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ニードフル・シングス
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ニードフル・シングスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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「スタンド・バイ・ミー」「クージョ」等など、これまでに広く親し まれて来たキャッスルロックという街に、キングは最低のオトシマエを 付けてくれた。 作家としてのキングの実力の凋落ぶりは1990年代に入って以降著しい が、その先触れともなったのが本作である。狂犬クージョがドナとタッ ド母娘を襲った街、若き日のエース・メリルが肩を怒らせて闊歩した 街、フランク・ドッドが殺戮を繰り返した街、クリス・チェンバーズが ブルー・ポイント食堂を銃撃した街…。ざっと思い出せる分だけでも、 これだけの「物語り」の舞台となった街である。キング自身にとっても 蓋し重要な位置を占めて来た街であっただろうに(他の読者に関しては 言うまでもあるまい)、その街をキングは、いとも簡単に未練もなく破 壊し去ってしまった。しかもその手法は、デビュー作「キャリー」とほ とんど変わりがないではないか。 私はこの小説を読み終えた瞬間、怒りと言うよりは脱力感を覚えた。 細かい点を見て行っても、ゴーントさん、則ち悪鬼を調伏するだけの 力が、なぜ一介の保安官に過ぎないアラン・パングボーンに備わるの か? など、疑問点が山積している。それにしても、ゴーントさんの指 示に唯々諾々と従うエースの姿の情けないことと言ったら…。 これこそキャッスルロック最後の、そしてサイテーの小説であること に疑いはない。 しかし、特筆すべきは翻訳者の芝山幹郎氏の手になる文章である。ブ ラック・ユーモアの塊とも言うべきキングの作品を見事に俗悪な日本語 で表現している。特に笑えたのは、「シェケラ・ベイベー」というエー スの台詞だ。内田裕也じゃあるまいし。 翻訳の内容は特A、小説の内容はB-、といった所だろうか。 | ||||
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