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決壊
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決壊の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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年末年始に読んだのですが、気分の良い物語ではありませんでした。 修辞の多い文章で語彙が豊富な作風はいつもです。 そこから悪魔のような(作中ではそのまま悪魔です)思想と罵詈。この落差が激しいうえ、結末は平凡と感じられました 平野さんらしい最後に期待したのですが…。 | ||||
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文章が冗長的なとこと、ストーリーの面白さとが交互にやってくるような感じ。 ストーリーは模倣犯 文体はドストエフスキーを目指して やや村上春樹の癖を織り交ぜつつ、という印象。 シンプルなストーリーが好きなので、 今の自分にはマッチせず。 「ある男」の方が面白かった。 作り込みすぎてるのかな | ||||
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数百ページの本で、2,3行に書き込みがあったなら、見落としてしまったのかと、あきらめますが、5,6ページごとくらいにライン引きとか丸かこみがあって前のひとの意思が入ってきて、読みにくかった。これは非常に良いのレベルではないです。 | ||||
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とても素晴らしい小説でした。⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ですが、社会が酷いので星1つです。 酷い小説でした。当事者は辛く社会は酷い。社会とは自分以外の周りの人々。 最後は、やっぱりそうなちゃうなぁ。重く諦めです。愛は虚構で死が現実てな感じでした。 この作家さん(の作品は何冊か読ませて頂きました)は、“酷い”と言う言葉を良く使われますが、 使われ方が独特です。“傍ら”もよく見かけます。他にも言葉と言うか漢字の使い方が独特。 | ||||
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現代風なテーマを扱っているが、そこにマーケティングは感じられても著者の必然性は感じられない。この人は、結局恋愛小説作家なのだと思う。小説の形式的な構成と堂々巡りの衒学的な独白体をつかってごまかしてはいるが、肝心なところ、ここという一言に到達しえていない。現実の闇、おぞましさに完全に負けていることを自覚すらできないことは、目を覆うばかりの惨劇だが、この作家の衰弱の表れなのか、現代文学の質の低下なのだろうか。ドストエフスキー、永山則夫、ジュネなどすばらしい遺産が文学にはあるのだが。。 | ||||
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リアルな現代日本の状況を描いたミステリー小説としてなら受け入れられたかもしれない作品です。 私が、嫌悪を感じるのは、主人公である崇の存在です。 優等生で人望も厚い人物として、説明されていますが、崇の台詞からは、酷くナルシスティックで面白みの無い人物像しか想像できません。 会話においても、ほとんど相手の話を聞く事がなく、ただ一方的に自分の考えを垂れ流し続けます。 それをただただ、肯定してくれる聞き手が次から次へと登場します。 崇の元には色んな名前の女性が、好意的に何人もやってきます。こんな面白みのない人物の何処に魅力を感じているのか、正直不思議です。 失礼かもしれませんが、崇に好意を抱く女性達にも個性が感じられません。 作品中唯一、面と向かって崇を批判するのは、取り調べを行う警察だけです。マスコミや世間の人々から誹謗される場面もあります。 が、しかし、彼らはすべて愚者として登場するので、まったく力を発揮しません。 故に、崇は反省する事もなく汚れません。 作品は一見、崇の苦悩と葛藤が描かれている風になっていますが、完全なフェイクだと感じました。 彼は最後まで崇のまま、自己中心的な能書きを垂れながら美しく終わっていく。 本の装丁が黒いのは、読者も手を汚すべき!とのことですが、馬鹿にされてるようで、腹が立ちました。 崇の存在が、著者自身の自慰行為を見せつけられているようで、耐えられませんでした。 ほんと、落ち込みました。。。ある意味、スゴいです。。 図書館でお借りした書籍ですので、丁寧に返却いたしますが、所持品だったなら、破り捨てるか、燃やしたいです。。 | ||||
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作者の代表作の一つと言われているようなので読んでみたが、壮大なクライム・ノベルを 試みて見事に空回りしているというのが、率直な感想だ。 本書で感心した点があるとすれば、上下巻800頁にもわたって、よくもまあこれほどの饒舌を 弄してくるものだということに尽きるが(「ああ、しかし、影という隠喩自体が、既に恣意的だ!」 (上巻p.76)とか、確信犯的な三島もどきの美文が散見されるのには、つい苦笑してしまった)、 「14歳の殺人」やネット上の表層的な人間関係といった、いかにも「現代的」なテーマが数多く 詰め込まれている割には、その饒舌がこちらの心に刺さってくることはなく、どこか紛い物 めいた読後感しか残らなかった。 (★★★以下、物語の核心部分が書いてあるので、未読の方は注意してください★★★) 最大の問題は、テーマを詰め込み過ぎているせいか、一つ一つが未消化に終わっていて、 作品の焦点がどこか曖昧なままであるように思えることだろうか。犯人が語る「思想」は いたずらに饒舌なだけで、ドストエフスキーとは比べるのもおこがましいというレベルでしか ないし、彼がいささかあっさりと自爆して果てた後は、いかにもな悪環境での生い立ちが 簡単に語られるだけで、それ以上、彼の「思想」について真剣に追及される気配もないので、 何か「都合よく出てきて、都合よく消されてしまった、実はどうでもいい人物」という印象が あったことは否めない。 全篇を通じて重点が置かれているのは、犯人よりはむしろ崇の人物像のほうなのだが、 これがまた、いかにも三島作品の主人公めいた紛い物臭い人物で、冷血かと思えば変に 涙もろく、情緒不安定なところもあり、「頭は切れる一方で、それを生かして何事かを成そう とする意欲はなく、しかし複数の女と寝ることには大いに意欲がある」といった、おそらく 意図的に一貫性を欠いた人物設定になっている。(表向きは優秀な公務員だが、下半身に 節操がないという理由で心証を悪くして断罪されるあたりは、ドストエフスキーだけでなく、 『異邦人』のムルソーあたりも念頭に置いているのかもしれない。) どうもこのあたりは、作者が唱えている「分人主義」(詳しく知らないが、人間の人格は個々の 場面ごとに別の現れ方をするもので、それらを無理に一貫性あるものと捉える必要はない、 といったことらしい)そのままの描き方になっているようで、実際に崇自身がそのような主張を 展開する場面もあるのだが、そのことが、彼を作中人物として魅力的で説得力ある存在に しているかといえば、必ずしもそうとは言えないような気がした。また、彼が事件とは無関係に、 終始何事かを深刻に悩み続けている理由も、結局はよくわからないまま終わってしまうのが、 どこか拍子抜けの感があって残念だった。 (ひょっとすると、崇が『カラマーゾフの兄弟』のイワン、犯人がスメルジャコフに相当する存在で、 「崇の無意識裡の指嗾に感応して、犯人が犯行に及んだ」と読んでほしいのかもしれないが、 それもさすがに無理があると言わざるを得ないだろう。) | ||||
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『葬送』を描き切った力量で現代社会をどのように描くのか。 注目していた作品の文庫版が出たので購入した。 端的に言って期待を裏切られた。 装飾的な漢語を駆使した心理描写は、とにかく古臭くて食傷気味。 三島由紀夫的な著述能力は確かに逞しいのだが、別に21世紀に"再来"していただかなくても結構なのだ。 大江健三郎が大きく崩し、村上春樹や村上龍が切り拓いた純文学の新しい地平に、この作者は立っていない。 より複雑に進化して豊かになっている漫画や映画といった表現物に拮抗するだけの深みや新しさをこの作品は備えていない。 扱っているテーマは重苦しいものだが、作中で繰り広げられる哲学論理や政治分析の長い論述はただただ平凡で陳腐、冗長。右脳が抉られるような烈しい視点の転回や想像力による跳躍は見られない。 拉致被害者の実名を出したり、実在の都知事やお笑い芸人を揶揄する姿勢は疑問。また、社会の諸問題についてひととおりどこかで聞き古したような批評を散りばめるあたり、百科事典のCD-ROMを読んでる様な感がある。 作中の人物が打ちのめす事件の重さの割に、苦悩の描写は軽い。所詮は机の上での苦悩しか知らない秀才の表層的お勉強のレベルに留まっている。この軽さは、実際に近い立場で苦しんでいる人々を愚弄していると感じる。 最終的に主人公が自殺するのも、どうかと思う。破壊的悲劇にただひたすら耐え、壊れた人生を修復するために戦っている人間の神性というものがある。それを見出し、ぎりぎりであっても提示するのが作家の務めであると思う。 バッドエンドにこそリアリティがある、などと思っているのだろうが、現実に多くの不幸に耐え、乗り越えている人間は存在する。その心境に到達できず、作品がバッドエンドを選択するのであれば、「事実は小説よりも奇なり」という格言に裏付けを与えているだけだ。そんな作品に一体どういう価値があるのか。 はっきり言って駄作。問題意識は評価するが、力量を伴っていない。 必要もないのに、衒学的に難解な哲学史の専門用語を並べ立てるのもやめたほうがよい。 平野啓一郎は天才ではなく、秀才。著述能力に長け、編集能力に優れているが、ホンモノの物語を創れない。そのことがよくわかった。 | ||||
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読後に不快感が残ります。・・・仮に現代の日本社会に不満感、不完全感などが鬱積しているとするならば、その不快感、不満はこういうものだよね、と作者は「『決壊』を読む、読書そのものから得る不快」と「社会に対する不快」を重ね合わせて読者に提示したがっているかのようです。 つまり読者が不快に感じれば感じるほど、それが作者の意図である、というような。 ぼくにはそれが作者の「勘違い」であり「悪趣味」であるように思えます。好きじゃないですね。 ・・・・というか、「好きじゃないよ、こんな本燃やしちゃえ!!」と僕が思うように、社会的な不満を小説に託して読者が個人的に怒りを顕在化させる、そのためにこの小説をスケープゴートとして利用する、してほしい、というようなことまでを作者は想定しているように思えるのですが。作者にもて遊ばれている感じがして、そういうのがすごく嫌な感じでした。 | ||||
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いかにもな作としか言いようがない。犯罪小説としてとにかく壮大な小説にしようという意気込みが空回りして、ただドストエフスキー風の無意味な思弁がちりばめられ、90年代以来の犯罪のあれこれを混ぜ合わせただけの、犯罪小説としても中途半端なしろもの。つまらんです。藝術選奨新人賞受賞。 | ||||
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