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きつねのはなし
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きつねのはなしの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全69件 41~60 3/4ページ
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「太陽の塔」や「夜は短し歩けよ乙女」などとはまた違った雰囲気の4作品である。しかし森見ワールドには違いない。京都をよく知っている人なら、町の情景を思い浮かべて読むのが楽しい。前半2作品に比べて、後半2作品は少しだるい。単行本は古本の世界では文庫本より安いことが多い。家に置いておくには少々かさばるが、本棚の中ではきれいし、読みやすいというメリットがある。 | ||||
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表題作を中心に広がる妖しい世界。 森見さんの作品にある、くすっと笑ってしまうような陽気な妖しさを除外して、 ヒンヤリする異世界のみでの構成が、京都にとてもマッチしてるような。 短編同士で、波紋を作り合い、影響を与えあっている。 最後の「水神」での「水」がまた全体を象徴しているようにも感じました。 | ||||
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森見登美彦さんの作品が好きで読んでみました。 短編がいくつか入っていてそれぞれ別の話ですが 所々に共通点があり、それが妙なんですがひょっとすると 実際にこの世界に起きている事の様に思えてきて楽しかったです。 人間の深い部分にある恐怖がじんわりと入ってくるような怖さがあります。 本当に怖いのはオバケや妖怪では無く、人間なのだと思い、 危なっかしい人とは関わり合いにならない方がいいのだ、と読み終えて 勝手に自分の中の教訓としました。 この作品はホラーでは無いし、派手さもありません。怖い話が苦手な方でも 落ち着いて楽しめる作品だと思います。 舞台が京都というのがこの話に合っていて、他の森見登美彦作品とはまた違った 京都の風景が見えてきます。 | ||||
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密やかに傍らにひそんでいる妖しい異形のものたちに、気がついたら囚われている恐怖。 水の気配が漂う、静寂とぞくりとする美しさに満ちた4つの物語。 特に「きつねのはなし」に引き込まれた。 『夜は短し〜』しかり『四畳半神話大全』しかり、『恋文の技術』しかり、 へたれな男子が登場する小説が好きな私にとって、 森見さんの小説はこよなく愛するものであったのだけれど、 まったく作風の違う本書が、こんなに面白いと思わなかった。 むしろ、こういうタイプの作品をもっと読みたくなった。 | ||||
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阿呆な大学生の生態を書き続けている作者が視点を変えて、京都に潜む怪異を描いた短編集。怪異自体はおぼろげで、それ故に怖さがある。実体のある物か人の心に潜む闇か最後まで言及しない。各作品が微妙にリンクしており、面白い。新たな作風で、その実力を証明した良作。 | ||||
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森見氏の小説の常として京都ものである。しかし、氏の他の小説と違ってちょっと怖ろしい怪談ものになっている。現代にあってもそこかしこに古さの残る街には、ちょっとしたきっかけで怪しい世界に足を踏み入れてしまいそうな危うさがある。何と言ったらよいのだろう、目には映らず普段は気づかないがもののけの住む異相世界があり、何かの弾みに人が迷い込んでしまう怖さのようなもの、森見氏はこの短編集でそんな世界に読者を誘ってくれる。 この短編集においては、森見氏の他の小説(たとえば『夜は短し歩けよ乙女』)のように外連みたっぷりの文章は陰をひそめ、非常に洗練された文章である。私は森見氏の外連みを帯びた文章の大ファンであるが、こうした美しい文章にふれるとなお一層森見氏のファンになる。氏が作品のテイストによって描き分ける力量を持っていることがはっきりと判る。 中川学氏のカバー装画も黄色が印象的ですばらしい。 | ||||
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本書収録二篇目、「果実の中の龍」。これはあくまで私の勝手な想像だが、森見氏は、〈籠の中の果実〉というフレーズから、本作の構想を起こしたのではないか。なんの変哲もないフレーズ。しかし、日常の世界に、ほんの少しのひずみが生じると、非日常の世界が口を開く。 〈籠〉の〈竹〉冠を取れば、〈龍〉。ひっくり返して、「果実の中の龍」。あるいは、〈龍〉を閉じ込めていた〈竹〉の代わりに、〈果実〉で閉じ込めて、「果実の中の龍」。なんて、やはりただの想像。 二篇目の〈龍〉は、四篇目「水神」において大暴れを演じる。〈籠〉る、という行為は、危険らしい。昔、中国には、「竹林の七賢」なんてのがいたようであるが、〈竹〉の内に〈籠〉るのは、自分の内に〈龍〉を飼いならすことかもしれない。なんだかこの話は、不思議な珠を呑みこんだ少年が、挙句の果てに、〈龍〉になった中国の民話を下敷きにしているような気がする。 れいによって、とんちんかんなことを書いた。詳しくは、本書を読んでのお楽しみ。 | ||||
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表題作『きつねのはなし』が面白かったのは もちろんだが、4本目の『水神』もよかった。 話の内容はともかく、父や伯父たちと 通夜の晩に酒を飲みながら寝ずの晩をするという 設定自体が味わい深い。 | ||||
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なんともふしぎな'瑤八F'gのなかをさまよっている''なふしぎな湖'です。燕'恬仝きつねのはなし々麿3鐙の玉'ですが、畠悶に匯云の'で'がっているような音房'な音'殞兇気'嘘庶を宥ります。畢'ワ'`ルドお誼吭の''硬議な奨脅湖は、いつ'んでもすばらしい。 仟' 恠れメロス 麿膨鐙 (''刺舂''も 10-1) | ||||
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デビュー当時の森見は面白いけど、まだ文章が下手で未熟だったし気持ち悪かった。 森見の恋愛物は気持ち悪い。かわいい不思議ちゃんという現実には存在しないものに恋い焦がれる、モテない男の妄想語りだから。オタク男向け萌えだけ漫画に似てる。これを気持ち悪いという女性が少ないのは、森見を読むような文学少女崩れは大抵、「私は黒髪の乙女みたいなかわいくて賢い不思議ちゃん」と思っているから。恥ずかしながら、私にもそんな時期はあった。しかしそう思う女たちは、そんな勘違いをする点で賢くないし、だいたいはかわいくない。そして不思議ちゃんではなく、自己アピールが下手で変わり者なだけだ。 現実世界の賢くてかわいい不思議ちゃんは、江古田ちゃんでいう猛禽ちゃん。彼女らは森見を読んでる暇があるなら、男の人をデレデレさせながらかわいくワガママを言っている。 しかし、妄想語りの醜い蛹は洗練された幻想を語る美しい蝶になった。初期からの雰囲気とのんびりした感じはそのままなのに、淡々として練られた文章を書くようになった。プロットもよくなっている。初期よりも京都の特徴を生かした物語を作れるようになっている。格段にうまくなった。泉鏡花は敷居が高い、京極夏彦はエグすぎて嫌だ、でも幻想ものは読みたい。そんな人におすすめ。 妄想語りの恋愛物を書いてるくらいなら、こんな感じの小説を書けばいいのに! | ||||
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不思議な・・・とか、ちょっと不気味な話が好きな人にはいいと思います。ホラーという感じの怖さはないですが、なんだか地味に怖い。寝る前に読むと一層不気味さを感じられるかも。どの話にもいくつかの同じキーワードが出てきて、関連性を持たせているあたりがよかった。個人的には「水神」が好きです。もちろん、ほかの3話も十分面白いです。でも結局明確な答えは出してくれないので、自分の想像を膨らませて・・・モヤモヤが残ります。 | ||||
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表題作を含め4編の短編からなる。 すべて京都を舞台にしていて、その設定からか不思議な世界観が存在する。 古都、京都ならあり得るかも知れないと言う、暗黙の了解が読むものを引きずり込んでゆく。 キーワードは古道具屋の蓬蓮堂。 上手いのは、こうした小道具を無理なく設定する事で、全体の統一感が出る事だ。 同じ古道具屋と見せて、実は微妙に違う、まさに異世界を垣間見せてくれる。 決してきつねの話しではない・・・かも知れない(笑) 一夜の読み物にどうぞ! | ||||
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題作をはじめ、ちょっと気味の悪い話が続く。ホラーというより現代版の怪談といった感じ。 森見の独特の文体やユーモアは後方に引いて、むしろ、抑制された筆致が怖さを生み出している。 面白かったけど、彼のほかの作品のはちゃめちゃぶりの方が好きかな | ||||
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06年刊行作がこの度めでたく文庫化されました。京の街を闊歩する四部構成の連作短編、、、と聞くと「いつもの森見スタイル」をイメージもするのだが、本作が醸し出す読感は、どうしてこれまでの森見サンとはかなーり異なっている。 陽陰でいえば陰、ぬくぬくとした光も眩い陽下がりの京都ではなく、森閑として捉えどころがなく、ナニカがうっそりと潜んでおるような不気味を感じさせる、薄からぬ京の暗がりを炙り出したかの如き怪異譚。単純に「怪奇小説」というのとも違うが、しかしナニやら得体の知れぬモノがヒヤリその気配を匂わせるサマが、常になく不穏な景色を描いている。一見ユーモラスだが同時にそこはかとなく暗い情感を湛えた世界は、内田百'閧フソレにもリンクするよう。 凛として嫋やかな黒髪の女性(イメージ色としては青みがかった白を思わせる)が営む骨董店で、バイトとして働く「ぼく」が出てくるという設定こそいつもの森見ワールドなんだけども、しかしそこで浮き彫られるのはセンチメンタルな昂揚を擽る「出会い」ではなくむしろ冷え冷えとした「喪失」の記憶である"きつねのはなし"、「騙る」ことが生む世界の無限の可能性を描いた、というよりはむしろ、相対する現実の儚さこそが強く印象に残る"果実の中の龍"、しきりに強調される陰鬱な空模様を象徴に、四篇中最もダークな結末が迸る"魔"、そしてここに至るまでの端々で、作品のクログロとした気配の象徴として描かれる「主」の棲み処を舞台に一つの怪現象が勃発する"水神"へ・・・ 各話を構成する人やモノの様々が、端々で錯綜し繋がり合いながらラストのシンボリックな出来事へと収斂する・・・という毎度の技巧は今作にても存分に発揮される。さらには"果実の中の龍"において現実と妄想のあわいが溶かし込まれ、あるいは全篇に渡ってボカされていく時系列のカラミも相まって、読めば読むほどなんだか「きつねにつままれたような」不可思議さに苛まれること必至。これまでの「ファンタジック」な色合いをガラリ変えてみせることで、作者の並ならぬ技巧を十二分に感得できる快作になっていると思う。あらためてその才能に惚れ惚れ。素晴らしい作品です。 | ||||
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『夜は短し〜』は、どうもオタ臭い感じや登場人物が苦手でした。 今回の物語は、まさに幻想ファンタジー。 どの話もどこか余韻を残すような終わり方ですが 物語の世界観にワクワクします。 恒川光太郎など好きな人にもおすすめだと思います。 万城目学さんとよく比べられる森見さんですが 私は万城目さんはハマレたけど、森見さんはどうも苦手でしたが このようなテイストが他の作品にもあるのなら、 もっと読んでみたいと思います。 | ||||
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06年10月の単行本の文庫化で,4本の奇譚が収められている短編集になります. 『奇譚』と謳われているように,少し不思議で怖めの物語が収められているのですが, 怪談など直接的なそれらとは違い,後からじわじわとくる怖さといった印象を受けます. また,奇譚自体もよいのですが,そこに至るまでの大半を占める会話や日常描写が美しく, はなしの性質とは裏腹な,暖かく柔らかみのあるきれいな表現がなんとも心地よく感じます. ともすれば呆気なく,あれは誰だったのか,何だったのかとどれもが曖昧に終わったり, それぞれが別の時間や人たちのはなしのはずも,どこか繋がりのようなものが見えるなど, ぼんやりとしながらもじっとり汗がにじみ,気がつくとその世界へと引き込まれていきます. 確かにハッキリしない部分は残りますが,それを含めた余韻を膨らませるのが楽しみどころ. 暑い日の昼下がり,たまにはこういう作品で気分を入れ替えるのもいいのではないでしょうか. 一つ一つは100ページにも満たないのですが,思いのほかに濃厚でじっくりと読ませてくれます. なお,巻末の記述によると,今回の文庫化にあたり改訂が行われているとのことです. | ||||
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短編集なのだが、どの作品もいくつかのキーワードで世界が繋がっているところが面白い。 森見作品には珍しいホラーなのだが、戦慄するような恐ろしさではなく肌にまとわり付くような湿り気を帯びた冷気を窺わせる上質の"怪談"である。 私個人としては『果実の中の龍』が面白かった。ある短編のメタファーになっているところは驚かされた。 | ||||
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好き嫌いわかれるだろうけど私は好きです。怪しいなって感じがすごい出てて。見えるようで見えない感じとか、ああいう感じが私のドツボでした。おおっぴろげーなホラーは好きじゃないんで。 | ||||
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とにかく、タバコがよく出てくる。みんなタバコ吸っているという感じである。表題作「きつねのはなし」を読み始めると、とくに「きつねのはなし」に出てくるタバコは両切りたばこだったりするので、いったいいつの時代の話だという感じがする。昭和30年〜40年代ごろかなとか漠然と感じてしまう。しかし、携帯電話が出てきて、あ、今の話かと思うのであった。この、タバコと携帯がかもし出す時代浮遊感が面白い。 全体的に不気味系な物語なのだが、剣道をする女子高校生というのが、たまたま直前に読んだ「鹿男あをによし」に出てくる堀田イトと完全にかぶるキャラだったので、そのことのほうがむしろ不気味であった。 まあ、本質的な話の流れも面白く、イッキ読みでした。 | ||||
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京都はあやかしの町かもしれない。不思議なことが自然に起こるのだ。そのように思えるのだ。活字の世界の裏に潜んでいるだろう映像が、頭の中で構築される。あり得ない話が生まれてくる。塗り物の金魚が動き出したら叫んでしまうに違いない。 | ||||
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