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トーマの心臓 Lost heart for Thoma
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【この小説が収録されている参考書籍】
トーマの心臓 Lost heart for Thomaの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21~32 2/2ページ
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舞台は戦前日本。トーマもオスカーも大学生の設定。 最初これを聞いて大胆に森博嗣流「トーマの心臓」にしてくれるかと 期待してました。 でも設定が違うだけでストーリーはほぼ一緒なのでものすごい違和感が。。。 森博嗣特有の魅力もあまり感じられませんでした。 (原作に気を使いすぎて良さが殺されてしまっているような。) | ||||
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30年以上前に萩尾望都の「トーマの心臓」を繰り返し読んでいるので、登場人物のユーリ、エーリク、オスカーのキャラクターもこの本を読み出すとすぐに思い出した。当然あの感動を再現はできない。私自身も「多感な年頃」であったときからあまり感動しなくなった大人になったからかもしれない。原作を読まないでこの作品を読む読者も少しはいるのだろうが、ほとんどは原作を読んだ人たちだろうか。率直な感想としては「小説にしたかったのは何故なんだろうか」ということ。どうもよくわからない。コミック原作で映画化されたりテレビドラマ化されたりすることはよくある。映画やテレビドラマは見るのに想像力がいらない。あくまでも受動的である。だから安易にそういう方法がとられる訳だ。ところが小説という形で文章にしてしまうと、物語は読者の想像力に委ねる部分が大きくなるしかない。原作コミックの読者が昔の感動を思い出す手伝いは多少してもらえるのだが、それ以上はこの作品からは期待できないような気がする。 | ||||
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実は、気になるラストシーンがどう書かれているかどうしても知りたくて、最後の章を先に読んだ時からいやな予感がありました。「ドイツ人はふつうキャッチボール(野球)なんてしないぞ!」 原作のディープなファンとしては、まず物語の舞台がドイツでないことに大きな不満がありました。オスカーを除く主人公がみな生粋の日本人で、ユーリやトーマというのが単なる"あだ名”というのもかなりがっかりさせられました。 それでも、「日本という文字は忘れよう。すべてドイツに置き換えよう。」と自分なりに解釈して読み進みましたが、列車で風呂敷に包まれた手作り弁当を食べるシーンでその努力も水の泡に・・・(涙)。 森氏は〔トーマの心臓〕を参考に、新たな創作を執筆しただけなのです。原作とはまったく別物と思えば、文章も丁寧でわかりやすく、コメント通り一冊の『美しい物語』です。 ただ、核心に触れていない様に思うのは私だけでしょうか? | ||||
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原作ファンとしては、読まないでは居れないと思い購入しました。 言葉を選び選び綴っているのがよくも悪くも伺えます。 ユーリとエーリクを一番近くで客観的に観察出来るポジションのオスカー視点で進めたのは、上手いと思いましたが、残念ながら生かしきれて居ません。 結局、トーマは何故死を選んだのか、ユーリは何に怯え苦しんだのか、エーリクとの距離感を掴むまで2人はどう歩み寄ったのか。 ノベライズするなら、ただ原作をなぞるだけではつまらない。 だから、あれこれと設定が変わっているのは良いと思います。 但し、原作を知ってるが故に私は補完出来る部分がありますが、全体的な言葉不足が気になります。 公式が二次創作を作ったような、そんなイメージです。 全てを読者が先に知ってる事前提で進めてしまっていると感じたので「小説」としての評価が下がります。 | ||||
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なぜ小説を書いたのか。 この作品を読み終えた時、一番初めに思った疑問だ。 森氏は萩尾望都を尊敬していることは誰もが知っているし、彼が漫画家になることを諦めたのも萩尾望都がいたからだと言っても過言ではないはず。それほど森氏は「トーマの心臓」という作品を愛していたはずで、そのような作品を小説として別の形にしてしまうことに、戸惑いはなかったのだろうか。森氏ではなくとも、「トーマの心臓」をという完璧な作品を小説にすることは、誰だって戸惑うのではないだろうか。 上記の疑問は、作品の内容とは関係ないかもしれない。 だが、森氏がなぜ「トーマの心臓」を小説にしたのかを考えることで、見えてくるものがあるかもしれない。 それは「形」と「美」と「時間」。 この3つの言葉を思い浮かべたとき、私は「猫の建築家」という森氏の作品を思い出した。 「猫の建築家」の中で、以下のような文がある。 自分が造ろうとするものは、こうした残るべき「形」であってほしい。 生まれ変わったときにも、それが「形」のままで存在していてほしい。 その「孤独な継続」こそ、「猫」が待ち望んでいるものだ。 萩尾望都の「トーマの心臓」は現在も読者を選ばずに残り続けている作品であり、この後どんなに時がたっても、このまま残る形であるだろう。それは、森氏自身が信じているところであり、望んでいるところでもあるのではないか。だからこそ、森氏が小説という形にすることができたのだろうとも思う。 ただ、それだけでは森氏が小説を書くということはできないだろう。原作が素晴らしいから、恐れることなく小説に変化させることができるという理由だけで小説を書くようなことは、萩尾ファンとして絶対にしない行為だろう。小説を書くには、もっと絶対的な理由がなければかけないのではないだろうか。 だから私は森氏が小説を書いた理由は、「トーマの心臓」の中で「美」を見つけていたからだと思う。 「猫の建築家」の中に以下のような文章がある。 それらの時間と、我々の時間の違いを、考慮してさえも、 やはり、ちっぽけな理由を見つけようとしている自分があった。 理由もなく存在するものが、もしかして、あるのだろうか。 もしかして、それが「美」だろうか。 あるかもしれない。 一瞬でも、あるかもしれない。 森氏の「トーマの心臓」はオスカーの視点から語られる。 舞台も、ユーリの視点も、トーマの愛も、別の形に変えられいる。 それでも、そこには同じ世界があり、おなじ「少年の時としての愛」が存在している。 「人間を信じられた無邪気な子供には、もう絶対に戻れない。」が、それでもオスカーは「僕に頼れるもの」を見つける。 これを、小説として描くことができるからこそ、森氏は小説を書いたのだろうと思う。 | ||||
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綺麗で、切なく、儚い。私は原作を未読なので、この本がすべてなのですが、森博嗣氏らしく、緻密で、抑制された文章。とても引き込まれました。人間はどんなに儚くとも、消えることは出来ないのだと、そう思えてなりません。 この本は、覚悟を決めて読むべきだと思います。私は原作を読んだことはありませんが、過不足なく読むことが出来ました。 | ||||
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原作の『トーマの心臓』デビューがごく最近で、 まだまだ美しい物語が鮮明に脳に焼き付いたまま、森氏のノベライズ本を読みました。 大筋は『トーマの心臓』であっても、萩尾氏の描くものとは違った印象を持ちました。 少年達の‥というか、オスカーの揺れ動き悩む心情がとても綺麗に表現されています。 これはもう森氏の想いが綴られた「オスカー本」と言っても過言ではないでしょう。 オスカー目線や設定の違いはさておき、原作との違いは゛伝えたい事の違い゛と言ったところでしょうか。 原作の根幹は「アガペーとしての愛」、ノベライズ本では「友愛」に力が注がれているように思います。 原作ファンの私としては、全く同じモノとして説明過多で表現されるよりは、新しい楽しみ方が出来ました。 こちらの『トーマの心臓』も清々しく美しい余韻が残る物語で良かったです。 余談になりますが、花の24年組の方々の作品は本当に素晴らしいですね! 彼女達ほどのスキルを持った漫画家は現在見当たらないです。たぶん。 絵が古いってだけで敬遠するのはモッタイナイです。現に、現在の漫画に慣れた私がどはまりしました。 原作『トーマの心臓』は美しく儚く清らかで、蠱惑的な作品なので 未読の方は是非手にとって読んで頂きたいものです。 | ||||
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私としてはイマイチです。やはり原作のオスカーを求めてしまいます。 オスカー目線なので仕方ないとは思いますが、もっとユーリとエーリクの関係をはっきりさせて欲しかったです。 良かったところは、 萩尾望都先生の絵がついていたこと、(私の好きな笑)オスカーの視点であったこと、ですかね。 | ||||
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森博嗣がこの萩尾望都の名作コミックを小説化することは、モリログアカデミーで読んで知っていた。それ以来、まだかまだかと待っていたが、ようやく出版され、すぐに読み終えてしまった。 コミックを読んだのは、もう何十年も前なので、細かいところは覚えていないが、原作の雰囲気を壊さず、なおかつ森博嗣らしさも出ていて、いい作品になっていると思う。単なるノヴェライズではない。 特に、この静寂な抑制された文章は、スカイクロラのシリーズを思い出させる。あのシリーズを好きな自分は、この作品も気に入った。後期(絶筆宣言したので、こういってもいいかな)森博嗣作品の代表作になるのではないか。 表紙をはじめとした萩尾望都の描き下ろしイラストも多数収録され、とても美しい本になったと思う。 初版購入特典として、応募者全員に萩尾望都の描き下ろしイラスト入りのポストカードがプレゼントされるというのもファンにはうれしい。 | ||||
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原作を知っていて豪華本まで買った過去のある私としては、ほとんど衝動買い(?)でも、作者はあの「スカイ・クロラ」の森博嗣だし、そこそこの期待を持って、そして萩尾望都のオビにあったコメント「読み終わるのが惜しくなるような澄んだ美しい物語でした」を見て買ったのだから衝動買いと言わないことにした。森氏が「トーマの心臓」の美しさの本質を再現したかったとのことだが、なぜか舞台は日本。しかもわざわざ渾名を付けるのが習慣となっているという理工系の全寮制学校でオスカー、ユーリ、エーリクは全部渾名と設定している。なぜ、わざわざそんなしち面倒くさい設定にしたのかよく解からない。ユーリもエーリクも日本人だし唯一母がドイツ人のハーフであるオスカーが存在するのだが、実はこのオスカーの視点からすべて書かれている。文章は非常に美しく、どう考えてもドイツにいて言葉を解きほぐすように語られているのが印象深い。しかしながら原作でも奥の深い少年達の心理を読み取るのは難しいところもあるのに、結局ユーリは何にそんなに怯えていたのか、はっきりと記されていない。その点に関して言うならばまさに「読み終わるのが惜しくなる物語」である。逆にオスカーの事情ははっきりと原作通りに書かれているものの、エーリクの存在がどれだけトーマと重なったことでユーリが苦しんだのか、またエーリクの心の闇にも遂に奥深く描かれずに終っている。これは敢えて「原作を読んだことのある人へ」という文句を付け足さなければならないだろう。そうであれば本当にもっと読みたい作品である。 | ||||
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ついつい手に取っちまいました。 「トーマの心臓」ハードカバー。小説化。しかも森博嗣。 え、なにそれ。今年は記念年かなにかかな? だって近頃のメディアミックスに大きな夢は持てないんだもの。疑って疑って慎重にならざるを得ないんだもの。特にエンタメ系は。 しかし!!! いま現代のコミックやらなにやらに慣れた眼で、いくら金字塔を立てたとはいえわざわざ昔の絵柄を読みたいか、となると「いやあ無理」とかなっちゃいませんか。 ドラマ化されて本屋に山積みされるコミック(有閑倶楽部とか)もあるけど、あのメディア狙いはキャストだし。 ……と考えついて、活字で読んだらいいんじゃない?と。自己完結。だって森博嗣。 「トーマの心臓」の小説化!というよりかは、森博嗣の作品!という勢いで読めると思いますよ。それで中身がおもろければコミックへGo! 花の24年組+現代エンタメ実力作家、という形のコラボ計画がつぎつぎ出されても食傷気味ですが。広告でなく中身勝負。おもろければありかな。 余談。 「風と木の詩」はまあまあという感想でしたが。今でこそジャンル主流のBL元祖と言われてるコミックですけれども。活字にしたらおそらく、少年達の悶々とした感情がもっと深く表現できるんじゃないかな。会話がうまい有川浩に頼んだらどんな話になるんでしょ。 | ||||
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森さんは小学館文庫の「あぶない丘の家」の解説・エッセイとして「萩尾望都は日本が生んだ二十世紀最高の作家である」だとか 「森(自分)はミステリィとかSFを書いているのではなく、今も萩尾望都の真似をしているにすぎないのだ」ととても熱く書かれています。 しかし、この作品はそのような思いが、やや空回りしているように思います。 原作は、ユリスモール、エーリク、オスカーの各々の視点から揺れ動くように描かれているのですが 森さんはオスカーの一人称で書いているため、少年たちのデリケートな心の変化が見えてこないように思います。 名場面、名台詞も書き換えられているのが残念。やはり著作権の関係なのでしょうか? あまりに原作が良いとノベライズは難しいようです。もっと知られていない佳作を小説にしてくれたらと思いました。 モー様信者であれば、あの名作を・・と心配されていると思いますが、その心配は当たっているようです。 ただ、森さんのお熱は本物ですので、森さんの他の作品を読んでみたくなりました。そういう意味で星は三つです。 | ||||
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