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(短編集)
検事の死命
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検事の死命の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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現職の法曹で、佐方シリーズの愛読者です。 佐方のような、自己の保身よりも正義及び真実発見を表立って優先する検事が現実に存在するかは疑わしく、この小説の魅力は佐方の徹底した真実を追求する姿にあります。読んでいて、佐方の愚直さには感動させられます。 ですが、著者の取材・調査が甘いと感じるところがありましたので、星3つとしました。 法律小説の中では、柚月氏の作品には法律的な誤りは少ない方ですが、本作では目に付く誤りが多かったです。 ・195頁 再勾留と勾留延長は別物です。 ・270頁冒頭 本来なら、裁判官は、この時点で弁護人に証拠意見を求めます。 ・274頁 なぜ佐方の方から、269頁の証拠申請の時点で、本件の最重要証拠である被害者の証人申請をしていないのでしょうか。これでは、有能キャラの佐方が、検察庁一の無能に映ります。 ・275頁 被告人質問は、他の証拠を取調べた後にするのが通常です。このタイミングでの被告人質問は、おかしいです。 ・291頁 証人の人定でも、氏名については、裁判官は証人に対して「名前は何ですか」と尋ねて証人自身に答えさせます。 ・309頁 再尋問ではなく、再主尋問です。また、再主尋問については、当事者から許可を申し出るのではなく、裁判官から「検察官、再主尋問をどうぞ」と振リます。 ・348頁 書記官が裁判官と同時に入廷することはあり得ません。書記官は、誰よりも早く入廷しています。 ・尋問全体を通して 検察官や弁護人が尋問中に、自己の見解や法的評価を述べることはありません。著者は、『最後の証人』でもこのような描写をしましたが、『最後の証人』は(間違いと分かっていながら)そう描写する必要性があったのに対し、本作では必要性が無いため、著者の誤りだと思われます。 以上のように、195頁の誤りを除くと、地裁に刑事裁判の傍聴に何度か行くだけで簡単に気付けるミスでした。 自分の専門分野になると、ストーリーが面白くても、誤りが気になり、集中が切れてしまいます。 著者は、公判について少々取材を手抜きしている感じがうかがわれますので、改善を求めたいです。 | ||||
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大変期待して購入したのですが、期待が大き過ぎたのか、三作品の中では消化不良気味です。 | ||||
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父の秘密?などが絡んできたが、やや出来すぎかなあ?とも思う。綺麗すぎるというか。。。なので星三つ。 | ||||
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”最後の証人”より3年遅いリリースですが、主人公の佐方さんは逆に若くて、弁護士ではなくまだ検事をやっていた頃の話です。で、筒井という方が上司検事としてどちらの物語にも登場しますが、この人の考え方や振る舞いが、”最後の証人”と”検事の死命”でかなり違うので強い違和感があります。前者では、強姦罪を犯した若手検事を、有能だし、公にすれば世間の検事に対する信頼感を損ねると考えて、不起訴に賛同するのですが、佐方さんがそれを知って、「何が秋霜烈日だ。笑わせる」と啖呵を切り、検事をやめることになります。わたしが、きったねぇ「何が秋霜烈日だ。笑わせる」、と唱和したくだりです。 ところが、本書では、痴漢(迷惑条例違反)被疑者の周辺が政治家や部長検事を通してかけてくる圧力に抗して佐方さんが精力的に動くのを支え、自分の将来に望みがなくなる危険を侵して部長方針に逆らいます。何より、犯した罪に対してあくまでまっとうな刑を求めるのが検事の使命であるという、佐方さんのポリシーに強く賛同するのです。 つまり、”最後の証人”では、強姦した若手検事をかばうような、正義感あふれる人というより事なかれ的心情を持つ人であるのに対し、”検事の死命”では、検事の使命の前で自分の将来を顧みない、意気に感ずる人として描かれているのです。 わたしは、”最後の証人”を読んだ時、情けない筒井さんに強い怒りを感じましたので、本書でかなり違和感を覚えました。 そして、実はこちらの方が星3に止めた直接の理由になりますが、特に後ろの方で、登場人物の描写が生で拙い感じがして、たまらず斜めに読んでしまったところがありました。”最後の証人”と比べると、読後感がかなり劣ります。 | ||||
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