■スポンサードリンク


シルヴァー・スクリーム



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

シルヴァー・スクリームの評価: 4.14/5点 レビュー 7件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.14pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(4pt)

80年代的ホラーアンソロジー(上巻)

映画がテーマのホラーアンソロジー(上巻)。

80年代にご活躍の作家たちのつぶよりの作品が収録されており、当時、モダンホラーやダークファンタジーに耽溺したていた自分には感涙もの。ホラーといいながらもけして怖くはないのがこれまた懐かしさを誘う。

猟奇殺人鬼と少年の交流(?)を描いたレイ・ガートン「罪深きは映画」は、結末の想像はつくものの途中のハラハラがたまらない。(この作家はの、風俗嬢パンパイアが活躍する「ライヴ・ガールズ」は、隠れた名作)。

その他、冴えない男二人の退屈過ぎる日の結末ジョー・R・ランズデール「ミッドナイト・ホラー・ショー」は、相変わらずのタブーお構いなしの破天荒さが魅力だ。
シルヴァー・スクリーム<上> (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:シルヴァー・スクリーム<上> (創元推理文庫)より
4488584047
No.5:
(4pt)

80年代的ホラーアンソロジー(下巻)

映画がテーマのホラーアンソロジー(下巻)。

日本ではあまり翻訳がされいないホラー界の大御所ラムジー・キャンベルや、最近とんとお目にかからないロバート・R・マキャモンの作品が収録されている。

連続殺人鬼を追う老俳優のアメコミ的活劇を描いたマキャモン「夜はグリーン・ファルコンを呼ぶ」がなんといっても秀逸。その他、ドライブインシアターで繰り広げられる阿鼻叫喚の宴 マーク・アーノルド「映魔の殿堂」は、悪魔的ともいえる破壊力抜群のイメージに酔いしれてしまった。

キング、クーンツの作品が収録されていないのがちょっと残念であるかな。
シルヴァー・スクリーム<下> (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:シルヴァー・スクリーム<下> (創元推理文庫)より
4488584055
No.4:
(4pt)

やっと邦訳されたアンソロジー

上巻ではまずF・ポール・ウィルスン「カット」。ここで描かれる怪異はありがちな題材を扱っていながらも、その現象が特異で読ませる。これ、ほんとうにあったら怖いよね。ていうか最悪の悪夢だ。レイ・ガートン「罪深きは映画」は少年と連続殺人鬼の物語。そこにガートンは宗教による抑圧と屈折したイニシエーションを絡め、アンファンテリブル物として忘れがたい物語を紡いでゆく。スティーヴン・R・ボイエット「アンサー・ツリー」は既視感があってよくよく考えてみるとあのセオドア・ローザックの「フリッカー、あるいは映画の魔」とよく似た印象を受けるのだ。ドキュメントっぽいつくりの中で異様な映画監督の全貌が徐々にあきらかになってゆく。これは面白かった。ランズデールの「ミッドナイト・ホラー・ショウ」は先に文春文庫から刊行されていた「厭な物語」に「
ナイト・オブ・ザ・ホラー・ショウ」のタイトルで収録されていたので既読だったのだが、なんとも厭な話だね。前回読んだ時はフラナリー・オコナーの「善人はそういない」と読み比べてしまったのでさほど厭な印象は残らなかったのだが、こんなに後味の悪い話もそうそうお目にかかれないね。
シルヴァー・スクリーム<上> (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:シルヴァー・スクリーム<上> (創元推理文庫)より
4488584047
No.3:
(4pt)

最後に凄いのが残っていた。

下巻ではマキャモンの「夜はグリーン・ファルコンを呼ぶ」で幕を開ける。これも20年近くまえにマキャモンの短編集「ブルー・ワールド」で読んでいて、その印象ではなかなか痛快な変格のヒーロー物として残っていたのだが、今読んでみるとこれがけっこう正統派のサスペンスとして機能しているので驚いた。実をいうともっとブッ飛んだ内容だったように思っていたのだ。ドラマとしてもかなり秀逸だ。ミック・ギャリス「映画の子」は、業界の内幕が描かれていて興味深い。これを読めばアメリカのショー・ビジネス界のセオリーが学べます。エドワード・ブライアント「カッター」はまさかそんな結末がまっているとは!と驚いてしまう逸品。これは詳しく語りません。読んで戦慄してください。そして本アンソロジーの中でも目玉なんじゃないかと読了してから興奮したのがマーク・アーノルド「映魔の殿堂」。この作家どうも編者のデイヴィッド・J・スカウの別名義なんじゃないかといわれているのだが、これがあなた凄い作品なんですよ。おそろしく真面目で堅牢なつくりの作品だなあと感心しながら読みすすめているとラストで世界がひっくり返って大興奮の坩堝に叩きこまれること間違いなしの作品なのだ。
シルヴァー・スクリーム<下> (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:シルヴァー・スクリーム<下> (創元推理文庫)より
4488584055
No.2:
(5pt)

恐怖の銀幕

収録作品
「前口上」トビー・フーパー
「幻燈」ジョン・M・フォード
「カット」F・ポール・ウィルスン
「女優魂」ロバート・ブロック
「罪深きは映画」レイ・ガートン
「セルロイドの息子」クライヴ・バーカー
「アンサー・ツリー」スティーヴン・R・ボイエット
「ミッドナイト・ホラー・ショウ」ジョー・R・ランズデール
「裏切り」カール・エドワード・ワグナー
「〈彗星座〉復活」チェット・ウィリアムスン

『悪魔のいけにえ』のトビー・フーパー監督による趣向に満ちた愉しい序文から始まる、映画をモチーフとした書き下ろし(一部既発表作品を含む)ホラー・アンソロジー(原著1988年刊)

題名に込められたダブル・ミーニングが絶妙な「カット」
巨匠ブロックが描くオールド・ハリウッドへの郷愁「女優魂」
アンファン・テリブル物の傑作「罪深きは映画」
スプラッタ・ホラー名作中の名作「セルロイドの息子」
オフビートな諧謔の中に異界としてのアメリカ南部の不気味さを感じる「ミッドナイト・ホラー・ショウ」
そしてノスタルジアの中に言いようも無い恐怖を秘めた「〈彗星座〉復活」

映画への妄想と映画館の暗闇がもたらす恐怖に満ちた傑作短編集。書き下ろし中心ながら個々の作品の水準は極めて高い。
シルヴァー・スクリーム<上> (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:シルヴァー・スクリーム<上> (創元推理文庫)より
4488584047
No.1:
(5pt)

映画の魔に憑かれて

収録作品
「夜はグリーン・ファルコンを呼ぶ」ロバート・R・マキャモン
「バーゲン・シネマ」ジェイ・シェクリー
「特殊メイク」クレイグ・スペクター
「サイレン/地獄」リチャード・クリスチャン・マシスン
「映画の子」ミック・ギャリス
「危険な話、あるいはスプラッタ小事典」ダグラス・E・ウィンター
「スター誕生」ジョン・スキップ
「廃劇場の怪」ラムジー・キャンベル
「カッター」エドワード・ブライアント
「映魔の殿堂」マーク・アーノルド
「とどめの一劇(エンド・スティック)」デイヴィッド・J・スカウ

映画をモチーフとした書き下ろしホラー短編集の下巻。
藤子F不二雄の某短編を思わせる老ヒーローの悲哀を描いた「夜はグリーン・ファルコンを呼ぶ」
描かれた狂気のリアルさが他人事に感じられない掌編「バーゲン・シネマ」(作者はSF作家ロバート・シェクリー
の娘か姪らしい)
ネズミ嫌いは避けたほうがいい「特殊メイク」
リチャード・マシスンの息子による凄惨な詩のような「サイレン/地獄」
異形の悲しみと絶妙な余韻に満ちた本書随一の傑作「カッター」
そしてスラッシュ・メタルとハードコア・パンクの轟音に包まれた極め付きの怪作「映魔の殿堂」
編者デイヴィッド・J・スカウによる作家紹介も芸が細かく面白い。

各編に込められた作家たちの映画がもたらす魔へのオマージュ、そして映画館の暗闇に巣食う魑魅魍魎の恐怖を堪能できる傑作アンソロジー。
シルヴァー・スクリーム<下> (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:シルヴァー・スクリーム<下> (創元推理文庫)より
4488584055

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!