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死にぞこないの青
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死にぞこないの青の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全86件 61~80 4/5ページ
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先生が中心になって、事あるごとにマサオのせいばかりにする。宿題が増える理由も、授業時間が長くなるのも・・・理不尽なことが沢山あります! 現実に起こったらかなりの問題行為になることは、間違えありません。でも、自分の知らないどこかで、そんなことが起こっているのかも知れない、と乙一の文章が思わせるのです。その心理が現在の学校教育の中(親の知らない不透明な生徒と、先生の関係)で揺れ動くところです。実話っぽい感じもするし、単なるフィクションのような感じもします。虐めている人の最も恐れていることは、おそらく「いつか復讐される」と言うことでしょう。その事に関する心理描写がとてもうまく表現されていると思いました。また、終盤に見られるマサオのどうしたら良いのか悩む気持ちの揺れ方に、拍車をかけるアオの存在も良く描けていると、思いました。しかし、星をひとつ減らしたのは折角そこまで、人間の様々な面を事細かく、描写してきたのに先生が、マサオをイジメていた理由が、私にはそんなもんかと、思えたからです | ||||
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短編に比べたら、やっぱり面白さは落ちるんだけど、やっぱり面白い。 小学校という閉じた空間で追い詰められていく姿が生々しくていい。小さな出来事を積み重ねて無理なくリアル感を出していく。 その技術はやっぱり最高峰。 | ||||
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第1章・第2章と読み進んでいく内に、追い込まれて行くマサオの心が余りに辛くなって、それ以上読み続ける事が出来なくなりました。 それで、初めて反則ワザとも言える読み方をしました。それは一気に飛ばして最終章を次に読むということです。乙一氏の作品は最後には救いがあるというイメージがあるので、結末を知っておけば辛くても読み進められるだろうと思ってのことです。 そうして読了してみると、一人の少年の一つの成長の物語でした。 そして又、氏の作品を読み続けるのだろうな。 | ||||
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担任の先生からいじめられている主人公の少年の心情に対して、苛立ちを覚える人や、同じシンパシーを感じる人など、色々いると思いますが、逆に担任の先生の行動に対して自分の中に潜む悪とも向き合わされるような作品でした。誰しも大なり小なり持っているような悪をきっかけにしたいじめを通じて人間関係がどのように壊れ、それに被害を受けた者がどのように追い詰められていくかを表現しているように思えて、読んでてすごくツライのにのめり込んでいくような魅力を持っていました。1978年前後の生まれの方には特に懐かしいような表現もあると思いますので、それも楽しみの一つとして読んでみるのもいかがかなと思います。 | ||||
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小学生のころ先生は絶体だった。何でも知ってる。先生の言うことは正しい。先生の言うことに逆らうほうが間違っている。なんとはなしにそう思い込んでいた。けれど年を重ねるにつれ、彼らの考えが何でも正しいわけでも、何でも知っているわけでもないことに気づくようになる。彼らとてただの人間なんだ。学校では先生かもしれないけれど、一歩そとに出ればただのおじさんやおばさんに過ぎないと。そういう事実がわかっているこの年になったからこそ、先生に嫌われたこの主人公のつらさが痛々しい。乙一さんのほかの作品は読んでませんが、この作品は先生と馬が合わずつらい思いをした人じゃなきゃかけない気がします。 | ||||
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物事をはっきりと言わない性格のマサオにもどかしさを感じる。人は自分より弱い人間をいじめたがる。いじめられたまま自分の殻に閉じこもっていては、負けてしまう。いつまでも同じ状況が続くだけだ。それを打ち破れるだけの強さや勇気があれば・・・。だが、すべての人が強さや勇気を持っているわけではない。現実の中でも繰り返される悲劇。それを無くすることはできないのだろうか。 | ||||
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この物語は、クライマックスがすっごく怖い・・・。幽霊とかそういう感覚で怖いというよりも、『人間』の感情というか、考えというか、『人間』って怖いな・・・不思議だな・・・って感じました。とにかく読んでみたらわかってもらえると思います。ぜひよんでみてください。 | ||||
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教師がいじめの発端を作り、先導するという設定にただただ驚いた。でもここまで極端ではないにしても実際に似たようなことはあるのかもしれない。子どもたちにとって教師は絶対的存在であり、教師の言うことは鵜呑みにしてしまう。考えると恐ろしいことだと思った。 | ||||
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この小説を読む前に僕は、辻仁成先生の「ピアニシモ」を読んでいました。これは偶然だと思いますが、とても貴重な読書体験ができたと思います。この「死にぞこないの青」は「ピアニシモ」をもっともっと怖くグロくホラーにした感じでした。それにしても、この小説はなんと言う小説でしょうか?こんな話がかけてしまう乙一先生は本当の意味で恐ろしいです。前半の「いじめ」の描写があまりにリアルすぎます。本当に息苦しくなってしまいました。こんなささいなことで発生する「いじめ」。「いじめ」が発生する過程が、本当にありえそうで。そのいじめはどうしてもやりきれなくて。劣等感だったり、孤独だったりを、主人公と一緒に抱いていました。そして、「アオ」の登場。後半はサスペンスのような展開。前半の流れから、こう、解放された感じになりました。ラストが少し拍子抜けしてしまったので星4にしましたが、本当に恐ろしい作品です。 | ||||
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ただただ敬服。ジュニア向けの作品に思えたので、前半は陰惨でゾッとした。どうも良くない結末に向かっているようで、何とかならないかハラハラした。 アオというキャラクターそのものがホラーである。このキャラクター造形自体で、じゅうぶん怖い。 そして、乙一なりの答えの提示。戦うこと。惨めな自分を絶望することに対して戦うこと。あるいは、懸命にやってもその程度の自分を、自尊感情を持って肯定すること。心理カウンセラーの正解例かと思うほど、真っ直ぐ見事に小学生の認識で語らせている。 苦味もある。不正を不正として糾明することが、世の中で最善の道ではないということだ。そんなことは、なかなか学校では教えてもらえない。 ジュニア向けにやや読みやすく書かれている気がするが、読み応えがある。 | ||||
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読んでる途中で、何度も自分が小学校の頃、いじめられた頃のことを昨日のように思い出した。この物語のマサオのように、いじめられたことを誰にも話せず自分の心のうちに秘めたまま、憎しみだけが増幅したとすればどんな事件も起こり得るとも思う。それだけ、子供の頃のいじめという深い傷は、大人になっても消えないものだ。もっと早くに自分の気持ちが受け入れられる場所があれば、事件は起らなかったかもしれない。かるい気持ちで読み始めて、こんなに暗い気持ちになるとは思いもしなかったが、乙一氏にまたやられたという気持ちにもなりました。いじめられたことがある人にとっては面白かった、では済まされない本です。。 | ||||
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やっぱり最高に面白い! とくにアオがいい!! コレは、暗黒童話にも言えることなんだけど、「人間関係や友達なんてこんなもんだよね」って読み終わった後感じた。 | ||||
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人間て、こういう生き物なんだよなぁ・・・と改めて思いました。主人公マサオは、一見弱そうで、でも実際の所、誰よりも強いと感じました。アオが生々しく、そして心強く感じられました。いくら子供でも一人の人間ですからね。当たり前ですが感情を持ってます。世の教師陣に是非とも読んでもらいたいと思ってしまいました・・・ | ||||
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小学生の頃、先生の一言一言に酷くびくついて、好かれようとしていた自分を思い出しました。少年の心が傷ついていく様子、リアルだなぁ。この作品では、あえて主人公視点の語り口調を子供っぽくせず一人の『大人』として扱っています。あとがきで(だったと思います;)乙一氏も語っていますが、難しい言葉は知らなくても、小学生だって大人と同じように考えて理解する力って持っているんですよね。最後の少年の行動は本当に立派。それにひきかえ、大人って…(苦笑。『青』の存在がホラー感を出してはいますが、これは少年の心の成長物語です。 | ||||
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サクサク読める、冴えた作品だと思いました。小学校という狭い空間の中で教師と生徒という絶対的な立場とクラスから異物としてはじきだされ、逃げ場すらろくに持てない小学生の描写がうまく書かれていると思います。追い詰められたマサオと彼にしか見えない恐ろしい容貌のアオがそんな逆境の中でどう戦っていくのか、楽しく読めました。きれいにまとまっていてなかなか好印象。アオの存在の正体は作中はっきりと書かれておらず解釈は読者に委ねる形になっていますが、余韻らしいものは感じませんでした。 | ||||
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純粋で臆病な主人公マサオのなかに潜む憎悪のこころが別の人格となって現れます。マサオが持っているはずの醜いこころを受け入れることができるのかが見所です。卑劣な教師との対立の末に、彼は成長します。そして最後のほっとするような終わり方は好感が持てます。乙一さんの特徴ですが、この本のあとがきも冴えています。 | ||||
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購入してから数ヶ月読むのをためらっていたが、こういう話か。短いのもあり飽きさせず読ませるところはなかなか。なんだかなあ、と思うけれど。 引っ込み思案のマサオは小学五年に進級して、新任の教師、羽田のクラスになる。愛嬌がよかったところから共感を持ち、親しくなりたいと望むが。クラスの係を決めるときにマサオがいなかったことから急に羽田の態度が変わり始めた。クラスメイトまでが「ルール」に乗っ取って態度を豹変させる。そこに現れた通称「アオ」という少年は、マサオにしか見えない存在だった。 ビックリマンチョコやミニ四駆などの名詞を聞くとこの頃が懐かしく思える。実際はそんなにも日数はたっていないのだが、小学生だなあと。平凡な小学生なのだ、誰もが。 小学生だからだろう。グループ意識は強くマサオを皆が卑下する。隣の二宮という女子も話しかけてこなくなったり、いじめにあったり、そして羽田にはとどめのような仕打ちが。いじめというのはネタとしてはどうかとも思った。そういう意味で読むのをためらった。だが、結局反芻してみるとやっぱりネタにしか過ぎなかった。人間の弱い部分を、まじまじと見せつけられる。 終わり方がなあ。展開からいくとかなり残酷なのだし、第四章の終わりまでではその方向のシナリオを予想していたのだが。スニーカー三部作でもあったように、優しさは失われていない。救いはアオの存在だけでなかったのではないか、と。最後思わせられた。 アオの解釈は曖昧なままに終わっているのだが、まあそれはそれでよいと思う。これだけなのかと思うと物足りない感が隠せない。乙一好きなら読んで損はないとは思うし、感想は人それぞれなのだろうが。 面白くないことはない。特に中盤でアオとの接触のあたりからか。小一時間で一気に読んでしまったのはそのせいだろう。 面白いが、感想は普通かな。矛盾してるかしてないかは、読んでみて欲しい。 | ||||
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学校とはこういう場所であった、と久しぶりに思い出した。自分が児童だった頃は、教師(大人)は常に正しいと信じていたけれど、今ならばそうは限らないと思える。これは少年の成長物語だ。少年の最後の決断が立派。 | ||||
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漂う悲愴感、張り詰める緊張が伝わってきて心地良い作品です。妙に現実感があり、危機感や決断力をどう使うか考えさせられました。氏の描く主人公の世界観は、子供の頃に感じた絶対的な日常の律を思い出させます。いつもの驚きを孕んだ作風とは違うこの作品に4つ星です! | ||||
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読み始めて一気に読んでしまった。少年の心が純粋でそれと対比される青年教師が醜い。主人公がちょっとしたきっかけで不条理にも学級のいじめられっ子になっていく前半の展開は胸が痛む。いじめの張本人が担任教師なんだから救いようがない。不思議な登場人物「アオ」は当初は不気味だが、主人公をいじめの束縛から徐々に解き放っていってくれる存在だ。結末は心配していたほどの悲惨さはなく、読後感はさわやかだった。 | ||||
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