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太陽を曳く馬
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太陽を曳く馬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.72pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全47件 1~20 1/3ページ
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読後感をうまくまとめることができない。この観念小説はどこまで構築的に設計されているのだろうか。ここで、観念小説と書いたのは、事実の連なりとしてのストーリーよりも、観念の連なりの方に圧倒的に比重が置かれているという意味だが、こんな観念小説を読む人が現代にも多いということにある種の驚きを覚えてもいる。それにしても、これは読後感を計算しつくした作家の戦略なのか、そうではないのか。この小説は、『晴子情話 上下』『新リア王 上下』に次ぐ第三部になる。『晴子情話』が1960年代から70年代を扱っているの対して、これは2001年を扱い、主人公は同じであるものの、この第三部のみ合田雄一郎の視点を通して描写されている。彼女の書く小説にも色々とあるが、『マークスの山』や『リヴィエラを撃て』などは事実の連なりとしてのストーリーに重きを置いていたのに対し、この小説はストーリーにはあまり意味がなく、観念の連なりにこそ意味があるような作品だ。また、小説は土台の上に厳密に設計された構築物が築かれるという意味で、レンガを積むというか建築に似ていると言われますが、この作品も該当している。もっとも、このような計算されつくした構成ではなく、成り行きで書いていって面白い野坂昭如のような小説家も以前はいたが、今はそんな小説家がいるのかどうか。 | ||||
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読後感をうまくまとめることができない。この観念小説はどこまで構築的に設計されているのだろうか。ここで、観念小説と書いたのは、事実の連なりとしてのストーリーよりも、観念の連なりの方に圧倒的に比重が置かれているという意味だが、こんな観念小説を読む人が現代にも多いということにある種の驚きを覚えてもいる。それにしても、これは読後感を計算しつくした作家の戦略なのか、そうではないのか。この小説は、『晴子情話 上下』『新リア王 上下』に次ぐ第三部になる。『晴子情話』が1960年代から70年代を扱っているの対して、これは2001年を扱い、主人公は同じであるものの、この第三部のみ合田雄一郎の視点を通して描写されている。彼女の書く小説にも色々とあるが、『マークスの山』や『リヴィエラを撃て』などは事実の連なりとしてのストーリーに重きを置いていたのに対し、この小説はストーリーにはあまり意味がなく、観念の連なりにこそ意味があるような作品だ。また、小説は土台の上に厳密に設計された構築物が築かれるという意味で、レンガを積むというか建築に似ていると言われますが、この作品も該当している。もっとも、このような計算されつくした構成ではなく、成り行きで書いていって面白い野坂昭如のような小説家も以前はいたが、今はそんな小説家がいるのかどうか。 | ||||
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気にいる、いらないは、別に有りませんです。 | ||||
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高村薫はBL路線が本当に好きなんだなと思う。 警察や僧侶の男くさい世界に滲むひとさじの隠微さ。あからさまにではなく、あくまでも密やかに。 | ||||
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マークス、照柿、レディジョーカーの次に読んだが…久々に大変な小説というか、ミステリーじゃ無いんかい!みたいな(ま、ミステリーなんだろうが)。文学系の本をなかなか読めない私みたいな読書弱者にはつまらない本です。 | ||||
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上巻読書中は下巻は間をおいてから読もうと考えていたが、掉尾のあまりの引きの強さから連続して下巻に突入、 結果、合田の凹にけっきょく一月付き合ってしまった、 自分もずいぶん辛抱強いと思うが、著者の力業漲る文章は退屈な物語を読み通させる魅力はある、 下巻は冒頭からえんえんと仏教(禅宗)側からのオウム真理教解釈のようなものが語り続けられる、 仏教界からオウム事件に関するダイレクトなまとまった発言があったかどうか記憶ないが、伝統仏教側からすればオウムははねっかえりのチンピラたちが暴れただけの認識だろうが、ここで著者は禅宗僧侶たちの言葉を借りて総論するように膨大な言葉が記述されている、 物語は福澤親子という特異極まる二人を巡る迷宮のようだが、仏教、とくに禅宗が近代哲学にとても親和性があるらしことが朧気に立ち上がってくると思う、 ミステリの体裁は取りながらも本作は結論を語る物語ではないので隔靴痛痒な印象そのままに物語は終了する、 最終章の直前、合田のあまりの執拗さに呆れた心療内科の医師が合田に向かって次のように吐き捨てるのがクライマックスかもしれない、 いわく、P.299 ”あなた、食欲や性欲はふつうにあります? 夜はちゃんと寝られます? 仕事にじぶんを合わせるのが少々しんどい、というところではないですか? もう少ししんどくなってきたら、早めに心療内科へ行かれることを是非お薦めしておきます。” 「我らが少女A」の合田を知っている読者は合田は本作後にどうにか更生できたのだとわずかにほっとできるかもしれない、 | ||||
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「我らが少女A」にいたく感激したので、返す刀のような勢いで本書を手に取ってしまった、 少し読み進んで、これは何かおかしいと異変に気付き検索してみると、本書は合田シリーズでもあるが、他の主人公を語った別シリーズの最終話でもあるらしい、 警察や裁判関係の書類に唐突な印象で私信が連続する作りも、何か別シリーズとの絡みが関係するらしい、 物語は地味なもので、裁判関係の公文書そのままのページも多く(もちろん作者の創作だが)、作者の試行錯誤がダイレクトに語られてた純文学風味の印象が極めて強い、 ただし作者独特の文章と文体には読み進ませる強い磁力があり飽きることなくページをめくってしまったが、この作風なら下巻は時間をおいてから読もうかなどつらつら読み進んでゆくと、最終ページの最終行、これを書かれては続けて読むしかないという波乱を感じさせるのだった、 第一部TOKYO POPでは現代美術論らしきものが語られる、 その中で、P.79に次のように合田は語る、 「社会や時代の全体をなおも言い当てることができると信じて疑わない警察の言葉を尻目に、この世界の意味と無意味を審級している未知の言葉たちの、恐るべき強度と先鋭さを見よ。」 合田が語ることは実務家である警官の視点なのか、それともキリスト教徒である一日本人としての視点なのか? 仏教徒の意見でないことは間違いないが、なにか批判のための批判が語られているような隔靴痛痒な印象がある、 数万年前の洞窟壁画を材料に現代人と古代人が同じ価値観を共有しているような意見も語られる、 その部分は私のような折口信夫に親しんでいる読者には古代人の価値観を現代人の価値観で強引に解釈したい、解釈してしまいたいという傲慢さを感じさせるものだった、 そう、折口の想像力は飄々と長大な時間を超えてゆくが、個人主義・民主主義・人権・近代的自我などに捕らわれた囚人たちの想像力は時の重さにはけして想像力が及ばないからである、 そして上巻の後半では禅宗を代表として現代仏教批判らしきものが語られる、 では、なぜ禅宗なのか? なぜ禅宗以前の律宗や華厳宗、そして天台・真言ではないのか?とまず疑問を持っておきたい、 1980年代、極東の大都市東京が世界のTOKIOに変化した退屈だったが静かな激変期から21世紀初頭までを事件と現代アートと仏教を材料に概観を試みているようにも感じたのだった、 劇中触れられていないが、事件のきっかけになったCDはB'zのラブ・ファントムではないのだろうか? ちなみに同曲はこう歌いだされる、 ”いらない、何も、捨ててしまおう!” カバー・アートに既視感を覚え、記憶をたどるとレディオヘッドのAMNESIACのジャケットによく似ている、 ここでは一文字も語られていないが、80年代当時のポップ・カルチャの中に現代アートを位置づけて社会観察できる読者なら作者の強引を感じさせる記述はくすくす笑いながら読みとばせるとも思う、 なにか面白みを感じた文章を以下メモすると、 P.115 美術において、本来は外部との間に成立しなければならないコミュニケーションを再現性といいますが、 それが欠けていることによって、何を描こうとしているのか理解できない絵があるというだけです。 P.120 アニメやフィギュアの禍々しさにそのまま感応する眼は、必ずしも人間や社会を見つめる眼ではない。 P.217 認識論から見た視覚の自己完結性 P.320 (仏家たちの行う葬儀は)それが死そのものに届くことはけっしてない、永遠の周縁だからだろう。 | ||||
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「冷血」は出版と同時に読んでいましたが、こちらは未読でした。 合田雄一郎が好きだからというだけでは、読み切れないのではないかと思って 文庫化したら読もうかと手に取らずにいたわけですが、改稿される事を考えて 遅まきながら読みました。 危惧したほど難解ではなく、彰之の手紙の旧仮名遣いにもすぐに慣れ二日ほどで 読了しましたが、読んで良かったと感じています。 合田は年を重ねて若い時分の痛々しい印象が無くなり、むしろ安心して読み進められ ました。以前の作品では、何をしているんだ雄一郎、考え直せ雄一郎、とか思いながら 読んでいたわけですが、この作品ではただただ雄一郎と一緒に考えるだけ。 久しぶりに深く物を考える機会を得ました。 | ||||
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黄金を抱いて翔べ 神の火 照柿 マークスの山 レディジョーカー 地を這う蟲 … この路線を期待するととんでもない返り討ちにあいます。 上巻の大半を占める、美術を基にした父から子へ向けた手紙まではよかったのですが(しかしこれも、旧仮名遣いなので読みにくい)、 下巻の一部を占める宗教論…もうサスペンスではないです。 不可解な事件を捜査する刑事の描写なら、 寺に行き、僧侶たちに聞き取りをしたがこれといった手応えはなかった。で終わりにしてもストーリーは成り立つと思うんですが(笑)僧侶たちに代弁でもさせているかのような、取材を通じて得た、もしくはオウム事件に対する感想を基にした、作者自身の感想 備忘録のような記録が延々、文字を連ねる。しかも「朝まで生テレビ」ばりの結論の出ない(もしくは、結論を求めない、かも)堂々巡りにもう耐えきれなくなって途中飛ばしてしまいました。殺人事件、事故などの捜査を文字で表現しているものを読むことで、頭にサスペンスドラマを思い浮かべるような人には、宗教論、不要です。まったく入ってこないどころか、遅々として進まないので何日もかかり、それまで読んだ内容を忘れてしまいました。僧侶たち(の章) の必要な部分って後半部分の末永が失踪する時のエピソードを居合わせた僧侶が合田に語るシーンぐらいじゃないかと思います。ここは捜査のシーンですから。下巻中盤の 僧侶たち で繰り広げられる、僧侶三人による回想を含む宗教論は、いくら頑張って読んだところで、所詮サスペンスドラマを期待する、自分のような浅い読者には残念ながら理解できませんし、事件の解決に結び付く要素はそこから見つけることはできませんでした。 他の方のレビューやネット上にある、ブログの中の感想文から得た、 人は生きるために殺人を犯すかもしれない云々の一行さえおさえておけば良いのでは。 なんて言ったら乱暴ですかね。怒られますかね…。 とにかく朦朧としながら読み続け、 次の章でホッとしました。 代議士や元主治医とのやりとりが、まさしく自分が求めているもので…起きた事件事故を何かしらの神秘的なものを取り入れることで、理解しようとする反面、ややこしくなってしまった捜査とはうって変わって、 現実の捜査のシーンが続きます。 特に元主治医の「元オウム信者だったからどうだというんですか?」この一言に限ります。 ラスト…死刑囚となった息子に向けた父からの手紙の束を合田と共に読み進めていく形でこの物語は終わる。犯した2つの殺人を美化とまでは言わないが、直視を避け、雑談のような内容の手紙ばかりだが、それが逆に生々しくて…別れを前に伝えたいことがまとまらないけど、とにかく書こう、というのが、居ても立ってもいられない心境の現れなのかと思うと、こちらも辛くなる。君を愛している、君を失いたくない、何でこんなことになってしまったんだ…と思っているかどうかは知らないが、そういう思いを秘めたまま、言っても仕方ないことは敢えて言わず、別の話題で繋がりを伝えようとしている手紙なんだろうと解釈した。辛い別れの時って本心は伝えられないもんですよね。 この何通かの手紙は没頭して読み進めることができた。そして切ないエンディング。この人の本はいつも、溜め息混じりで読み終わる。 作者の各業界に対する取材、掘り下げる姿勢には本当に感服するし、そこがこの作者が執筆する作品の魅力ではあります。でも今回ばかりは、やり過ぎたのではないか…宗教に関心の無い読み手にとって興味深い作品ではないです。ただただ辛い。 一つ残念だったのは、「確信犯」という言葉の使い方が間違っていたこと。作家なのに…そして宗教がらみの作品なのに、その言葉を間違える? | ||||
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合田雄一郎シリーズスピンオフ 芸術論&精神分析論 ということでございました。 | ||||
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合田雄一郎シリーズスピンオフ 宗教論&オウム論 ということでございました。 | ||||
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裁判制度の無残。精神障害者を死刑にする制度の無意味さ。死刑にされた、この少年の父親の苦しみ、如何に信仰修行を重ねても拭えない。この人間の苦しみを、この作者は見事に描いた。 | ||||
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ヨガや座禅、瞑想などに全く興味のない方には全く面白くないと思いますが、一方でそうしたことに惹かれたり、学んだ経験のある人には面白い書籍です。 | ||||
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他者が読む為のもととして成立しているか?と言われると、正直?です。 読み手を選ぶ本であるのは確か。仏教に関する素養が無いとまず苦しい。 オウム、911、90年代から00年代にかけての総括を作家という生き物に託したい人にはもしかしたら応えうる何かを持っている作品かもしれませんが、そういう読み手を選ぶという事態に最初からあぐらをかいているような手抜かりも感じます。 合田という本作における一応事件と呼べる出来事を追ってる人物が、聞き手としては驚く程理解力があり、話者の言葉を読み手のために 咀嚼する役割を担わせていないのも、お話の作り手である作家の為の本という印象を拭えない。 ルビも不満足。登場人物一覧すらない。 おかげで、こちらとしては、圧倒的な言葉の渦のなかで煙に巻かれたような感じが続きます。 幻惑的です。それが意図してやられているんでしょうが、ただの不親切と断罪も出来てしまう様な感じ。 狙いというには、稚拙な感じにも同時に思えてしまう。 登場人物全てが、見事に責任を取らない人物、見事なまでにエゴイスティックではありますし、 それを包んでいる作品が外箱としてそういう体裁を取っているのは、やはり狙いなのでしょうが・・・。 一番しっくりきたのは、作家自身による作家自身のための総括、備忘録といったところでしょうか? 手に余る部分に切り込み、言葉でもって整理するのに、いくつかの登場人物にそれぞれの見立てとして言葉を割り振り整理した。 興味深く読み進んだものの、まあ、お話としてはそもそも成立するような話でもありませんし、無駄に長い。面白くはありません。 ですが、この言葉の応酬は決して他では味わえない者です。密にして空虚、読み手を不安定な場所において試し続けるような怖さ、それでいてあっけらかんと突き放す様な作風は、一度味わう価値はあるとは思います。 | ||||
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余り安いので届くまで心配でした。 帯はなかったのですがすごくきれいだったので満足です。 ありがとうございました。 | ||||
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母がほしいというので購入。 中古品が激安で手に入り、母もびっくりしていました。 僕は読んではいません。 | ||||
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スピード、状態、対応全て完璧です。 またお願いしたいと思います。 | ||||
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本、または読書に何を求めるかは人によって違うと思うのでなんともいえないが、マークスの山やレディジョーカーを 自分の読書スピードの最速記録で読み終わったことを考えると、とてもではないが面白いとは言えなかった。 元々工場の作業工程や情景を、執拗とも言っていいほど細かく描写する傾向のある文章ではあったが、 ちょっと頭がおかしいんじゃないかと思う登場人物の、芸術に関する見解を三ページ以上に渡って読む苦痛を 最初に何回も味わい、読み続けるかやめるかを逡巡した。 まあそれはともかく、もっと根本的な部分で腑に落ちなかったのが、合田の性格が「この人誰?」ってくらい地味になっていたところだ。 40過ぎて上に反抗もないかもしれないけど、私は合田の鋭く不器用で、曲げられない部分を持っている性格に魅力を感じていたので、この変化に対して「ああ年取ったんだね」と苦笑して納得することはできなかった。 全然関西弁も出てこないし、加納との関係も元妻の兄で遠方にいる友人、それ以上でもそれ以下でもない感じ。 これは全く違う話として読もうと自分に言い聞かせる必要があった。 あと、普通に考えて「男は」「合田は」とするはずの文章で「おまえは」となっていたのがちょっと読みにくかった。 何かの効果を考えてのことだとは思うが、正直何を意図していたのか分からなかった。 下巻を読む気力が今の時点で起きていないし、冷血も読もうと思っていたがそんな気はすっかりなくなりました。 ちょっと残念です。 | ||||
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ひょうかはんたいしますよけいなことですではさようならよいほんありがとう | ||||
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ああああああああああああああああああああああああああああああ | ||||
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