禅銃
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書庫整理のため再読. 改めて読み返しても,やはりイマイチ. 同著者の短編集のほうは大好きだったのだが… ▼ 全体としては「一ひねりしたスペースオペラ」 ただ,一番の問題点は,伏線らしきものが伏線として全く機能していないところ. 最後の最後まで本編部分と,禅銃記述部分が殆ど関わりないまま並行進行して書かれており,その謎が少しずつ解けていくのではなく,最後の最後に主人公でもない人物の長台詞によって開陳. 読者としては「なんだそりゃ?」感でいっぱいになる. ▼ 一方,奇想はいつものベイリーらしさが良く出ている. 「人」税は非常に面白いアイディアと思われる(p.19-20) 後退理論も疑似科学としては良くできている. ・百年に及ぶロボット・スト ・終盤のクーデター(p.217-218)は,『動物農場』へのオマージュか? しかしオチに当たるべき部分の,上述のような失策が,全てを台無しに. ▼ というか,そもそも,これは「禅」である必然性が全くないよね? 【関心率1.488%:全ページ中,手元に残したいページが当方にとってどれだけあるかの割合.当方にとっての必要性基準】 | ||||
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"と、その装具に驚くべきことが起こった。手も動かさず、両腕も脇から離したわけではない。なのに、その背にかついだ数丁のライフルが自分の意志で動きだし、〈小姓〉の頭と両肩の上に浮かんだのである"1983年発刊の本書はまさにセンス・オブ・ワンダー!ワイドスクリーン・バロックの傑作。 個人的には"軽薄だがアイディア満載で、壮大かつ華麗なSF"を【もっとも魅力的な分野】としてブライアン・オールディスがワイドスクリーン・バロック」と提唱、その『国内での有名作』として本書を手にとりました。 さて、そんな本書は繁栄を極めるも斜陽の時を迎えつつある銀河帝国の一艦隊が辺境惑星に"徴税"に訪れる提督アーチャーの描写から始まったと思うと、視点はすぐに切り替わり。表紙にも登場するマッドサイエンティストにより創り上げられた人猿混合のキメラ、パウトが偶然に禅銃(ぜんがん)を手に入れ【ブシドー極めし伝説の超戦士】〈小姓〉池松八紘との出会いが描かれる。と、とにかくこれでもか!と『後退理論』他の詰め込まれた設定、物語の展開も風呂敷を読者の心配をよそにスケールを広げに広げていくのですが。 まず、冒頭の豪華な帝国宇宙船の描写から脳内では某銀河英雄伝説、ちょっと状況は違うけれど【キルヒアイスによるカストロプ討伐】と重ねて優雅なクラシック流れるイメージを浮かべていたので、出生率の低下で人類種が足りなくなって、提督以外の宇宙艦隊人員が例えば副官が知能を高められたミニサイズの象だったりと実際には【まるで動物園のような状況】なのに度肝を抜かれてしまった。 また、そんなのは皮切りにしか過ぎず、設定からは本来なら同情を寄せがちなはずのキメラ、パウトがどうしようもなく品性下劣だったり、ブシドー極めしとされつつ、日本刀ではなくファンネルの様に【ライフルを遠隔思念操作して砲撃を加える】池松と、昨今SFと言いつつも『別に日常学園ものでも違和感なくね?』的なテンプレSFにどっふりな私を揺さぶり続けるも、ラストは意外にも【破綻なく終わりを迎える】のもとてもユニークだと感じました。 ワイドスクリーン・バロックの代表作として。また理屈じゃない『何でもあり』こそがSFの魅力。と感じている人に、ぜひオススメ。 | ||||
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数十年ぶりの再読。いいなあ、ベイリー。 フレドリックブラウンを読んでたら、ふと読みたくなって電子書籍版で購入してしまいました。 カエアンの聖衣よりも読みやすいでしょうか。後退理論の難しい所は読み飛ばしても面白く読めると思います。 | ||||
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よく言われているかもしれませんが、惜しみなくアイデアが詰め込まれています。 黄昏の銀河帝国、反乱軍との対決、託宣を告げるオラクル、後退理論という怪しげな法則を使った宇宙空間の移動、転送装置、知性化した動物たち、奇怪な帝国のカルチャー、私掠船(宇宙海賊)の襲撃、移動都市、ガス状生物、もうひとつの宇宙からの侵略、そして謎めいた“小姓”と禅銃<ゼン・ガン>。 これだけのネタがあれば、スターウォーズなら3部作を2回、スタートレックなら1シーズン、作れそうです。 ストーリーは、意外と言っては失礼ですが破綻もあまり無く、スタートレックの1シーズン分を1冊にまとめたような、濃密できびきびとしたスペースオペラを楽しむことが出来ました。 | ||||
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当面入手できるベイリーはやっと読み終えたけれど、昔読んだ本書がどんな話だったか覚えていないことが気になって今回再読。 34年前に出版された本書を、その10年後(24年前)に読んだのがベイリーの初体験。その10年後に「カエアンの聖衣」を読んだ時には、そのバカさ加減に狂喜した記憶はあるのだけれども、なぜか本書に関する記憶はほとんどない。そのため再読してみたら、その内容に驚愕。という、これこそ時をも越える読書の楽しみ。というより単なる健忘症(馬鹿)。こんなに凄い話を読んだ印象が残っていないという自分自身にも驚愕。という、うれし悲しい結果。 なんで?と考えてみるに、やっぱりアイデアが詰め込まれすぎていて消化不良になっちゃっていたのかなあ。ヴォークトの読後感に近いのかもしれない。頭が混乱しちゃって、内容がまともに理解できない。まさに、ワイド・スクリーン・バロックの醍醐味か。 今回は、冒頭部分を読んだ時から、これはまともな小説ではないとわかったため、時間をかけて注意深く読んだので本当に凄いということが理解できたのかもしれない。 この3か月で6冊ベイリーを読んだけれども、それでもなお驚く本書の情報密度。退廃の極にある帝国宇宙艦隊と、無敵の主人公〈小姓〉が性悪のキメラ猿に従わざるを得なくなる展開の不条理。常識をガンガンぶんなぐられるような奇想の連続。そして、詳細に説明される仮想理論。途中で意識喪失しちゃうのもむべなるかな。 こんな無茶苦茶な展開なのに、クライマックスではいろんな疑問がちゃんと納得出来るように説明されるという、ホントにもう、奇跡的な構成に納得したのは今回最後まで意識を維持し続けた賜物。まさかあの月の大接近の理由が説明されるとは思わなかった。後退理論ですべてを説明するハードSFなのかな? フィートル泡の添乗システムと空間の亀裂からの帰還が同じ原理で説明できるのだから凄い。 よそ様の評価を見ると、クライマックスに納得するかどうかによって全体の評価が異なっているような気がします。私はもちろん、これでOK。 10年以上前に読んだ「カエアンの聖衣」と「時間衝突」も読み返したいなあ。 ところで、本作には、珍しいことに、堅く若い女性士官が準ヒロイン役で登場します。活躍しませんけど。 | ||||
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