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ミスター・ヴァーティゴ
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ミスター・ヴァーティゴの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.35pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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ポール・オースターの作品を読むのは久しぶりになる。多くの純文学がストーリーの面白さから乖離してしまっているような現状で著者の「お話はおもしろくなくてはならない」という信念が本作からもつたわってくる。そしてその話の作り方の巧さは本作も例外ではない。だが、「空を飛ぶ少年」というメインのモチーフで、どこまでストーリーを引っ張っていけるかなと思いながら読み進めていたのだが、そのボリュームがやや広がり過ぎ、オースター作品の中では比較的冗漫に感じた。〜大きな夢をかなえたところまでも主人公は様々な苦労を乗り切るのだが、本作のテーマはそこから転落してしまってからが、大きなポイントになる。多くの読者の方とは意見がことなるかもしれないが、僕はその転落後の人生のほうが興味深くよめたし、著者の描写の巧さもその展開になってからの方が--そこまでも巧いことは巧いのですが--全体として明晰でしっかりした構造をもち、うまく描けているとおもう。 主人公はそこから現実としっかりリンクし、本当の成長がはじまっている。古い言葉だが、ポール・オースターはビルディング・ロマンを描きたかったのだのだろう。そのスタイルで作品をしあげるのであれば、夢かなう部分をもうすこし短くし、夢やぶれた以後の展開をもっとしっかり書き込めば、ラストの感銘ももっと説得力をもち、全体の完成度もいまより高い作品にしあがったと思う。 追記・しかし柴田元幸氏の訳は本当にうまいですね。著者ほどの存在は今の日本には見当たらないでしょう。 | ||||
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オースターの作品の中でも、とりわけ読みにくくて、とりわけ悲しい物語だったような気がします。 みんなほんのちょっとの幸せが欲しいだけだったのに。 登場人物たちは、大して欲張りでも、貪欲でもないのに、ちょっと幸せになりたいだけなのに、どうしてこうなっちゃったんだろうね。 そして気がついたら、この物語が出来上がっていたという感じです。 不思議な不思議な物語です。 読む人によって、いろいろな読み方が出てくるのではないでしょうか。 | ||||
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