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(短編集)

検事の死命



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【この小説が収録されている参考書籍】
検事の死命
検事の死命 (宝島社文庫)
検事の死命 (角川文庫)

検事の死命の評価: 4.21/5点 レビュー 57件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.21pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全47件 41~47 3/3ページ
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No.7:
(5pt)

脇役もいいです。

佐方自身も勿論、魅力的ですが上司、事務官、以前の事件で関わりのある警察署長など回りを固める人々が各々の職分に誇りを持ち、真摯に難関に取り組んでいく姿勢に背筋が伸びます。佐方シリーズの続編に期待しています。
検事の死命Amazon書評・レビュー:検事の死命より
4800215544
No.6:
(5pt)

ヤメ検弁護士・佐方貞人の検事時代を描いた連作短編集

『検事の本懐』に続き、ヤメ検弁護士・佐方貞人の検事時代の活躍を描いた連作短編集。これまで『検事の本懐』が柚木裕子の最高傑作だと思っていたのだが、訂正しなければならない。間違い無く現時点の最高傑作はこの作品である。

『心を掬う』は、佐方の事件解決に賭ける並々ならぬ信念と類稀なる洞察力を描いた秀作。

『業をおろす』は、『検事の本懐』に描かれている『本懐を知る』の解決編。まさか解決編が用意されているとは思わなかった。『本懐を知る』でも泣かされたのだが、『業をおろす』でもまた泣かされた。佐方貞人の背景を知る上でも鍵を握る作品であり、『本懐を知る』を先に読み、『業をおろす』を読んだ方が良いだろう。

『死命を賭ける』と『死命を決する』は、二つで一つの物語になっている。検事としての死命を全うするために権力には決して屈っせず、信念を貫く佐方とその上司の筒井の姿が素晴らしい。

作品を出す度に成長し続ける柚木裕子という作家から暫く目が離せないようだ。
検事の死命Amazon書評・レビュー:検事の死命より
4800215544
No.5:
(5pt)

正攻法でグイグイと惹きつける魅力

佐方シリーズの3作目。タイトルの通り検事時代の作品。短編2つと、中編1つの3つの話からなっている。
圧巻なのは中編の『死命』。刑事部編の「死命を賭ける」と公判部編の「死命を決する」の2部構成になっているこの作品は、電車内での痴漢事件を扱ったもの。被害者は素行不良の女子で、容疑者は家族が県内の有力者。容疑者が犯人に間違いないと確信した佐方は、容疑者側からの圧力をものともせずに立証していくというお話。巨悪だろうが、小悪だろうが、犯罪は犯罪としてブレずに切り込んでいく佐方の活躍は読んでいて清々しい。
柚月作品はこれといった変わったトリックも無いし、アッと驚くどんでん返しも用意されていないが(あったとしても『最後の証人』のように読者にはバレバレ)、正攻法でグイグイと惹きつける魅力がある。今作もきっとこうなるのだろうなという予測はつくが、そんなことはどうでも良いと思えるほどに心に訴えてくるものがある。今後の佐方シリーズが今から楽しみだ。
検事の死命Amazon書評・レビュー:検事の死命より
4800215544
No.4:
(4pt)

面白いが・・・

胸のすく法廷ミステリである。ただ「胸のすく」というには若干留保がつき、「死命」について若干の不満を述べると、この手の法廷ミステリでは膠着した局面から敵方から突然思いもかけないハードパンチを食らって絶体絶命の状況からあっと驚く逆転の一発、というのが割と常道なところだが、本作ではあまりに敵方が打たれっぱなしという状況、言ってみれば贔屓の野球チームがほとんど相手にならない弱小チームを快いまでに滅多打ちにするような胸のすき方で、丁々発止のスリリングな展開を期待すると肩透かしを食らう。他の短編2作は好編であり、全体的に高いレベルでまとめられており、読んで損はないと思う。

それとこれはストーリーとはまったく関係ないところだが、ある登場人物の一言が気になって仕方がなくなった部分がある。ビールを勧めるセリフなのだが「よう冷えとるじゃろ。井戸水で冷やしとるけえの(原文ママ)」・・・・さて、どこが気になるか。

そもそも井戸水がそんな冷たいということがあるだろうか?一般的な井戸水の水温は12〜18°Cくらいらしいが、季節は夏ということもありまず絶対に10℃を切ることはない筈だ。そんな水で冷やしてもビールが美味くなるとはとても思えないのだが・・・。思うに作者は「西瓜とか胡瓜を井戸水で冷やして食べるとうまい」みたいな固定観念(「どっちかというと極めてビジュアル的な観念か)に凝り固まっているのではないだろうか。それにしても「ビールと西瓜は違うだろ!」と突っ込まざるを得ないのだが・・・

こういう誤った感覚でミステリを書くのは少々危ない。人によってはそれをミスディレクションと読みかねないからである。(さすがにこの作品での状況でそれはないと思うが)「井戸水にしては冷えすぎたビールには何か裏があるのでは」などとつまらないことを考えてしまう、かなりコアなミステリファンもいないではないことを作者には心に留めて欲しいと思う。
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No.3:
(5pt)

検事の生き様が共感を呼ぶ

私は、この作家の検事物、または弁護士物を無条件で購入することに決めている。検事の本懐と並び、お勧めの書だ。もちろん、検事の本懐を読了後に読まれることをお勧めする。今の世の中にこうした法律家がどのくらい存在するのか不明だが、著者には、このシリーズの著作をどんどん執筆していただきたいと感じている。新刊を心からお待ちしています。
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No.2:
(4pt)

期待どおりの面白さ

前作の「検事の本懐」に続き、法律家としての信念と正義を貫く佐方検事を主人公とした連作物です。
 
地道で、それでいて機転を利かした捜査で真相を究明していく佐方検事の姿は、やはり魅力的です。また、事件の背景に、親子、家族の情愛が絶妙に絡められており、これも前作同様、ジーンと目頭が熱くなることも、しばしばでした。
 
一話目の「心を掬う」では、事件の解決のために妥協を許さない厳然さと、恩を忘れない情の深さをあわせ持った、佐方検事のキャラクターの奥行きをあらためて感じることができました。独立した短編であり、連作のスタートとしては、ちょうど良い内容、ボリュームだったと思います。
 
二話目の「業をおろす」は、前作の「検事の本懐」の後日談です。
前作の内容に、大きな救いと、ほんの少しの希望とを付け加えています。
父親を偲ぶ佐方検事の心情、そして、自問する姿は感涙ものです。
また、佐方検事の父親の同級の住職の存在が深い味わいを醸し出します。
 
三話目の「死命を賭ける」、四話目の「死命を決する」、この二作が本書のメインとなります。
検察上層部や政治的圧力にも臆することなく、真実を手繰り寄せる佐方検事の粘り強さと機転の良さに圧倒されつつ、強気をくじき弱きを助く姿に感銘と爽快感を覚えます。
 
綿密に描かれる法廷シーンも見どころです。
前作の内容から、大きな期待をもって本作を手に取りましたが、期待どおりに楽しめることができたと思います。
検事の死命Amazon書評・レビュー:検事の死命より
4800215544
No.1:
(5pt)

イッキ読み!

検事・佐方の短編集。今回は連作ではなく、短編同士のつながりはありません。
扱う事件は郵便物盗難・電車内での痴漢・佐方の父の後日談と大きなものではないけれど夢中になってイッキに読みました。

読み終えて気持ちが温かくなるミステリー。佐方は検事というより名探偵ですね。

作者の柚月裕子さんとは同郷、同級生、山形県在住経験者と共通点が多いので応援してましたけど、そんな事関係無く面白い内容です。
横山秀夫の世界と通じる所もあり大変気に入りました。
検事の死命Amazon書評・レビュー:検事の死命より
4800215544

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