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時間衝突



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【この小説が収録されている参考書籍】
時間衝突 (創元推理文庫)

時間衝突の評価: 4.17/5点 レビュー 6件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.17pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(1pt)

楽しく読めない。

素直には楽しめない

「時間」を扱った全くの異色作。
時間の流れが複数ある という設定ならそれこそいくらでもあるが、
本書のように「同じ空間を占めながら、異なったそれも逆行する時間」を
扱った作は本書以外にはあり得ないだろう。

主人公も複数いる。「タイタン」の世界で考古学を専攻にする学者。
地球外に居住地を定めた(中国人を模した)レトルトシティの反逆者。
タイタンの総統すら主人公的役割を果たす。

文章も読みやすく、設定も優れているし、人物描写も深い。

だが、表題の通り「素直には楽しめなかった」。

理由は、あまりにも「生臭く」人物を描写していること。
タイタンの総統=リムニッヒは、そのままヒトラーを模した人物。

その言葉たるや、まるで実際のヒトラーが言ったような「人種差別用語」のオンパレード。
純血だの、混血だの「真人」だのの言葉。
著者が実際に思っているかと錯覚してしまう。

レトルトシティの住民は「チンク」。そのまま中国人のこと。
この単語を目にした時実に嫌な気持ちだった。
スペイン語の「チノ」と同じ、中国人の蔑称。そのまんまです。

また、物語の最終場面でタイタン軍の総攻撃があるが、それまた「特攻」の
ヨーロッパ版。

巧みにカリカチュアライズしてはいるが、アジアへの偏見を茶化したような言辞は
たとえフィクションとしても感心しない。

最悪なのがリムニッヒのこと。
本書を読んでユダヤ系の人なら、即この本を捨て手を消毒するだろう。
600万人(異説あり)の無辜の人を死に追いやった「ユダヤ人問題の最終的解決者」を
戯画化し、面白おかしく書いて、それで許されるというものではない。

はっきり言えば、著者の見識(そんなものがあるとすればだが…)を疑う。

たとえフィクションとしても、節度はあるべき。

読んでしばらくは気分が悪かった。

お勧めしない。
時間衝突 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:時間衝突 (創元推理文庫)より
4488697011

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