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(短編集)

貴族探偵対女探偵



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【この小説が収録されている参考書籍】
貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)
貴族探偵対女探偵 (集英社文庫)

貴族探偵対女探偵の評価: 3.76/5点 レビュー 29件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.76pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全29件 21~29 2/2ページ
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No.9:
(3pt)

全体を読まないとわからない

一話ごとに完結するミステリ短編の連作です。

設定は漫画です。
貴族探偵…超金持ちで、執事やメイドを引き連れている、女たらし
女探偵…亡き師匠を慕う、名探偵らしい

小説としては読み進めるのに苦労します。まず、登場人物の誰にも感情移入できない。
ミステリネタも、ミステリのための謎という感じで、続きが気にならない。
最後の一話のために、ほかの話がある感じです。
女探偵が貴族探偵のための当て馬でしかないのですが、その理由が最後にわかります。
そこが唯一面白いところでした。

ただ、この作品の前提作品を読まないと分からないのだろうと思います。
マニアックなファン向けの作品っぽいので、普通に本屋で手に取って読んだだけの人にとっては、大外れかもしれません。
貴族探偵対女探偵 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:貴族探偵対女探偵 (集英社文庫)より
4087454894
No.8:
(3pt)

設定が面白い

身分が高いと思われる探偵の召使い達が名探偵という設定が面白い。(イギリスの推理小説に貴族である主人公が探偵をする小説がありますが。)貴族探偵の正体はわからないが、元皇族とか?でも元皇族って、ある方の強烈なイメージがあるので複雑な思いです。
貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)Amazon書評・レビュー:貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)より
4087715353
No.7:
(3pt)

ギャグか?一部ネタバレあり。

ありえない設定、ありえない探偵、ありえない事件…。例えば第二話、これが殺人事件の動機になるなら、最初からこんな名前を子供につけるはずないよね(笑)。ありえない、ありえない、ありえない(笑)。まさに支離滅裂(笑)。論理もなんか怪しいし。だけど、この作者の作品は結構好きなんだな、うん。バカバカしさがたまりません(笑)。
貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)Amazon書評・レビュー:貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)より
4087715353
No.6:
(3pt)

前作よりは対決趣向にした分落ちる

1作目は貴族探偵の不可能状況を一瞬に解決する(したように思える)強引さが痛快であったが、本作はタイトル通り、普通キャラとしての女探偵がまず推理を披露し、それを貴族探偵がひっくり返すというパターンの話に全てなっている。
いまいち、ミステリーで探偵対決ものをやるとかえってつまらなくなるパターンが多いが、奇才麻耶氏においても、前作との比較で見る限り、そのパターンにハマりこんだようだ。
最初の女探偵の推理が誤りなのは読者には分っているので、この部分が全作品で読むと、単なる蛇足に思えて、その後に貴族探偵がひっくり返しても、いまいち「そうきたか!」というどんでん返し的な効果は起きておらず、屁理屈程度の落ちにしか思えない。
事件自体も派手さがないし、ロジックで繰り出される推理自体もいまいちどうとでも解釈できてしまうような落ちなため、印象が薄い。
探偵対決形式で多重解決でしかも短編形式というのは技術的ハードルが高すぎるのでないかと思う。
ミステリー初心者には単なる地味でパッとしないミステリーに思えるかもしれないが、麻耶ファンには楽しめるという意見もあるが、麻耶氏の多重解決短編ではメルカトル鮎探偵シリーズなどの方が数段出来が良い。
今回はどうもお得意の多重解決を対決形式でやった試みはやや成功しているとは言い難い作品となってしまっている。
貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)Amazon書評・レビュー:貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)より
4087715353
No.5:
(4pt)

貴族探偵対女探偵を読んで

このミステリーがすごいにランクインしたので,読みました。
前作につづいて、ユーモラスで楽しいです。
どのはなしも流れがほぼ決まっているというのも,徹底すると、一種の安心感があります。
それにしても、女探偵の方が、非常に可哀そうです。
貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)Amazon書評・レビュー:貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)より
4087715353
No.4:
(5pt)

本当にユニークな設定です。

貴族探偵と名乗っているのに、推理して事件を解決するのはその使用人やメイド、運転手であるという発想は本当にユニークで、楽しく読ませていただきました。この貴族探偵をシリーズ化して発刊していただけたら、私たち読者も定期的に楽しいひと時が過ごせるのではないかと思います。
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4087715353
No.3:
(3pt)

ハマれませんでした

他の方のレビューにある「ミステリー小説に読み慣れていない人が読めば…」の感想がピタリとハマりました。
しかし、某ディナーのような薄っぺらのミステリーではない見事なロジックには驚きました。
感心はするけど面白いと感じる事が出来ない私はミステリー初心者かもしれません。
貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)Amazon書評・レビュー:貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)より
4087715353
No.2:
(5pt)

レジに進む前にちょっと待って

麻耶雄嵩の世界にどっぷりつかっている方はそのままレジにお進みください。
若干推理に怪しいところがありますが、事件は解決しているので貴族探偵の世界観では問
題なしです。

麻耶作品はこれが初めてという一見さんはちょっと待ってほしい。
貴族探偵VS女探偵、帯にはディテクティブ(所謂探偵)ミステリーの傑作と書かれてい
ますが摩耶作品は一筋縄では行きません。【探偵】【推理】といったものの枠組みへの問
題提起と読者への挑戦を緻密な論理で一貫して行ってきたこの作者の作品は、世間で認知
されている推理小説や本格ミステリとはだいぶ毛色が異なります。
例えば、明らかに殺人事件なのに犯人が特定されない短編集を出版したりします。
また探偵像にしても以下のように枠組みへのアンチテーゼな探偵がごろごろしています

☆ホームズ役より推理能力で優れるワトソン役。かつワトソンは探偵を裏から操る。
☆鬼畜な銘探偵とその奴隷的助手(助手が探偵を殺すそうとするとはびっくりです。)
☆全知全能な神様がでてきてご託宣と天誅を行うミステリ。
 事件の真相を明らかにしているから神様も探偵といえるのか。
  
推理→犯人がわかる→「すっきりした」という一般の推理小説の読後の感想が摩耶作品
では推理(たまに省かれます)→犯人がわかる→怒涛のカタストロフィで「え、なんで。
どういうことなんですか。」となります。作品自体は極めて論理的なんですがトリック
とプロットに意図的な落差や罠があるので【隻眼の少女 (文春文庫)】のレビューの
ように好き嫌いが分かれてしまいます。嵌ると抜け出せなくなりますけどね。

ですので本作も作者の作風を理解せずに、探偵同士の推理対決や知恵比べを期待すると
他のレビューの方が述べているように「変ないけすかない探偵が出てくるパッとしない
推理小説。キャラも立ってないしトリックも地味」と肩透かしになりかねません。
どうか上記の作風を踏まえた上でご鑑賞ください。
貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)Amazon書評・レビュー:貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)より
4087715353
No.1:
(5pt)

消去法の限界

「探偵から何を取り除いても探偵でいられるか」という麻耶一連の取り組みのひとつ、貴族探偵第二巻。探偵からモラルを取り除いたメルカトル、探偵からロジックを取り除いた鈴木太郎(これは神様ゲームのレビューでも書いたが本当に凄い)、そして探偵から推理という行為を取り除いた貴族探偵。本作では「優秀で頭も良く、推理も論理も素晴らしいのに解決できない女探偵」と「自分は推理しないけど事件を解決する貴族探偵」を対照的に描いており本作のテーマがより明確になっている。前作では使用人にキャラクターが生まれないようわざと均等に出さず田中だけ二回出した、という徹底ぶりで、本作も使用人のキャラクターは意図的にまったく掘り下げられていない。キャラクターをもっと魅力的にするとか工夫すれば多少は一般受けもするだろうに、まったく頑固な作家である(そこが好きなのだが)。

メルの「答えのない絵本」のように、最近の麻耶の嗜好として、ミステリで疑いも持たれずに用いられる消去法という方法論への懐疑もあるのだろうか。もちろん全ての可能性を挙げ、全て消去していけば真実が残るはずなのだが、現実には全ての可能性を挙げることなんてできないし、消去の仕方にもちょっとした勘違い、間違いがあるだけですべてが破綻して見当違いになってしまう脆弱性を孕んでいる。女探偵の推理は見事で、並みのミステリでは充分通用するレベルの推理なのだが、一つ一つ一見間違いがないような論理を積み重ねていった結果ありえない結論に達してしまう。

「白きを見れば」は本作の消去法とその失敗を最も端的に表した典型的な作品。
「色に出にけり」はふんわりしたアリバイトリックをそういう風にまとめて犯人を指摘するのか!という最後の持って行き方が、すごく現実的でかつ円熟しておりカッコイイ。動機も素晴らしく、かなり好感度の高い作品。
「むべ山風を」はある短篇でメルが「浅墓」と指摘した可能性を実際にやってみた感じ。これは消去法ではまるで太刀打ちできない。
一番好きだったのは、あの作品の二番煎じと言われるかもしれないが、「幣もとりあえず」。とにかくシンプルで綺麗だなぁと惚れぼれしてしまった。
「なほあまりある」はあまりにも優雅な貴族探偵の戯れと、バラバラのピースが一直線に繋がっていく様は加速度円舞曲にも引けを取らず、最後のオチも非常に綺麗にまとまっており、笑わせてくれる。

一度麻耶作品にはまってしまうと他の作家のミステリを読めなくなるほどの中毒性を裏打ちしているのは、何よりもまず、美しい論理、既存のミステリへの造詣と観察、考察の深さ、そしてガチガチの論理で武装しているにも関わらず、凝り固まらず常に独自性を発揮する自由さと円熟味(エキセントリックさだけではない)。あまりミステリを読み慣れていない人にはこの凄さが伝わりにくいのが難点ではあるのだが…そういう人にとっては「変ないけすかない探偵が出てくるパッとしない推理小説。キャラも立ってないしトリックも地味」で終わりそうな感じの作品集。
貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)Amazon書評・レビュー:貴族探偵対女探偵 (貴族探偵)より
4087715353

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