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忍法八犬伝
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【この小説が収録されている参考書籍】
忍法八犬伝の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
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山田風太郎の明治の頃の時代小説が面白くファンになりましたが、これは紙芝居を小説化したオール荒唐無稽な娯楽的読み物。一晩で一気に読みました。後の残った印象は760円か、という良心的プライス。 | ||||
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南総里見八犬伝を題材に風太郎が新たに作り出した大娯楽小説。まさに『それからの八犬伝』 | ||||
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「怪談 厠鬼」のこのラストの一文には著者の書く他の忍法ものとは一風変わった恐ろしいものがある。 | ||||
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安房里見家の甲賀、八軒士、対 服部半蔵率いるくノ一8人衆‼8個の珠をめぐり、上に下に大騒ぎである。全編みなぎるハチャメチャなストーリーや、ユーモアラスが面白すぎる。一気読み必至の傑作である。 | ||||
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忍法帖が好きな人は必ず読んでほしい、カッコいい、美しい、艶っぽい全ての魅力がつまった一冊。最後の一説には震えずにいられない。 | ||||
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主に復讐テーマの短編忍法帖とエッセイ「「甲子夜話」の忍者」を所収。 「忍者 向坂甚内」-北条方風魔一族の忍びが操る忍法紅蜘蛛縫い。どこでも縫っちゃいます。 「忍者 車兵五郎」-表紙絵は本作の一場面。なんでこんな変なアングルなのかは読んでのお楽しみ。 「怪談 厠鬼」-子供が54人いた江戸の爛熟時代の爛熟将軍11代家斉の時代の大奥舞台の忍法帖。作者がこの将軍だったらなり代わってみたいというのも同感。 「大いなる伊賀者」-江戸の兵法家平山行蔵と相馬大作事件。平山行蔵の実際の生活ぶりも書いてあるけれど、ほんとにこんなストイックすぎて漫画的になっちゃう武人がいたとは。 「忍者 梟無左衛門」-佐野善左衛門による田沼意知暗殺事件。その背後にある忍法袋返し。 「淫の忍法帖」-藩の世継ぎを作るためとはいえ、ちょっと酷いなぁ。 「忍法とりかえばや」-忍者は平均点が高いんじゃダメで、なにかひとつで突出したものがないとダメ。何のとりえもない平均点の忍者が取った手は? 「「甲子夜話」の忍者」-すこぶる面白いエッセイ。風呂場で自分の体積を図ろうする作者、「忍者 車兵五郎」の最後の対決の場面を書くために奥さんを使って実験する作者など、作者の実生活がうかがい知れる前半に続いて、平戸藩主松浦壱岐守の見聞エッセイ「甲子夜話」に出てくる実在した忍者の模様も興味深い。忍法帖に対する作者の心情も知れる。現代、世の中と忍法を結び付けたがる世間に対して「なぜ無邪気なナンセンスとして面白がるだけであってはいけないのか」-そのとおり。 南條範夫の残酷時代小説の復讐譚に比べると、本書所収の諸篇はそれほど陰惨さはなく、それこそ無邪気なナンセンスとして純粋に物語を楽しめる。 | ||||
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甲賀、伊賀、江戸、忍びの卍、柳生と読んで次がこれ 思ったのが、山風作品は敵打ちではなく殺し合いをする方が、主要人物が優等生ではない方が面白い、です 甲賀に修行に行ったけど、そこを抜け出して各々プータローのごとく好きなことをやり 父親の遺言(敵に奪われた8つの珠を取り返せ)はスルー おいおいこいつら大丈夫なのか…?と思ったら お姫様に「珠取り返そう」と言われたら「よっしゃ行くぞ!」となってしまう このギャップが面白く、ページをめくる手が止まりませんでした 忍となった8人は格好良かったです。特に先陣を切ったあの人 珠の字と8人が一致せず、何度も巻末の解説の最後を見ましたが… | ||||
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タイトルからも明らかな通り、山田風太郎の執筆した一大国史サーガ忍法帖シリーズのうちの1作ではあるが、もちろんそこは凡手を嫌う山田風太郎のこと、単純に「南総里見八犬伝」の世界に忍法を持ち込んだだけではなく、何と八犬伝の物語を「史実」として受けた上で、その後日談を描いているのが本作である。 舞台となるのは江戸時代初期、お取り潰しの危機に瀕した里見家を…いやいや、美しき姫を救うため八犬士の子孫たちが死闘を繰り広げるというお話(お家のためだの忠義だのに山田風太郎が興味を持つ訳無いんですな、やっぱり)。この八犬士たちの子孫、それぞれ先祖の名前を引き継ぎながらも、それこそ人間の徳目の化身の如き品行方正な御先祖様に、あの世で顔向け出来ないようなろくでなしばかり。そのろくでなしの八犬士たちが、半端に習い覚えた忍法でもって、服部半蔵配下のくノ一衆と、文字通り必死の戦いを演じるのだが、そうした本筋のみならず、随所に山田風太郎らしい八犬伝のパロディが挿入されているのがなかなか面白い(その中でもやっぱり、「忠孝悌仁義礼智信」の珠が「淫戯乱盗狂惑悦弄」にすり替えるというのは素晴らしいアイディアと感心する)。それにしても黒いぞ、本多正信。 正直なところ、ろくでなしどもが天真爛漫な美しき姫君を救うため、身を捨てて一世一代の勝負に挑むという基本設定は、同じ忍法帖でも「風来忍法帖」という大傑作があり、あちらと比べると構成・展開の点で数段落ちると個人的には思っているのだが(あくまでも忍法帖としては)、一種の八犬伝のパロディとして見た場合、実に良く出来ているし、何よりも1つの伝奇物語を確固とした現実として踏まえた上で、更に伝奇物語を構築してみせる神業には、ただただ感嘆するのみである。本書を読んだ後は、同じく「南総里見八犬伝」をモチーフとした「八犬伝」という作品も是非お読みいただきたい。 | ||||
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忍法帖定番の形式を踏襲し、八犬士8人対伊賀くノ一8人の闘争を軸にストーリーが展開する。しかしトーナメント形式ではないし、全体の構造も一般的な設定になっている。それでも冗長さがなく展開の切れも良いように感じるのは、八犬伝という下敷きがあるからか。八犬士もくノ一も創作キャラだが厚みを感じられる。八犬伝に対する風太郎の思い入れの深さがわかる。 八犬伝のパロディなので、全体にのんびりした語り口になっているが、内容は凄惨かつ残虐でグロテスクだ。しかし、読者にそうは感じさせず、それが味付けにさえなっているのはさすが。例によって主要な登場人物がすべて死んでしまうエンディングもきれいに決まっている。 解説は京極夏彦で、非常に面白い分析をしている。 京極はまず「山田風太郎作品の主人公は小説自体なのである」と喝破する。だから、登場人物はあっけなく次々に死んでいく。あるべき高邁な思想もテーマも風太郎は提示しない。「彼らがなぜ死ぬかといえば、それは小説のために死ぬのである」という指摘はまさに的を射ている。 「主人公の胸のすく活躍、感動的なせりふ、喜怒哀楽、数奇な運命(付け加えるならばその死も)、そんなものは小説を面白くさせるための要素に過ぎない」「ストーリーすらそれほどの意味を持たない」と言い切る。さすがに言い過ぎとは思うが、一面で風太郎文学の本質をついた指摘だ。 京極はまた、奇想天外な忍法がなぜリアリティを獲得しているかについても、的確な分析を行っている。 「世界のほうが忍法に合わせて創造されているのである」 「ありとあらゆるものが、風太郎の創り上げた完全虚構世界なのである。だから、小説内に構造された因果律に沿う限り、その説明は論理的整合性を持つ有効な説明である」。まさに! 忍法帖のストーリーは「言葉だけで築かれた虚構の中の虚構、これは小説の真髄である」。実作に携わる伝奇小説作家ならではの見事な分析ではないだろうか。 | ||||
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エロティックアクションSF長編小説 伊賀・甲賀双方の忍法(淫法?陰法とでもいいましょうか・・)の応酬、 そんな馬鹿なと思っても頭の中で想像・空想できてしまう不思議。 そんな中での若き八犬士たちの豪快で切ない最後。 麗しき村雨姫のため命を賭す。 ハグレ物であった彼らも実は大きな忠節を持つ八犬士の子孫であったという証でしょうか。 | ||||
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あの滝沢馬琴の八犬伝から150年経った江戸時代のお話しです。里美家をつぶそうとする幕府の陰謀に対し立ち上がった八犬士の末裔が、なぜか甲賀忍法で幕府直属の伊賀軍団と戦います(笑) 山田風太郎らしく、とんでもない忍法が次々出てくるのがウリです(笑) | ||||
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表題のとおり、忍法帳シリーズでは 屈指の名作だと思います。 本シリーズのテーマはエロ・グロ・ナンセンスだと思います。 そんな中でホロリとさせる部分があり、 作中、ダレる部分がなく一気に読める作品です。 綺麗なお姫様を、プレイボーイの忍者が命がけで守る。 そんな構図が大好きです(ド変態)。 | ||||
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八犬伝うんぬん、知っていて損はもちろんないのですが、別に知らなくても楽しめます。 このシリーズ内では、文章のテンションの高さは、最高級ではないでしょうか。 奇想だけじゃないよなやまふうは、とふと思ってしまう作品です。(いや奇想というか想像力に酔う面ももちろんあります) | ||||
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普通以上に面白い作品です。時代物ですが、展開はスピーディで文体も読みやすく、奇抜な忍法はむしろファンタジーに近いものがあります。 私はまだ山田風太郎という作家を知らない頃にこの小説を読みました。八犬伝パロディとしては、他のパロディ作品に比べて格段にレベルが高いと思いますし、小説自体の面白さも充分だと思います。しかし、山田風太郎の作品群の中では、傑作と呼ばれるものに届いていないと感じ、星ひとつ分評価を下げさせていただきました。 原作の形は跡形もなく、前半と後半に登場するキャラクターによって扱いが随分違うので、双方をよく知らない人でも楽しめるといえば楽しめるし、逆にコアなファンは物足りなく感じるかもしれません。信乃や現八が好きな人であれば、見せ場が多いのでけっこう面白いと思います。 | ||||
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里見八犬伝の八犬士の孫8人が主人公。8人は甲賀に忍法修行に行ったものの、1年で逃げ出して、それぞれ好きなことして生きていました。里見家の危機にも知らん顔でそれぞれの人生を歩んでましたが、里見家の村雨姫に頼まれたとたん、自らの命を犠牲にしても奪われた玉を奪い返す勇士になります。山田風太郎の忍法帖シリーズでは、生と死がテーマになってるものが多いですが、この作品ではとくにそれを痛感します。 同じような、やる気のない主人公がある女性のためには命をも捨てる話に、「風来忍法帖」があり、こちらもおすすめ。 村雨姫の名前は、里見八犬伝の妖刀「村雨」からきていますし、他にも数々のパロディがあり、そういう部分でも楽しめます。 里見八犬伝そのものを風太郎風に解釈した名作「八犬伝」のほうもぜひ読んでみてください。 | ||||
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どうも、山田風太郎先生の小説は、主人公達が、『ろくでなし』の方が、話が面白くなってしまうようだ。 幼い頃から、自分達の先祖の八犬士達の忠義や英雄伝説を嫌になるほど聞かされた主人公達が、甲賀へ忍者修行に出されて、それから一年で行方をくらますほど、八犬士である事を嫌っている主人公達。 里見家や主君などどうでも良く、八犬士の血を引いていることも迷惑だとばかりに、御家の危機にも無関心を決め込んでいたが、彼らが憧れていた村雨姫の頼みとなると、彼女をどうにかしようとではなく、彼女の心に残る男になりたい、彼女の役に立ちたいとばかりに服部半蔵率いる伊賀くノ一軍団に、景気良く挑戦していきます。 次々と斃れていく若き八犬士達。だが、彼らは村雨姫の為に戦いを続ける。 アクション有り、忍法合戦有り、笑いもあり、最後のラスト三行の哀しい文章にもかかわらず、爽やかさを残すラストまで、これぞエンターテイメント小説の見本とも言うべき傑作小説です。(だけど、源八の死に方だけは、絶対に嫌) 星五つにしてもおかしくないのですが、実際の『里見八犬伝』で、一番好きな犬山道節が、此処では一番あっけなく、そして扱いが他の七人と比べて弱かったので、それだけが、私個人のマイナスです。でも、傑作!! | ||||
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八犬伝を忍法帖に仕立て上げる荒唐無稽な発想もさることながら、忠孝悌仁義礼智信の珠が盗まれ、取り返す役のはずの八犬士の子孫が忠義とは全く無縁で、あるものは盗人をし、乞食になり・・・と武士ですらない職にあるのが面白い。しかも、忍者かといえば、途中で修行を投げ出したとあっては、「これで本当に珠が取り戻せるのか!」と思ってしまう。 正攻法で珠を取り戻すという誰もが予想できる展開から外れて、物語を進めていく手腕はさすがです。忠義などではなく、ただ美しい姫君である村雨の役に立ちたいがために奔走する。この気持ちに共感できると、ページをめくる手が止まらなくなるでしょう。 派手な忍法合戦はあまりありませんが、面白さは一級品です。 | ||||
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「八犬伝」をパロディー化したユニークな設定。 村雨姫の為に其々の職業特性を以ってプロの伊賀忍軍と対抗する構図に「風来忍法帖」を彷彿し本書に惹かれ期待した方は多いと思います。 しかし、期待度が高かった為か得心出来ない点が多かった。 修行先から逐電し自らの天職と暮らしを愉しむ彼らが村雨姫の出現で旧主家の危機に係わり姫の為に尽す心境変化の様が希薄。 また、彼女の為に犠牲者が増えているにも拘らず、その後も深謀遠慮しない彼女の発言・行動には最後まで共感は出来無かった。 正直「忍法帖」シリーズの中では上位の作品ではないと思います。着想のユニークさを活かし切れなかった感が残る。 追記、当シリーズは奇抜・奇想な忍法が数多く登場するが、八対八の闘いであるが七つ止まりです。 | ||||
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山田風太郎と海の向こうのダシール・ハメットは似ている。と思う。ハメットは「赤い収穫」一作でハード・ヴォイルドというジャンルを作ってしまったが、風太郎は、他の作家が地団駄踏んでも適わない「忍者もの」というジャンルを作ってしまった。とは言え、風太郎の小説に出てくるのは、忍者というよりクリーチャーといった方がしっくりくるバケモンだらけだが、その感情は、以外に人間臭かったりする。ボクが風太郎の中でも特にこの物語が好きな理由は、そのバケモノじみた忍者たちの純真であり、今では古めかしい忠義、といったコアな生真面目さが一杯につまった所にある(但しこの物語の八犬士達に与えられた称号は「戯乱盗狂惑悦弄」である。老臣でなくたって「何てこったぁ!このバチ当たりめがぁ」である)。また「〜だったら死んでもいい」という純真を本当に実践していく登場人物達は、ある意味滑稽で、そして悲しかったりするのだが、歯切れの良い文章と、スイスイと進むストーリーのお陰で、恐ろしくさっぱり爽快に感じられる。しかし読み終わった後、ズ〜ンと来るのだ。これは現代の日本の作家で言えば船戸与一あたりにも通じる諦念である。また、登場人物が、南総里見八犬伝の本物の主人公達の子孫、というのもなんだが笑える。子孫かよ!みたいな・・・。しかし彼らは、その身上、自分達でも気に入ってしまったすりかえられた称号等とは裏腹に、可憐な姫に導かれるまま、己の使命をこなしていくのだ。ちゃらんぽらんな男だって女一人で変わるもんさ。あ、そういうもんさ。御代は見てのオカエリ、トーントーントンカラリンってかぁ〜。 | ||||
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これは男心の小説です。 美しく汚れのないものへの崇拝・絶対的帰依の気持ち・・・若い頃に抱いた懐かしい気持ち、また今は失われてしまった日本人の心がよみがえります。 読みながら私は、村雨姫に対して八犬士の誰よりも頭を低く平伏していました。男ってやっぱり馬鹿なんでしょうか? | ||||
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