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自殺自由法



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【この小説が収録されている参考書籍】
自殺自由法
自殺自由法 (中公文庫)

自殺自由法の評価: 3.45/5点 レビュー 20件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.45pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(4pt)

自由と見せかけた強制

国が自殺(作中では自逝)を認め、コンビニ感覚で死にに行ける世の中。 自己中で浅はかな人として価値の低い激安人間が次々に登場し、自逝を選択または強要される。 (一部は自逝出来ずに殺されたり事故死する) この作品の隠れた恐怖は、囚人や前科持ちや老人等の社会に不要と判断した人をあの手この手で自逝させる政府や自治体にある。 自逝の方法すら公開せず完全無痛をうたいながら、そこに追い込むまでの手段はゴミを捨てるように無情だ。 自殺自由法ならぬ社会不要人物廃棄法と私は呼びたい。 読めば徹底したお役所仕事に背筋が凍るだろう。 久々に強い印象に残った作品だが、残酷描写がキツかったので星4つです。
自殺自由法Amazon書評・レビュー:自殺自由法より
4120035581
No.11:
(4pt)

笑える

笑える。
何十ものエピソード。何十人もの登場人物。
エピソードはそれぞれ独立してて、40ページのものから10ページぐらいのまで沢山。
当然だが自殺自由法にまつわるストーリー。

好きな話は、寿司屋の話。
「寿司屋の板前、止めたいか?」
「ええ……はい」
「じゃあ自殺しろ」
と、言うことになった死ぬことになったしがない板前。
でも死ぬ前に一度だけ女とやりたいと言う願望を親父に打ち明けたら、売春におやじもついてくることに。
と言うお話。
親父がどんどんとち狂っていく様が笑える。
んでラストに明かされるセンターの真実。何だか普通のホラー小説を読んでるような気分になった。
でもやっぱり笑える。
自殺自由法Amazon書評・レビュー:自殺自由法より
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No.10:
(4pt)

新世紀のポストモダニスト誕生!!

戸梶圭太の描く近未来SF。

国の定めたセンターでなら自由に自殺ができる「自殺自由法」が制定され、自殺志望者は次々とセンターを訪れた。だが、センター内でどのような処置が行なわれているのかは極秘のまま。また、法律ができたことにより、人々の死に対する感覚は徐々に変わっていき……。

結構長い作品なのですが、連作のような感じの作りになっているためあまり気にならずさくさく読めました。

「自殺自由法」に関わっていく人々を一人一人ピックアップして、その人の状況を追うことで逆に「自殺自由法」を浮かび上がらせる。この、昔大流行したポストモダンの手法がこの作品にはとてもよく合っています。また、こういう手法で書かれた小説を最近はとんと見ないので、新鮮な感じも受けました。

戸梶さん得意のスプラッター節や汚い描写も、この作品の中では浮くことなく、うまいこと合っています。「うん、これは必要だ」と思える感じ。
最近、この人の本をいろいろ読んでいますが、これが一番「必要な」スプラッター描写ありだと思いました。

それにしても上手い小説です。
元々計算高い感じの作品を書いている人ですが、この作品の計算は別格。特に2つの点が抜群に効いています。
・センター内部の出来事を一切書かない。
・ピックアップされる人物が必ずしも自殺する人(自殺願望のある人)ではない。
これだけのことがものすごく効果を生んでいます。
うん、上手い。
面白い。

いまのところ、僕の中では、これがこの人の最高傑作です。
自殺自由法Amazon書評・レビュー:自殺自由法より
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No.9:
(5pt)

さすがかな笑

戸梶さんの作品はいつもかなり面白いのだが、今回の作品も同様で息つく暇もなくザァーっとよんじゃいました。

生と死の価値観、その観念がかなり自殺自由法というものによって人々の意識の中で表面化していく、確かに現実はある意味で誰も自殺を禁止なんてことはいっていない、そもそもそういった類のものでもないから、しかし逆に法的に認めてしまうとどうなるか。
これがまた面白い。

この場合生と死は等価値というよりも、奇異だった現実が実際的なものとなったときの、死への大衆の傾倒が見事に描かれている。

僕はこの現象を大衆化と呼んでいいと思う。現在の日本における大部分の出来事、物、価値観さえもがこの大衆化のなかにある。いわば、いい例えではないが流行。

リーズナブルな生命。そして、それを支える(民主主義的)秩序。

リアリティとはまさにこのこと、現実を無視しても表現は残るから。ならば受け入れることが向きあうこと。そんな風に感じました。

なんにせよ、良い作品でした。

ちなみに映画化したらおもしろいだろうなぁ〜なんて思います。
自殺自由法Amazon書評・レビュー:自殺自由法より
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No.8:
(4pt)

身も蓋もないリアルさ

公共自殺幇助施設「自逝センター」を利用することで、いつでも好きなときに個人の自由で自殺をすることができる。「死ぬ自由」が保障された世の中になったとき、人はどのような行動をとるのか?社会はどう変わっていくのか?そして、人生の意味はどのように書き換えられるのか?本書はこうした問いに対し、小説という思考実験の場を用いてひとつの解を示しています。まさに「問題作」と呼んでよい一冊。

社会的弱者に対して執拗に「自逝」をすすめる自治体。「自逝」をビジネスに組み込んでいく会社。一族の体面のために息子に「自逝」を進める家族。「自逝センター」は常に人であふれ、順番待ちの列が延々と続く。個人の命の重さは極限まで薄められ、「自逝」の価値(=商品的価値)すら薄まっていく。「死んじゃえばいいじゃん」で全てを済ませることができる社会において、「人間の尊厳」や「命の尊さ」はただの飾り文句に成り下がり、安っぽい未来への希望など何も意味を成さなくなる。

本当に、もう、身も蓋もない内容になってます。そして、命の軽さを表すかのような、文体の異常なほどの軽さも印象的です。

本書は、現代の日本において、書かれるべくして書かれた本だと思います。今だからこそ、読むべき一冊。ぜひご一読を。
自殺自由法Amazon書評・レビュー:自殺自由法より
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No.7:
(5pt)

どろどろ

小説はあまり読まないけど、これは面白かった。
もし自由に自殺ができれば…
自殺すると決めると人はどうなるのか。
このシステムをどう「利用」するのか。
いくつかの人々のストーリーがオムニバスのように折り重なっていく前半がやはり読みごたえがあるかな。あまりにもドロドロとした人間の「本性」が結構リアルに書き綴られている。自分のバーチャルが見つかったり、自分の範疇にない人がみつかったり。。。
後半から最後は、、、、ただひたすら切ない。所詮人間なんて…という気分。
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4120035581
No.6:
(4pt)

自殺未遂者オススメしてた

2005年2月「自殺用の拳銃を入手しようとして交番へ侵入したニートが御用」という事件があった。彼がつけていたのブログ(宿命を超えて、自己を超えて)の最後には「警官の銃を奪って頭を撃ち抜く」「気が向いたらそのまま決行してしまおう」とあった。

彼の残されたブログを読んでいたら、この自殺自由法を「これはよい」と絶賛していたので、気になったので買ってしまった。実際に自殺を企てたひとがオススメしている自殺関連本なら間違いない、と思ったのである。2時間かけての読了後、交番に侵入した彼はこの本の登場人物になれるな 、と感じ彼が絶賛していたことを妙に納得してしまった。

 自殺をめぐる様々な人たちのショートストーリ調な展開で進み、一人につき20Pぐらいで交代していく。次々に登場人物かわるので、テンポがよく飽きない。内容に気分が滅入らなければ一気に読めてしまう。登場人物、動機の多さから、大抵のひとは自分に重ね合わせられる話が2、3はあるんではなかろうかとおもった。テーマのわりにはコミカルに書かれており読みやすい。だからウツの中毒性も薄く気軽に手を出してよい自殺本だとおもう。
自殺自由法Amazon書評・レビュー:自殺自由法より
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No.5:
(5pt)

多分最高傑作

確かに矛盾したところや非現実的なところもあるが、自逝センターはなかなか良く考えられたアイデアで、安楽死などが認められた先にはあってもおかしくない施設である。この作者の他の作品はちょっとぶっ飛びすぎでついていけないところがあるが、この作品は適度に抑制が利いていて、最後にはいろいろ考えさせられる。著作を全部読んだわけではないがおそらく最高傑作ではないかと思う。是非一読あれ。
自殺自由法Amazon書評・レビュー:自殺自由法より
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No.4:
(4pt)

軽い命と思い命

国が自殺を認めた。
 自由法とはいうものの、自由どころか国はむしろ推奨している。描かれるのは自殺する側の人間の心情だけで、その法の細部や国が勧める理由などは意図的になのか、描かれない。リアリティが無いっちゃ無いが、そこが狂気じみていて洗脳的で不気味さを感じる。何も疑問を感じず(登場人物の幾人は感じるが結局死ぬ)自ら死ぬ。どんどん死ぬ。
 これをシリアスにシリアスに描かなかったことで、何というか味が出ていると思う。読後の後味は悪いですよ。良い(?)意味で。
自殺自由法Amazon書評・レビュー:自殺自由法より
4120035581
No.3:
(4pt)

殺し合う人間同士の細かな心理描写があれば良かったです

物語は、「日本国民は満15歳以上になれば何人も自由意志によって、国が定めたところに施設に於いて適切な方法により自殺することを許される。但し、服役者、裁判継続中の者、判断能力のない者は除外される」という「自殺自由法」が施行された日本という設定で始まり、個人を取り巻く種々の状況から自殺を考える人々が、全国に設置された自殺を実施する公的施設「自逝センター」での自殺をめぐって物語は展開していきます。人が殺されまくるという展開的には、多少「バトル・ロワイヤル」に似ているものの、「バトルロワイヤル」で見られたような、殺し合う人間同士の心理描写が殆どなく、衝撃的かつインパクトのある展開ではあるものの、戸梶作品にしては物足りなさがありました。
自殺自由法Amazon書評・レビュー:自殺自由法より
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No.2:
(5pt)

(・∀・)イイ!!

ひさびさに最後まで破綻せずによく書ききったな、トカジ!
ただぶっとんでるよりも、こういう現代の狂気をえぐりだす系のほうが個人的には好き。
「赤い雨」「未確認家族」が好きな人ならきっと気に入るはず。
自殺自由法Amazon書評・レビュー:自殺自由法より
4120035581
No.1:
(5pt)

久々にきた!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ここ最近のヒット! 久々です。 ようやく新しいもの書くことにしたのねんって感じで、もういっきに読んでしまいました。 それはどうしてか? なんせ、どうしてどうして、早く知りたい、何が・・・?言えない。 どうしてしまったのか戸梶!!! おもしろいぞ!! ほんと。
自殺自由法Amazon書評・レビュー:自殺自由法より
4120035581

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