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ニードフル・シングス



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ニードフル・シングスの評価: 3.92/5点 レビュー 13件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.92pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(1pt)

サイテーのキャッスルロック・ストーリー

「スタンド・バイ・ミー」「クージョ」等など、これまでに広く親し
まれて来たキャッスルロックという街に、キングは最低のオトシマエを
付けてくれた。
 作家としてのキングの実力の凋落ぶりは1990年代に入って以降著しい
が、その先触れともなったのが本作である。狂犬クージョがドナとタッ
ド母娘を襲った街、若き日のエース・メリルが肩を怒らせて闊歩した
街、フランク・ドッドが殺戮を繰り返した街、クリス・チェンバーズが
ブルー・ポイント食堂を銃撃した街…。ざっと思い出せる分だけでも、
これだけの「物語り」の舞台となった街である。キング自身にとっても
蓋し重要な位置を占めて来た街であっただろうに(他の読者に関しては
言うまでもあるまい)、その街をキングは、いとも簡単に未練もなく破
壊し去ってしまった。しかもその手法は、デビュー作「キャリー」とほ
とんど変わりがないではないか。
 私はこの小説を読み終えた瞬間、怒りと言うよりは脱力感を覚えた。
 細かい点を見て行っても、ゴーントさん、則ち悪鬼を調伏するだけの
力が、なぜ一介の保安官に過ぎないアラン・パングボーンに備わるの
か? など、疑問点が山積している。それにしても、ゴーントさんの指
示に唯々諾々と従うエースの姿の情けないことと言ったら…。
 これこそキャッスルロック最後の、そしてサイテーの小説であること
に疑いはない。
 しかし、特筆すべきは翻訳者の芝山幹郎氏の手になる文章である。ブ
ラック・ユーモアの塊とも言うべきキングの作品を見事に俗悪な日本語
で表現している。特に笑えたのは、「シェケラ・ベイベー」というエー
スの台詞だ。内田裕也じゃあるまいし。
 翻訳の内容は特A、小説の内容はB-、といった所だろうか。
ニードフル・シングス〈上〉Amazon書評・レビュー:ニードフル・シングス〈上〉より
4163147802

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