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ハーモニー
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ハーモニーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全198件 121~140 7/10ページ
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登場する女性たちが強くて賢くてステキでした。思春期の感受性の豊かな女の子たちが、ひねくれながらも生き生き描かれて、病床で書いたとは思えないほどです。 | ||||
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この作品は国籍をえらぶ。 日本人にはよくわかる作品だ。 日本は空気に支配され、状況が維持されることを至上とする。 責任者不在のなか、半ば自動化されたように、 秩序が維持されて行く。これを息苦しく感じる人もいるだろう。 そのメタファーが、生府社会だ。 それをぶっ壊したいと思うのもよくわかる。 ただし、現在まさに紛争の最中、 明日の食事もエネルギーもない地域で生きている人から見ると、 「意志」不在のまま自動的に秩序が維持されていくなんて、「??」 だろう。妥当な行動だけでは殺されるのがオチ。 秩序とは、エントロピー増大の法則を引き合いに出すまでもなく、 磨耗し、古臭くなり、いずれ崩壊するようにできているのだ。 不断の努力で、なんとか保っている。 空気を読むことだって、 よく考えると血の滲むような努力だ。 だって、自分のなかの正しさではなく、 全体の中での一番の王道となる解を推測して行動するなんて。 どれだけの努力だろうか。 日本社会の閉塞的秩序の暗部が様々なメタファーとなって表現されており、 なんかムシャクシャしてた 思春期に読んだら毒性の強かっただろう作品。 | ||||
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このハーモニーは全体の文章にある仕掛けが施されていてプログラミングに詳しくない自分は最初ページをめくったときは ん?となりましたがどんどん読み進めて最後になると あ!あの不思議な〇〇はそういうことだったのか!と感心しました。 内容としては虐殺器官より未来の世界ということであの物語の結末から色々あって結局人類は、世界は、こうなったのか…というある種の心地良い納得がありました。とにかく面白くて先が気になってしかたありませんでした。 あと虐殺器官から先に読んだほうがいいと思います。虐殺器官よりハーモニーのほうが評価が高いような気がしますが個人的に虐殺器官のほうが好きです。 残念なのはこのハーモニーの続きが読めないこと、伊藤計劃さんの新作が読めないことだけです。 | ||||
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内容について過大評価と言われることもありますが、職人的な優れた小説だと思います。 | ||||
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本書がフィリップ・K・ディック特別賞受賞作品と知り、興味を覚え購入して読んでみました。争いも無く不快な経験もしない徹底的に管理された近未来のユートピアを描いています。病気もほとんどなく、あとは老衰で死ぬのみ。空気を読みあって生活し、周りは皆同じような人ばかり。 ある意味、天国なのかもしれません。しかし本当にそれでいいのか? そこから劇的な展開を経て、結末へと一気に読ませます。人間の意識とは? 自由意志とは? そういった哲学的な問題も扱った、深みのあるSF小説です。 文中の所々にHTMLタグのようなものがあり、面白い文体の試みだなと思ったのですが、結末でその理由が明かされ、なるほどと感心しました。ラストのひねりもいいですが、文章中に散見される薀蓄や見識なども、著者の教養の高さを伺えます。鬼籍に入ってしまったのは残念でなりません。 | ||||
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あれ?文字化け?と思ってアマゾンと早川文庫さんに慌ててメールしてしまいましたが、文庫でも同じように書かれているとのことです。 その部分も含めてとても面白いSFです。 | ||||
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ワタイが持っているのは文庫版ではなく、大きい方ですが。さて、虐殺器官をとあるサイトで勧める方がいらして、読んでみたのが本作、ハーモニーを読むきっかけになりました。 トアンとミャハ。未来に生きる日本の女子高生。ただただ社会に従属して生きることを強いられている世界。倫理観、食生活、健康、そして個人。全てが社会システムの歯車として、地球で人類が生き延びる術、あるいは資源として生かされている。 人類が健全に生きて種を保存していくという、善意をもとに作りあげられたであろう社会。その社会に対して、トアンはミャハとの出会いによって、個人と社会のズレを感じてしまう。物語はそうして始まる。 ミャハの壮絶な過去や、トアンの人間らしく生きようとあがく行動。二人のバランスを保つため腐心していたキアン。その全てが生々しく物悲しい。 ラストシーンに至るクライマックスは、ドロドロしていくのになぜか清涼感をともなっていて、一気に物語は収束します。そして何度も読みたくなってしまう作品です。 振り返って現代日本。善意という建前で、様々にイビツな法案がドンドン出されている現状と照らし合わせてみて、ああ、伊藤計劃氏の描く世界は、確かに現在とつながっていると感じもしました。 ちなみに大きい本の表紙デザインの方が好きですね、ワタイは。 | ||||
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人類の進化の先に、というよりは、人類の文明社会の先にはどのような到達点があるか、というシュミレーションは、SFのテーマとしては新しいものでは無いのだろうと思う(SFの読書量が多くないので推測)けれど。 単純に展開は面白かったし、キャラクターもわりと魅力的と言えるし、読んで良かった。 明言されてはないけど虐殺器官の続きなんだろう、まとめて読んだのでより世界観を強く感じられた気がする。 現時点の疑問としてはもし天変地異などで意思を持つ必要が出てきたらどうするのだろう。という事だけど、脳が変質するのかヴィクトリア湖の生態系みたく絶滅するのか、それでまた別の話がかけそう。物語というのは別の物語を生むものなのだな、と人によっては当たり前の認識かもしれない事を意識した作品でもあった。 読後この作者の世界の別の物語が読みたくなったので、読めないのは残念だ。 | ||||
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時代が追いつかないうちに、 気になるならすぐに読むべし。 大満足でした。 | ||||
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「全て」が「全て」に公開され続けている世界。日本。(社会・世界) そこには既存の「個人情報保護」「プライバシーの権利」という概念が覆された価値観を提示し、物語は進む。 人は常に管理・統制・制御される。そしてコミュニティ(構成員:一般の人)はスムーズにそれを受け入れ、日々の生活を「極めて健康的で文化的」に送る。半永久的に…。 そこには生や死の充足を感じる事さえ無い究極の「社会福祉」が存在している。一つの理想郷。ユートピア。 それは構成員による「調和」であり個人や社会の「ハーモニー」(調和) 伊藤計劃さんが描いた物語を読んでいて、個人的には非常によく理解出来たし 内心(いや…。もうこれは行き着くとこまで行ってしまったんじゃないか!?) とかなりの衝撃を受けました。 「虐殺器官」「MetalGearSolid Guns of the Patriots」は読んでいたけれど 何故かなかなか読み出す事が出来なかった今作。 きっかけは伊藤計劃さんの最後の物語となった遺作「屍者の帝国」(伊藤計劃×円城塔)をつい先日ふらりと寄った本屋さんで偶然見つけたこと。 「屍者の帝国」はいつかちゃんと読もうと思って楽しみにしていた作品。(まだ読んでません) しかし、ここまで順当に読み進めて来たのに「ハーモニー」だけがまだ残っている!という事態に。笑 実際に店頭で「ハーモニー」を見かけたり、手にすると分かると思いますが 装丁がいたってシンプル! 前には「フィリップ・K・ディック賞 特別賞受賞」と赤い文字 後ろを見るとごくごく簡素なあらすじがほんの少しあるだけ…。 でも中身はしっかり骨太作品で登場人物の名前がなかなか難しい!笑 これは酷い! なんとなく難しそうで敬遠する人が後を絶たない!笑 (個人的には伊藤計劃さんの著書の装丁はどれもお洒落で大変好きですが…) 学校や会社で誰しもが一度は味わうであろう“その場の空気を読め”という「空気感」 これは極めて日本人的なセンスであり、備えてしまっている皮膚感覚。 そんな閉塞的で窒息しそうな空気感を見事に言語化し物語として昇華させた作品がここにはあります。 この作品に出逢えて良かったです。 ようやく私も呼吸が出来るようになりました。 計劃さん、ありがとう。 初版 2010年12月10日 印刷 同年 12月15日 発行 | ||||
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SFは星新一とディックくらいしか読んだことないのですが、これはとても楽しめました。 物語が収斂していく仮定もよく練られているなと感じました。 確かに惜しい作家だったんだなぁと遅ればせながら感じます。 こういう作品はBook offでなくて、きっちり新刊を買うべし、と思います。 | ||||
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科学技術が発展し、常時体内のナノマシーンにより疾病が駆逐された未来の物語です。 難しいカタカナ語が多く出てきますが、まぁこの辺はなんとなく理解できる範囲です。 前作ほどドラスティックな展開が無いため、割と内容は平坦ですが、それでも興味を尽かさずに最後まで読み進める事ができました。 読み進めるうち、この作品が前作「虐殺器官」の世界とリンクしていることが分かり、さらに引き込まれました。 淡々としていながらどこか皮肉的である特徴的な文章と、それでいながら情景を鮮やかに想像させる筆者の文章力は流石です。 前作がお好きなかたならば、きっと気に入ると思います。 | ||||
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「虐殺器官」を読んで、これを読んで、その次に、「ニューロマンサー」読んで、その次に、フィリップ・K・ディック「フロリクス8から来た友人」を読みました。「ハーモニー」は、「虐殺器官」のイメージとは違うけど、続編とはいえ、まったく別の作品とみると、かなりすごいと思います。たまたま、次に「フロリクス8から来た友人」を読んだわけですが、「フロリクス8」の最後の、なんともよくわからないような、喪失感の漂うような、終わり方と、この「ハーモニー」の終わり方が、よく似ているような感じがします。でも、ぱくった、とか、ぱくってない、とかではなく、この作品では、この終わり方が、一番ふさわしいのだなとかんじます。 | ||||
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虐殺器官の後、混乱のおさまった世界の話。 体内にインストールしたシステムにより、病気をしらない世界。 その代わり、体にとって有害とされるもの全てが排除された世界。 そこから、先に、人類にとっての進化をめぐる少女の記憶。 単体でも楽しめるけれど、虐殺器官を先に読むとより楽しめるとおもいます。 | ||||
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アマゾン検索では出てこない。見つけ次第購入すべし 検索エンジンの情報操作。みんな気をつけるべし。 | ||||
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本作の前に読んだのは、斎藤貴男・鈴木邦夫・森達也の鼎談「言論自滅列島」。「言論〜」で3人が語っていた2000年代前半の危惧を、伊藤計劃がノベライズした。そんな気がした。 管理されることを世の中が自ら選んでいる。「言論〜」でそんな発言があった。 本作では<大災禍>をきっかけとしながらも、システムによる制御・調和を通して皆が皆を管理する、緩やかな安定的健康社会(=管理社会)が描かれる。 災厄の回避→自然に対するコントロール→人工の優位→動物性の否定→「わたし」の放棄→幸福 そんなのイヤだよ。つまらぬ心の葛藤であろうが、生きてる感じが欲しい。でも、(嘘でも)生きてる感じがしないって思う人がいて、自ら・・・、ね。希望がないのではなくて、絶望しかない。いや、絶望から始まっていることにさえ気づかず、意志や意識の使い処は自傷・自死。でなければ、傷つかず/傷つけず。そんな現代の感覚が本作を貫いている。 それでもラストは、人間の意志や意識−古い時代の人間の尊厳−を死守するという、ハッピーエンドに行き着くと思っていた。本作の終わり方がハッピーエンドなのかどうかの判断は読み手だ。私はハッピーエンドとは思わない。今の世の中が行き着く先が書いてあって、行き着いたときにハッピーと感じてしまうかもしれないが。 この結末はもしかすると作者が病床にあったから、ということかもしれないけれど、それにしても辛い。 | ||||
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『虐殺器官』に続いて読んだ伊藤計劃の2冊目。虐殺の文法により、大混乱に陥った社会のその後を描くエピソード。体内にインストールされたWatchMeなる医療分子、ナノマシンによって病から解放された人間社会の中で蔓延する自殺。自死を選ぶという最後の野蛮から、人類はいかに逃れるのか・・・。これだけの作品を遺した氏が、わずか2年の作家活動の後にわずか34歳で早世されたことが残念でならない。 | ||||
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「ガンダム」や「エヴァンゲリオン」があえて触れていない「聖域」について、この作品も触れていない。 それに対して『虐殺器官』の最後は大胆だな…。 | ||||
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2008年単行本。2012年読了。 虐殺器官の続編。しかし、独立した作品としても読める。 医療技術が究極に発達して、あらゆる病気が世界から駆逐され、先進国ではみな健康的な食事を嗜み、みな同じような体型をしている。主人公のトァン(♀)は、友人のミァハ(♀)に魅せられ、そういう管理社会に抵抗し始める。二人ともう一人の友人キアン(♀)は三人で、こっそり餓死しようと企むが、実際に死に至ったのはミァハのみで、残りの二人は生き残ってしまった。トァンは罪悪感を覚えながら、WHOの一部局の国際健康管理機関で仕事をするようになり、「ちょい悪」的に、健康管理社会に時折反抗し、酒や煙草を嗜み続ける変わりものになった。トァンはある事件にまきこまれ、そこに死んだはずのミァハの影を感じる。 というものすごい設定で、ぐいぐい読ませる、文句なしの名作。いわゆる行きすぎた管理社会を描いたディストピア小説なのだが、『1984』みたいな閉塞感はなく、主人公が生き生きしているのが心地よい。あと、限られてはいるのだけれども、例えば、戦場に行くと酒とか煙草が手に入るとか、国際医療都市と化したバグダッドの片隅に、権力の監視の目が届かない旧市街が残っているという設定とか、そういう「辺境」が設定されているところがよい。「ここではないどこか」の存在を感じることができるというのは、よい小説のひとつの要素である。 | ||||
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オリジナルは2008年12月リリース。電子書籍化は2012年4月25日リリース。2010年7月には英訳も刊行されている。英語版タイトルは、</harmony> 。 伊藤計劃の作家としての時間はその才能に比して余りにも少ない。そして作品も余りにも少ない。その中でこの『ハーモニー』の孤高の完成度は圧倒的だ。WEBディレクタの傍ら執筆を開始した伊藤計劃の作品は、WEBとゲームのDNAが組み込まれているかのようだ。少しでもプログラムを書かれる方なら、この作品の端々に登場するHTMLタグの変化形(それを伊藤は『etml』として最後のほうで説明している)で、実際には存在しない拡張系のタグを生成し、タグとタグの間を詩的なフレーズで挟みながら進行させていく手法は、まるで小説と詩とWEBページのアモルファスのような質感を読む者に感じさせる。実に斬新だ。 既に病の床にあって書かれた本作は『人というリソース』の集合体である社会に対しての『自分の身体』というものを常に意識して書かれている。それはSFのように見えてSFでは無く、近未来のようで現在の一部のような気すらしてくる。『WatchMe』をインストゥールされていようがいまいが、既にリソースとして時間的にも税的にも『生府(政府)』には認識され、織り込み済みになっている。本当はそう伊藤計劃は言いたいのではないか、と思えてくる。 この傑作を実写版映像で観てみたい。多くの伊藤計劃のファンはそう思っているのではないだろうか。あるいは伊藤計劃自身が熱狂的なファンであったゲームデザイナー小島秀夫の手でゲーム化して欲しい、多くの伊藤計劃のファンはそう思っているのではないだろうか。今は亡き伊藤計劃のために是非日本のクリエーターに手がけて欲しい。 | ||||
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