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(短編集)
鏡の花
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鏡の花の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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モチーフとして、草花(草木)、野菜、小動物、星、海岸と言った自然色(優しさの象徴)を濃厚に押し出している作品である。表題作を含む全6編の短編から構成される連作短編集としても良かった所を、敢えて長編仕立てにしている(さほどの差は無かったと思うが)。一読、本作で作者が用いている技巧には毀誉褒貶が激しく起こると感じた。作者の意匠を表現するために、このような技巧を用いる必然性があったか否か、個人的にも相当に疑問である。 作者の意匠を好意的に捉えれば、以下の様なものであろうか。過去に何らかの傷(本作では肉親の死)を背負った人々に対して、"あり得たかも知れない"別世界を提示する事によって悼みの念を表示する。特に、掉尾に置かれている表題作(章)「鏡の花」は本作の解題風で、「1つの花を複数の鏡で囲えば、花は幾重にも見える」と直截的に書いている。また、「鏡は見る人が居なければ役に立たない」とも書いてあり、これは死者を悼み続ける人が存在する限り、死者を含む多くの関係者が救われ得る、の反意語表現であろう。 この様に心温まる優しい物語なのだが、デビュー作「背の眼」を想起させる異界風の作者の技巧が本作にはそぐわない感が強くて、スッキリと本作の世界に入れなかったのは残念である。 | ||||
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よく「あの時、べつの選択をしていたら?」とおもう事があるが、 この本では、家族や友人の誰かが章ごとにちょっと違う人生を生きている。 その不思議さが人生なのかも知れない。 | ||||
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この作品、一つの観点からすると☆1つ。別の観点からすると☆5つ。 よって平均して☆3つという評価にします。 まず一つ目の観点。 先の方も書かれていますが、章によって登場人物が不慮の死を遂げたり、反対に 生きていたりと、非常に著者の意図が読みづらく、読者が混乱に陥ったまま小説 の終盤を迎えてしまう。最終章で何となく著者の企みは見え隠れするのですが、 凡人の私にはその野心が成功しているとは言いがたいというのが率直な印象。 そして二つ目の観点。 この作品を小説としてではなく、風景画として捉えて下さい。 まだ三十代にも関わらず、これだけ情景描写や心理描写に長けた作家は非常に希 ではないでしょうか。おもしろおかしいだけの小説がやたらもてはやされる昨今 ですが、風の動きや心の揺らぎすらも手に取るように分かるこんな小説は希少だ と私は思います。 ということで、総合評価は☆3つ。 | ||||
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