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自殺自由法
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自殺自由法の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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国が自殺(作中では自逝)を認め、コンビニ感覚で死にに行ける世の中。 自己中で浅はかな人として価値の低い激安人間が次々に登場し、自逝を選択または強要される。 (一部は自逝出来ずに殺されたり事故死する) この作品の隠れた恐怖は、囚人や前科持ちや老人等の社会に不要と判断した人をあの手この手で自逝させる政府や自治体にある。 自逝の方法すら公開せず完全無痛をうたいながら、そこに追い込むまでの手段はゴミを捨てるように無情だ。 自殺自由法ならぬ社会不要人物廃棄法と私は呼びたい。 読めば徹底したお役所仕事に背筋が凍るだろう。 久々に強い印象に残った作品だが、残酷描写がキツかったので星4つです。 | ||||
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「嘔吐」とか「グロテスク」といったタイトルの小説があるから こういうタイトルもありなんだろうな――と、ふと手に取って 軽い気持ちで読み始めた私の眼の中から頭の中へと入り込んで、 ある時は上司が部下の胸ぐらを掴むその怒鳴り声のように、 またある時は銃声の様に、 かと思えば音もなく放たれた吹き矢に塗りつけられた毒の様に、 素早く駆け巡りかつ鈍く鳴り響き続ける文章が詰め込まれている作品でした。 言葉で表現しきれる限りの最上級に乱暴な、過激な表現をふんだんに用いて、です。 こんな小説があっていいのか。 初めて読んだ時は恐怖と戦慄で一杯でした。 締めに「本作脱稿直後筆者は鬱に陥りました」とある通り 私も暫くはこの世の全てが恐怖に満ちているようなモヤモヤした気分から 抜け出せませんでした。 が、それでも最後まで読んでしまいました。 なぜなら私が最も評価したい本作の文章のテンポの良さは、 次を読みたい次を読みたいという気持ちを掻き立たせてくれるものだったからです。 この作品の面白味は 一話完結のエピソードが続くそのテンポの良さで綴られる、普通の小説では絶対に出来ない 悲惨かつ残酷な展開の痛快さを味わう事にあるのだと思います。 それを痛快だと思えれば、ですが。 作中における死者の死因の大半は、自殺ではなく事故や他殺によるものが殆どです。 さらに自殺する人間の動機のうち半分以上は「他者からの強要によるもの」です。 特に後半はそれが顕著です。もはや自殺でもなければ自由でもありません。 ゆえに見る人にとってはある意味肩透かしな内容に感じるかと思います。 主題であるべき自殺自由法という法律の裏にある真実だとか、 それに纏わって出てくるべきであろう社会の暗部や人の命の意味といった核心に触れる描写というものは少ないです。 しかしそんな事は読む側にとっても書いた側にとっても、 ハナから問題には成り得ない事だろうな、と感じました。 余談ですが、私は文庫版と単行本版を両方購入しました。 どちらかと言うと単行本版の方が大きく読みやすい気がします。 | ||||
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個々人の人間がDQNというかチンピラとかガキとか安い人種しか出てこない。 もっと、社会現象とか哲学的な視点とか、生き方の転換とか、そんな展開を期待していたが、そんなものはなかった。 作者の力量がテーマに追い付いていない。残念な作品。 ここにあるのは、セックス、借金、暴力といった安い話。 テーマは重いのに、中身は軽い。がっかりな作品。 力量のある他の作家に同じ題名でかいてもらったら名作になるんじゃないかな。 | ||||
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公式の紹介文のせいで 自殺や生、現代日本社会の実像に肉薄した 真摯な物語を期待して読んだ。 が、期待は悉く裏切られ時間を無駄にしてしまった。 ただのエグい小話の寄せ集めではないか。 この本にあるのは、タイトルから連想させられるもののうち 最も浅薄で、下品で、救いようのない類のものばかりだ。 どうやらこのての「身も蓋もなさ」がこの著者の作品の 醍醐味らしいが、それならネット上にいくらでも転がっているので わざわざ買って読む価値はないと思われる。 | ||||
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タイトルに惹かれて購入したものの、あまりにも現実離れした内容で残念に思う。 「自殺自由法」などもはや関係なく、ただただ胸糞悪い人間模様の羅列であり、それでいてそのオムニバス的な羅列には何の捻りもなく伏線も大したものがない。 インターネット上に転がる”胸糞の悪いコピペ”と類されるショートストーリーの方がまだ読んでいて面白いといえる。 | ||||
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笑える。 何十ものエピソード。何十人もの登場人物。 エピソードはそれぞれ独立してて、40ページのものから10ページぐらいのまで沢山。 当然だが自殺自由法にまつわるストーリー。 好きな話は、寿司屋の話。 「寿司屋の板前、止めたいか?」 「ええ……はい」 「じゃあ自殺しろ」 と、言うことになった死ぬことになったしがない板前。 でも死ぬ前に一度だけ女とやりたいと言う願望を親父に打ち明けたら、売春におやじもついてくることに。 と言うお話。 親父がどんどんとち狂っていく様が笑える。 んでラストに明かされるセンターの真実。何だか普通のホラー小説を読んでるような気分になった。 でもやっぱり笑える。 | ||||
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戸梶圭太の描く近未来SF。 国の定めたセンターでなら自由に自殺ができる「自殺自由法」が制定され、自殺志望者は次々とセンターを訪れた。だが、センター内でどのような処置が行なわれているのかは極秘のまま。また、法律ができたことにより、人々の死に対する感覚は徐々に変わっていき……。 結構長い作品なのですが、連作のような感じの作りになっているためあまり気にならずさくさく読めました。 「自殺自由法」に関わっていく人々を一人一人ピックアップして、その人の状況を追うことで逆に「自殺自由法」を浮かび上がらせる。この、昔大流行したポストモダンの手法がこの作品にはとてもよく合っています。また、こういう手法で書かれた小説を最近はとんと見ないので、新鮮な感じも受けました。 戸梶さん得意のスプラッター節や汚い描写も、この作品の中では浮くことなく、うまいこと合っています。「うん、これは必要だ」と思える感じ。 最近、この人の本をいろいろ読んでいますが、これが一番「必要な」スプラッター描写ありだと思いました。 それにしても上手い小説です。 元々計算高い感じの作品を書いている人ですが、この作品の計算は別格。特に2つの点が抜群に効いています。 ・センター内部の出来事を一切書かない。 ・ピックアップされる人物が必ずしも自殺する人(自殺願望のある人)ではない。 これだけのことがものすごく効果を生んでいます。 うん、上手い。 面白い。 いまのところ、僕の中では、これがこの人の最高傑作です。 | ||||
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内容に深淵さの欠片もないのが一番の難。 ただし娯楽小説と割切って読むならブラックな笑いどころは多い。 日本に「自殺自由法」が施行されたらどうなるのか?という世界においての群像劇。どの場面においても、どこか淡々としているのが日本人らしいのかもしれない。また皮肉な目で深読みすれば、「自逝センター」に向かう人々の群れが、倫理観の欠如した営利主義の病院の受付に並ぶ人々の群れのよう、「センター」内部の「真実」と照らし合わせるとひどく不気味だ。 ラストシーンは暗く笑える。いずれ現代もこうして「見られる」のだろう、と想像すれば自虐的に痛快。 だが全体を通して覇気がなく、グロテスクなシーンもエロティックなシーンも半端、何よりもどの登場人物にも思考能力がないのが残念だった。せっかくの衝撃的なタイトル・興味深いテーマなのだから、医学・心理学・法学・宗教学等々からのアプローチが、軽いジャブ的にでもあれば良かったのにと思う。 | ||||
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「自殺自由法」というのは、非常に示唆に富んでいて、リアルに想像できる面白い着想である。 しかし、小説の中身がいかんせん幼稚で、読むのが若干苦痛であった。 着想が素晴らしいだけに余計にもったいない。 山田悠介氏の小説のような具合で、文学としての価値は低いといえるでしょう。 「自殺自由法と」という同じテーマで、いろいろな小説家に書かせてみたいです。 | ||||
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戸梶さんの作品はいつもかなり面白いのだが、今回の作品も同様で息つく暇もなくザァーっとよんじゃいました。 生と死の価値観、その観念がかなり自殺自由法というものによって人々の意識の中で表面化していく、確かに現実はある意味で誰も自殺を禁止なんてことはいっていない、そもそもそういった類のものでもないから、しかし逆に法的に認めてしまうとどうなるか。 これがまた面白い。 この場合生と死は等価値というよりも、奇異だった現実が実際的なものとなったときの、死への大衆の傾倒が見事に描かれている。 僕はこの現象を大衆化と呼んでいいと思う。現在の日本における大部分の出来事、物、価値観さえもがこの大衆化のなかにある。いわば、いい例えではないが流行。 リーズナブルな生命。そして、それを支える(民主主義的)秩序。 リアリティとはまさにこのこと、現実を無視しても表現は残るから。ならば受け入れることが向きあうこと。そんな風に感じました。 なんにせよ、良い作品でした。 ちなみに映画化したらおもしろいだろうなぁ〜なんて思います。 | ||||
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公共自殺幇助施設「自逝センター」を利用することで、いつでも好きなときに個人の自由で自殺をすることができる。「死ぬ自由」が保障された世の中になったとき、人はどのような行動をとるのか?社会はどう変わっていくのか?そして、人生の意味はどのように書き換えられるのか?本書はこうした問いに対し、小説という思考実験の場を用いてひとつの解を示しています。まさに「問題作」と呼んでよい一冊。 社会的弱者に対して執拗に「自逝」をすすめる自治体。「自逝」をビジネスに組み込んでいく会社。一族の体面のために息子に「自逝」を進める家族。「自逝センター」は常に人であふれ、順番待ちの列が延々と続く。個人の命の重さは極限まで薄められ、「自逝」の価値(=商品的価値)すら薄まっていく。「死んじゃえばいいじゃん」で全てを済ませることができる社会において、「人間の尊厳」や「命の尊さ」はただの飾り文句に成り下がり、安っぽい未来への希望など何も意味を成さなくなる。 本当に、もう、身も蓋もない内容になってます。そして、命の軽さを表すかのような、文体の異常なほどの軽さも印象的です。 本書は、現代の日本において、書かれるべくして書かれた本だと思います。今だからこそ、読むべき一冊。ぜひご一読を。 | ||||
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小説はあまり読まないけど、これは面白かった。 もし自由に自殺ができれば… 自殺すると決めると人はどうなるのか。 このシステムをどう「利用」するのか。 いくつかの人々のストーリーがオムニバスのように折り重なっていく前半がやはり読みごたえがあるかな。あまりにもドロドロとした人間の「本性」が結構リアルに書き綴られている。自分のバーチャルが見つかったり、自分の範疇にない人がみつかったり。。。 後半から最後は、、、、ただひたすら切ない。所詮人間なんて…という気分。 | ||||
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政府公認で自殺ができる世界で、人間心理の闇を探る問題作という紹介がされていますが、そんな大層な印象は感じられませんでした。どうしてそのような法律が執行されたのか、自殺センター(作中では自逝センター)ではどのような事が行われているのかには一切触れられず、登場人物達がそこへ向かうまでの経過を綴った群像劇として描かれています。 何の理由があるわけでもなく、あったとしてもそれには触れられずに大前提として満15歳以上の日本国民は自由に自殺できることを認める自殺自由法が制定された世界が提供されます。恐らく、作者の視点はそのような世界での人々の心情や行動におかれているのだと推測しますが、個人的にはその社会状況や施設のほうに興味が行ってしまいます。 問題作と構えて読むのではなく、娯楽小説として軽く読み飛ばすのが正しい読み方でしょう。間違っても生と死の問題に思いを至らせるなことはないと思いますが、もしそうなってしまったら読み方が間違っているのかもしれません。とはいえ、読み方は人それぞれなんですが。 | ||||
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2005年2月「自殺用の拳銃を入手しようとして交番へ侵入したニートが御用」という事件があった。彼がつけていたのブログ(宿命を超えて、自己を超えて)の最後には「警官の銃を奪って頭を撃ち抜く」「気が向いたらそのまま決行してしまおう」とあった。 彼の残されたブログを読んでいたら、この自殺自由法を「これはよい」と絶賛していたので、気になったので買ってしまった。実際に自殺を企てたひとがオススメしている自殺関連本なら間違いない、と思ったのである。2時間かけての読了後、交番に侵入した彼はこの本の登場人物になれるな 、と感じ彼が絶賛していたことを妙に納得してしまった。 自殺をめぐる様々な人たちのショートストーリ調な展開で進み、一人につき20Pぐらいで交代していく。次々に登場人物かわるので、テンポがよく飽きない。内容に気分が滅入らなければ一気に読めてしまう。登場人物、動機の多さから、大抵のひとは自分に重ね合わせられる話が2、3はあるんではなかろうかとおもった。テーマのわりにはコミカルに書かれており読みやすい。だからウツの中毒性も薄く気軽に手を出してよい自殺本だとおもう。 | ||||
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確かに矛盾したところや非現実的なところもあるが、自逝センターはなかなか良く考えられたアイデアで、安楽死などが認められた先にはあってもおかしくない施設である。この作者の他の作品はちょっとぶっ飛びすぎでついていけないところがあるが、この作品は適度に抑制が利いていて、最後にはいろいろ考えさせられる。著作を全部読んだわけではないがおそらく最高傑作ではないかと思う。是非一読あれ。 | ||||
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国が自殺を認めた。 自由法とはいうものの、自由どころか国はむしろ推奨している。描かれるのは自殺する側の人間の心情だけで、その法の細部や国が勧める理由などは意図的になのか、描かれない。リアリティが無いっちゃ無いが、そこが狂気じみていて洗脳的で不気味さを感じる。何も疑問を感じず(登場人物の幾人は感じるが結局死ぬ)自ら死ぬ。どんどん死ぬ。 これをシリアスにシリアスに描かなかったことで、何というか味が出ていると思う。読後の後味は悪いですよ。良い(?)意味で。 | ||||
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自殺を国が斡旋・幇助するようになった日本のお話。 まず、自殺自由法に関する細部と、その周辺の物事との関係にリアリティがないので、そのへんを突っ込みたくなる人にはお勧めしない。 また、人が死ぬ場面のグロいシーンも多い。 国が用意した自殺施設(ここで死ぬ事は「自逝」と呼ばれる」)には、長蛇の列ができる。 それだけ人々は自殺を簡単に選び、また、自逝が人生の選択肢として身近なものになる。 これが話の前提。 これを当たり前のこととして、自逝をめぐる人々を描いてはいるのだが、テーマがテーマだけに、もっとシリアスに書いたほうがおもしろかったのではないか、と思う。人物の心理もすごく単純化されているように思う。どうもノリで突っ走った感じの部分が目に付き、ただ「こんな事態になったら、こんなこと、ありそうだよな」ということだけで終わってしまっているような気がする。 どうして人々が自逝を選びがちになるのか、そこのところをしっかりと書いておく必要があったのではないか。そこが甘かったから、物語の中で死を選ばない人の存在に、強い違和感を残すことになったのだと思う。 | ||||
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物語は、「日本国民は満15歳以上になれば何人も自由意志によって、国が定めたところに施設に於いて適切な方法により自殺することを許される。但し、服役者、裁判継続中の者、判断能力のない者は除外される」という「自殺自由法」が施行された日本という設定で始まり、個人を取り巻く種々の状況から自殺を考える人々が、全国に設置された自殺を実施する公的施設「自逝センター」での自殺をめぐって物語は展開していきます。人が殺されまくるという展開的には、多少「バトル・ロワイヤル」に似ているものの、「バトルロワイヤル」で見られたような、殺し合う人間同士の心理描写が殆どなく、衝撃的かつインパクトのある展開ではあるものの、戸梶作品にしては物足りなさがありました。 | ||||
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ひさびさに最後まで破綻せずによく書ききったな、トカジ! ただぶっとんでるよりも、こういう現代の狂気をえぐりだす系のほうが個人的には好き。 「赤い雨」「未確認家族」が好きな人ならきっと気に入るはず。 | ||||
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ここ最近のヒット! 久々です。 ようやく新しいもの書くことにしたのねんって感じで、もういっきに読んでしまいました。 それはどうしてか? なんせ、どうしてどうして、早く知りたい、何が・・・?言えない。 どうしてしまったのか戸梶!!! おもしろいぞ!! ほんと。 | ||||
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