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あしたはうんと遠くへいこう
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あしたはうんと遠くへいこうの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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主人公いずちゃんの恋愛にまつわる生き様を描いた今作 こんなに恋愛に対して剥き出しで本能的な感情を表した作品があっただろうか いずちゃんは恋愛をする時に、誰かが自分を遠くに連れて行ってくれると期待して恋愛する その期待と相手の行動がズレると、悲しんだり罵ったり、それを繰り返してまた恋をする いずちゃんは自分自身という枠がない だから恋愛をする事で自分の枠を作ろうとする 友人の町子との「人は人に自分を探す」という言葉が印象的だ いずちゃんは相手そのものではなく、自分を変えてくれそうな人に頭の中で恋をしていた そこにいずちゃんが気づいていても、中々変われないもどかしさに角田さんの優しさを感じる 剥き出しで不器用でダメでもいいじゃん それでも生きているんだし、その時感じた感情は本物だよ そんな声がこの小説を読んでいる時聞こえた気がした ともすれば、この主人公は面倒臭い、嫌われやすいかもしれない でもだからこそ、人間臭さ、臭いや体温を感じるのだ ストーリーの枠に収まるキャラクターというより、泥臭い人間を描いた、良くも悪くも剥き出しで心が揺さぶられる 読んでいてそう感じた小説でした | ||||
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私はこの小説の著者より3歳ほど年下なのだが、この小説に出てくる楽曲を、中学校から今に至るまで、好んで聴いてきたので、興味を持って読みました。 Lou Reed, Echo & The Bunnymen, New Order, The Smiths, Pale Fountains, Pastels, Teenage Fanclub, My Bloody Valentineや、スターリン, ブルーハーツなどなど。 決して一般的に有名とは言えない者も含む、それらアーティストの音楽が、小説の行間に流れる。 そして、各章のタイトルに、これらアーティストの楽曲名が冠されている。 How Soon Is Now? 1985 Walk On The Wildside 1987 Nothing To Be Done 1990 ........ と、いった具合。 主人公の音楽的嗜好がこんなに自分のそれに近しい小説は、滅多にないと思うので、その点では楽しんで読めた。 ただし、主人公のやや常軌を逸したという印象の恋愛依存(?)と奇行が、あまり好印象とは言えなかった。 著者は、Irvine Welshの"Trainspotting"の日本女子版みたいなつもりで書いたのかな?なんて思いました。 この物語の先にあるかもしれない主人公の人生に、幸あれ。 | ||||
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ストーリーの中に出てくる、音楽を聴くツールが、確か、カセットテープからMDとかになったり、主人公の年齢を感じさせる、 時間の流れを感じさせるところが、すごく感覚的に印象残っています。 | ||||
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男の自分からの目線になりますが、主人公の女性は正直なところ大嫌いなタイプなので、 イライラさせられて苦痛でした。 徐々に大人の素敵な女性に変わっていく、そういうストーリーなのだろうと思って読み続けましたが、 ちょっと残念なままとなってしまいました。 しかしなら、女性とはこういう考えをするところが大いにあると勉強させられた部分も多かったので、 女性の理解しがたい発言に対する適応能力が上がったかもしれません。 波乱万丈ではあっても、最後まで、主人公に大きな変化なく終わってしまったので、 期待に比べて、達成感(読み終えた感)のない本でした。 本の背表紙にあった、 「泉は田舎の温泉町から東京に出てきた女の子、『今度こそ幸せになりたい』- そう願って恋愛しているだけなのに。なんでこんなに失敗ばかりするんだろ。 ・・・泉は幸せな”あした”に辿り着くことができるのだろうか? 新直木賞作家がはじめて描いた、”直球”恋愛小説!!」 という美しいあらすじを読んで買ったのですが、だいぶニュアンスが違うように思います。 これって、”直球”恋愛小説なんですかね。 本当の直球とは、こういう波乱万丈なものだってことなんでしょうか。 私には、超クセだまの変化球に感じます。 ふつーの女性は、そうそう薬には手を出さないでしょう。 背表紙のあらすじは、やっぱり、売るための説明文であって、 あまり当てにしちゃいけないってことなんですね。 | ||||
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高校生から始まって、32歳になるまでの、どうしようもなく「自分」がない流され体質の女の物語。誰とでも寝るはドラッグはやるわで、救いようのないダメ女だ。だけど、これに近い人たちも現実に多いと思うので共感できる人も多いのかも知れない。そんな現実の女たちよりは、この主人公の方がアイルランドにいったり、トライアスロンに出たりしているのでマシかも。 | ||||
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題名と装丁から、もっと違う話を期待して買った。 今は後悔している。 解説では、恋愛に負けるとなっているが、私が思うところ、 この主人公は自分に負けているのではないか。 内省することも学習することもないこんな子が、これから増えていくんだろう。 いや、もう一杯いるんだろう。 ぞっとする。 | ||||
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直木賞受賞作家であること、タイトル&表紙の写真が気に入ったので読んでみたが、期待していたほどではない。 主人公の泉ちゃんが、ストレート過ぎてちょっと引いてしまうw | ||||
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ひとりごとを言って年寄りになったみたいに感じて ときどきどっかいっちゃいたくなる いやなことなんて何もないのに 何かとつながっている気が全然しない なるほどなあ〜と思った作中の文章であります。 | ||||
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この作品は、恋愛小説であり家族小説でもある。というのは、主人公が育った家族環境がその後の主人公の恋愛感に 大きな影響を及ぼしており、それがとてもリアルだからだ。 主人公は、家族の人間にあまり愛情表現していない。愛し愛されているのだろうが、それを表す機会をあまり持たなかった。基本的には家族とあまり会話もせず、部屋にこもりがちな主人公が描かれている。 家族のことも自分が見たままのことを語っており、「想像」が多い。直接家族に聞いたものはないといっていい。 つまり思い込みや想像を「答え」にしてしまっている女性というか、人なのである。 そういう主人公が、恋愛においてもっとも苦心するのは彼氏に知りたいことを聞くことである。彼氏がそれに応えてくれるなら、聞くことは真剣に向き合ってくれ愛されていることを実感できる術にもなる。だが彼女はそれが出来ない。家を飛び出し繰り返される恋愛模様のほとんどはそこで行き詰まる。その内悪い想像だけを膨らます。そしてそれが抑えきれずに破綻してしまう。その部分を食い止める術を知らない彼女の弱さが本当にリアルに描かれている。 最初の家族模様と最後の父との再会が、この物語の大事なところだ。とくに最終章。家族と向き合えなかった彼女がようやく父と二人で向き合うのだが…。 この本を読んで、「育った家庭環境によって恋愛感に及ぼす影響はすごい」というものを感じさせられた。 | ||||
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この本は、女性が女という存在の恥ずかしい部分をさらけ出すというところに著者は力を入れたのではないだろうか?そこには読者をイメージしながら書いた”サービス”は少ない。だから貴重だと私は思う。著者の中にある恥ずかしい部分は何度も何度も表に出てくるものではないだろう、著者にとって初の恋愛小説であるからこそ、このような形なのである。「恋愛という部分を除いたら、自分(女)の人生は空っぽ」というようなことは、なかなか書き難いことなのだ。この作品は32歳までを描いたもの。結婚、出産、子育て、そして女性にとっての仕事。時が過ぎて、そういったテーマで彼女が作品を書き始める。その初めての作品に私は大いに期待している。そこには、再び正直な女性の恥ずかしい本質が垣間見えることだろう。 | ||||
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わざとなのだろうけど、文章に品がなくて読むのに疲れました。 話の流れも唐突で、「は?」と思わず考え込んでしまう場面もしばしば。 主人公の考え方などは金原さんの小説に通じるものを感じました。私は角田さんの小説を初めて読みましたが、もうお腹いっぱいです。 | ||||
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正直、この主人公が私は好きじゃない。いや、はっきり言うと「嫌い」かも。 だって、イライラするんだよー。「なぜ、前の経験から学ばないんだ!!」とか「その歳でそんなこと出来ないだろ!」って思うことが多いから。良識ある、ある程度の大人の行動とは思えなくて・・・でも、それで思った。だからこそ、これは素敵な物語なんじゃないかと。そうだ、私の出来ないこと、したくても「もう大人なんだから」と諦めたりやらないことを、この主人公はサラリとやっているんだと。そっかー、だから私、この主人公見てイライラするのかな。私は、彼女の真似は出来ない。でも、こんな大人がどこかにいても良いんじゃないか、と思わされるお話です。 | ||||
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女子高生の恋愛物語から始まって、さてどうなるのかなと思っていたらもう大変。クスリやるわ男とすぐ寝るわ、それだけではなく周りの変化もまたすごい。まさに波乱万丈です。そんな中で、主人公泉の成長を描かれます。といってもときどき幼くなったりと、こっちもこっちで波乱万丈。何かが起こるたびに泉と同じような感情を持つことができます。イライラするし、やるせなくなるし、怯えるし、悲しくなるし。この作品では、恋愛だけでなく、なにもかもが唐突に始まって唐突に終わってしまいます。それがあたかも現実の恋愛を暗示しているのではないかと、ふと思いました。恋愛は始まったと思ったら終わってしまう。それでもいいじゃん、と言われているような気もしました。でも、終わるものは終わるけど、終わらないものは終わりません。この作品の中でも一貫としているものがふたつほどあると思います。それも、やっぱり恋愛を暗示しているのかなあと、思いました。「あしたはうんと遠くへいこう」は、見事に「恋愛」そのものを描ききった秀作だと思います。それにしても角田光代さんは不思議な人で、たくさん「ああ、わかるなぁ」というような描写が出てきます。それがもしかすると角田光代さんの一番の魅力かもしれません。と、穂村弘さんの解説を読むと、なんとなく角田光代さんがどんな人かわかるような気がしました。 | ||||
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それぞれの章の名前に主にインディロックの名曲がつけられている。 スミス、TFC(2曲)、マシュー・スィートetc。音楽好きとしてはその使われ方が心にくいというか、恋愛小説でありながら、角田光代の音楽リスナーとしての歴史を読んでいるような気にもなる。まるでニック・ホーンビィ/ソングブックのように。 | ||||
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何度失敗しても、また違う誰かにどうしようもなく恋をしてしまう気持ち。それは、人の性なんだろうか。たくさんの恋を経験すれば良いというわけではないけれど、傷ついても、また誰かを好きになることが出来るっていうのは、とても素敵なことだと思った。主人公の生き方は、決して格好良いものではないけど、それでも、前を見つめて生きているところが、私は好きだ。 | ||||
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最近の恋愛文学は読んでいて不快感を抱くことが多かったが、角田さんの作品には恋愛文学にありがちな露骨な性愛描写がなく、不快感がない。恋は突然、というか、気がついたら誰かを好きになってしまう、主人公のいずちゃん。人を好きになると、いくつになっても、自分を支えられないほどもろくなってしまう、女心。時だけは過ぎ、流れてくる音楽も感じ方も変わっていく。いずちゃんも高校生から大学生へ、仕事をするように変わっていく、成長していくのに、恋をした時だけは「あの頃のまま」。現実を知り、昔は何にでもなれた気がしたのに、今の自分は何にでもない。でも人を好きになったその時だけは、今の自分と全然違う別人みたいなことができちゃったりする。誰しもが経験したそんな思いを決して嫌味ではなく、すっきりと文学に、音楽に乗せてくれた。最終章を読み終えた時のさわやかな読後感が良かった。 | ||||
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主人公は著者とほぼ同年齢の女の子。 高校生から三十路くらいまでの十数年の恋を物語っています。 恋をすることは素敵なこと。 いくつになってもどんな恋でも。 だけど主人公の性格というか生活や行動があまりにも幼稚。 学生時代はそれでいいかもしれないけれど、社会人の年齢になって 尚かつ薬に手をつけていたり、言葉遣いがおかしかったり。 主人公は高校生の頃の方がずっと大人に見えたし、年齢を重ねていく という素敵さはほとんど描かれていなかったように思えました。 折角女性の十数年を描くのならもっと人間的成長とともに恋の姿を 見たかったと思います。 角田さんの小説やエッセイはとても好きでほとんど読破していますが この作品だけは私の感性とは少しずれていて共感したり楽しんだり 出来なかったです。 私自身、高校生の頃はちょっと並からはずれた生活をしていただけに 主人公がどのように成長していったのかを見たかったという残念な 感が残りました。 | ||||
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自分から、付き合ってきた人を取り除いたら何が残るんだろう。 胸にちくちくっときました。 でも、それでもいいじゃないか!とも思えました。 恋って面倒だけど、やっぱりしたくなっちゃうもの、引き寄せられちゃうものなんだなぁと感じました。 | ||||
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この著者は、いじめものばかりを書いていた。一時を境に、エッセイを書き始め(旅行もの) とうとう恋愛小説。を紡ぎ出した。この小説は、”オルタナ・UK”というロックキッズ必聴のタイトルが他出する。どれも皆、一様にセンスの良い。ものがあげられている。 角田氏は本当はとってもロック少女で、イケてるものも書ける! ということを世に知らしめた一作。といえよう。それにしても、採りたかった芥川ではなくなぜか? 祝直木賞受賞!! | ||||
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ひとりの女性の1985年~2000年までを綴った連作。 数々のオトコが登場し、消えていく。 しかしだれとも恋愛せずにそこにいる自分というものがうまく思い描けず、最後にかならず同じ疑問にいきつくのだ。私はいったい何ものなんだ?それは自分捜しなんて大袈裟な言葉ではなくて、音楽評でも自転車一周旅行でもトライアスロンでも、髪型や服装や言葉遣いや、買うCDや観る映画やおいしいと思う食べもの、何から何まで好きになった男の影響を私は多分に受けており、それら抜きで自分というものを頭に描こうとすれば、浮かんでくるのは正体不明の書き割りみたいな女でしかないのだった。 こんなヒト多いんとちゃうかなぁ。実は。(笑) しかもこの主人公、同い年という設定だけにヘンに痛かったっす。 | ||||
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