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チャイルド・オブ・ゴッド
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チャイルド・オブ・ゴッドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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生家を追い出された天涯孤独の鼻つまみ者、27才のレスター・バラード。 町はずれの空き家に住み着いた彼はある日偶然に若い男女の死体を乗せた車を発見する。 これをきっかけにレスターは凶行と奇行に耽りはじめる。 コーマック・マッカーシーのなかでは珍しく短時間で読了でき、比較的にリーダブルな作品です。 | ||||
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天才ってこういうことなんだと思う。 強烈に暗く恐ろしいほど暴力的でどこか牧歌的なアメリカの闇を描きながら、1行が全て詩でできている。 究極の美しさと醜さを両立して、しかも面白く読ませるなんてことができる人がいるなんて・・・ 貪るように全作品読んだけど、これが一番ベスト。 読んだことない人は、読まずに死ぬと後悔すると思う。 これは日本人には絶対書けない。 | ||||
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主人公のバラードが悪行の限りを尽くすのだけれど、彼が茂みの中で、ひとり泣いている場面が出てくる。 マッカーシーは単に暴力的な描写だけを書くのではなくて、人間の深淵な魂を、アンビバレンツな感情を登場人物に持たせる。 でも難しいことは抜きにして、とても話が面白かった。 猿が頭に噛み付いてずっと離れないという話も最高だった。 | ||||
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他のかたも書かれてますが、森など自然の描写が美しいです。ただ自分の勉強不足ではありますが、読めない漢字が多く(普段目にしない漢字にもふりがながない。わざと?)雰囲気で読み進めた部分がもったいなかったです。 あとたぶん文庫化はないんじゃないかなーと思います。 万人には売れない小説でしょう。 | ||||
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220ページほどで4時間くらいあれば読めると思います。 コーマック・マッカーシーの3作目1973年の作品です。 主人公はレスター・バラード27歳。幼児期に父親が目の前で首吊り自殺し母親は他の男と駆け落ちしました。 子供の頃から暴力的。家も土地も奪われ空き家や洞窟で暮らしています。 ツケで買い物し酒を飲みライフルを持って野山をさまよっています。 ある日車の中で死んでいる男女を見つけ女だけを担いで空き家にむかいます… コーマック・マッカーシーの中で一番の問題作です。 殺人や屍姦が描かれています。死体に買ってきた服を着せたり死体の下着や服を身につけたり倒錯した性の描写があります。 この本の中で小さな赤ん坊から若い男女まで9人ほど殺害しているようです。 そのような男ですが「おそらくあなたによく似た神の子だ」と書かれています。「人間てのは神様がつくった日からずっと同じ」だと。 映画化もされたようですが日本ではDVDとしても観れないようです。YouTube などで予告編は観れます。 コーマック・マッカーシーも現在84歳です。最近は新作も出てきません。長生きして多くの作品を生み出してほしいものです。 | ||||
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これまでコーマック・マッカーシーの日本語に訳されたものはすべて読んできたつもりだったのですが(すべて黒原敏行訳)、いつの間にか出ていたのがこの「チャイルド・オブ・ゴッド」です。2013年7月15日初版発行です。 この、原本は1973年にアメリカ本国で発行されているそうです。実はこの原書を読んでいるのですが、この時はなんといってもレスター・バラードが洞窟の中を不自由な体で逃げていくイメージが鮮烈に残り、うなされた記憶があります。そして、あっけないほどのエンディング。人間の悪・無知・残酷な部分をこれだけあっけらかんと書き留めた小説はないでしょう。 テネシーの山の中で孤独にすむレスター・バラードが家を失い(もっともこれは自分の出火によるもので、家も法的には自分のものではないのですが)、山の中をさすらい、洞窟をねぐらとし、山に来て淫らな行為にふける若いアベックを殺しては死体を洞窟に運び込むといった「生態」を昆虫記のごとく記載するのです。その時の、森の描写のなんと美しいこと! 日本語で改めて読んで、本当にコーマック・マッカーシーのすごさに感服しました。 | ||||
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神の肯定が己や主人公をも許容するという事実。そんなこと抜きに全的に生きる彼も、鍛冶屋の火を見過ごしていた。 | ||||
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コーマック・マッカーシーの作品は全部読んでいます。とても良かったです | ||||
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コーマック・マッカーシー作品はいつも哀しいです。 この本もそう(涙)。 自分も、ヒトにもケダモノにもなりうる生き物だということを痛烈に感じさせられ、重かったです。 | ||||
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未開で野蛮、粗暴で無明な「ヒリビリイ」が次第に文明社会から脱落して、放火・殺人・死姦・死体愛好などの言語を絶する犯罪に手を染めて行く様子を、当事者のイロジカルで分裂症的な心象世界に寄り添うようにして、荒涼とした文体と癲癇症的な話法で描いた異色の犯罪小説。 分量的には中篇に近く、ページ当たりの文字数も少ないので、マッカーシーの他の邦訳作品に比べると比較的読みやすい。 感触的には、自分はまず、『響きと怒り』のベンジャミンの部を思い起こしました。 主人公のレスター・バラードは白痴ではないが、論理的な思考の所在や社会的通念の影響がほとんど感じられず、家を失って洞窟に住むようになったからは、なおさら孤独が深まり盲獣じみた気配が強まってくる。 自己認識の未熟なレスターの肖像を補完するように、要所で彼や彼の親族を知る第三者の証言が挿入される。 出版年の73年といえば、米国の連続殺人史の神話的なフィギュアであるジョン・ゲイシーやエドモンド・ケンパーがまだ現役バリバリで活躍中の頃。 著者がどれほど過去の事件に触発されたのかは知らないが、主人公の行動規範や犯行の手口は決して馴染みの薄いものではない。 犯罪心理の「なぜ?」に直接答える部分は意図的に避けられているものの、主人公が置かれた救いのない社会的環境や業に塗れた世代間の因縁などは文化的なコンテクスを飛び越えてただちに感応できるほど生々しく描かれており、プロファイル的なノンフィクションの類と平行して読むと一層理解が深まるような気がします。 ところで『猿の惑星』や『オズ』『127時間』の主演で有名なジェイムス・フランコが監督した映画版のほうもすでに完成しているようですが、この人間性がほとんど形骸と化した僻地の世界をどこまでヴイジュアル的に再現できるのか、そちらも興味深いです。 | ||||
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