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世界で一つだけの殺し方
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世界で一つだけの殺し方の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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素晴らしい本をありがとうございました | ||||
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博覧強記で知られる作者ですが、語られる薀蓄は単なる引き写しではなく完全に咀嚼されているので、いくら読んでも苦にならない。それどころか、もっともっと薀蓄を読んでいたいと思わせる稀有な作家の一人。今回も科学的トリックからピアノの歴史、象の生態まで凄まじい量の知識を駆使して、事件の謎解きが行われます。二編ともハウダニットものなので、犯人は割とわかりやすいですが、その犯行手段たるや、全く予想がつかないもの。正に「世界で一つだけの殺し方」です。「インペリアルと象」のタイ人の少年と日本人の少女の話など、物語としても引き込まれました。 | ||||
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芸術探偵とも呼ぶべき、神泉寺瞬一郎が活躍する本格ミステリを発表している著者が今回放ったのは、題名のとおり「世界でたった一つの殺し方」という奇抜な殺人事件を扱った作品で、次の二つの中編が収められています。 【不可能アイランドの殺人】 前半は、モモちゃんと呼ばれる少女の一人称による作品。 彼女は、「行き先は秘密」の旅行に、両親と出かける。 そこはどこにでもある地方都市のように思えたが、焼きそばの屋台で、一瞬にして<焼きそば>が<茶そば>に変わったり、トンネルを抜けた列車がトンネルに入る前と半分の車両になっている、などの不可思議な現象が頻発する。 ミステリ作品なので、超常現象などではなく、きちんと論理的な真相があるのだが、読んでいると、早くも物語は終盤に。 ここで、やっと「世界でたった一つの殺し方」による殺人事件が描かれるのですが、確かに、これまで読んだことのない殺人トリックで、芸術探偵は電話だけの登場ながら、印象的な作品に仕上がっていました。 【インペリアルと象】 一方、後半の作品は、作中で芸術探偵が語っているとおり、類似の発想のトリックはあるものの、著者の本領発揮と言うべき、芸術論(ピアノ曲とピアノという楽器に関するもの)に絡めて構成しているところが、巧みなミステリと感心させられました。 また、タイの象使いのエピソードが物語の始まりと終わりで描かれ、全体を引き締める役割を果たしています。 キーワードは、「インペリアル」なのですが、私はこの言葉の意味について、本作品を読むまで、全く知りませんでした。 著者の作品は、概ね読んでいますが、とにかくハズレがありません。 衒学趣味とも呼べるような作風なので、万人受けはしないと思いますが、「本格ミステリ」好きなら、ある種の「専門知識」を織り込んだこの作風にはあまり抵抗はないのではないかと思います。 今後とも、期待できる作家と感じています。 | ||||
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タイトルからは少しイメージが異なるだろうが、中編2編からなる芸術探偵シリーズの番外編というべき作品で、タイトルに似合わず作風は明るい。 最初の不可能アイランドの殺人は特殊な理系知識が駆使されたトリックで、深水版ガリレオといった趣。理系の専門知識がトリックとなるが、世界観にうまく説きこませてあり、話としては面白く仕上がっている。芸術探偵は電話のみの登場。 2編目のインペリアルと象は音楽ネタの専門知識トリックであり、クラシックのピアノ曲に関する蘊蓄がトリック解明に繋がっていくという巧妙な設定だ。 専門知識が必要なトリックはミステリーのトリックとしては望ましくないという昔からの回訓があるが、こうして物語にうまく絡ませると違和感なくまぎれもなく本格ミステリーとなることを実証した作品だ。 | ||||
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2編収録の中編集であります。ページ数は同程度ですが、読了までにかかった時間は倍ほども違ったり(笑)。 次々に不可能現象が展開し、笑いがこみ上げてくる「不可能アイランドの殺人」。注目したいのは事件の発覚から解決までのスピードで、たったの25ページ! それだけの文章量に詰め込まれた推理にはただただ圧倒されます。 お次の「インペリアルと象」は本編の半分以上が音楽に関するペダントリーという困りものの一作でして、クオリティは高いのですが、題材に興味も知識も乏しい読者は脳がトリップしてしまうのでありました。 | ||||
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