■スポンサードリンク


審判



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
審判 (文春文庫)

審判の評価: 4.00/5点 レビュー 8件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

D・W・バッファの真摯な創作スタイル

本書は、オレゴン州ポートランドを舞台に、弁護士ジョーゼフ・アントネッリを主人公としたリーガル・サスペンス三部作の第3作である。D・W・バッファは、自身も弁護士として活躍した経歴を持ち、デビュー作の『弁護』、それに続く『訴追』、そして本書と、自らの経験を生かした、臨場感あふれる法廷ドラマを発表している。

首席判事とその後任が同様の手口で殺される。どちらも外部通報でホームレスが逮捕される。はじめの殺人犯は逮捕の夜に拘置所内で自殺してしまう。では次の殺人犯はその摸倣犯か。腑に落ちないものを覚えたアントネッリは、第二の殺人犯の弁護を引き受けるのだが、そこにはアントネッリ自身も巻き込まれた、10年以上前の事件が絡んでいた。

文庫で539ページの大作だが、前半は第一の事件の被害者であるジェフリーズ判事の、法廷での専制君主のような態度や、アントネッリが駆け出しの頃に受けた厳しい仕打ちや、後輩弁護士エリオットに関わるエピソードなどが、読み手によっては冗長に思えるほど、たんねんに描かれる。

後半は、第二の殺人事件の公判を中心に据えた展開だが、ここでもD・W・バッファは手を抜くことなく法廷での証人と弁護人、検察官とのやりとりを几帳面に描いている。

本書は、謎の複雑さ、アントネッリの探偵ばりの活躍、ロマンスと、読みどころもたくさんあるが、私は、D・W・バッファという作家の、ひとつの作品をていねいに書きとおす、その真摯な創作スタイルに感心した。
審判 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:審判 (文春文庫)より
416766108X

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!