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(短編集)
サイモン・アークの事件簿IV
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サイモン・アークの事件簿IVの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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カーのオカルト趣味にくらべるとなんかおとなしい。不思議な事件ぐらいがちょうどいい感じ。本当の怪奇な事件が起こらないかな。 | ||||
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突出したトリックや謎解きはないものの、安定した読後感がある。今度こそは本当に悪魔に関係した事件か?!と思わせながらも、実は人間の 仕業という筋書きは独特の魅力がある。ミステリー好きは目を通しても損はないと思う。 | ||||
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本格短編ミステリーの名手ホックが生涯に渡って怪奇と推理の融合に挑み続けた異色シリーズ、オカルト探偵サイモン・アーク傑作選第4弾です。既刊3冊は著者の生前の自薦集でしたが、本巻から翻訳者の木村二郎氏がセレクトされた傑作集に変わったとあって全体的に作品の傾向の微妙な違いを感じました。個々の作品のテーマが今時にはない怪奇色が濃厚なオカルト系であるのは相変わらずですが、著者が得意な不可能犯罪興味の要素は減って、その代わりに玄人好みのミステリーの細かいテクニックに秀でた作品が選ばれているなと思います。確かに短編小説という登場人物も少ない構成では犯人やトリックのヴァリエーションにも限界があり大きなサプライズは起こし難いですが、でも必ず思わぬ盲点を突いた騙しの仕掛けが用意されている事やいろんなパターンの現代に於ける犯罪の動機を構築してリアリティーを持たせているのは流石だなと思います。悪魔を捜して世界中を旅する自称二千歳のオカルト探偵サイモン・アークについてはその推理の鋭さに毎回感心しますが、探偵の頭脳とは別な部分で心に悪魔を宿す殺人者を察知する能力を本能的に備えているのではないかと感じています。 『悪魔の蹄跡』事実上の第1作でまだ‘わたし’が登場していないのが寂しくトリックも平凡な著者の手探り状態の水準作ではありますが、初作だけにアークのわずかな手掛かりから犯罪を突き止める神がかり的な推理力と邪悪を絶対に許さずに犯人を厳しく追求する姿が新鮮でその迫力と存在感に圧倒されました。『黄泉の国の判事たち』‘わたし’が実の父と妹の事故死の知らせを受けて故郷の町へ向かい友人サイモンを呼び寄せ死の事情の真相究明を依頼する。鍵を握る第3の判事の存在への関心や微妙な質問の方向性で先入観を抱かせて読者をミスリードする手際が鮮やかです。『悪魔がやって来る時間』犯人隠しのトリックよりもこの世の地獄を経験した人間が精神を崩壊させて遂には狂ってしまう恐怖の方が深く印象に残り心に悪魔を宿す殺人者を強く意識させる力作です。『ドラゴンに殺された女』‘わたし’が嘗て愛した女性が「ドラゴンに襲われた」と言い残して息を引き取った怪事件を描く(少々専門知識が必要ですが)オチが見事なダイイング・メッセージ物の秀作です。『切り裂きジャックの秘宝』著者が切り裂きジャック事件の真相に一つの回答を示したアーク物のEQMMデビュー作でクイーンの要望のためにオカルト色を薄めたご苦労が窺えますが推理の方は確かな出来栄えです。『一角獣の娘』‘わたし’の出版社に原稿を持参した男が突然窓から飛び降り自殺する奇妙な発端から幕を開ける雲を掴む様な話に道筋をつけるアークの活躍。『ロビン・フッドの幽霊』ロビン・フッドの迷路で起きた連続弓矢殺人事件の裏に潜む歪んだ犯行の真相を暴くアーク。『死なないボクサー』二百歳を越える不死のボクサーの謎解きは単純ですが、殺人状況で読者に先入観を持たせて騙すテクニックが秀逸です。 今回の作品集でまた未訳作品が減ってオカルト探偵シリーズは34/61が容易に読める事となりまして、巻末でもう一冊の刊行も予告されていますのでファンの私としましてはもしかしたら遠い先に全作が読める日が来るのも夢ではないなと期待に胸をふくらませています。 | ||||
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主人公のサイモン・アークはまるでサンジェルマン伯爵のようになん百年と生きているといわれる不思議な人。そのアークが扱うミステリは当然一筋縄ではいかぬ超自然な事件ばかりです。一見するとどう考えてもオカルト然としていますが実は見事に理論的に解決されて行きます。しかしその後味はやはり一筋縄では行きません。思い切り理論の迷宮でさまよってください。 | ||||
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エドワード・D・ホックは、惜しくも2008年になくなりましたが、米国のミステリ作家です。長編も何作か書いていますが、その本質は短編にあり、800篇以上の作品を残しているといわれています。非常に多くのシリーズ、キャラクターを創造していますが、サイモン・アークもその1人です。年齢は自称2千歳で、サタンを探して世界中を旅しているオカルト探偵です。 本書はその第4弾で、1〜3巻にはホック自身が選択した26篇を収録していますが、本書はそれ以外の作品から訳者が面白いと思ったものを選択しています。なんや残りかすか、と侮ってはいけません。合計8編収録されていますが、これが結構面白い作品ばかりです!! 1:悪魔の蹄跡:ノース・ブラッドシャーの村の雪原に現れた悪魔の足跡、この足跡が現れると誰かが死亡するという言い伝えが・・・ 2:黄泉の国の判事たち:本シリーズのナレータ、わたしの故郷メイプル・シェズで父と妹が自動車で正面衝突し、死亡するというありえない事件が起こりました。私は葬儀に参列するため、黄泉の国(メイプル・シェズのこと)に出かけることになりました・・・ 3:悪魔がやって来る時間:助けを請う手紙を受け取ったサイモン・アークは押っ取り刀で聖ヨハネ十字架修道院を訪れますが、その眼前で依頼者が落下死亡するという事件が・・・ 4:ドラゴンに殺された女:オンタリオ湖のボートがドラゴンに襲われ4人が死亡するという事件が・・・ 5:切り裂きジャックの秘宝:切り裂きジャックが残したといわれる秘法をめぐって次々と事件が・・・ 6:一角獣の娘:一角獣の娘という本を持ち込み、読んでほしいという男が眼を放した隙に窓から飛び降り自殺、戻ってくると本が消えうせていて・・・ 総て紹介できませんが、悪魔の仕業では と思わせるような飛び切り不可思議な事件が次々と起こりますが、サイモン・アークはそれら総てを合理的に解決していきます。中には少し首をかしげるようなものもあるにはありますが、総て中々の出来です。私個人としては、一角獣の娘がベストだと思います。ギリシャ神話を下敷きにし、最後の落ちも素晴らしい!蛇足ですが、第5弾も出るそうです! | ||||
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八話からなる短編集で、本格派ミステリーとのことです。しかし、本格派ミステリーの場合は特に、長編に比べ短編は本格的な評論がし難いように思えますが、 そもそもこの本の中で仮にも本格派と言えるのは、せいぜい最初の二話だけでしょう。短編であることを考慮に入れても、残りの六話はそう言える水準ではありません。 もう少し具体的に言いましょう。三話目以降はどれも、謎解きの説明が本当に全く無いものや、若干の説明があったとしても、いい加減な理屈やテキトーな 説明をくっ付けて終わらせているものばかりです。そもそも作者は、少しなりとも本格派ミステリーとして書こうと思っていた様には思えませんね。 反面、軽い犯罪小説として気軽に読むなら、全体的には面白い方でしょう。仕事の休憩中などに軽い読書で暇潰しをしたい様な気分の時には 最適かもしれません。私も暇を見つけて読んだだけなのに、あっという間にサクサク読めてしまいました。但し、三話目の「悪魔がやって来る時間」は、 私にはあまりにも退屈で読むに耐えなかったですが。 と、少しは好意的にも書いてみましたが、この小説で問題なのは先ず、本格派として見ようと軽い犯罪小説として見ようと、いずれの話も ネタ自体は凡庸なだけに思えることです。捻りがなくオチも見え見えだったりして、特にこれといって印象に残るものは無かったですね。 いや、そんな凡庸な作品群だからこそ、謎解きの際に理屈らしい理屈を若干付けて少しは本格派を装っておけば、チープな印象はやや薄れたでしょうが、 理屈もないので中途半端なだけだと言われれば、それまでの本です。 ちなみに話とは直接関係ないのですが、主人公のサイモン・アークを神秘的なキャラクターにしようとしているのに、そこがちゃんと伝わらないところも残念です。 短編なので仕方ないとは言えますが、そもそもそれならサイモン・アークの神秘性自体を匂わせずに、ちゃんと本格派らしい探偵使っておけば良い様にも思えます。 かえってアークの中途半端なキャラクターが、中途半端な小説と言う印象をますます深めている様な気さえ? そこで結論としては、ほぼチープだけの短編集なので星三つさえ厳しいのですが、しかし軽い暇潰しにはなるだろうという唯一の長所に鑑み、星二つ位ですかね。 | ||||
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