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太陽は動かない
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太陽は動かないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.81pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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吉田修一『太陽は動かない』読了。国際陰謀アクション小説だが、その国際陰謀のところがかなり無理がある。あの名作『悪人』や怪作『パレード』の作者らしくない。 話を広げ過ぎて、ハリウッド映画なみのご都合主義にも感じられたのである。 でもそれは、まだいい。 一番ダメなのは、話の元になっている、新発明の太陽光発電パネルだ。 まず、今までの100倍の性能というのが、荒唐無稽というか科学的にあり得ない。 というのも、現在の太陽光発電パネルの発電効率はおそらく20%前後から30%程度であるが、この%というのは、太陽光の持つエネルギーの何%を電気に転化できるかという比率だ。 20%だったら、太陽光の持つエネルギーの20%を電気に変えることができるわけだが、この100倍と言えば2000%を電気にできるということになってしまう。 考えればすぐに分かることだが、どんな高効率の太陽光発電パネルでも太陽光が持つエネルギー以上のものを電気に変えることなど、論理上あり得ないのだ。 まず、その出発点がどっちらけである。 しかも、その新パネルが町工場の発明お宅によって作られる。 こういう最先端の素材開発が、そうした環境でできるはずもない。 さらに、この話を持ち込まれた国会議員が、風呂敷に包まれたその実物を見せられ、発明者の話を聞いただけで、すぐに、それをどこに売るかで動こうとする。 普通は、それが本当にそれだけの効果があるのか、どういう画期的な仕組みかを検証するのが、最初にすることだろう。 ところが、それは完全におっぽり出されたまま。 期待しただけに、かなりガッカリした。 こういう国際陰謀モノは餅は餅屋というか、服部真澄のような作者でなければ、おかしな所ばかり気になって、安心してストーリーに浸れない。 | ||||
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表示にシワがあり、本にも汚れがあった。 | ||||
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簡単に言うと、新世代エネルギー開発をめぐる産業スパイもの。 とりあえず最後まで読めるのだが、率直に言ってそれほど面白くない。 プロットは伏線も粗雑で突然のつじつま合わせの結末、背景は突拍子もなく(世の中そのようにはできていない!)、ディテイルに説得力がない。 率直に言って、吉田修一らしくない小説。 これらの欠点は、作家の責任というよりも、調査や資料集めを含めた書き手を支える編集者、出版社の明らかな力不足かもしれない。 どうしても暇つぶししたい方にはどうぞ。 | ||||
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過去にパレード、犯罪小説集、女は二度遊ぶ、初恋温泉を読んでいます。 今作は過去と毛並みが違うので、新鮮な気持ちで読み始めました。 しかし、100頁で中断し、お蔵入りにしました。 下記が理由です。 ①登場人物が薄い 登場人物が多いせいで、各々の人物の内面を描写する文字が足らないのかもしれませんが、少なくとも主人公だけでも厚みがほしかった。彼が思考するシーンや激高するシーンがありますが、それまでの主人公の描写の積み上げが足りないので、引き込まれません。絵コンテ、粗筋書きを読んでいる感じがします。 ②設定にリアリティが足りない エネルギーをテーマにしていますが、もう少し細かいところまで作り込めたのでは?と思ってしまいます。政府やその国家を代表する企業がエネルギーや経済のメリットを手に入れるためにうごめいているならば、「このケースでは○○億の利益がA企業に出て、B国には損失が○○億くらい。しかし、将来的に見ればB国には○○億のメリットがあるかもしれない」など、現実世界にありえそうな分析を出してほしい。さらにもっとリアリティを出すならばエネルギーと国防は密接に関係していますので、国防にも踏み込むと引き込まれたかもしれません。ただし、そこまで論点を広げてしまうと収拾がつかなくなるから国防は取り上げなかったのかもしれませんね。 以上、理由です。 しかしながら、星2の理由は人物の内面描写があったからです。田岡がクラブでドラッグするシーンは、リアルというか本当にこういう人いそうと思ってしまいます。 そういう描写、ストーリーの設定を100頁までで数える程しか見られなかったので、途中で読むのを止めました。 | ||||
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業界関係ですが、サッカーの日韓戦は中国ではやりませんし、仮にやったとしてもせいぜい数千人の観客が精一杯です。準備の進め方もおかしいし、ほかの場面でもリアリティが感じられず、素人のような小説で感情移入も全く出来ずお金の無駄でした。 | ||||
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吉田修一でなければ創り出せなかったであろう魅せる描写は確かに存在するし、飽きさせないストーリー運びはよく錬(ね)られた構成だと感じさせる。 ただ、いかんせん複雑な人間模様のもとで、多数の組織間で繰り広げられる入り組んだ謀略が描かれている一方で、個々の存在が一様であり明瞭に区別されていない。確かに色彩は多くとも、全ての色がぼんやりとした調子なので全体に平板な印象を受ける、とでも言おうか。 起こる出来事も単調であり「新たな人に会う」→「誰かが誘拐される」→「仲間や理解者に助けられる」→「いつの間にかハナシが進んでいく」の反復である。 コトがエネルギー技術開発に関わる内容なので明瞭な解決を提示するのはそもそも困難と思われたが、それにしても結局、利権が(一応)悪玉の存在とされる中国の一企業に独占されずに済んだ、程度の決着ではなんのカタルシスもないまま物語が集結してしまった感が否めない。 「森は知っている」が発売されたのを機にまずこちらを読了したが、「森は~」を購入することはないでしょう。他の吉田作品を以前から愛読してきただけに、残念な読書体験となってしまった。 | ||||
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パレードが面白かったので、購入。 とはいえちょっと期待はずれ。 ハードボイルド&アクションというジャンルになるのかと思います。 古今東西、傑作からB級なものまで、 小説、映画、国内ドラマ・海外ドラマという、 ありとあらゆるフォーマットで、アクションものが存在しますが、 あらかた耕し尽くされてます。 そんな中で、新たなキャラクタ像や、設定・視点を期待したのですが、 読み切っても、やはり強い既視感を感じてしまいました。 主人公は、ある悲しい出自を持つ、影のある産業スパイであり、 劇中は、主人公補正かかりまくりの、腕っ節と、強運の持ち主でした。 で、若くてチャラいのにとんでもないITスキルを持つ部下がいて、 影で操るボスは、田舎に引き込みながら、スパイ組織の成り立ち・過去を知る者であり、 主人公らのバックボーンの説明要員。 そして、物語を引っ掻き回す謎の美女。。 謎の美女!、もー、ありきたり過ぎて逆に新鮮かも。 そういう意味で、物足りませんでした。 扱うネタは、昨今のエネルギー問題を絡めていて、 ”日本の産業スパイ”という設定にリアリティを持たせていましたが、 やはり私自身が平和ボケしているのか、ちょっと納得できなかったかな。 | ||||
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安っぽい小説です。 設定や構成、人物や組織の描き方など全てが劇画的で薄っぺらです。 場面を頻繁に切り替える手法をとっていますが、失敗しています。 せっかく盛り上がってきたところでシーンが変わるので、 サスペンスに水を差されます。 太陽光発電というトレンディーなテーマを扱っていますが、 ほかのテーマに差し替えても成り立つ内容で、 ストーリーに不可欠な要素として有機的に生かされていません。 レビュー子は仕事上いささかこの分野に関わりがありますが、 「そうそう、よくぞ書いてくれた」という共感、 「一体なんでこういう書き方になるんだ」という反感、 「よくここまで調べたな」といった敬意 のいずれも湧きませんでした。 表面的な勉強に基づく荒唐無稽な思いつき といったレベルのこなし方にとどまっています。 多少エネルギー問題に関心を持つビジネスマン層に 手に取らせようという版元の狙いが見え見えです (レビュー子も見事にひっかかった訳ですが)。 吉田修一というビッグネームにおんぶして映像化しようという意図による 版元主導の企画物なのでしょうか。 そうだとすれば、映画かドラマになってから番宣でも観て 観るかどうか考えれば十分です。 芥川龍之介賞、山本周五郎賞、大佛次郎賞、柴田錬三郎賞といった 名だたる賞をいくつも受賞された著者がこんな本を書いているようでは、 賞の名が泣くというものです。 | ||||
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100ページ弱読み進めたとこで何ですけど、疲れた。 なんで、こんな読みにくいのかなと思ったら、吉田修一にして人物造形に魅力がないから読んでて楽しくない。 悪人、世の介、猿蟹合戦の魅力は人物造形の妙ですが、100ページ読んで好きな人が特に出てこないで物語を追うのが苦痛になりました。アジアを舞台にした作品で横領公務員が女に貢いでビクビクするなんて作品がありましたが、あれはまだ薄いから読めた。 読んでて「玉が出る」感じがしないので、読了しないで悪いけどリタイヤしようと思います。 | ||||
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