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氷の華



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【この小説が収録されている参考書籍】
氷の華
氷の華
氷の華 (幻冬舎文庫)

氷の華の評価: 3.91/5点 レビュー 43件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.91pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

作品の構成力や文章の練達度において習作レベル

読み応えのない作品。冒頭からして安易過ぎる。ヒロインの恭子が夫隆之の愛人と名乗る女から告白の電話を受け、住所と名前を知らされた挙句、相手の素性や事実関係を"確かめもせず"に、翌日にその住所の部屋に忍び込み、毒を仕掛けるとは余りにも漫画チック。誰がその毒入り液体を飲むか不明な上に、一旦事が起これば、海外出張中の隆之に類が及ぶ事は必定であり、そうなれば恭子自身にも類が及ぶ事は必定なのに。恭子が、隆之の会社の元常務の娘というのも類型的過ぎる。また、第一章を普通に読めば、誰が事件の首謀者かは自明であろう。これで、まともなミステリや犯罪心理小説が産まれる筈はない。

実際その後の進行を見ても、恭子の心理を主体に描きたいのか、捜査の進展を描きたいのか伝わって来ない。文体も中途半端で、刑事小説にしては写実性・簡潔性に欠けるし、犯罪心理小説にしては切迫性・異常性あるいは一種の狂気めいたものが感じられない。淡々と物語が進むだけで、読む者の意表を衝く要素がカケラもない。むしろ、恭子がある人物の正体に途中まで気付かない余りの不自然さに驚いた。隆之という人物の書き込みも不充分で、単なる記号にしか見えなかった。全般的に男を描く筆力が欠けていると思う。

作品の構成力や文章の練達度において習作レベルと言って良い内容。特に、冒頭の軽挙妄動によって、作者が設定した冷酷な筈の恭子の性格が微塵と散って、「氷」とは程遠くなってしまったのは致命的だろう。
氷の華 (幻冬舎文庫)Amazon書評・レビュー:氷の華 (幻冬舎文庫)より
4344411552

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