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太陽は動かない
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太陽は動かないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.81pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全52件 41~52 3/3ページ
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ストーリーは内容紹介にあるとおりですたい。 国際謀略小説として十分におもしろいです(ほかのレビューで具体的な指摘があるように、最高!とまでは言えんけど。たぶんその手の本を読み慣れてる人には物足りない)。 それよりなにより、これがあの吉田修一!!!???という驚き。 名前のクレジットがなければ吉田作品と分かる人はまずいないのでは。逢坂剛と思う人はいても。 いわゆる純文学畑の作家によるエンタメ作品はどこかに文学臭がするものですが、これはその匂いが一切なし。内容といい構成といい文章といい徹してます。作者の才能の幅に脱帽っす。 | ||||
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ミッションインポッシブルの日本版という感じで、楽しく読みました。途中まで、ハラハラドキドキ。命は助かるのか?どっちにつくのか?でも、後半は、残りこのページ数で、ラストまで描けるのか、と不安になりました。無理やり終わらせた感が、残念。後一冊分書いてもらうと、もっと楽しめたと思う。吉田修一さんの作品には、「すごくいい」のと、「エーがっかり」、のどっちかの傾向あり。この本は、私には、前者の「いい」方です。新ジャンルなので、同じ主人公で、次号が読みたいです。 | ||||
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まぎれもないスパイ小説であり、スリリングな物語の展開、さらには生々しいアクションシーンの数々に見られるように、これまでのこの著者の小説とは、かなり作風が違っている。その意味では、芥川賞作家・吉田修一のファンとして読むならば、少し読み心地の悪さのようなものを感じるかもしれない。どうも、人間個々の心理描写よりも、スピーディーなストーリー展開のほうに重きを置いているように思えてならないのだ。 宇宙光発電や新太陽光パネルといった新世代エネルギー開発をめぐって、ベトナム・日本・韓国・アメリカと、国際社会を舞台に物語は進んでいく。まさにスケールの大きなスパイ小説なのだ。 目的に向かってひたすら突き進むスパイをはじめ、韓国のスパイ、謎の女性、実業家、大学教授、政治家などなど、多くの人物たちが登場し、あるタイムリミットが迫ってくる中、それぞれの思惑が絡み合いながら攻防戦が繰り広げられる。内容も今日的なテーマがふんだんに盛り込まれており、小説として、面白くないわけがない。それに、この物語の中で書かれているような、それぞれの国が抱える問題点を吟味すれば、国際社会の今後の在り方についても、深く考えさせられる。スパイ小説のエレメントを、これでもかというぐらいに詰め込んだ作品で、複雑なパズルを解いていくような楽しみも味わえた。 確か著者は、ある新聞のインタビューで「とにかく楽しんで読んでもらえればと思って書きました」と答えていたおられたが、その目的は充分に達成できたのではないだろうか。 ただ、やはり、これまでの吉田作品とは異なり、どうしても、映画の脚本を読んでいるかのような浅薄さを感じざるを得なかったところがある。要するに、人物造形が浅く、作品全体を物足りないものにしているのだ。登場人物が非常に多いとはいえ、もう少し、奥深い人間ドラマを描いて欲しかったと思う。 とはいえ、著者のこの手の作品を否定しているわけではない。これまで著者が描いていたようなテーストを、もっと生かして欲しいのだ。 | ||||
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え、これの何処が「悪人」の吉田修一?と最初戸惑った。目次の次に羅列された登場人物の多さに目眩がした。だが、意外とこれがごちゃごちゃにならなかった。3分の1位からは、段々と面白くなり、最後までは一気。とても面白かった。鷹野に、田岡、David KimにAyako。これ、シリーズ化するのかなあ。他にも興味深い登場人物がいっぱい。 | ||||
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この作家の作品は初めてです。『悪人』書いた人なのですね。それすら知らず。。。 ストーリー、登場人物、エピソードはなかなか良かったのですが、組み立て方?肉付け?がイマイチで、読みながら、何か違うところでブチブチ切られているような、読み心地の悪さが。。。 しかし、エネルギーを巡るスパイ合戦と言う旬な感じとスピード感で、最後迄読まされてしまいました。 | ||||
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100ページ弱読み進めたとこで何ですけど、疲れた。 なんで、こんな読みにくいのかなと思ったら、吉田修一にして人物造形に魅力がないから読んでて楽しくない。 悪人、世の介、猿蟹合戦の魅力は人物造形の妙ですが、100ページ読んで好きな人が特に出てこないで物語を追うのが苦痛になりました。アジアを舞台にした作品で横領公務員が女に貢いでビクビクするなんて作品がありましたが、あれはまだ薄いから読めた。 読んでて「玉が出る」感じがしないので、読了しないで悪いけどリタイヤしようと思います。 | ||||
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日本・中国を舞台に、世界規模の利権を巡って、各国のスパイが暗躍!帯では「ノンストップ・アクション超大作」となっているが、その限りにおいては、☆5つなんだが。。。 「スパイ活劇」には成り得ても、「スパイ小説」には成り得ていないと書かざるを得ない。 端的に言えば、ディテールが甘く、リアリティが失われているところが目立つということ。 画期的な発電システムとかエネルギーを巡るデータがムチャクチャで、業界人でなくとも、3.11以降は発電規模とか分かる人も多いのだから、これは興醒め。現在の何百倍もの効率のソーラパネルとかマイクロ波ってフィクション自体は受け容れてもいいんだけど、その脇が甘いから、フィクションというよりホラにしか聞こえない。 リアリティある企業小説や産業サスペンスを扱う作家に黒木亮や高杉良あるいは池井戸潤などがいるが、彼らの共通項は、実際に大きなプロジェクトを扱うビジネス世界に身を置いていたこと。差別的な言い方をするつもりはないが、本作を書いた吉田修一には、そうした経験がない。人物描写やストーリー展開は流石の出来なだけに、本当に残念だ。 手島龍一は自著「スギハラ・ダラー」を”インテリジェンス小説”と位置付け、その定義を「公開情報や秘密情報を精査、分析して、近未来に起こるであろう出来事を描く小説」としている。この”精査・分析”が本作では不十分であり、それは作者や出版社にも自覚があるからだろう「アクション大作」と銘打つわけである。 幸いなことに、手島龍一がいくら精進しても本作のようなアクションやエンタテイメントで傑作は書けないだろうが(これは批判ではない)、吉田修一はインテリジェンスに磨きをかけることで、本作を踏み台としたインテリジェンス×エンタテイメントの傑作を書ける力量がある。次回作が楽しみである。 ただ、詰めの甘さは、瑣末な部分にもある。取材をした香港は、その成果をドヤとばかりに描写していて、それはいいのだが、料理に詳しくないようなのが残念。香港の食堂といえば、どう考えても広東料理なのだが、そこで「何か出して」と頼んで、出て来たのが、「豚の角煮」「鶏の冷製」「茹でた海老」。これじゃ日本の中華料理屋(苦笑)最初の2品は上海料理系の定番で、広東料理なら煮るのは牛バラ、鶏は揚げる。それから、「豚の角煮」じゃなくて「東坡肉」と書いてもらいたい。 コアな部分がフィクションであるからこそ、ディテールにリアリティを満たすことで、コアのフィクションにリアリティが生まれるというところを見落として欲しくない。 他のレビューで「ミッション・インポッシブル」と評していた方がいたが、そのレベルの感性で構わないなら5☆なんだけど、この作者でここまで取材したなら、そのレベル(子供騙し)で終わってはいけない。できる作者だからこそ、☆を1つ落とした。 | ||||
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確か彼の受賞回で芥川賞と直木賞のボーダーレスが話題になったのではなかったでしょうか? その後の「悪人」にしても「平成猿蟹合戦図」にしてもそのエンターテイメント性の高さはやっぱり直木賞作家っぽいと私は思ってしまいますが、勿論吉田修一大ファンの一人です。 今回の作品は冒頭にキャスト一覧がある時点で覚悟はしていたものの、前半は入り組み過ぎていて読み進めるのに「忍」の一文字。ただ20話中7話の、天津を舞台にした辺りからはもう頭の中に勝手にアクションムービーが流れていく感じで。 テンポよく描かれる、太陽光エネルギーを巡る世界の財政界における熾烈な諜報戦はフィクション・ノンフィクションのボーダーレスにも思われます。 主人公鷹野の生い立ちの絡む「AD通信社」に属する諜報仲間たちの人間模様の描写は、ステレオタイプではあるけれどかえって丁度いい塩梅なのかな。 一気読みした作品でした。 | ||||
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悪人、横道世之介は面白かったです。 今回、新しいジャンルにチャレンジかなと思いつつ購入。 情報を奪い合い、エネルギーに関する技術を奪い合いという設定はいまどきらしくて良かったと思います。 登場人物の配置、主人公の属する謎の組織という設定も面白かったです。 ただ、ストーリーを転がしていくのに力点が置かれ 個々の魅力的になり得る登場人物の性格描写の書き込みがやや足りない感じがして残念でした。 各登場人物の描写がもう少し立体的になると、話の流れの強引さを差し引いても もっと面白くなるのではないかな?と思いました。 吉田さんの、孤独の影を抱えた、100%幸せってわけではない人物の造形はお上手ですね。 シリーズ化されるならば、その中で人物の奥行きが深められることに期待です。 この作品のみとなると、ハードカバーですぐ買って読むことを手放しでオススメ・・・とは言いにくいです。 文庫を待って読んでもいいのかなぁ。 ちょっと微妙な読後感でした。 | ||||
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最初の50頁くらいは話の伏線が多くて、なかなか理解できずにやや我慢が必要だったが、 読み進めるにしたがって、話にぐいぐい引き込まれた。 張り巡らされた複線と端正な文体で、リアリティを醸し出す一方で、ストーリー自体は全く現実超えるという点でエンターテイメントとして素晴らしい出来と言わざるを得ない。 きっと映画化もされるだろう!! | ||||
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著者の作品は全てを拝読したが、これまでにない設定と展開。 「スパイ小説」という設定は、新ジャンルへの挑戦として評価できる。 また、これまでの同じく登場人物の描写も他の作家とは一線を画す。 「悪人」や「パークライフ」など、これまでは”静”のなかにある人間の心の葛藤を描いてきたのだが、 本作では”動”の中にある、人間の”静”(揺るぎないもの)を描いている。 設定が「非日常的」過ぎる点が、これまでの作品と大きく違うので、読み始めはちょっと戸惑うが、時期に慣れる。 | ||||
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映画きっかけで「パレード」「悪人」と読んで三作目。読み始めは、ん?これまでと違う?と思ったけれど、いやいや、いつの間にか夢中になって一気読みでした。 目まぐるしく登場人物たちが動き回り、絡み合う展開に油断も予断も禁物です。ものすごくお金をかけて作った映画を見終えたような読後感。面白かったあ〜。 でも単なるハリウッド的というわけではないのがさすがでした。人物の描き方は期待通り、というか期待以上だったかもしれません。色っぽいんですよね。息遣いが聞こえるっていうか。 一言で言えばスパイ小説なんだろうけれど、すべてにおいて、そんな枠組みには収まらない、まったく新しいエンタメ小説でした。あまり前情報や先入観を持たずに手に取ったほうが、驚きや戸惑いも含めて面白がって読めるのではないかと。 映画化希望! シリーズ化希望! です。 | ||||
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