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マゴット



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【この小説が収録されている参考書籍】
マゴット (文学の冒険シリーズ)

マゴットの評価: 3.75/5点 レビュー 4件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.75pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

あまりにも長く、途中から読み飛ばし気味に

最初の章(便宜上)の風景や背景、
各キャラの容姿服装、
建物内の調度品等の描写は細かく、
かなりしっかりしており、
その時代に馴染みのない自分にもリアリティを感じます。

また、メッセージ性として
(比較的判りやすい言い方をすると)
・アンチ男尊女卑
・アンチレッテル張り
・アンチ決めつけ
さらに、それらに付随する様な形で、
男尊女卑やレッテル張りを、神や信仰心の名において正当化する事へのアンチテーゼも、
感じられます。
本書が書かれた時代を鑑みますと、この辺り特に真摯な点。

と、上記の様に、描写力やメッセージ性には好感持てますし尊敬ですが。

とにかく文章が長い。
冗長さこそ感じなかったものの、
全体的な尺がかなり長い。
それも、芥川龍之介氏の藪の中的パートにかなりの尺があるので、
(こちらで他の方も書かれてますが、自分にも藪の中に構成がそっくりに感じられた箇所が。
いい意味でも悪い意味でもなくて、
単に方向性として。
その結果としての感想はまた別)
話の進みも遅い。
町田さわ子さんなら途中か序盤で読了諦めてそうなレベル。

作者自身の後書きとか読むと、
色々思うところあって、
こういう形式にした様ですが、
テーマがいくら誠実でも、
あまり長いと読後にメインで残るのは徒労感なので、
もう少しコンパクトにまとめて欲しかった。

後半は読み飛ばし気味。
あと、新聞記事の年表パートみたいな箇所。
ハードカバーなのに字がかなり小さくて読みづらい。
演出の為かもしれませんが、
そこら辺も普通の文字サイズがよかったです。
マゴット (文学の冒険シリーズ)Amazon書評・レビュー:マゴット (文学の冒険シリーズ)より
4336035830
No.1:
(3pt)

馬上の五人

(ネタバレしています)
イギリス南西部を馬で旅する一行に起こった不可解な出来事を解明していくのだが、全編の大半が供述調書のやりとりのQ&Aだけでなりたっている。そのため冒頭の地の文章以外は客観性が保証されない。登場人物の属性や事件の様相が二転三転し、物語もミステリー→オカルト→SF→宗教小説と変遷していく。大部な小説ではあるが、展開のゆくえに引かれて、一気に読み進んだ。
「コレクター」も加害者と被害者おのおのの手記を並置することで価値観を相対化していたし、「魔術師」はそれこそあらゆるジャンルを凌駕するような究極の小説(私見です。私のオールタイムベスト)だった。
どうやらこの「マゴット」が生前残した最後の長編小説のようだが、ファウルズらしさは多々あるものの、そのキリスト教史観に基づく問答になじみがなく、消化不良のまま読み終えた。エピローグで作者の心情の一端は吐露されているが、(晩年に「西方の人」を残した芥川龍之介の如く)何か宗教的な啓示でもあったのだろうか。
マゴット (文学の冒険シリーズ)Amazon書評・レビュー:マゴット (文学の冒険シリーズ)より
4336035830

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