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相剋の森
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相剋の森の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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熊谷達也さんは東北などを舞台に、 自然と人間の関係のあり方をテーマにした作品を多く書かれている方ということで、 いつかは読んでみたい作家の一人でした。 今回、私はこの本で初めて熊谷さんの作品に触れましたが、 正直、私にマタギの話なんかが読めるのだろうかという不安があったのも事実です。 しかし、読んでいくうちに自然を相手にする男達の骨太な生き方に心が打たれました。“熊がかわいそう”“自然と共存”などと唱えるのは実は現実が見えていない証拠で、 無知な者が甘ったれた環境保護を訴えているだけなのかもしれない。 私は根本から自然に対する見方を改めなければならないのかも・・・。主人公が人生を変えるきっかけとなる言葉 「山は半分殺してちょうどいい」 これに対する私の答えは今はまだ出ないけど、 玲子先生の“人間が狩猟によって動物をとってもびくともしないだけの豊かな自然の実現。これが私の理想” この言葉は胸に響きました。 熊谷さんの他の著作にも触れつつ、この言葉に対する理解を深めていきたいと思います。 | ||||
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「邂逅の森」から時が過ぎ、「ウエンカムイの爪」の少しあとの現代が舞台です。この3作すべて良い作品だとは思いますが、この「相剋の森」が、ストーリー性、全体の構成、心理描写など飛びぬけて心にしみてくる作品でした。セリフも含めて。 自然と共に生きていく人間は自然と共に死んでいく人間でもあります。自然保護のあり方も含めて、様々な角度から現代の人間を考えることができました。もちろん、単純に読んでも面白い。お薦めの一冊です。 | ||||
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昨日熊谷氏の『相克の森』を読んだ。一週間前に『邂逅の森』を読み、ここのレビューに書いた。 気になることがあり、今朝再び、赤坂氏と熊谷氏の対談(『朝日』9月7日と14日)を読み返した。『邂逅の森』は、「神話」(もともとは井上ひさしの評)の世界であり、『相克の森』は、「マタギ的世界の最終局面」(赤坂)と言われている。『相克』は、現代のマタギの世界に現代女性である主人公が入り込んでいく物語である。もちろん「マタギ的世界」も、「神話」的なマタギ世界からは大きく変貌している。しかし、この主人公の設定は、『邂逅』の主人公の息子、まさしく「マタギになりたいと言った、彼の息子」(僕のレビュー)の孫として設定されている。対談によると、この2作は同時並行で書かれたそうである。 だとするなら、『邂逅』の世界を「神話」的世界だなどと言ってはいけないのではないか。赤坂氏がいつも言うように「内なる異文化」として、いままさに生きている世界なのではないか。『相克』の主人公の内にマタギの血が流れていたように、僕は、僕のうちに、東北のこの森の、何かに共鳴するものを持っていることをまざまざと感ずる瞬間がある。それは僕にとって「神話」ではない。 いつの時代を、あるいはどこ探しても、自然と人間が融和し平和だった時代などない。自然と人間はギリギリの危ういバランスの中で存在してきた。今はやりの「共生」などを叫ぶ人々のうさんくささは、『相克』の登場人物(大学教授)のいうとおりだろう。しかし、確かにここ数十年、そのバランスは大きく崩れてきたのは確かだ。 『邂逅』と『相克』の間にある物語が読みたい。 | ||||
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山が好きな人間、自然と共生したい人間は、一読する価値がある。 我々が普段の生活で、見過ごしがちなものを著者は、丁寧にわかりやすく描写している。 けして忘れては、いけないことがある。お子様がいる人にはお子様に自然や命の尊さを教える教本にもなりうる。 | ||||
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仙台のタウン誌の編集長美佐子は、マタギの集いに出席し、熊を殺すことに対し疑問を持つ発言をする。その会場で彼女は熊を追い続ける動物写真家吉本に出会う。吉本の言葉「山は半分殺してちょうどいい」が彼女の心襞に何かを打ち込む、タウン誌をやめ東京に戻った美佐子は、フリーランスになり、動物愛護のNPOとマタギの双方を追いかける。自然を舞台にした骨太な物語、いつの間にかマタギを理解する女性に成長していく女性を描く、所々雑な感じがあるが、全体的には良く描かれた作品。面白かった | ||||
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