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晴子情歌



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晴子情歌の評価: 4.20/5点 レビュー 41件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.20pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全41件 21~40 2/3ページ
No.21:
(5pt)

単行本も文庫本も

お家で、お外で、何度も読むので、どちらも必要なんです。読み返す名作本は内外に多くありますが、読み返す頻度は高村薫作がNO,1になってました。
晴子情歌(下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(下) (新潮文庫)より
4101347247
No.20:
(3pt)

物語が面白いとは感じられず、、、

でも書いてある状況は知りたいことではあった。
作家が文面のそこかしこに出過ぎていたような気もする。
面白いとは感じられなくても、次にリア王を読んでみようと思える。
晴子情歌(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(上) (新潮文庫)より
4101347239
No.19:
(3pt)

読むのを断念

作品が悪いのではなく、読み続ける根気が続きませんでした。
好きな作家さんなのですが・・・。
精神世界を彷徨う記述満載のストーリーは
途中で誰の思考だったかさえも分からなくなってしまう位果てしなくて
とうとう読むのを断念しました。
晴子情歌(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(上) (新潮文庫)より
4101347239
No.18:
(4pt)

あまりにも格調の高い作品

作者はこの作品のテーマを何処においたのであろうか。まるで私小説の如く、作品自体に物語性は薄い。母親が遠洋
漁師になった息子に何通も手紙を書く。その中で描かれるその母、晴子の一生。特に昭和の戦中から戦後にかけて、
東北や北海道を舞台に、子守から始めて、やがて東北の商家滝澤家の三男坊の嫁に訳も分からずなってしまう。
その夫と他の女に出来た子をわが子にせざるを得ない晴子。やがて夫の出征中に夫の兄の子を孕む。一見暗い話では
あるが、晴子の明るくて、芯の強い性格のせいか、決して暗い感じはない。全編を通じて、まさに高村の面目躍如のその
文章力の凄まじさ、表現の桁違いの凄さ。あえて戦前の表記を使うことで、まさに情歌の如く、流れるような文章、
ひょっとしたら、作者は物語性ではなくて、そのような文章を描きたくてこの作品を仕上げたのか。この作品の後に、
「新リア王」が書かれるが、ここでは戦後に日本政治の風土や、依って立つところが描かれるという。その意味、この
「晴子情歌」の特に後半は、次回作品のプロローグに過ぎないのか。自分の出生と、戦後日本のあり方の中で翻弄される
息子彰之が次回作の主要キャラクターになるのであろう。
晴子情歌(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(上) (新潮文庫)より
4101347239
No.17:
(3pt)

どうしちゃったかのか

第3章までは文句なく傑作。だが小説としては第4章で突如「破綻」する。「青い庭」の描写にしろ、松田と彰之の問答にしろあまりに観念的かつ紋切型でとてもこれまで常に高度に抑制のきいていた高村薫の文章とは思えない。なぜか彰之の成長期と晴子の中年期についてのエピソードが乏しいのもバランスが悪い。母子ともに主人公としつつ、それぞれの一人称で母の奔放と息子の鬱屈を表現しようとした野心的な構成にやや無理があったようだ。次作以降(まだ読んでいない)に期待したい。
晴子情歌(下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(下) (新潮文庫)より
4101347247
No.16:
(5pt)

不覚にも、涙が

後半に入り、晴子も少女から大人になり、生の終わりを迎えるところで物語が閉じられます。
こう書くと、いかにも女の一代記のように見えますが、再読して一番心に残ったことは、
晴子という女性が日本文学に現れたまったく新しいヒロイン像だということ。
最近の日本の小説では、「女を描く」となると、やたらに毒々しく欲望まみれのものか、
母なり女なりの型にはまったものが多いのですが、「晴子情歌」には、上質なイギリス小説
(V・ウルフ、A・ブルックナーなど)を読んだあとと同じ余韻を味わいました。
一人ひとりの人物に命の息吹きがあり、それぞれにいろいろな人との関係がある。
特に、晴子と淳三の伴侶としての30年間には、「ああ、こういうつれあい方もあるのだ」と涙がにじみました。
読み終えてすぐに、もう一度単行本を読み返そうという気持ちになりました。
晴子情歌(下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(下) (新潮文庫)より
4101347247
No.15:
(5pt)

素晴らしい!

確かに読みづらい。旧漢字に著者独特の言葉の表現力、再読で集中力をたかめて物語の中へはいれた、だがのめり込めたら、もう読むのを止められないおもしろさ、高村薫の一大叙事詩。
晴子情歌(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(上) (新潮文庫)より
4101347239
No.14:
(5pt)

晴子がなんと瑞々しい!

単行本で読んでから10年。再読してみて、改めて高村さんの小説のものすごさに脱帽。
2013年の今の時代に再読してみると、晴子の利発で瑞々しい感性が眩しいくらいです。
大正、昭和と時代が流れていく中での「個」としての生き方というものが、今の時代に生きている
自分自身を振り返れと迫ってくるようです。
決して難しそうだからと躊躇してはいけません。
彼女の小説は、読み手の知識と経験が増えていくにしたがって、味わい深く愉快に感じられるものばかりです。
晴子情歌(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(上) (新潮文庫)より
4101347239
No.13:
(4pt)

描かれている人間が全て生き生きしている。

高村薫さんはあまり女性を書きたがらない、とは
私の感覚でした。しかし、今回の晴子は見事に
描かれています。
高村氏は《女性の行動は男性ほど分かりやすくない。
女性の行動は複雑だ。》と言っています。
ここに登場する晴子も単純ではない。
こちらが望んだわけでもない男に好意を持っていた
とは思えぬのに、その人の子供を産んだり、
自分の子ではない子供を引き取ったり、かといって
周りを恨んだりもせず、卑屈にもならない。
淡々と生きる大正生まれの女がいる。

この晴子が息子彰之に自分の人生を綿々と綴って手紙を書く。
辛かったでもない。
周りが、時代が憎いというのもない。
後悔などは微塵もない。
だからといって、キリスト教的な神の思し召しだから
甘んじて受け入れるというのでもない。
そこに自分がいきているから、望んだ訳でもないが、
激しく拒むほどの抵抗もない。
ただ、そのままの流れがある意味生きていくことなんだと思う、
という仏教的な生き方が滲みでている。

高村氏は常日頃から、《職業によって、人間が確立する。
人というものはそういうものだ。》とおっしゃっている。
この下巻も鰊漁の様子が生き生きとえがかれていますが、
特に、一緒に働く足立という男の戦争体験や、そのことによって、
病んで崩壊していく人間模様の描写は凄まじいです。
そのことによって、あの戦争の悲惨を、忘れ勝ちな戦争を
慄然として、思い出します。

高村氏は晴子の生きる大正、昭和の時代を、晴子が預けられて
生きた福沢家という大所帯の中で暮らしている人間模様の中に
その時代を語らせています。
福沢家の当主勝一郎に焦点をあてて、戦後の日本の政界を活写
しています。
息子彰之の生きた大学紛争の時代は叔母の公子や従兄弟たちを通して、
時代を語っています。
私はこの彰之とほぼ同時代の昭和を生きて来て、大学紛争も
ちょうど終息するかの時代に生きていました。この近代史
を総まとめするように、自分の生きてきた時代を回想する。
そんな感傷も持ちつつ読んでいるうちに、ここに描かれる
彰之本人、父親の康夫、叔母の公子などが、この時代の空気
の中であがいている姿はそのままこの時代の世相を表して
いて興味深いです。
高村氏の描く人間は実に興味深い。
読んでみることをお勧めします。
晴子情歌(下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(下) (新潮文庫)より
4101347247
No.12:
(5pt)

眼に心地よい日本語の再発見!

のめり込むのに、ちょっと時間がかかる
かも知れません。今までのように推理もの
ではありませんから。
でも、日本語の本来持つべき美しさはこれ
だったかと呼び覚ましてくれます。
気がつけば美しい日本語がたゆたう中で
翻弄されている。
旧仮名遣いも心地いい。
青森県の野辺地地方の方言でしばらく語られる
のも何だか楽しい。
主人公彰之に宛てた母晴子の書簡には長い人生
を振り返り、その時々の母の青春が語られて
います。
そして、晴子が生きてきた時代の日本の姿が
なるほどこんなだったかも・・・と思わせる
市井の人々の言葉で語られて、興味深いです。

高村氏は労働の現場を描くのが実に巧い。
この作品では表紙に青木繁の“海の幸”が使わ
れているとおり、漁の現場で働く人の姿が
恐ろしいほどの迫力で描写されています。
特に鰊漁での浜の賑わいと働く人の喧噪や
息づかいには圧倒されます。
本当にこの人は巧い!
この部分だけでも一つの作品として成り立って
います。
そして、また、のめり込んでいきます。

日本語の美しさに目覚めては如何でしょう。
晴子情歌(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(上) (新潮文庫)より
4101347239
No.11:
(5pt)

少女の昭和史−知識人の世界と土着の世界の間で−

初めて高村薫の作品を手に取った。
息子に膨大な量の手紙を送る教養ある母、晴子。それを読む息子彰之はマグロ漁の漁船に乗っている。
どうして、この母の息子が漁師をしているのか、なぜ晴子は野辺地に来たのか、さまざまな疑問を持ちながら読みすすめ、晴子の両親の出会いや父の半生を知り、少しずつ納得していった。
旧制高校−帝大、そして英語の教師という不器用な知識人の世界と、青森の農民や北海道の漁師の世界、今以上にその間には大きな断層があったはずだが、晴子は父とともにその二つの世界の世界の間で翻弄されながら成長していく。
そして息子の彰之もまた、知識人の世界と漁師の世界の間を動いていたらしいことがわかってくる。
背景には、言論統制が進む昭和戦前の状況があり、そして彰之に関しては、さらにさまざまな家族の事情とそして、大学紛争が関連しているらしい、ということがわかってくる。
家族や時代に翻弄されて流されながらも、自分を取り巻く世界を醒めた眼で見ている晴子が、末恐ろしいようにも感じられた。
晴子情歌(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(上) (新潮文庫)より
4101347239
No.10:
(4pt)

複雑な旧家に生きる人々

晴子が福沢家で奉公人となるところから始まる。当主と妻、3人の息子と2人の娘、それぞれの配偶者、子どもたち、さらには、別の相手に産ませた子どもたちもいて、とたんに人間関係が複雑になる。そして晴子は結婚・・・。ここにきてようやく、前編での彰之と美奈子が誰と誰の間の子供であるのかということがわかってくる。
政略結婚で固めた強大な家と、そこから逃れたりはみ出したりした人々、様々な形で福沢家にかかわりを持つ人々・・・。
それぞれの人物、特に妻であり娘である女性たちの成長や変貌が丁寧に描かれており、これに続く『新リア王』の序章として読み応えがある。
晴子情歌(下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(下) (新潮文庫)より
4101347247
No.9:
(3pt)

圧倒的迫力

300日、晴子はインド洋上にいた息子の彰之に手紙を出し続けた。100通の手紙には、
少女から大人の女性へ変わりゆく晴子の姿が描かれていた。自分の目の前に現れた
自分の知らない母・・・。彰之がとまどいの中で感じたものは?

昭和の初めから戦前戦後の混乱の時代を生き抜いてきた母。その半生を綴った手紙は、
圧倒的な迫力で読み手の心を強く強く揺さぶる。晴子の人生は、平坦なものではなかった。
彼女は必死に生きた。時には虚勢を張り、時にははいつくばるように、時には苦痛に身悶え
しながら・・・。晴子の息づかい、しぐさ、細やかな心情が、作者の緻密な描写によりあざやかに、
そして生々しく浮かび上がってくる。初めて知る母というひとりの女性の生きざまを目の当たりに
した彰之の心理描写も見事だ。密度の濃い内容で読むのにかなり時間がかかったが、とても
印象深い作品だった。
晴子情歌(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(上) (新潮文庫)より
4101347239
No.8:
(4pt)

リア王に至る大いなる序章か

青森という片田舎で晴子の目を通した半生を描きながら、その周辺を轟音を上げて動いている政治と世界。それの息吹を語らせることはあっても、それはまだ「晴子情歌」のテーマにはならない。市井の人間や生活と、時代を動かした政治の対比。関係と無関係。人間模様。時代は動いても、野辺地の土間の空気がしんとして動かないように変わらない世界がある。それが昭和という時代か。

筒木坂、土場、野辺地や魚場の船上での圧倒的リアリズムに反し、主人公たちの所在のなさ。高村小説に共通の「ここでないどこか」を茫とあるいは無意識に希求し、自分さえも客観視し突き放しながら放浪する半身に委ねるという有り様。あるいは爆発する水。晴子の天性の呑気さと、彰之の自分が何者であるのか分からないとでも言うような、皮膚がチリチリするような焦燥。
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4101347239
No.7:
(5pt)

壮大なマニフェスト

高村薫の純文学。

 高村薫は ミステリー作家というジャンルで出てきた作家である。
実際「マースクの山」の段階での高村は当代随一のミステリー作家で
あった。小生が異変に気がついたのは次作の「照柿」である。この
作品で彼女は 純文学の書き手として初めて名乗りを上げたのだと
思う。続く「レディージョーカー」は犯罪小説として一世を風靡した
わけだが 彼女は 純文学の題材として犯罪を選んだだけである。
例えば ドストエフスキーの「罪と罰」での主人公と判事のやりとりが
いかに「犯罪小説」として読みがいがあるかを見れば良い。

 その意味で本作の次作「新リア王」が日経新聞の連載で不評に
なったのも当たり前である。朝から満員電車でドストエフスキーを
読むサラリーマンの群れなぞ そもそもありえないからだ。
「新リア王」の後が渡辺淳一だったというのも頷ける。
そんなものである。

 その意味で本作は 高村が今世紀の純文学に向けた壮大な
マニフェストであるという読み方が一番正しいと思う。
晴子情歌(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(上) (新潮文庫)より
4101347239
No.6:
(3pt)

どうしたんだろう??

文章の構成や描写は高村薫のものなのに、取り上げたテーマ自体が「高村薫」らしくなかった。それはまあ、私が高村薫に対して期待していた類の小説ではなかったというべきだけれど。正直、主人公の誰にも興味がもてなかった。次回作に期待します。
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4101347247
No.5:
(4pt)

これぞ高村薫の真骨頂

アマゾンでは『晴子情歌』の売上げが芳しくない。本書こそ、高村薫の真骨頂であるのに。高村薫はミステリーに分類される小説を書いてきた。だが、彼女の一連の作品は、ミステリーという分類から類推されるような単なる娯楽小説ではない。現代日本が抱えているいくつもの問題や可笑しな点=ミステリーを、描いてきた。おそらく、彼女は『レディ・ジョーカー』を執筆する過程で、現代日本を描くためには、現代を描写するだけではなく、近代日本を大幅に捉えなおす必要に駆られたのではないか。
そして、その試みの成否は如何に…。
晴子情歌(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(上) (新潮文庫)より
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No.4:
(5pt)

母の書簡を通して語られる日本の歩んだ道

■『マークスの山』『レディ・ジョーカー』などの優れた警察小説を書いてきた著者の新作は、ミステリーではない骨太の大河小説である。■1975年。遠洋マグロ漁船で働いている福澤彰之のもとに母・晴子から大量の手紙が届く。それは晴子の激動の半生をつづったものだった。■物語は東北・北海道を舞台にした晴子の編年体回想書簡と、それを読む息子の感慨や心象風景が交互に描かれる。しかも母の手紙は全て旧字旧かなで書かれているという凝った設定。高村が成そうとしたことは、一組の母と息子の人生を描くことで、この国の歩みを検証することであろう。■この母子を取り巻く家族関係も極めて複雑。それらを描きつつ、庶民の暮らしやその仕事ぶり、戦争、政治社会問題など日本の近現代が俯瞰されるという構造なのだ。驚くべき力技といえよう。■率直にいって、こんな文章力量を持った庶民や、自分の初潮を息子に語ったりする母がいるのかなど、下世話な疑問もわく。しかし作者の志には、謹んで敬意を表したいと私は思う。
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4101347239
No.3:
(4pt)

戦前よりも戦中よりも遠い?戦後高度成長期時代。

晴子の半生は確かに非常に興味深く、それだけでも一つの作品になるのではないかと思うほど
読み応えの有るものであったが、私には一方の彰之の心理がよくわからなかった。彰之の抱いている、自分の存在に対する不安定感といったようなものは、自分の出生からも来ているが、彼が多感な年頃を過ごした学生運動・安保闘争の60年代の世相と分かち難くつながっているのではないか。
しかし、その当時をリアルタイムで体験した世代がそれについて語る言葉が、私の胸に響いてこない。
私が馬鹿だからだろうか?それとも、彰之が十歳年下のトシオに対して感じたように、「旧世代の言葉自体が
もはや通用しない」世代だからか?彰之昭和20年生まれ。いわば私の親の世代がこんなに遠いとは。
しかし、彰之に対してよりは、晴子や戦地へ兵士として赴いた同僚足立の方に対して共感できたというのには
驚いた。彰之の煩悶が理解できなければ、この小説全体が理解できたことにならないのではないかと思うと、
これが好きな高村氏の小説だけに、もどかしいような悔しいような…。だが、いろんな意味で昭和を振り返って考えることのできた作品であった。
晴子情歌(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(上) (新潮文庫)より
4101347239
No.2:
(5pt)

極めて個人的な感想をひとつ

人はみな意図せずに起きていく身のまわりのことによって、人生が決まり、
刹那の熱望によって行動を決定するということでしょうか。
偉大でも仕事を成し遂げた人でもない、好奇心旺盛で呑気な女性が、運命を淡々と受け入れていく様子に、ちと共感も覚えました。小説とはいえ晴子の一生に引き込まれ、そこに壮大な昭和史がからんできて、とても楽しめる読み物でした。
晴子情歌(上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:晴子情歌(上) (新潮文庫)より
4101347239

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