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ミスター・ヴァーティゴ
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ミスター・ヴァーティゴの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.35pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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アメリカの差別問題を赤裸々に描いた秀作である。アフリカ系アメリカ人、ユダヤ系アメリカ人、ネイティヴアメリカ人が差別され、迫害受ける厳しい現代アメリカ社会が鋭く描出されている。白人至上主義者たちの差別・暴力問題を考えさせる現代的な作品である。 | ||||
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名作揃いのオースターの中で、これが万人に勧められる隠れた名作。 | ||||
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空を飛ぶ? 出だしはいつものオースターさんとは違う作品かと思いました。 でも読み続けて思ったのは、芯は一緒だと思いました。 誰もがかかえる愛する人間を失う痛み。 うまくいかない焦燥感。 でも悪いことは長くは続かない。 かと言って良いことばかりではない。 パワーのある物語でした。 きっと柴田さんのテンポの良い翻訳も関係していると思います。 | ||||
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ポール・オースターの作品を読むのは久しぶりになる。多くの純文学がストーリーの面白さから乖離してしまっているような現状で著者の「お話はおもしろくなくてはならない」という信念が本作からもつたわってくる。そしてその話の作り方の巧さは本作も例外ではない。だが、「空を飛ぶ少年」というメインのモチーフで、どこまでストーリーを引っ張っていけるかなと思いながら読み進めていたのだが、そのボリュームがやや広がり過ぎ、オースター作品の中では比較的冗漫に感じた。〜大きな夢をかなえたところまでも主人公は様々な苦労を乗り切るのだが、本作のテーマはそこから転落してしまってからが、大きなポイントになる。多くの読者の方とは意見がことなるかもしれないが、僕はその転落後の人生のほうが興味深くよめたし、著者の描写の巧さもその展開になってからの方が--そこまでも巧いことは巧いのですが--全体として明晰でしっかりした構造をもち、うまく描けているとおもう。 主人公はそこから現実としっかりリンクし、本当の成長がはじまっている。古い言葉だが、ポール・オースターはビルディング・ロマンを描きたかったのだのだろう。そのスタイルで作品をしあげるのであれば、夢かなう部分をもうすこし短くし、夢やぶれた以後の展開をもっとしっかり書き込めば、ラストの感銘ももっと説得力をもち、全体の完成度もいまより高い作品にしあがったと思う。 追記・しかし柴田元幸氏の訳は本当にうまいですね。著者ほどの存在は今の日本には見当たらないでしょう。 | ||||
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はじめて読んだときはバリクソおもろかったし感動したけど、三年後に読み返したら… けっこうおもろかった。 映画化されんもんかね〜 ハリウッドではオースター作品は金にならんという定評ができあがってるんかな 空中浮揚の芸っていうのは、歌、ダンス、演技、ラップ、バレエ、漫才、落語なんかのメタファーになってるなあ。 だれだって挫折とかあきらめはあるけど、そこで終わりなんやなくて、どんな環境でもしっかり生きていくんやゆうアティテュードを、表現してる作品やな〜 誘拐されたり 復讐のため殺したり 友人が殺されるのを見たり 大成功したり 大失敗したり、 お話のなかでしかできないことを目一杯やってみましたっていう作品やな〜 あとは…レディマリオンのキップのよさが爽快 あと、ウォルトの奥さんになるひとの描写がステキ あと、師匠とのやりとりがステキ 翻訳は…まあ文句なしだな 会話の自然さの演出が日本でいちばん上手いわ あとは…ジャケットすてき ウーン、映画化はされへんか 残念 それにしてもオースターってアメリカではあんまりビッグやないらしいけど、文学としてはどれくらいのもんなんかな まあ、物語として楽しめたら文学なんてどうでもええんやけどね それにしても、自伝的でない小説が代表作になるなんて、小説家冥利につきるな〜 | ||||
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筋書きは以下のとおり。 セントルイスの悪がき(教養無し、素行悪し)が 一人の紳士と出会う。 それが全ての始まりだった。 人の親切に触れ、心が育ち、搾取され、絶望を味わい、 空虚と幸福が交じり合い、 成功と挫折の中で、 人に助けられながら生きていく。 特に面白かったのが、作者の描写の数々。 味があるし、悲惨な状態においてもユーモアを欠かない。 『俺はすでに、すべてを後悔しはじめていた。きっと辛い話にちがいない。支障の優しい口調でわかる。腰を下ろしたころには、俺の胃袋側転を連発し、食道めがけて棒高跳びをやっていた。』 この本は、何度も読まなければ理解できない本。 そして、ラストシーンが爽やか。 | ||||
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謎めいた「師匠」に拾われた時、主人公ウォルトは9才。 修行の末空中浮揚を会得し、一躍時の人となった時でも、まだ14、5才。 そこが彼の頂点で、物語で言えばおよそ3分の2。 しかし彼はその能力を失い、スターダムからころげ落ち、さらに様々なものを失い、さらには新たな出会いを重ね、毀誉褒貶の末、最終的に物語中の現在である晩年にたどり着きます。 したがって、空を飛ぶ少年の冒険譚を期待して読むと、後半はちょっと肩透かしな印象です。 しかし、見方を変えれば、このややグダグダ感のある後半こそ、物語の要であるとも言えます。 実は師匠が少年に与えたのは、空を飛ぶ能力より、もっと大切な、大きなものであった、というのが、この話の主題ではないでしょうか。 主人公は何もかもを失い、独りぼっちになりますが、人生を悲観することなく、過去は過去として、現在を前向きに生きていきます。 つまり、師匠が彼に与えたのは、人として生きていく力であった。 そして彼を支え続けたのは、彼が少年時代をともに過ごした師匠の「擬似家族」だった。 こんな視点から読むと、なかなかにすがすがしい物語だと思います。 | ||||
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一人の少年が幸福を知り、失い、そしてまた回復していく物語。 何かを失いながらも、何かをつかんでいく様子は「ムーン・パレス」と似通っている。 その意味で「ムーン・パレス」ガ好きな人はきっとこの本も好きになれるはずである。 一人の浮浪児が一人の男に助けられ、限りない努力を通じて幸福を知る。 しかし、血のにじむような努力の末に獲得した幸福は長くは続かず、あっさりとその幸福を手放す結果に。 主人公は暗黒街から軍隊などへと職を転々としながら徐々に平穏な生活を取り戻していく。 | ||||
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オースターの唯一の失敗作です。 得意の歴史とシンクロさせてトールテールを増幅させる芸にも 今回は見事に失敗しています。 そして使い古されたSFの素材。 別の意味でめまいを感じました。 作者の体調が悪かったのかもしれません。 | ||||
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悲しい別れや主人公のミスチョイスで、「ほんとうはもっと幸せになれたのに」「もっと暖かな死もあったのに」と思わされてしまいますが、それでも前を自然に向いて、歩いていこうって思える、暖かさのある作品でした。 | ||||
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素晴らしいと思います。作者の想像力には脱帽です。ただ、この作者は作家であると同時に詩人でもあるので、この物語の真の面白さ(巧みな音韻、文章のリズム)は日本語版では味わえないのかもしれません。ぜひ英語で読んでみたいと思いました。 | ||||
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オースターの作品の中でも、とりわけ読みにくくて、とりわけ悲しい物語だったような気がします。 みんなほんのちょっとの幸せが欲しいだけだったのに。 登場人物たちは、大して欲張りでも、貪欲でもないのに、ちょっと幸せになりたいだけなのに、どうしてこうなっちゃったんだろうね。 そして気がついたら、この物語が出来上がっていたという感じです。 不思議な不思議な物語です。 読む人によって、いろいろな読み方が出てくるのではないでしょうか。 | ||||
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生きる事を諦めたり、生きる意味を消失したり、生きる意義を見つけた瞬間にその命をなくしたり。またあるいは、その無意味さに気付いてしまったり。 作者の描く主人公達がかつて味わったとは違う人生を、この主人公の少年は歩んだのだと思いたい。 しかもなんとなく、作者はああいう人だから、こういう言葉を望んでいるのじゃないかと勘ぐってみたりした。 『そんな少年が主人公?しかも訓練と、あるなにかの奇跡的なきっかけで?ジョーク?ひょっとして、たちの悪い比喩なんじゃないの?やりすぎよ、あなた』 なんて。 読み終えて気付いた事は、それがたとえジョークであろうがたちの悪い比喩であろうが、 この作品は、 「一所懸命生きる事」 を描いた物語だという事。 幾度死ぬような目にあっても、もはやどうしようもない局面に立っても。 主人公の少年が大人になり、それを成功と言えるものかどうかわからない所に立って、やはり死に直面しても。 生きて。 その人生に関わった人々との絆をけして忘れる事なく。 「死ぬまで生きた物語」 ラストを語る事はしません。 ただ思いました。 「一所懸命生きて行こっと」 と。 | ||||
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オースターの作品の中では1番好きです。 少年の生涯が、とても悲しいです。 でも彼は幸せになれたのかな。 オースターなりの幸せの定義が見えた気がします。 そしてそれは、ひどく心を揺さぶります。 | ||||
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なんだか、人生というものをわかったような気にさせてくれる作品です。 少年の成長があり、師匠との別れがあり、失敗も成功もありで、おなかいっぱいな内容です。 読み応えがたっぷり。 そしてラストはなんとなく悲しい終わり方です。 オースターの中では1番好きです。 | ||||
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オースターの中ではかなりいまいちな作品。いや、やりたいことはわかる。 御伽噺なんだけど、それに実在の人物を埋め込み、フィクションをノンフィクションに昇華、それをさらに、シティ・オブ・グラスにまでつなげるという、たくみなストーリーテリング。 だが、それにしても「偶然の音楽」や「最後のものたちの国で」みたいに見られた凶悪なまでの幻想性を垣間見ることができない。なんともどっちつかずで、中途半端な印象の作品。 | ||||
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確かにこれまでのオースター作品とは一風違う感じの内容です。でもむしろ 以前の作品よりも読みやすいと感じる方が多いと思います。とにかく面白く てスイスイ読めます。ページをめくって行くに従って、残りのページ数が減 っていく事を残念にさえ思いました。 | ||||
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