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(短編集)
戻り川心中
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戻り川心中の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全53件 21~40 2/3ページ
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【読後にお読み下さい。】読めば判る。贅言は不要の一冊。作者ならではの詩情とロマンに満ちた作品世界とトリック(推理小説要素)の見事な融合は、一読して驚嘆させられた。最初に受けた衝撃が余りにも大きく、イチ推しは「藤の香」になってしまいました。なお、詳述はもちろんできませんが「桐の柩」と表題作(ショーケン主演でDVD『もどり川』あり)は、その根本発想が同根であることを感じました。 「柩を燃すには、死体が要る」(154頁)。 「歌の上では至福の愛に、真実はあった。芸術性は完璧であった。ただその芸術性は、たった一つの物が欠けているために完全に破壊され、無価値になっていた-現実の事件である」(288頁)。 なお、227頁の最初の二行はどうも意味が取れません。「ない」は「ある」ではないかと。 | ||||
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長らく食わず嫌いでしたがオールタイムベスト10に選ばれていることもあり 漸く読みました しっとりとした文章で綴られた良質なミステリ選集であり、評判にたがわぬ 内容でした 真似しろとは申し上げませんが、少しはこの文章を見習ってほしいミステリ 作家が多数いらっしゃいますね(苦笑) | ||||
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文章がとても綺麗なミステリー小説だと思います。 文学小説が好みの方で満足されるのではないでしょうか。 | ||||
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ミステリ作家の中ではトップレベルの文章力とも言われる連城氏の代表作。 この美文調が世界観を支えている重要な一要素といっていい。 そして毎度毎度真相が予想できずに騙される。 氏の長編はオチのつけ方が気に入らないものもあるのだが、 このような男女の色恋沙汰を扱った短編サスペンスに関しては名手と言うほかない。 | ||||
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花にまつわる五つの、ミステリー短編です。 と平たく説明するのは、私に表現力がないから。 本当に月並みですが、文章がとても美しいミステリー小説でした。 読後の余韻を味わおうと、巻末の解説を何気なく読み進めると、 本書を的確に言い当てた部分に出くわし、 私は気持ち良く本を閉じることができました。 解説にはネタバレとなる部分もあるため、 立ち読みできる方へも、今回は先に読むことをオススメできません。 そこで僭越ながら、一部を抜粋させていただきます。 『(中略)そのために著者が選んだのが、彼の作風を特徴づける、 余りにも流麗な文章である。 犯人たちが繰り出す極度に人工的なからくりを、 僅かな不自然さも感じさせることなく描ききるには、 その犯罪計画と拮抗するほど人工性を極めた美文が必要とされたのだ』 上記は、本書の巻末にあった、 作家でありミステリ評論家の千街昌之さんの解説です。 解説は、連城さんの美しい文章によっていた私の目を、 心地よく覚ましてくれました。 読書をしていると、作家オリジナルの比喩や、とても凝った文章に出会います。 そうしたときの多くは、文章そのものが鼻につくことが多い印象です。 しかし、連城さんの文章は、なんど読み返しても、美しいと感じる自分がいました。 さらに個人的な感想を言えば、とても読みやすい文章です。 1983年刊を底本としている本書は、 30年以上前の作品、ということになりますが、本書を読むと、 「日本人が感じる日本語の文章の美しさは普遍なんだ」 そんな感慨さえあります。 ミステリ小説の核となるトリック部分についても、月並みですが、 大変洗練されている印象です。 タイトルにもなっていて、本作の最後に収録される「戻り川心中」は、 まさに本書の代表作品といえます。 万人にすすめたいところですが、 本書はすこしだけ、読者を選ぶような気もします。 理由は、美文が楽しめるか、にあると思うからです。 エンターテイメント性を強く求める読者にとって、 本書の最大の特長が、どれだけの効力を発揮するか。 その点が未知数です。 そういう視点に立つと、平均的か、すごくいいかの、 極端な感想を持つ読者に二分するようにも思います。 個人的には★を7つくらい、つけたい気分ですが、 僭越ながら、読者を選ぶような気がする、という理由で1つ減らし、 ★6つ。 なんども読みたい、そう思う作品です。 | ||||
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連城三紀彦氏が亡くなられてからと言うもの、書店で彼の作品を見つける事がとても難かしくなりました。Amazonで購入すると送料もかからない事を思い出して探し、注文してから本当にすぐに届き、びっくりしました。今迄あちこちの書店で探し回っていたことが徒労に思えました。 | ||||
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光文社文庫版にはこういう見出しがついています。まさにその通りですね。 美しい文章と深い物語、そして見事なロジック〜ビックリ真相! 今さらながら買って良かったと思えるホームラン級の短編集です。 | ||||
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※削除申請(1件)
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TVで「戻り川心中」を見たのはいつだったろう。 ケンサクしてみると1982年7月3日の放映だった。 主演は田村正和。とても印象に残っている。そのときはまだ読んでなくて 主人公は心中未遂事件を起こしながらもだあれも愛せなくてまず歌がある。 順番が逆の発想にあっと驚かされた。ナルホドとその才あるたくらみに 小説家ってすごいなぁとおもった。 今回「藤の香」が読みたくてこれもケンサクしたらこちらに収まっていた。 小説としてあらためて読むとその緻密な構成に優れいるなぁと直木賞受賞に 至らなかったのはその時々の流れなのかしらん。 読みたかった「藤の香」はちょうど今裏庭では藤が咲いてそれはフツーの 藤の色。白い藤はまだ見たことない。 1948年生まれの作者がどうしてこんなに大正時代の雰囲気を描けるのか 「~その色街に一晩中、灯されておりました白い色冷めた橙が、この歳になりまして しきりに優しく思い出されるのですが、思い出すとその橙には、不思議に生命(いのち)が ないんでございます。~」冒頭から惹きつけられグイグイ読まさせてしまいました。 ミステリーといっても男女の機微等ほんとによく描けていて犯罪といってもこの世には しようがない罪というのもあるんだよねって余韻が残ります。 生きていくということのせつなさを女心のフクザツさを如何して連中三紀彦はわかるのでしょうか。 女以上に女を哀しくそうして艶めかしく描けるのはあきらかに女性の作家とは違うよう。 ここでもハッと驚く発想のあやがあってそれは最後まで読まないとわからない。 「桐の棺」でもそう。フツー棺桶は死体を入れるもの。それが違う。 「白蓮の寺」の入れ替え。どうしても殺さなくてはならない必然性が「桔梗の宿」にもあり ミステリーが単なるミステリーで終わらないその余韻がそれぞれの花の香りと共に読んでいる途中 あるいは読み終わった後こう漂ってくるような錯覚に襲われました。 短編集ではありますが自分にはずっしりとおもたい作品集でもありました。 | ||||
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ミステリーより詩を読んでいるような、散文的で清流の流れのような文章。 トリックもさすがですが、作者の表現力に脱帽です。 日本語の美しさを再確認した気がします。 花をモチーフにした短編で、どれも緻密なトリックで最後まで展開が読めません。 そして人間の情愛の醜くさ、はかなさ、切なさを花で例えた文章力は見事です。 お気に入りは桔梗の宿。 大正時代、虐げられながらもひたむきに生きた少女のはかない人生を桔梗でなぞらえた切ない作品。 どれも余韻が残る素敵な作品です。 | ||||
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余韻嫋々とした昔の日本を背景にした、一話一話が花がモチーフのミステリー集。 でもミステリーというカタカナが合わないような、そんな短編集です。 ミステリーはトリックや動機が分かってしまって、ああそうか、とパズルをとき終えたように一度読んで終わってしまう本も少なくない気がしますが、この本はそうではない。 結末までわかっているのに、作者の描き出す叙情に心浸したくなり読み返す本です。 幻影城出身者ってやっぱり粒よりだったのかなあ、、、。 シリーズ続編的な「夕萩心中」も持ってます。戻り川心中を読み返すと、一緒にこの本も読み返します。 もしかしたら、ミステリにロジックはあまり求めてないのかも(どんなミステリファンやねん)、もちろん犯人がそんなひと??そんなトリックで??と驚く話も好きですが(アガサのアクロイド殺しとか)、なぜその殺人を犯したか、という動機や、その動機を納得させるだけの心理描写、状況描写がきちんとしている、要するに小説としても一級だと思う話が好き、でそういった過程が小説としてどれだけ優れているか、がどうもミステリの評価にかなり左右しているようです。 最近連城さんがお亡くなりになったと知りました。ご冥福をお祈りするとともに、その作品を今も愛している一読者からの手向けとして、レビューを書きたくなりました。 | ||||
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表題作の戻り川心中は最終的な結論がやや平凡だったり、それを偶然で済ませるのは ミステリとしてどうなんだという点もありいまいちだが、 藤の香は張られた伏線の回収、二転三転しながら当時の風情溢れる描写が素晴らしく この短編集の中で一番楽しめた作品だった ただ桐の柩はもっと他に方法があるだろうと首を傾げる内容で微妙 全体的なクオリティは高いので安心して買える作品だろう | ||||
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連城作品で初めて読んだのがこの1冊です。 短編集ですが、どれも胸がキュンとなります。 時代小説ですが、女性が好きそうな感じです。 ほかのかたのレビューで「夕萩心中」に引き継がれるとあったので 次はそちらを読んでみようと思います。 | ||||
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ミステリーとして読み始めただけに、立ち上るような風景描写、流麗な文章に 最初はとまどった。これは純文学かと。 しかし、ミステリーとしてのストーリー展開も一級品。 「うまいなぁ」と感じ入ってしまう。 なかでも、「桔梗の宿」と表題作「戻り川心中」に心を揺さぶられた。 「桔梗の宿」では、一つの哀しい愛の形に驚き、「戻り川心中」では、 文学の本質を気づかされた。 そして、ミステリーという形をとったからこそ、こうしたテーマを 読者の心の奥底に刻むことに成功しているのだと思う。 | ||||
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非常に完成度の高い見事な短編集なのは言うまでもないが、その魅力はトリックやどんでん返しにあるのではなく、その事件をおこした者の動機にある。 この明かされる動機こそが読んだものを唸らせる。その語り口も流麗で終始湿ってはいるが魅了させられた。 | ||||
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短編集で「藤の香」「桔梗の宿」「桐の柩」「白蓮の寺」「戻り川心中」の5編が収録されている。最初の「藤の香」で、なかなかやるなと思い、腰を据えて読んだが、やはり何といっても白眉は最後の「戻り川心中」だろう。 この作品は直木賞の候補になったが、残念ながら受賞までには至らなかった。ただ、その年の日本推理作家協会賞短編賞は受賞した。その後、「恋文」で直木賞を受賞したが、文章の上手さは当時から定評があった。 例えばこういう文章に私は弱いのである。――人の命が、あの一房の花を葬るための儀式ならば、そして人と人とが後ろ姿で言葉を交わし合って通りすぎていくものならば、代書屋やお縫が無言の背で、黄泉路の闇に運ぼうとしたその真相を、やはり私も後ろ姿で見送ってやりたいと、そう思うのでございます(「藤の香」より) 。 さて、「戻り川心中」の凄いところは、天才歌人を主人公にしているのだが、その「歌」もなかなかのものなのだ。勿論、素人の私に歌の良し悪しは判るべくもないが、その切なさが、しっとりとした情感と共に、心に染み入ってくるのである。 | ||||
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短編集で「藤の香」「桔梗の宿」「桐の柩」「白蓮の寺」「戻り川心中」の5編が収録されている。最初の「藤の香」で、なかなかやるなと思い、腰を据えて読んだが、やはり何といっても白眉は最後の「戻り川心中」だろう。 この作品は直木賞の候補になったが、残念ながら受賞までには至らなかった。ただ、その年の日本推理作家協会賞短編賞は受賞した。その後、「恋文」で直木賞を受賞したが、文章の上手さは当時から定評があった。 例えばこういう文章に私は弱いのである。――人の命が、あの一房の花を葬るための儀式ならば、そして人と人とが後ろ姿で言葉を交わし合って通りすぎていくものならば、代書屋やお縫が無言の背で、黄泉路の闇に運ぼうとしたその真相を、やはり私も後ろ姿で見送ってやりたいと、そう思うのでございます(「藤の香」より) 。 さて、「戻り川心中」の凄いところは、天才歌人を主人公にしているのだが、その「歌」もなかなかのものなのだ。勿論、素人の私に歌の良し悪しは判るべくもないが、その切なさが、しっとりとした情感と共に、心に染み入ってくるのである。 | ||||
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大正末から昭和初期を時代背景に、追憶を基調にした一人称で 男女や親子の愛憎の物語を情感豊かに描き出す、花をモチーフ にした連作ミステリ〈花葬〉シリーズの五編が収録された短編集。 とはいえ、流麗な文章によって紡ぎ出される情緒纏綿な 世界観は、表層に過ぎず、その裏には、極めて人工的な ホワイダニット――犯人の常識離れした動機があります。 そして、本書の五編で描かれている犯罪は、被害者以外の誰かに何らか の錯覚をもたらすための演出の手段である――という点で共通しています。 ※本書に収録されている各短編の内容については「コメント」をご参照ください。 | ||||
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大正末から昭和初期を時代背景に、追憶を基調にした一人称で 男女や親子の愛憎の物語を情感豊かに描き出す、花をモチーフ にした連作ミステリ〈花葬〉シリーズの五編が収録された短編集。 とはいえ、流麗な文章によって紡ぎ出される情緒纏綿な 世界観は、表層に過ぎず、その裏には、極めて人工的な ホワイダニット――犯人の常識離れした動機があります。 そして、本書の五編で描かれている犯罪は、被害者以外の誰かに何らか の錯覚をもたらすための演出の手段である――という点で共通しています。 ※本書に収録されている各短編の内容については「コメント」をご参照ください。 | ||||
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短編集ですが、全くはずれがありません。 まさに珠玉の言葉にふさわしい短編集です。 大正時代の空気をこれだけ再現してみせる力量には感服です。 連城三紀彦の入門者にもオススメします。 詳しい個々の内容については前の方が記載していますし、 ネタバレになるので書きませんが、 このシリーズは「夕萩心中」という本に引き継がれますので、 気に入った方はそちらもぜひ。 何度繰り返し読んでも飽きのこない、すばらしい本です。 | ||||
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短編集ですが、全くはずれがありません。 まさに珠玉の言葉にふさわしい短編集です。 大正時代の空気をこれだけ再現してみせる力量には感服です。 連城三紀彦の入門者にもオススメします。 詳しい個々の内容については前の方が記載していますし、 ネタバレになるので書きませんが、 このシリーズは「夕萩心中」という本に引き継がれますので、 気に入った方はそちらもぜひ。 何度繰り返し読んでも飽きのこない、すばらしい本です。 | ||||
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