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(短編集)

鍵のない夢を見る



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【この小説が収録されている参考書籍】
鍵のない夢を見る
鍵のない夢を見る (文春文庫)

鍵のない夢を見るの評価: 3.65/5点 レビュー 128件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.65pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全75件 41~60 3/4ページ
No.35:
(4pt)

短編集

短編集です。内容は、さまざまで小学生のお話や大学生のお話などさまざまな年代の主人公が登場するおはなしです。
鍵のない夢を見るAmazon書評・レビュー:鍵のない夢を見るより
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No.34:
(5pt)

自尊心と欲望を持つ人々の最期(ネタばれあり)

「石蕗南地区の放火」と「芹葉大学の夢と殺人」の2つが最高に面白いです。
この筆者のハケンアニメも読みましたが、圧倒的に人の自尊心や欲望を書くのがうまいですね。
それらがうまくストーリーと混ざり合っている点も良いですし、最後にはスッキリする点も良いです。

■ 石蕗南地区の放火
アラフォーの自尊心マックスの産業廃棄物の女が、大してかっこよくもない犯罪者の男に言い寄られたことで、有頂天になった話。
とにかく主人公の女は自分は過去にモテたことを変なプライドとして持っていて哀れです。

ハリの無い肌になった現在、大してかっこよくもない男が言い寄ってきたことを友人に話して、悦に入っています。
完全に馬鹿です。スイーツ脳と恋愛脳は肌にハリのある10代までにしてほしいものです。

最後には、結局言い寄ってきた男は主人公のことを大して好きでもなかったという落ちも、読んでいてスッキリです。

■ 芹葉大学の夢と殺人
「でかい夢を追いかけている俺ってかっけー」と勘違いしているイケメンだけが取り柄の男のことが好きな女性の話。

「サッカー選手になって、引退後は医者になる」とかとち狂ったことを考えている男が、初めから終わりまでその主張を貫き通します。
考えが馬鹿すぎてイタイ奴なのですが、モテます。まぁイケメンですし。女性はそことお金だけが重要ですよね。友達に自慢したいですし。

しかし、世の中そんなに甘くはなく、馬鹿男は何度も医学部入学に失敗して、休学しつづけた結果、最後には恩師の教授を殺します。

でかい夢を追いかけてかっこいいのは、道半ばで倒れることや、苦労して最後には夢を実現したなどがあって初めて感じることであって、
医学部の入学試験という"入口でさえ"到達できていない口先だけの奴は論外なのですが、そのことに本人は気づかず、
主人公の女性も気づいても指摘しません。

でも女性は馬鹿男のことが最後まで好きです。さすがイケメン様ですわ
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4163813500
No.33:
(4pt)

おもしろかった

第一話の「仁志野町の泥棒」がよかったです。
あとは、いかにも直木賞的というか、考えさせられる深い作品というよりは、さくさく読めるドラマの台本みたいな。。

五話目がリアル。
妊活中はすんなり妊娠できた友人に嫉妬し、ようやく妊娠できたらマタニティハイでウカれ、いざ生まれたら子供の夜泣きに睡眠を奪われ、世の中で自分が一番しんどい思いをしているんだばかりに思いつめる。子供と自分だけの時間(夫もいるけど)に窒息しそうになり、完璧な母でいようと自分を追い込み、パニックに堕ちていく。そういう女性心理がねっとりと描かれていた。

もうずいぶん昔、姉が実家に生後4か月ほどの赤ん坊を連れて久々に里帰りしたときのことを思い出す。
母が洗濯機を回していたとき、「子供が眠ってるのに、目を覚ますじゃないのよっ!!!」とヒステリックに怒鳴りつける姉の声をきいた。母は、その子供(孫)のおむつを洗濯してやっていたのだが。。むろん、離れた部屋で眠っている赤ん坊は、洗濯機の音ごときでは目覚めもしなかった。
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No.32:
(4pt)

よくも悪くも林真理子さん的

辻村さんは文章が非常に達者な作家だと思います。情景、心理描写、目がすいつくようにぐんぐん引きこまれてゆく。
例えば、「芹葉大学の夢と殺人」のなかの。愚かな恋人に首を絞められる描写。
『首を絞められた瞬間、全てのことがやけにゆっくりと流れてみえた。階段の一段一段の輪郭、私を睨みつける雄大の顔、険しい目、むき出しにした歯、伸ばしている腕の痙攣するような震えの一つ一つが濃く、はっきりと目に飛び込んでくる。』  臨場感がすごい。
どこにでも見られる平凡な女性がふっと陥ってしまいそうな人生の、暗い落とし穴。そのやるせなさ、哀しさ。5編の小説に共通するテーマなのでは。
半端ない文章力は、林真理子さんをほうふつさせます。ただ、あまりにも達者なので、一話完結のテレビドラマのように右から左に流れ、余韻を残さない印象があります。これも、林真理子さんと共通するのでは。
巻末に、お二人の作家の対談が掲載されていました。同じ山梨のご出身なんですって。
彼女はきっと、林真理子さんのようにビッグな作家に成長すると思います。
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No.31:
(4pt)

人間のゆがんだ愛情表現

それぞれの主人公が1人称目線で物語が描かれている短編集。

この作品は人間の裏というか”普段目をそむけている部分”を描いた作品であると思う。
タブーというほどでは無いが、人間の薄暗い影というか黒い部分をそのまま小説に落とし込んだ作品。

何というか、読んだ後にモヤモヤしたものが残る。スッキリしない。
決して後味が悪いわけではないのだが、どこか人間の見てはいけない部分を指摘されている気分。

きっとこの作品に登場するキャラクターに悪意は存在しない。
あるのは人間だれしもが持っている「見えない何か」なのだと思う。

読んだ後に何かを考えさせられる作品であった。
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No.30:
(4pt)

よかった

出てくるそれぞれの女性の話がおもしろく一気に読んじゃいました。短編で読みやすく普段本をあまり読まない人でも楽しめるのでは。
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No.29:
(4pt)

切り口にセンスを感じる

何気ない心象風景を逃さず、さりげなく表現できるのは一貫した辻村氏の才能だろう。
辻村氏の作品には登場人物のキャラ設定や心の機微の変遷に
強烈ではないがゆえの確固としたリアリティがある。
文章も表現力が豊かで読みやすく、作家の自己満足に浸っていない。
あとがきにあるように本作品で青春小説から見事に飛躍したといってもよい。
しかし、まだまだ作品のテーマが狭く、今後の新境地に期待したい。
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No.28:
(4pt)

イタイ女たち…

イタイ女たちの話…。
でも、意外と身近にいる女性たちなのかもしれない。面白かった。
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No.27:
(5pt)

様々な人間。

オムニバスですが、それぞれの主人公がなかなかアクが強くておもしろい。

正直すぎて、純粋すぎて放火しちゃうとか…「ありえなくないな」と思わせる作者の描き方はさすが。
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No.26:
(5pt)

どうしようもない男ども

普段は、女性の作家さんの本は読まない。女性と男性は根本的に考え方が異なるので、共感が得られないと思っているからだ。
しかし、辻村女史のこの作品は圧巻であった。まず、途中で読むのが嫌になるほどの文章力。短い本ながら何度途中でやめようとおもったか。
さらに、女性はこんな考え方なんだなと学ぶことが多く、結局最後まで読んでしまった。

最近私をフったあの人は、この小説に出てくるようなどうしようもない男にひっかからないでほしいと読後真っ先に思った。
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No.25:
(5pt)

一気読みしました

読後感が…とか、辻村さんらしくない…とか、高い評価を得られていないですが、私としては非常に面白い短編集でした。  一番面白かったのは「芹葉大学の夢と殺人」。  見た目に惹かれて、離れたくても離れられない。 諦めたくても諦められない。 恋愛ってそういう、愚かなものだと思いました。  でも主人公には、彼を警察に突き出し、罪を償わせ、それでも待って、最後は迎えに行く、をして欲しかったなぁ。 …まぁ、それだと小説にはならないか(苦笑)  先が気になって一気に読めますし、よかったら一読を。
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No.24:
(5pt)

小説として読んで見たが

5人の女性の5つの人生がそれぞれ書かれた5作品。

4作目までは、小説として読めたのだが、5作目の「君本家の誘拐」だけは

小説としては読めなかった。

私は妻あり、二児の父親ですが、この最終話の父親を地で行ったような、自分勝手な

旦那でした・・・。

これを読んで、妻がどれほど大変な思いをして子育てをしていたのか、今頃知ることになりました。

なぜか涙があふれ、母親は偉大だと思うとともに、大変であったことに気付いていなかった自分が

情けないやら、申し訳ないやら、複雑な気もちになりました。

改めて妻には優しく、愛情もって、いたわりの気持ちで接したいと思います。

きっと、

作者も出産、育児と経験をつんでいられるのでしょう。小説とは思えない内容でした。

でも、我が家では

あとでかみさんに

「きもちわるい!」って言われるんだろうなぁ・・・。
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4163813500
No.23:
(5pt)

やはり辻村深月は面白い

面白かった。 ツナグを読んで辻村深月ファンになったが、この鍵のない夢を見るの5作品はツナグとは違って面白かった。 最後の君本家の誘拐は読んでいて、2人の息子が赤子の頃、ベビーカーを押して散歩していた頃などを思い出して、感情移入できた。 やはり辻村深月は面白い。 良かった。
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4163813500
No.22:
(5pt)

ここで生きていく

とある地方都市に生きる女性たちの、ささやかな夢と日常を描いています 「地方に閉塞感を感じないで地元に残り、家庭を築いている友人たちにまぶしさを感じつつ 溶け込めない」という著者の言葉がありますが、私も地方から上京していますので、心を見透かされた気がしました。 人生にもし、はないけれど。 地元にずっといたら きっとこの5話の中のどれかに近い人生を送っているかもしれない。 もう一人の自分を見た気がします。
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4163813500
No.21:
(5pt)

際どいね…

まず、各々の話の内容が際どい。日常に潜む危機、自分自身が持つ危険といったら月並みか?
そして何よりもイタイ話であると言うこと。
他の方のレビューにもあるがスッキリしないんだね。同じ直木賞短編集で言ったら重松清『ビタミンF』、森絵都『風に舞い上がるビニールシート』みたいに、たとえ悲劇であっても読後感は爽やかなんだが、辻村さんのには無いんだな。
要はこれ純文学とエンターテイメントの境目にあると言う意味で際どいのである。
娯楽小説読み慣れた人には避けたい本かも知れぬ。純文学派の方が好むような話だと思う。
文上手いし、ストーリーに破綻無いし、オレは評価する。

オレは基本的に純文学、古典、そして時々エンターテインメントと織り交ぜて読んでいくのが文学と付き合うコツだと思う。幅を持たせるのが肝要。
※日頃本を読まない人が又吉の『火花』読んで、無理に「文学とはこういう物か」と自分を無理矢理に納得させているのは悲劇だと思う。
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4163813500
No.20:
(5pt)

イタくて、哀しくて…そして面白い!

様々な事件に巻き込まれ、あるいは自ら起こして、堕ちていく女たち。その様子がもう、イタくてイタくて…そして哀しくて。
自分には関係なさそうな、新聞記事の上での事件に『なぜその時被害者はこんな行動をとったの?』『なぜこの人はこんな事件を起こしたの?』と感じる事は多いですが、この短編集の中ではなぜか、その自分には関係なさそうな、そして理解しがたい事件の背景にある女たちの心情を理解して共感もしつつ、引き込まれてしまう。

面白い!です。
ただし読後感が良いとは言えないので、それなりに体力気力がある時に読む事をお勧めしたいです。
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4167903989
No.19:
(4pt)

犯罪をテーマの5つの短編

女性が人との関わる様々な場面において不安、孤独、寂しさが忍び寄る
作品である、犯罪がらみの内容だけに怖さもあるが魅力ある短編である。
「君本家の誘拐」での主人公良枝と理紗の会話のなかで理紗「謝らない
んだ」良枝「え?」良枝「心配かけてごめんねって謝るかと思った」の「くだり
等は心の動きをよくとらえており印象に残ったフレーズである。
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No.18:
(5pt)

岐路に立つ女性たち

五人の女性の五つの物語です。
どれもありそうな話ですが、特に最後の「君本家の誘拐」は多少の違いはあれ、ありそうです。
初めての子どもを育てる時は、周りに両親たちがいなければ、育児書と首ったけになります。
そこに書かれているのはあくまで平均であって、個別の違いを考慮しなければいけないのですが、若い二人にはなかなかそうはいきません。
私の経験でも、育児書に書かれた通りにミルクを与えても赤ん坊が少しも満足せず、いつまでも泣き止みません。
妻は、翌日医者に行きましたが、もっと飲ませればいいと言う単純な回答でした。
若い母親にとって、初めての子どもを育てるのは、本当に大変だと思います。
ニュースなどで育児ノイローゼの話を聞きますが、当然だと思います。

その他の四編も、女性の岐路における決断を扱った良い作品だと思います。
それぞれ違ったミステリー風味の面白い短編集でした。
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4163813500
No.17:
(4pt)

短編5話で

面白かったです。ただ、元気になりたいな、と思って購入しましたが、内容は割とエグいところもあり、読み終えて、気分は上々というわけには行きませんでした。しかし、ぐいぐい引き込まれて読み進みました。
鍵のない夢を見るAmazon書評・レビュー:鍵のない夢を見るより
4163813500
No.16:
(5pt)

人間の愚かさ

自分勝手で無神経で甘ったれな登場人物達と、彼らを不満に思いながら言うべきことも言えない優柔不断な主人公達。
どちらもイライラする。
でも、彼らは自分や周りの人々にどこかしら似ている。
読んでてイライラするし不快感はあるけど、それは作者の狙い通りなのだと思う。
その不快感から目を背けないで、これが人間なのだから…というのが作者の「言いたいこと」ではないかと思う。

「芹葉大学の夢と殺人」のラストが好きです。愛した男の死刑を願う主人公の心の叫びが深い…。

あっと思うような展開の話もあって、面白かったです。
鍵のない夢を見るAmazon書評・レビュー:鍵のない夢を見るより
4163813500

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