■スポンサードリンク
桜ほうさら
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
桜ほうさらの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 21~36 2/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部先生の話はホント暖かい。読んでいて気恥ずかしいやら微笑ましいで暖かい。ふう 堪能堪能。 一気読みしましたが不満はただ高いだけ。読みたい本我慢の1800円。 惜しくはないが他にも買いたい本を我慢じゃ。 いつも面白い宮部作品買わねぇはずもない!恨み節も、ぼやきのひとつも言いたくなる良作。 ああ読んで満足。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何人もの方が書いていますが 宮部みゆきさんの時代物は、テッパンではずれがない。 今回もそうだった。 挿絵も物語にぴったりだし、すべてのページの上部にサクラの柄が 入っているのも、良い。 でも、ラストの謎解きはちょっと。。 そこまで長い期間、笙之介さんに黙ったまま すごす事ができるものだろうか??? ともあれ、笙之介さんの未来に幸あれと願う読後でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
震災以降を意識しているのだろうか・・・。 物語の発端は、上総国搗根藩で小納戸役を務めてきた父の古橋宗左右衛門に、突如、御用達の道具屋からの賄賂疑惑が、父は取り調べに対して頑なに否定するが・・・父の手跡になる受け渡し等の文書が残っていた。父は、家族の事情が複雑に絡んでいることから、罪を認めざるを得なかった。父が自邸の庭先で腹を切ったのは、閉門蟄居から三日目の事であった。兄の勝之助が介錯をした。主人公・古橋笙之介には一瞬の出来事であった。 父の罪、無念の死。江戸に出てきた笙之介は、今も、父の罪が信じられないのであった。江戸留守居役の東谷は藩の御家騒動が背景にあることを示唆し、偽文書作りを捜しだせと命ずる。笙之介は長屋に住み、代書、写本を生業にしながら事を進めるが・・・次々と事件、難題が襲う・・・やがて、黒い出来事の驚嘆すべき全容が・・・。父の死、無念の死。その真相と、藩の御家騒動に潜む陰謀を若き侍が追いかける長編時代小説である。 著者の物語の根底に流れるのは、人への深い信頼と愛おしみであろう。しかし、そのままでは物語は成り立たない。対蹠的な「ダーク(Dark)」な部分を必要とする。だから、著者の作品群では、暗黒・Darkな要素の連鎖をより多く必要としつつある。しかし、最終的には、その分、暗黒から著者の根底にあるLightness(明るさ)の強さに読者はホッとし、納得する。本物語における人々は皆、家族という闇(Darkness)を彷徨する。家族の『絆』等が声高く叫ばれる時は、そうではなかったことの証拠でもある。この物語の登場人物たちはどうだったであろうか・・・。 題名「桜ほうさら」元は、甲州弁の「ささらほうさら」で、意味は「あれこれいろんなことがあって大変だ、大騒ぎだ」という意味であるという。 いずれにしろ、“ささらほうさら”⇒“桜ほうさら”で納得の一冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
父が濡れ衣を着せられ、一家は断絶となった。前途に希望のなくなった古橋笙之介は、師匠の勧めにしたがって江戸暮らしを始める。 全四章から成る長編時代小説だ。一章で現代に至るドラマが語られる。江戸留守居役の東谷は懐の深い酒脱な雰囲気の男で、とても魅力的だ。 探偵役兼ヒロインの和香や長屋の面々も実に愛らしい。市井の人物像を書かせては天下一だなあ。 二章には暗号謎解きが登場する。具体的な解明がないのが惜しいが、解読に至るアイデアには感心した。 三章は誘拐事件だ。緊迫した展開の果てに人間の醜悪な側面が浮かび上がる。 四章で再び本筋に戻り、冒頭の謎が解き明かされる。真相はかなりショッキングでした。 江戸人情話のように見せかけて、内容は濃密な人間ドラマである。ご都合主義の美談なんかの対極に位置する「現代の」時代小説と言えるだろう。 我執に取りつかれて奈落に堕ちる人たちは、憎らしいというより哀れだ。 信用すべき立場の相手でも、裏切ることはある。そのかわり無縁だった人と信頼関係を結ぶこともできる。 それが人間だ。本作のテーマは、そういうことではないかな。すべてが高品質、最高点です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆきの江戸ものは良い。江戸時代の町民の暮らしがいつも生き生きと再現され、1冊の本の中で、笑い、泣き、喧嘩をする。騒々しいが、こういう時代に生きてみたかった、としみじみ思わせてくれる。桜ほうさらは、全編に謎解きサスペンスをからめつつ、恋物語、小藩の中の権力争い、長屋の暮らし、商家の暮らし、いろんなものが詰め込まれ、終わるのが寂しい位堪能できた | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
目でみえること、それを心に留めること、大変勉強になりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「なぜ父は死ななければならなかったのか?」「なぜあのようにぬれぎぬをきせられなければならなかったのか?」 主人公の笙之介は一見、のん気で人の良い浪人です。 しかし、父の汚名により、家が断絶するという過去を背負っています。 事件の解明のため、田舎から、江戸に出て来ます。 笙之介には兄がいますが、この兄弟、気質が実に対照的です。 ※ネタバレあります。注意! 後半、勝之介が事件の根幹であったことが判明します。 「麒麟児」と呼ばれる勝之介がなぜ暴挙(としか言えない)に出たのか? 笙之介は江戸に出てきてから知り合った貧しい市井の人々と寄り添い、過ごしていきます。 困っている人がいれば、得にならなくても、骨折りし、飢えている人がいれば、自分の分の食事を躊躇なく分け与える……苦しいのも、辛いのも、自分だけではない、と笙之介は気づいているからです。 そんな笙之介だからこそ、長屋の人々も笙之介を気にかけ、かかわっていきます。 しかし、勝之介は自分で決めた「正義」のみを振りかざし、推し進めていきます。 他人の置かれている状況や、痛みなど、一顧だにしません。 けれども、そんな勝之介も、笙之介を無視できません。 進退窮まる状態になっても、「臆病者」と蔑む笙之介をつけ狙います。 窮状の中、まず他人のことを気にかける笙之介、反対に自分の感情に捕らわれる勝之介……。 どのような才能も、狭量な人格の下では生かされない、と思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
富勘長屋に暮らす笙之介には、人に言えぬ思いがあった。 「父の無念を晴らしたい。」 身の回りで次々と起こる不思議なできごとを解決しながら、笙之介は父の死の真相を追い求める。 求める先に待っているものは・・・。 人は、本当にさまざまなものを背負って生きている。悩み、苦しみ、悲しみ・・・。でも、この 作品に登場する笙之介や和香、そして富勘長屋の人たちは、皆背負っているものは違うけれど 前向きに生きている。明日という日への希望を決して捨ててはいない。だが一方で、自分の未来を 自らの手で閉ざし、心を黒く塗りつぶしてしまった人もいる。「誰がどうなろうとも関係ない。」 投げやりな生き方の者の心に悪が入り込む・・・。笙之介の父を死に追いやった者は憎い。だが 一方で、そんな生き方しか選べなかった者に、哀れみも感じる。成長するということは、人の愚かな 部分や醜い部分を知るということではないだろうか。そういう意味では、笙之介はずいぶん成長したと 思う。 母と笙之介、兄と笙之介、その関係は必ずしも好ましいものではなかったけれど、笙之介ならそれを 乗り越えていけるだろう。この作品を読み終えたとき、タイトルに作者の深い思いが込められていた ことに気づいた。そしてそれは、読み手である私の心にほのぼのとしたぬくもりを残した。心にしみる、 しっとりとした深い味わいのある作品だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
家族の愛は、いろいろな形がありますね。 家族内にある愛憎で若者が傷ついていく過程と、周囲の人たちとの関わりから立ち直る過程に、心痛み、また、暖かい気持ちになります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どの様な環境にあっても、どの様な事態に遭遇しても冷静に、驕ることなく見極めて行くためにも一人で無理な時には信じる人を頼り知恵を借りること、自分を信じて行くことを示唆していると読み取りました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
貧富の格差激しく不況の天保の頃の話。いきなり父親が汚職の濡れ衣を着せら切腹という主人公としてはにっちもさっちもいかないマイナスからのスタート。しかしめげない主人公と、冷たくしない回りの人々。隣近所上下斜めの関係は現代社会と異なり濃厚。手跡が今回のキーワードですが、大団円に至るまで、「大いなる寄り道」つまりサブプロットを交え、話は進んで行く。宮部みゆき先生としては、春先から秋まで進んで行くのは珍しい。あと装丁が素晴らしく、ページを開けば、桜、表表紙も桜、さらに物語の中で桜の花見も体験出来ます。宮部先生ありがとうございました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最後の展開にほんの少し驚いたけど、 自分自身の宮部みゆきに対する期待値が上がってしまっているのか、 わかりやす過ぎて。。。 あまりに「近頃ウケそうな人物がてんこもり」過ぎるのだと思う。 手練といえばそのとおりで、何も悪いことはないのだけど、 読み人によって印象が違うような人物が出てきた初期の頃の作品のほうがいいな。 こういう話は、最初から文庫で出る時代物で楽しめばよくて、 宮部みゆきには違うものを期待してしまう。 でも裏切るとかそういうわけでは決してなくて、満足はしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆきの時代小説の新作は、とある小藩の武士・笙之介のとある事件から始まる江戸での生活・成長を、 実に心温かき人々の交流を通じ、描いて行く。 現代の私達もスッとはいっていけるような何気ない場面・会話を重ねるうち、次第に見えてくる全体の構図、 そして、終盤では完全にそっちの世界の誰かになって、喜怒哀楽全開で作品に浸っている。 正に宮部ワールドの真骨頂、迷わず買いの一言に尽きる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どないするねん? 次の春は、一緒に桜を見るだけで・・ええのんか? なんも、云う事ないんか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公の心の成長を丁寧に 時代背景と周囲の人々の心模様 みごとにかききった作品です。 一読後、もういちど、違う視点でで読みなおせる ひとつぶでにどおいしい・・みたいな読後感です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部さんの時代小説は、ほんと間違いない。面白さてっぱんである。 とある小藩の若い侍、古橋笙之介は、父の切腹をめぐる事件を機に江戸へ出、江戸留守居役・坂崎から密命を受ける。 それは、藩の裏に横たわる陰謀を探ると同時に、切腹させられた父の事件の真相を暴き、父の汚名をそそぐことでもあった。 深川の片隅、桜の見える堀割長屋に身を置いた笙之介は、父への想いを胸に抱きながら、様々な出来事を体験してゆく。 そして、最終章で見えてくる父の事件の真の姿。その驚きの真相とは・・・。 いくつかのサイドストーリーを通じて、長屋の人々や町人たちと触れあいながら、成長してゆく笙之介。 そんな主人公の姿を織り込みながら、メインのストーリーが少しずつ展開し、最後に姿を現す劇的な真実。 いつもながらの平易で読みやすくテンポの良い文章。どんな脇役も生き生きと立ち上がってくる人物描写。 小粋なサイドストーリーを絡めながらメインの物語を展開してゆく巧みなプロット。 全編に溢れる温かな人情味と江戸情緒。そして、主人公の恋物語の切なさ。もはや、名人芸である。 相変わらず登場する人は良い人ばかり。特に笙之介と治兵衛さんは、ちょっと人を信じすぎではないかなあ、とも思ったりする。 また、主人公の恋物語の相手・和香の抱える問題についても、「現実はこんな風にはいかないだろう」と思う所も正直ある。 しかしこの小説の中は、「こうあった方がより良いな」という世界を、素直に楽しむことが大切じゃないだろうかと思うのだ。 この美しく温かい人情をたっぷり受け取って、明日からまた厳しい現実の中で生きてゆく自分たちの、心の滋養にすれば良いのだ。 それが、宮部さんの小説の力だし、魅力なのだと思う。 さらに加えれば、良い人ばかりだからこそ、たまさか出てくる悪い者の心に抱える闇が、強く浮き彫りにされるとも言えると思う。 物語自体はいつもの宮部さん、心地良いけど新味はないかなあ、と思って読んでいたら、ラスト約20ページはちょっと驚いた。 宮部さんの時代物にはそんなにない展開だと思う。そこからラストまでが、泣けた。特に笙之介と和香のくだり――。 この、とても美味しいものをたっぷり食べた後のような読後感。宮部さんの時代小説は、ほんと間違いないのである。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!