審判
- 法廷ミステリ (212)
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先に読んだD.W. バッファの『弁護』から興味を持ったので在庫のなかから著者の第三作目『審判』を見つけたので読むことにした。 本書は、2002年7月に発行されてものだから評者が読んでから13年時が過ぎたことになる。 本書『審判』も弁護士「ジョーゼフ・アントネッリ」を主人公とするリーガル・サスペンスものなのだが、読了して先に読んだ『弁護』のほうが作品としての完成度が高いように感じたのは評者だけでなないだろう。 アントネッリの初恋の人の登場から二人の濃密な関係修復などへの描写が長々と書かれてるのが、先を知りたい読者にはイライラ感を与えただろうと思ってしまった。 もちろん評者もその一人であるが、先に読んだ『弁護』に登場する恋人のアレグサンドラは、事件に大きく関与していたが、本書に登場する初恋の人ジェニファーは、事件そのものに直接かかわりがないから二人が楽しむドライブやレストランでの情景描写などページを飛ばしたくなってしまった。 ネタバレを承知で書かせてもらえば、著者がこの物語の最後で主人公アントネッリを、『弁護』と同じように「ハッピーエンド」で終わらせない布石と思えば納得できるのだが・・・。 ハッピーエンドとは言えない最終ページで、アントネッリに語たらせる描写などは、意外と爽やかさを感じるのは著者の才能のなせる技なのだろうと感じてしまった。 評者は、13年前に読んだ本書を再読したのだが、物語の内容をかなり記憶していたので『審判』ほど楽しく読み進むことはできはしなかった。 が、著者D.W. バッファは、シカゴ大学を卒業後、オレゴン州で弁護士を開業、刑事裁判では十五戦全勝という無敗の記録をうちたてた経験をもつ、いわゆるアメリカでのやりての弁護士だったから、著者の作品のなかで出てくる法廷でのリアリテイあふれる描写力が読み手を魅了してしまうのである。 子供のころロシアから亡命してきた古書店主のチチェリンなどとの交流で語り合うロシア文学やスターリンなどのエピソードを挿入する著者の博識なども著者の作品には多く挿入されているから、本作もたんなるリーガル・サスペンスものでは味わえない独自の魅力となっている秀作であると評価したい。 | ||||
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何ら法はおかしていないものの、知る限りもっとも邪悪な存在と思われる判事が殺された。 逮捕されたのはホームレスだが、何も語らないまま、留置所で自殺してしまう。 続いて別の判事が同じように殺されたとき、事件は模倣犯として片づけられそうになるが、 Antonelliは偶然とは思えないつながりに気づく。 それは、自分も深く関わる12年前のできごとにさかのぼることだった…。 孤高の敏腕弁護士、Joseph Antonelli シリーズ第三弾です。 いつもながら裁判シーンは痛快ですし、真相をときあかしていく過程を読むのも快感です。 意外性や劇的な展開ばかりをねらわず、人の深淵を考えさせるプロットが、深みを与えていると思います。 今回も、彼をとりまく人間たちの人生の痛み、人の欲望の残酷さ、悪意の深遠さを考えさせられます。 何より、社交的には不器用で内向的だけれど、 数少ない友人たちが暖かく見守らずにはいられない人物像が魅力的で、 読み続けずにはいられないシリーズです。 一作ずつ独立していますので、ストーリー理解のうえでは、必ずしもさかのぼって読む必要はありませんが、 特に一作目 The Deffence を読むと、彼が住んでいる豪邸や蔵書の訳、 かつてはどんな弁護をして、どんな恋愛をしてきたか、 そのAntonelli の人となりの背景がわかって、より魅力的に感じられると思います。 | ||||
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本書は、オレゴン州ポートランドを舞台に、弁護士ジョーゼフ・アントネッリを主人公としたリーガル・サスペンス三部作の第3作である。D・W・バッファは、自身も弁護士として活躍した経歴を持ち、デビュー作の『弁護』、それに続く『訴追』、そして本書と、自らの経験を生かした、臨場感あふれる法廷ドラマを発表している。 首席判事とその後任が同様の手口で殺される。どちらも外部通報でホームレスが逮捕される。はじめの殺人犯は逮捕の夜に拘置所内で自殺してしまう。では次の殺人犯はその摸倣犯か。腑に落ちないものを覚えたアントネッリは、第二の殺人犯の弁護を引き受けるのだが、そこにはアントネッリ自身も巻き込まれた、10年以上前の事件が絡んでいた。 文庫で539ページの大作だが、前半は第一の事件の被害者であるジェフリーズ判事の、法廷での専制君主のような態度や、アントネッリが駆け出しの頃に受けた厳しい仕打ちや、後輩弁護士エリオットに関わるエピソードなどが、読み手によっては冗長に思えるほど、たんねんに描かれる。 後半は、第二の殺人事件の公判を中心に据えた展開だが、ここでもD・W・バッファは手を抜くことなく法廷での証人と弁護人、検察官とのやりとりを几帳面に描いている。 本書は、謎の複雑さ、アントネッリの探偵ばりの活躍、ロマンスと、読みどころもたくさんあるが、私は、D・W・バッファという作家の、ひとつの作品をていねいに書きとおす、その真摯な創作スタイルに感心した。 | ||||
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彼の作品は、読ませるのです。 裁判で勝ったり、負けたりしても、 そこが終わりではなくて、 事件を中心に、かかわった人の運命は すべて変わっていく、 そのどうしようもなさが書かれていて、 実に読ませるのです。 | ||||
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主人公は刑事事件を得意とする弁護士Antonelli。 主人公の不倶戴天の敵であった判事が刺殺された。犯人は捕まったが,すぐに別の判事も似た方法で刺殺された。この事件の容疑者も逮捕され,事件は解決するかに見えた。 しかし,Antonelliは,二つの事件の背後に何かがあると考え,裁判に臨んだ。裁判の過程で,真実が明らかになっていく...どうやって二つの殺人が可能となったのか,など,興味をひく部分はありますが,話の展開は遅く,冗長な感じです。かといって,人間の本質に迫るような深さもあまり感じられません。そして,とってつけたような最後のページにも,私はあまり感心できませんでした。 | ||||
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