昔から伝わる手毬唄が、次々と奇怪な事件を引き起こす。

信州財界一の巨頭、犬神財閥の創始者犬神佐兵衛は、血で血を洗う葛藤を予期したかのような条件を課した遺言状を残して他界した。

染みだらけの彼の背中を、私はなめる。腹の皺の間に、汗で湿った脇に、足の裏に、舌を這わせる。

巨大な鉄骨を手に街を徘徊するアイドルの都市伝説、鋼人七瀬。

衆人監視の白木の箱の中から突如消えた“人形の首”。

『黒死館殺人事件』で有名な博覧強記の名探偵・法水麟太郎。

鮎川哲也の戦後本格の出発点となった里程標的名作。綿密な校訂と著者の加筆訂正による決定版。

探偵小説を愛し、戦争中は仲間と犯人当てゲームに興じた安吾。

18世紀英国。

“人間ならぬ何か奇妙に悲しい生物”三島由紀夫への痛恨の鎮魂曲、江戸川乱歩ら異端と幻想の作家への限りないオマージュ、『黒鳥の旅もしくは幻想庭園』『ケンタウロスの嘆き』『地下を旅して』三冊のエッセイ集を初の文庫化。

囲碁界では有名な老舗旅館で発生した怪死事件。

LeRomand’unTricheur. ――その邦題「とらんぷ譚」に魅せられたことばの錬金術師中井英夫が、十年を費やした連作「幻想博物館」「悪夢の骨牌」（泉鏡花賞受賞）「人外境通信」「真珠母の匣」を一冊に集成した。

インパール戦線から帰還した男は、銃で妻と情夫を撃ち、出所後、小豆相場で成功。北の果ての海に程近い「司祭館」に住みつく。

日本陸軍参謀本部で孤独に綴られていた稀有の戦中日記『彼方より』と、待望していた敗戦の日に立ち会うことなくいきなり戦後に放りだされ、小説とひとの愛をひたすらに求め続けた苦い彷徨の記録『黒鳥館戦後日記』『続・黒鳥館戦後日記』、全三冊を収録。

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。

1974年にヨーロッパへ取材した薔薇と香りの虚用書『薔薇幻視』『香りへの旅』を一巻に収録。

紅一点会員のマリアが提供した“余りに推理研的な”夏休み―旅費稼ぎのバイトに憂き身をやつし、江神部長以下三名、宝捜しパズルに挑むべく赴いた南海の孤島。

密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。

古神家の令嬢八千代に舞い込んだ【我、近く汝のもとに赴きて結婚せん】という奇妙な手紙と佝僂の写真は陰惨な殺人事件の発端であった。

日常的な人間世界を超え、あるいは離脱して、幻視者たちが存在する。彼らが視るものは反地上的な夢、濃密な幻想である。

乱歩、澁澤龍彦も絶讃した、本邦三大ミステリのひとつ『黒死館殺人事件』の小栗虫太郎、もう一方の代表作。

この世ならぬ美への憧れ、だがこの地上にその希いを適える術はあらかじめ失われているのだ…。

夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々―江神部長や有栖川有栖らの一行を、予想だにしない事態が待ち構えていた。

戦時中のミッションスクール。図書館の本の中にまぎれて、ひっそり置かれた美しいノート。

遠い十二月の夜、失われた金貨は一羽の黒鳥によって鮮かに呑みこまれた…。

首なし死体、密室、蘇る、死者、見立て殺人……。

ちょっとヘルシンキへ行くので留守を頼む―。そんな置き手紙を残し、御手洗潔は日本を去った。

大学に顔を見せない江神を追って信州入りした英都大学推理研の面々は、女王が統べる〈城〉で連続殺人事件に遭遇する。

野村絹枝の背中に蠢く大蛇の刺青。

弟・襾鈴の失踪と死の謎を追って地図にない異郷の村に潜入した兄・珂允。襲いかかる鴉の大群。

瀬戸内海に浮ぶ獄門島-南北朝の時代、海賊が基地としていたこの島に、悪夢のような連続殺人事件が起こった。

アメリカはニューイングランド地方の田舎町、トゥームズヴィル。

傲岸不遜で超人的推理力の探偵・メルカトル鮎。教師殺人の容疑者はメフィスト学園の一年生、二十人。

精神病院を退院して三日後に出会った男に、贅沢な旅を約束され、パリにやって来たマチコ。

なぜ、それが“物語・歴史”だったのだろうか―。

ここに扱われている薔薇は、おおむね狂気と死との彩りであって、その香りは苦く、色彩はむしろ幻覚に近い。

異常な寒波のなか、私は少女の家へと車を走らせた。地球規模の気候変動により、氷が全世界を覆いつくそうとしていた。