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触発: 警視庁捜査一課・碓氷弘一1
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触発: 警視庁捜査一課・碓氷弘一1の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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爆弾テロを中心とした事件を扱った警察小説。シリーズ刑事の碓氷がカンボジア人の母親をポル・ポト政権下の地雷で亡くした爆弾のプロである自衛隊員の岸辺とコンビを組む、一種の「相棒」ものだが、作者の意匠としては、"平和ボケ"した日本人に対する警鐘の意を込めた社会派小説を目指したらしい。「触発」という表題は、刑事、公安及び自衛隊員間の一色触発状態という意味と、爆弾を下手に触ったら爆発するという意味を兼ねているのだろう。 しかし、警察小説としても社会派小説としても中途半端な出来。"倒述もの"の如く冒頭で爆弾テロの実行犯の正体が明かされているので、ネタバレとは異なるが、実行犯の正体はボスニア・ヘルツェゴビナ等で活動した元傭兵で、こちらも爆弾のプロ。読む方は、当然、「爆弾のプロvs爆弾のプロ」の息詰まる攻防を期待する所だが、その攻防の妙が皆無で読んでいてスリルもサスペンスも感じなかった。そして、物語構成の拙さは、冒頭近くで、ストーリー展開とは一見無関係そうな「***」について記述している点。これでは、事件の背景がミエミエな上に、「***」がこんな無謀な計画を立てるなんて、幾ら"平和ボケ"への警鐘を意図した物語とは言え、荒唐無稽過ぎる。このため、警察小説としてのリアリティが極めて薄くなっている。 更に、冷静に見てみると、本作は地下鉄サリン事件、ポル・ポト政権下の大量虐殺、冷戦終了後の民族・宗教紛争といった執筆当時の日本・世界情勢の諸要素を題材として纏めただけで、作者自身のオリジナリティに乏しい。現在なら、作者は実行犯をイスラム過激派のローン・ウルフに仕立てていたのではないか。作者が爆弾に関して詳しく事前調査した事は良く伝わって来たが、それ以外は胸に響くものがない駄作だと思った。 | ||||
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