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(短編集)
鍵のない夢を見る
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鍵のない夢を見るの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全72件 41~60 3/4ページ
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| 辻村さんは文章が非常に達者な作家だと思います。情景、心理描写、目がすいつくようにぐんぐん引きこまれてゆく。 例えば、「芹葉大学の夢と殺人」のなかの。愚かな恋人に首を絞められる描写。 『首を絞められた瞬間、全てのことがやけにゆっくりと流れてみえた。階段の一段一段の輪郭、私を睨みつける雄大の顔、険しい目、むき出しにした歯、伸ばしている腕の痙攣するような震えの一つ一つが濃く、はっきりと目に飛び込んでくる。』 臨場感がすごい。 どこにでも見られる平凡な女性がふっと陥ってしまいそうな人生の、暗い落とし穴。そのやるせなさ、哀しさ。5編の小説に共通するテーマなのでは。 半端ない文章力は、林真理子さんをほうふつさせます。ただ、あまりにも達者なので、一話完結のテレビドラマのように右から左に流れ、余韻を残さない印象があります。これも、林真理子さんと共通するのでは。 巻末に、お二人の作家の対談が掲載されていました。同じ山梨のご出身なんですって。 彼女はきっと、林真理子さんのようにビッグな作家に成長すると思います。 | ||||
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| それぞれの主人公が1人称目線で物語が描かれている短編集。 この作品は人間の裏というか”普段目をそむけている部分”を描いた作品であると思う。 タブーというほどでは無いが、人間の薄暗い影というか黒い部分をそのまま小説に落とし込んだ作品。 何というか、読んだ後にモヤモヤしたものが残る。スッキリしない。 決して後味が悪いわけではないのだが、どこか人間の見てはいけない部分を指摘されている気分。 きっとこの作品に登場するキャラクターに悪意は存在しない。 あるのは人間だれしもが持っている「見えない何か」なのだと思う。 読んだ後に何かを考えさせられる作品であった。 | ||||
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| 出てくるそれぞれの女性の話がおもしろく一気に読んじゃいました。短編で読みやすく普段本をあまり読まない人でも楽しめるのでは。 | ||||
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| 何気ない心象風景を逃さず、さりげなく表現できるのは一貫した辻村氏の才能だろう。 辻村氏の作品には登場人物のキャラ設定や心の機微の変遷に 強烈ではないがゆえの確固としたリアリティがある。 文章も表現力が豊かで読みやすく、作家の自己満足に浸っていない。 あとがきにあるように本作品で青春小説から見事に飛躍したといってもよい。 しかし、まだまだ作品のテーマが狭く、今後の新境地に期待したい。 | ||||
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| イタイ女たちの話…。 でも、意外と身近にいる女性たちなのかもしれない。面白かった。 | ||||
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| オムニバスですが、それぞれの主人公がなかなかアクが強くておもしろい。 正直すぎて、純粋すぎて放火しちゃうとか…「ありえなくないな」と思わせる作者の描き方はさすが。 | ||||
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| 普段は、女性の作家さんの本は読まない。女性と男性は根本的に考え方が異なるので、共感が得られないと思っているからだ。 しかし、辻村女史のこの作品は圧巻であった。まず、途中で読むのが嫌になるほどの文章力。短い本ながら何度途中でやめようとおもったか。 さらに、女性はこんな考え方なんだなと学ぶことが多く、結局最後まで読んでしまった。 最近私をフったあの人は、この小説に出てくるようなどうしようもない男にひっかからないでほしいと読後真っ先に思った。 | ||||
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| 読後感が…とか、辻村さんらしくない…とか、高い評価を得られていないですが、私としては非常に面白い短編集でした。 一番面白かったのは「芹葉大学の夢と殺人」。 見た目に惹かれて、離れたくても離れられない。 諦めたくても諦められない。 恋愛ってそういう、愚かなものだと思いました。 でも主人公には、彼を警察に突き出し、罪を償わせ、それでも待って、最後は迎えに行く、をして欲しかったなぁ。 …まぁ、それだと小説にはならないか(苦笑) 先が気になって一気に読めますし、よかったら一読を。 | ||||
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| 5人の女性の5つの人生がそれぞれ書かれた5作品。 4作目までは、小説として読めたのだが、5作目の「君本家の誘拐」だけは 小説としては読めなかった。 私は妻あり、二児の父親ですが、この最終話の父親を地で行ったような、自分勝手な 旦那でした・・・。 これを読んで、妻がどれほど大変な思いをして子育てをしていたのか、今頃知ることになりました。 なぜか涙があふれ、母親は偉大だと思うとともに、大変であったことに気付いていなかった自分が 情けないやら、申し訳ないやら、複雑な気もちになりました。 改めて妻には優しく、愛情もって、いたわりの気持ちで接したいと思います。 きっと、 作者も出産、育児と経験をつんでいられるのでしょう。小説とは思えない内容でした。 でも、我が家では あとでかみさんに 「きもちわるい!」って言われるんだろうなぁ・・・。 | ||||
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| 面白かった。 ツナグを読んで辻村深月ファンになったが、この鍵のない夢を見るの5作品はツナグとは違って面白かった。 最後の君本家の誘拐は読んでいて、2人の息子が赤子の頃、ベビーカーを押して散歩していた頃などを思い出して、感情移入できた。 やはり辻村深月は面白い。 良かった。 | ||||
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| とある地方都市に生きる女性たちの、ささやかな夢と日常を描いています 「地方に閉塞感を感じないで地元に残り、家庭を築いている友人たちにまぶしさを感じつつ 溶け込めない」という著者の言葉がありますが、私も地方から上京していますので、心を見透かされた気がしました。 人生にもし、はないけれど。 地元にずっといたら きっとこの5話の中のどれかに近い人生を送っているかもしれない。 もう一人の自分を見た気がします。 | ||||
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| まず、各々の話の内容が際どい。日常に潜む危機、自分自身が持つ危険といったら月並みか? そして何よりもイタイ話であると言うこと。 他の方のレビューにもあるがスッキリしないんだね。同じ直木賞短編集で言ったら重松清『ビタミンF』、森絵都『風に舞い上がるビニールシート』みたいに、たとえ悲劇であっても読後感は爽やかなんだが、辻村さんのには無いんだな。 要はこれ純文学とエンターテイメントの境目にあると言う意味で際どいのである。 娯楽小説読み慣れた人には避けたい本かも知れぬ。純文学派の方が好むような話だと思う。 文上手いし、ストーリーに破綻無いし、オレは評価する。 オレは基本的に純文学、古典、そして時々エンターテインメントと織り交ぜて読んでいくのが文学と付き合うコツだと思う。幅を持たせるのが肝要。 ※日頃本を読まない人が又吉の『火花』読んで、無理に「文学とはこういう物か」と自分を無理矢理に納得させているのは悲劇だと思う。 | ||||
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| 様々な事件に巻き込まれ、あるいは自ら起こして、堕ちていく女たち。その様子がもう、イタくてイタくて…そして哀しくて。 自分には関係なさそうな、新聞記事の上での事件に『なぜその時被害者はこんな行動をとったの?』『なぜこの人はこんな事件を起こしたの?』と感じる事は多いですが、この短編集の中ではなぜか、その自分には関係なさそうな、そして理解しがたい事件の背景にある女たちの心情を理解して共感もしつつ、引き込まれてしまう。 面白い!です。 ただし読後感が良いとは言えないので、それなりに体力気力がある時に読む事をお勧めしたいです。 | ||||
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| 女性が人との関わる様々な場面において不安、孤独、寂しさが忍び寄る 作品である、犯罪がらみの内容だけに怖さもあるが魅力ある短編である。 「君本家の誘拐」での主人公良枝と理紗の会話のなかで理紗「謝らない んだ」良枝「え?」良枝「心配かけてごめんねって謝るかと思った」の「くだり 等は心の動きをよくとらえており印象に残ったフレーズである。 | ||||
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| 五人の女性の五つの物語です。 どれもありそうな話ですが、特に最後の「君本家の誘拐」は多少の違いはあれ、ありそうです。 初めての子どもを育てる時は、周りに両親たちがいなければ、育児書と首ったけになります。 そこに書かれているのはあくまで平均であって、個別の違いを考慮しなければいけないのですが、若い二人にはなかなかそうはいきません。 私の経験でも、育児書に書かれた通りにミルクを与えても赤ん坊が少しも満足せず、いつまでも泣き止みません。 妻は、翌日医者に行きましたが、もっと飲ませればいいと言う単純な回答でした。 若い母親にとって、初めての子どもを育てるのは、本当に大変だと思います。 ニュースなどで育児ノイローゼの話を聞きますが、当然だと思います。 その他の四編も、女性の岐路における決断を扱った良い作品だと思います。 それぞれ違ったミステリー風味の面白い短編集でした。 | ||||
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| 面白かったです。ただ、元気になりたいな、と思って購入しましたが、内容は割とエグいところもあり、読み終えて、気分は上々というわけには行きませんでした。しかし、ぐいぐい引き込まれて読み進みました。 | ||||
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| 自分勝手で無神経で甘ったれな登場人物達と、彼らを不満に思いながら言うべきことも言えない優柔不断な主人公達。 どちらもイライラする。 でも、彼らは自分や周りの人々にどこかしら似ている。 読んでてイライラするし不快感はあるけど、それは作者の狙い通りなのだと思う。 その不快感から目を背けないで、これが人間なのだから…というのが作者の「言いたいこと」ではないかと思う。 「芹葉大学の夢と殺人」のラストが好きです。愛した男の死刑を願う主人公の心の叫びが深い…。 あっと思うような展開の話もあって、面白かったです。 | ||||
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| だいたい直木賞受賞作といえば、えーこれで直木賞、ないし、この作家はアレのほうが良かった、というのが普通だが、私は直木賞受賞作とは思えないくらいいいと思った。のは、『恵比寿屋喜兵衛手控え』以来のことである。 五つの短篇が入っているが、特に二つ目の「放火」と三つ目の「逃亡者」がいい。最近、女性作家による、20代から30代の女の、凡庸な人生とそこに降りかかる災難をショボく書く小説がはやっていて、食傷気味なのだが、これは藤堂志津子以来のリアルなものを感じた。なかんずく「逃亡者」が、低学歴者の人生というものを描いていてすばらしい。最近の小説は、主人公らの学歴を隠して成立させているものが多いのだが、ここでははっきり、高卒といった低学歴者の生態を生々しく描いている。出会い系で知り合った男から、相田みつをの言葉を引いたメールが来て感動し、相田の日めくりカレンダーを買ってきて、母親に見せると、「お前もこういう詩が分かるようになったんだねえ」と涙を流すあたり、まことに低学歴者の真実が活写されていて、『モモ』に感動できた自分を捨てたもんじゃないと思ったと言った小泉今日子を思い出させる。 しかし、そういう描き方が、低学歴の読者には不快であろうことは想像に難くないので、要するにこれは純文学なのである。ほかにも、結婚する気もないのに生でセックスするDQNとか、頭の悪い男女の生態が鮮やかである。 | ||||
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| WOWOWでドラマ化されると知って、原作本を購入しました。読みやすく、 面白かった。 | ||||
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| どれもが主人公は女性で男性目線からよりも女性の意見の方が参考になるかもしれません 小学校時代に友達を裏切ったことを後悔する女性、三十を過ぎてもよってくる男はどうしよもないのばかりという独身女性、ストーカーに母を殺されてそのストーカーに連れまわされる少女・・・・ どれも楽しく読めてページが進みましたが・・・ 共感すべきとこがあったり、さっぱり心理がわからなかったりした部分も正直ありました むしろ三十代以下の女性には共感すべき部分が多いのではないでしょうか | ||||
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