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黒衣の女 ある亡霊の物語
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黒衣の女 ある亡霊の物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.04pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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やっとこさ上映が決まった「ウーマン イン ブラック」(他国では既にディスクで販売もされている!)を観賞する前に原作を読んでおこうとKindle版で読みました。 内容に触れるのは野暮なので触れませんが、イギリスも同じ島国だからであろうか、実に日本的な陰鬱な怖さを感じました。 最後の訳者あとがきは映画をみようと思っている人は読まない方が良いでしょう。何気にネタバレしてます。読まなきゃ良かった。。。 | ||||
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いろいろ解説したい気もしますが、何よりもこの作品、怖いです。 じつは単純な物語なのですが、ラストで冒頭の一章が強烈に響いてくる構成の巧みさ。 ネタばれになりかねないので詳しくは書けませんが…… 読者が、ある条件を満たしていると、この恐怖に比肩するものはなくなります。 ほんとうに。 | ||||
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40年以上の前のことだったか、紀田順一郎さんの「怪奇小説には未来はない。だからこそそれを愛おしむのである」という文章を読んで、感心したことがあります。じっさい、中学生のころポーを読んで怖かったのは、作者が本気で、自分がカタレプシー(硬直症)で死んだと誤認され埋葬されることを恐れていたから。現代人の恐怖といえば、奇病やサイコティックや人造人間といったSF的なことになってしまう。シェリー夫人からラブクラフトへの路線がこれで成功を収めたが、ゴシックロマンス的設定では情報化時代にはリアリティが乏しく、「オワッタ」と思っていました。だから、1980年ごろ出版の本書の存在は聞き知っていても、手に取る気にはなりませんでした。 それが、こんな伝統的なゴースト譚が、こんなに面白かったなんて。沼地に孤立した古い館なんて設定は「アッシャー家」やブロンテ姉妹やドイルの「バスカービル家の犬」など、英国正統ゴシックロマンを踏まえた雰囲気があるし。それに加えて、現代人では理性では信じられなくなった超自然現象の不気味さがどこにあるかを、自己分析したくなる筋立てです。 単に「出たァ」では現代の読者を引き付けられない。かの『リング』の成功は、ビデオを見たものは死ぬ運命にあるが、誰かに譲り渡せば逃れられるという、現世的、科学的な現代人の奥にも潜む、お御籤に一喜一憂するような、未知なる将来への怖れの感情に訴えたこと。でも、本書のプロットは、さらに先を行っています。自分自身の未知な運命よりももっと恐れなければならないこと、それは‥‥とここで、ネタバレさせては作者に申し訳ないので、ペンを置きます。 | ||||
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英国の伝統を受け継ぐ、正統派のゴースト・ストーリーです。主人公はアーサー・キップス、再婚し、妻と4人の連れ子と無事平穏な生活を営んでいます。クリスマス・イブの日、暖炉を囲み、家族全員で順番にゴースト・ストーリーを語り合い、アーサーの番になりましたが、彼には妻にも打ち明けていない恐ろしい体験があったのです。 話は26年前に遡ります。ベントレー氏の雇われ弁護士として働いていたアーサーは、クライアントのアリス・ドライブロウ夫人が亡くなり、葬儀出席と遺産相続事務のため、北部の河口付近の、うなぎの沼の館へ赴く事になります。アーサーは列車に乗り、クライシン・ギフォードに到着し、葬儀に参列しますが、その場で酷く衰弱し肉体が蝕まれた黒衣の女、そして、20人位の子供に遭遇します。町の人に、その事や、うなぎの沼の館の事を聞くと、話をそらしたり、嫌な顔をされたりして、要領を得ません。そして、アーサーは周囲の人の忠告を無視し、うなぎの沼の館に赴く事になりますが、そこで再び例の黒衣の女と出会い・・・ 物語の最初の部分は、ドラキュラの冒頭を思い起こさせる見事な出来栄えです。そして、うなぎの沼の館近辺の風景描写が雰囲気をかもし出していて、これも素晴らしいです。昨今の即物的な怪談では味わう事のできない重厚な英国の正調の幽霊屋敷もので、これで終わるのかなと思っていると・・・・ 本作は、舞台化され、日本でも公演されていますが、今回はD・ラドクリフ主演で(ハリー・ポッター・シリーズで著名)映画化され非常に好評で、12月には日本でも公開されます。きっと、ねじの回転(デボラ・カー主演)のような素晴らしい映画だろうなと期待しています!! | ||||
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著名な英国の怪談。物語は主人公アーサーの若き弁護士時代の回想談の形式で語られる。その時のアーサーの仕事は、北部地方の河口付近の<うなぎ沼の館>に一人住まいをしていたドラブロウ夫人の葬儀出席と遺産整理。<うなぎ沼の館>は満潮時には海で村と隔離されていて、干潮時にだけ<九死人の土手道>を通って村と行き来できる。アーサーが村に着いた際、ドラブロウの名前を出すと、皆恐怖に慄いた様子で無視を決め込む。怪談らしい道具立てである。 そして葬儀の際、アーサーは「黒衣の女」を見るが、他の誰にも見えないらしい。アーサーは書類整理のため、一人<うなぎ沼の館>に向かうが、近くの墓地で「黒衣の女」を見かけ、女を亡霊だと確信する...。アーサーは<九死人の土手道>を通って村に戻ろうとするが、闇と濃霧のため迷いそうになり、しかも誰もいない筈なのに、子供の叫び声と馬車の音を聴く。悪夢の始まりである。幻視・幻聴と言った概念は語り手には一切ない。 館の魔力に取り憑かれたように、アーサーは犬のスパイダーと共に館を再訪する。そこで、60年前のドラブロウ夫人宛ての手紙を見て、かつての悲劇と亡霊の正体がほぼ明らかになる。が、作者は、開かずの子供部屋の揺り籠の音、潮騒に混じる馬車の音、沼地で溺れそうになるスパイダーの姿等を通して更に恐怖を煽る。そして、最後で明かされる悲劇の真相。館が持つ執念が分かるような因果譚。こんな意外な人物が悲劇に関係していようとは。そして、戦慄の結末。全てが計算されていたのだ。回想談だから仕方ないが、正直、私はアーサーが「怖い、怖い」、と連呼し過ぎて却って怪談の雰囲気を壊していると思ったが、結末を読むと巧みな構想に驚かされる。英国流怪談の傑作と言える。 | ||||
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20年位前に見た「ウーマンインブラック」を最近また見て来ました。 やっぱり面白いです。 舞台では二人の俳優によって演じられるという事を知りつつ読んでみると、 台詞選択・場面設定などの料理の仕方や、聞き覚えのある台詞が出た時の 懐かしさみたいなものを感じました。 筆者によって詳らかにされる風景描写と主人公の心理状態などは見事で、 特に未見の人でも楽しめる(背筋が寒くなれる)と思います。 舞台を見て読みたくなり、読んでまた舞台を見たくなるストーリーです。 | ||||
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クリスマス・イヴの夜、家族で暖炉を囲みお互い怪談話を披露しあう場面から物語は幕を開けます。でも、主人公である『私』は、話を披露する事なくその場をあとにします。彼には、再婚した妻にも話していない恐ろしい過去があったのです。ほんとに本書はゴシックの正統な系譜に連なる丹精な恐怖小説です。血や内臓が飛び散る昨今のスプラッタにはない正攻法のホラーを堪能して下さい。驚きますよ。 | ||||
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