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珊瑚色ラプソディ



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珊瑚色ラプソディの評価: 3.17/5点 レビュー 6件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.17pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

謎だらけ

婚式を挙げるために帰国した里見は、婚約者の彩子が独身最後の旅行で訪れた沖縄で盲腸炎に掛かり入院したことを知らされる。沖縄へと向かった里見だが、彩子は自分の記憶が無いと言う。彩子の痕跡を辿る里見が知ったのは、彩子と共に旅行に来た女友達が行方不明ということ、さらに、彩子が男と一緒だったらしい…ということだった…。

この作品、とにかく全てが謎だらけで始まる。彩子が裏切ったのか? 友人は何処へいったのか? 証言の食い違いは何故か? 様々なところで感じる何とも言えないチグハグ感は何か? 読み進めば進むほど、作中の里見と同じように混乱して行くことになる。そのひきつけ方が実に巧い。

この作品の舞台こそ沖縄の孤島であるが、この作品の背景にある問題は日本各地で現在も起こっていること。発表から既に20年近い歳月が経っているが、この問題は解決されていない…どころか、さらに悪化しているかも知れない。陳腐な言い方ではあるけど、全く古臭さを感じないのだ。

この作品、かなり大掛かりなトリックを用いているのだが、リアリティを考えると、流石にちょっと「?」と思う部分はある。テーマである問題は深刻としても、果たしてそこまでやってしまうか、といわれればいささか疑問が残る。また、物理的にそこまで完璧にできることも有り得ないだろう。そこはちょっと気になった。

とは言え、作品としての完成度は高いと思う。
珊瑚色ラプソディ (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:珊瑚色ラプソディ (講談社文庫)より
4062635534
No.1:
(3pt)

なかなか重いテーマを含んだ作品

沖縄で失踪した婚約者の行方を追う主人公、その裏に隠された驚くべき真実。岡嶋二人の推理小説としては異色の部類に入る作品だと思います。氏の他作品で見られる巧妙な仕掛けは本作ではあまりありません。作者はストーリー全体にもっと大きな罠を仕掛けています。そういう小説ですので、ストーリーの仕掛けに関する解説は読者の興をそぐことになるので控えますが、いつもの岡嶋二人の作品のような爽快な読後感はありませんでした。かなり重厚なテーマをこの作品は含んでいるからです。前半の追跡行と関係者の証言はなかなかサスペンスフルで、作者はこの話を後半どう収集していくのか期待せずにはいられませんでした。真相がわかるとそうした証言の不可思議さもちゃんと説明がつきます、つきますがあまりに重い真相なので、してやられたという感じはありませんでした。私が岡嶋二人に期待するものとちょっと違った結末だったので、それはないよという・・・氏の作品の中では中ぐらいの出来だと私は思っていますが、社会派推理小説がお好きな方なら一読の価値がある推理小説だと思います。
珊瑚色ラプソディ (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:珊瑚色ラプソディ (講談社文庫)より
4062635534

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